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ぼくらの学校へようこそ!~サンルチ・リエージュ美術大学~
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Hello and Welcome! ピコン編集部のKBだよ♪
世界中のクリエイティブ学校を紹介するシリーズの第2弾!今日はベルギーまで旅して「Saint-Luc Liège School of Art(サンルチ・リエージュ美術大学)」の様子を見ながら、在校生2人の話を聞ける記事。
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サンルチ・リエージュ美術大学の正式名はÉcole Supérieure des Arts Saint-Luc Liège
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サンルチ・リエージュ美術大学の教室
サンルチ・リエージュ美術大学(愛称は「ESA Saint-Luc」)の歴史は130年以上にものぼり、美術、デザイン、修復の分野について、基礎から高度な知識まで学べるプログラムを提供している。ベルギーのワロン地域に位置するESAサンルチは「atelier(アトリエ)」という、実践重視・プロジェクト重視の教育法を採用している。ESAサンルチは国内外で積極的にコネクションを築いており、他学科の学生同士の関係、学生と講師との関係、他校との関係、コミュニティーと学校との関係といったコラボレーションを大事にしている。
ESAサンルチのプログラムはフランス語で行われており、イラストレーション、「Bande Dessinée(バンド・デシネ)」コミック、絵画、彫刻、広告、写真、インテリアデザイン、グラフィックやコミュニケーションのデザイン、工業デザイン、そして美術遺産の保全と修復などを教えている。
今回はバンド・デシネのプログラムを受講している学生、カヤノさんとズィリアさんが登場するよ!
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⇩KB: お2人とも、こんにちは!早速ですが、サンルチ・リエージュ美術大学について教えてくれませんか?
⇦カヤノ:サンルチ・リエージュは多芸多才な学校です。コミックや絵画、イラストレーション、木彫、美術品の修復・保全など様々な学科があります!
多くのプロフェショナルと一緒に、色々なテクニックを試せる場所でもあります。
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ESAサンルチでは様々な分野を勉強できます。例えば美術の分野で……
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デザインの分野で ……
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そして美術遺産修復の分野でも。
⇨ ズィリア:受けられるカリキュラムの種類も学生たちの個性も、サンルチ・リエージュは何から何まで本当に多彩な学校です。街の文化に積極的に関わるダイナミックな機関です。さらに、学生向けのサービスも豊富で展示や文化的イベントなども頻繁に開催しています。
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ESAサンルチで開催された学生作品の展示
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様々な人に自分の作品を見せることで上達が促される。
⇩KB: すばらしい!では、バンド・デシネのプログラムについて教えてくれますか。
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「バンド・デシネ」――つまりはコミックだが、これはベルギーの代表的な芸術的、または文化的伝統のひとつです。
⇨ ズィリア: 私たちのプログラムの一番の特徴はやはり、ゼロから完成まで、ひとつのコミックをつくり上げる方法を学ぶことです。授業の内容には、絵、ストーリー作り、構図やコマ組みの知識が含まれています。
⇦カヤノ: サンルチのこのプログラムが好きな最大の理由は、作業環境です。才能あふれる学生や先生と出会えて、新しい絵の技術を教わったり、新しいコミックやアートを教えてくれたり、思考をクリアにしてくれたりと、私が本当に手に入れたいスタイル に辿り着くための道筋を示してくれました。
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ゼロから完成まで、視覚的物語をつくり上げるに必要なスキルを全て学ぶ。
⇩KB: ESAサンルチの学生はどんな雰囲気ですか。
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授業に向かう学生たち
⇨ズィリア: 個々の学生には色々な個性があります。皆が違う背景、違うスタイル、違う趣味を持っています。
⇦カヤノ: 学生たちはとても素敵で柔軟な考え方を持っています。それぞれのインスピレーションが、それぞれのスタイルが、そして性格があります。フランコ=ベルギーコミックに夢中の友達もいれば、DCコミックや映画、英文学などが好きな友達もいます!また何か問題があれば、いつでも周りにアドバイスを仰げるし、皆それぞれの答えを持っているのでとてもインスパイアされます!
