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手で作られた、完璧な錯覚ー吉田ユニ×キム・ヨンジュンが表現する“存在そのものの美”

日本トップクラスのアートディレクター・吉⽥ユニと、BTSやTWICEなどのアルバムジャケット撮影も手掛ける韓国のフォトグラファー キム・ヨンジュンによる初のコラボレーション写真展『KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION “Face to face”』が、2026年4⽉29⽇(⽔)〜5⽉28⽇(⽊)までの1ヶ⽉間、⿇布台ヒルズギャラリーにて開催される。 本写真展では、ドラマ、舞台で活躍する⽇韓のトップ俳優62名が参加し、キム・ヨンジュンのレンズと吉⽥ユニのディレクションのもと、それぞれの俳優が持つ内⾯と存在感をアートとして昇華させた作品が展⽰されている。⽇本からは、⻑澤まさみ、広瀬すず、⼩松菜奈、オダギリジョー、坂⼝健太郎 他(※順不同)、韓国からはイ・ビョンホン、ソン・ヘギョ、パク・ヒョンシク、チュ・ジフン、キム・ダミ 他(※順不同)、両国を代表する俳優たちが参加し、“今”のアジアを象徴する豪華な顔ぶれがそろっています。 《アーティスト情報》 ■キム・ヨンジュン KIM YEONG JUN フォトグラファー。大韓民国ソウル生まれ。31歳でエージェンシーにスカウトされキャリアを始めた。雑誌、広告、アルバムジャケット、映画、ドラマ、ポスターなど多様な分野で活動を続けている。Vogue、Harper's Bazaar、ELLE、Marie Claire、Dazed、Singles、W Korea、GQ、Esquire、Arena Homme+などの主要マガジンで撮影を担当。また、BTS、TWICE、Stray Kidsなどの様々なアーティストのアルバムジャケットやコンサートポスターの撮影も手がける。映画ポスターでは『アジョシ』、『神弓-KAMIYUMI-』、『王になった男』、『エクストリーム・ジョブ』、『ゾンビになってしまった私の娘』などがあり、ドラマポスターでは『涙の女王』、『テプン商事』、『暴君のシェフ』などを撮影した。Levi's、Montblanc、Calvin Klein、Adidas Originals、Reebok、Guessなどの広告ビジュアルでグローバルブランドとコラボレーションした。   ■吉田ユニ YUNI YOSHIDA アートディレクター、グラフィックデザイナー。東京生まれ。女子美術大学卒業後、大貫デザイン入社。宇宙カントリーを経て2007年に独立。広告、CDジャケット、装丁、映像など幅広い分野で活動中。主な仕事にWonjugyo 、エテュセなどのコスメブランドの広告、渡辺直美のドーム公演ビジュアル、『アンナチュラル』、『エルピス』、『しあわせな結婚』などのドラマのポスター、Vaundyや木村カエラ、アイナ・ジ・エンドのCDアートワーク、UNIQLO × DISNEYコラボレーション、韓国の舞台「マクベス」のキービジュアルデザイン等。国内外での個展も開催し、23年には、韓国・ソウル美術館で個展「Alchemy」を開催。過去作や新作「PLAYING CARDS」などを展⽰し10万⼈を動員。主な受賞に、東京ADC賞(2016)、毎⽇デザイン賞(2019)、MAMA ベストアートディレクター賞(2019)。2024 年韓国へオルム国⽴劇場での舞台「マクベス」のポスターがClio Awards で2部⾨ゴールドを受賞。 都市とつながる展示空間 会場となっている麻布台ヒルズ ギャラリーは、多様な文化や表現が交差する場として企画された展示施設である。 アクセスは、東京メトロ日比谷線「神谷町」駅から直結しており、駅の5番出口を利用することでスムーズに到着できる。実際に訪れてみると、駅と麻布台ヒルズが自然に接続された設計になっており、迷う事なく会場へ行く事ができる。 「花」をモチーフにした62名の俳優の世界観を表現 本展のテーマは「⼈間の最も本質的な美しさ」。 [caption id="attachment_28744" align="aligncenter" width="750"] (公式:内館画像)[/caption] 「花」をモチーフに、俳優⼀⼈ひとりの個性や存在感を引き出したビジュアル作品が合計124点展示されている。一枚一枚異なるディレクションがなされており、本展の為に撮りおろされた作品だ。 会場内には、ビジュアル作品の他、実際の撮影で使用した花を使用したフォトプロップスを、展示空間に合わせて、再現した立体作品が点在している。 撮影で使用しているフォトプロップスは、全て吉田ユニ氏ご本人が、一つずつ自らの手で制作されているそう。 撮影を疑似体験できるフォトブース ここでしか体験できないコンテンツとして、フォトスポットが用意されている。 フォトスポットの壁面裏に展示されているビジュアルの背景と同デザイン。 ぜひ展示の記念に撮影したいスポットだ。   制作の裏側を知る「メイキングエリア」 吉田ユニ氏の、俳優それぞれから受けるインスピレーションをデザインに落とし込み、実際の花で表現するという、類稀なる能力はいかにして生まれるのか。その片鱗をみることができるメイキングエリアが用意されている。 ここでは、撮影前のプレゼンテーションで実際に使用されたラフ画を、インスタレーションとして体験できる。将来、アートディレクター・デザイナーを志す方にとっては、普段目にする事のできない制作の裏側を見られる貴重な機会なので、ぜひ見てもらいたいコンテンツだ。 「⼈物と向き合う体験をして欲しい。」ーータイトルに込めた想い [caption id="attachment_28752" align="aligncenter" width="750"] ▲左から:吉⽥ユニ/キム・ヨンジュン[/caption] 韓国と⽇本、それぞれのクリエイティブシーンを牽引するお⼆⼈が、今回タッグを組むことになった経緯や、きっかけを教えてください。 キム氏:きっかけはシンプルで、ユニさんとは友達関係だったので、何か⼀緒にできたら良いねと以前から話していました。 「ポートレートの展⽰会をやろうと思っているんだけど、⼀緒にやらない︖」と提案しました。もともとユニさんの作品を知っていたので、展⽰会をきっかけにより親しくなりました。 吉⽥氏:⼀緒にやろうとずっと話していて、そういう提案をしてくださったことから、話が広がっていきました。2年前に韓国で個展をしたのがきっかけでヨンジュンさんとつながりました。 展⽰タイトル『Face to face』にはどのような想いが込められていますか。また制作過程において、お⼆⼈がまさに「向き合う(Face to face)」中で⽣まれたエピソードがあればお聞かせください。 吉⽥氏:タイトルはヨンジュンさんが考えてくださいました。 最初はお花と決まっていたわけではないのですが、少し進んだ段階で、お花をテーマにするのもいいかもねとなり、そこからすべてお花で、俳優さんに合ったイメージに仕上げました。私は作り込みに時間をかけることが多かったのですが、ヨンジュンさんは撮るのが早く、⼀瞬で撮ってくださいました。 キム氏:俳優さんたちのポートレートを