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ESAサンルチには色んな学生がいます。
⇩KB:先生はどうですか。
⇦カヤノ: 先生はとてもユニークです!だって、作品を見せれば私の絵や話をよくするための突拍子もないアイディアを必ず提案してくれます。先生たちが仕事に真摯に向き合っていて、楽しんでいるからこそ、私たち学生はコミックやBD、漫画などの話題を気軽に話しかけることができます。作品作りで私たちがやろうとしていることを難なく理解してくれます。私たちがやりたいことを間違っているとは絶対に言わないで、もっと上手くなるように、絵が上達するようにサポートしてくれるんです!先生たちの応援とアドバイスを一生感謝します。
⇨ズィリア: 学生同様、先生方も色とりどりです。過去もキャリアもスタイルも全員異なります。だけれど何よりも、先生たちは仕事熱心で力になってくれます。先生方は多様なものの見方を持っていて、互いの力を補い合ってます。
⇩KB:次の質問ですが、好きな授業と苦手な授業を教えてくれますか。
⇨ズィリア: 一番好きな授業は間違いなく自分のプロジェクトを進められるワークショップ(アトリエ)の授業です。苦手な授業はインフォグラフィックスの授業です。
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ESAサンルチ全プログラムにはアトリエのワークショップ授業があります。
⇦カヤノ: 一番好きな授業はもちろんBD(バンド・デシネ)の授業です。理由は、練習すればするほど自分の本当にやりたいことが分かってきて、人生を懸けられるほど面白いからです!ストーリー構成や背景やキャラデザインなど、色々なことを練習できます(特に背景が一番好きです)。BDの授業は一番多面的な授業だと思います。ときには難しいこともあるけれど、でもたとえ課題が終わらなくて眠れない時でも大好きです。実際のところ、人生で一番生きている感じがします!
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どこにいてもクリエイティブ学生は課題に多大な時間に費やすらしい!
⇦カヤノ: 苦手な授業に関しては、「ソーシャルサイエンス(社会科学)」の授業ですかね。面白い授業ですが、ただ椅子に座って話を聞いていると、家にいたらもっと絵を描けたのに!と考えてしまいます。でも、そんなにひどくはないです。
⇩KB:では、キャンパスについて教えてもらえますか?お気に入りの場所はありますか?
⇦カヤノ: 休憩時間に学校を動き回るのが好きなタイプではないので、教室で本を読むのが好きです。でも、食堂には美味しいパスタとコーヒーがありますのでそこには時々行きます。
⇨ズィリア: キャンパスで一番好きな場所は図書館とシルクプリントのワークショップです。図書館には面白い本やたくさんの資料があります。2年生の時はシルクプリントを習ってリソグラフ印刷を試してみる機会がありました。この技術を知れたことが、今までの勉強の中で大きなハイライトなのは間違いありません。
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ESAサンルチのプリンティングルームで談笑する学生
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ESAサンルチは様々なプリント技術を教えています。
⇩KB:ESAサンルチのある街、リエージュはどんな街ですか。
⇦カヤノ: リエージュは本当にいい街です!私は地方から来たので、初めて引っ越してきたときはまるで新しい世界のようでした。友達と遊びたければバーがあり(ベルギー人はバーが大好きです。)大きな本屋もたくさんあって、BDやコミック、漫画を専門としている小さい本屋もいくつかあります。そこに行き、新しい出版やフランス語、英語、スペイン語の文献を見るのが大好きです。通年営業している素敵なスケートリンクがあって、他にもボルダリングやジムなど、色々なスポーツができる場所があります!
学校から遠くない距離にたくさんの美術館もあって、ドローイングレッスンとしてクラスみんなで行くこともよくあります。あと、食べ物も結構おいしいですよ!
⇨ズィリア: キャンパスの外で一番好きな場所は都心部の近くにある「Sauvenière」という映画館です。また、美術館の隣の公園「Boverie park」も楽しいです。特に夏。
⇩KB:学生にとって素敵な環境ですね!ベルギーのクリエイティブについて教えてくれますか。
⇦カヤノ: ベルギーのアート分野は幅広いです。もちろんBDもそうですが、ヨーロッパなので歴史が豊かです。油絵、彫刻、歴史的美術品など様々なアートが展示してある美術館がたくさんあります。ベルギーのアートを全部挙げようとすると一日かかります。また、ベルギーはオランダ、ドイツ、フランスに近いので……パリやアムステルダム、バーリンに旅行に行こうと思えば、朝に電車で行って夕方には帰れるんです。
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ベルギーの文化とアートは昔から切り離せません。
⇨ズィリア: ベルギーにはとても活発でダイナミックなクリエイティブシーンがあります。多くのクリエイターマーケットがあっちこっちに点在していて、他のクリエイティブな人と会って交流する方法がたくさんあります。ベルギーの文化的活動は誇りだということが明確です。
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ESAサンルチ屋外イベント
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ESAサンルチのホールでのプレゼンテーション
⇩KB:日本のクリエイティブについてはどう思いますか。
⇨ズィリア: 日本はとても豊かなクリエイティブアーツの文化があると思います。それが歴史的な作品、現代の作品、そしてオルタナティブな作品に現れています。日本のクリエイティブシーンから発見することや学べることはたくさんあります。
⇦カヤノ: 私は日本のアーツに惚れています。実際のところ、私自身のスタイルの一番のインスピレーションでしょう。漫画もたくさん読みます。日本の音楽もたくさん聴くし、大好きです。映画も、絵画も、グラフィックデザインも。テレビのCMまでいくつか観たことがあります。日本の芸術はとてもユニークだと思います。私にとって全てが新しくて、知っているものと違うのでとてもワクワクします!
⇩KB:コミックスを勉強しようと思った理由は何ですか。
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学生作品が展示されています。
⇨ズィリア: 私は昔からアートを作るのも話を作るのも好きでした。だから、そのパッションを追求してキャリアにしようと考えました。私の作った話を伝える媒体として、コミックに一番興味がありました。
⇦カヤノ: 小さい頃は、「絵好きな子供」ではありませんでした。生活を送る中で、たくさんのアートや絵を描いて生計を立てようと決めた人をたくさん見たけれど、あまり理解できませんでした。でもある日、「浦沢直樹」というアーティストの漫画を読みました。「すごい、カッコいい!彼の作品をもっと見たい!」と思いました。それは私が初めて作品だけでなく、作者という存在も見えた時だったのかもしれません。その時、漫画はずっと私の人生の一部にあり続けると気づきました。そして、自分の人生をかけたいと思える関心分野が出来ました。それまでは特にパッションを何も持っていなかったけれど、今は元気がない時に励ましてくれることや、仕事終わりにしたいことができました。希望、あるいはそれ以上のものです。私も漫画を作ろうと決めた理由は、漫画が私に与えてくれたことを少しでも返せるのなら、それが世界一幸せなことだと思うからです!
⇩KB:コミックマニアの同志として、とても嬉しい言葉です!では、最後の質問です。将来の夢を教えてください!
⇦カヤノ: 漫画家になりたいです。世界で一番美しい仕事だと思います。
難しい旅になります。素晴らしい人にたくさん出会い、自分も上達していくでしょう。自分がどこまでいけるか見てみたいです!
⇨ズィリア: コミック作家とフリーランスのイラストレータになりたいです。
カヤノさん、ズィリアさん、インタビューに応じてくれて、学校についてお話を聞かせてくれてありがとうございます!お二人には、明るくて胸が躍る未来が待っているでしょう。いつかお二人が作ったコミックスを読む機会があること、心待ちにしています!!
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ESAサンルチのキャンパス
サンルチ・リエージュ美術大学は物理的にも歴史的にも、クリエイティブアーツを勉強するには打ってつけな立地ですね!ESAサンルチの多様な学生と教授陣は、新しいスキルと美術観点を学ぶことを後押ししているし、キャンパスそのものも想像力をそそってインスピレーションになる!
今日はベルギーの独特な文化のひとつ、バンド・デシネを勉強している学生二人の話を聞いたが。世界中の美術や芸術スタイル、創作方法に、世界中の誰もがアクセスできるこの時代。今後、様々なコミック文化がどのように混ざり合い、どのように若きアーティストたちに影響を与えて素晴らしい物語とアートを生み出すのか? 拝見するのがまあ、楽しみだ!^^
Special Thanks!ESAサンルチの記事・写真へのご協力に感謝です!
P.S. PicoN!読者の皆々さんへ、KBに紹介してほしい学校、国などあったら、アプリのPicoN!タウンにリクエストして頂戴な!☆
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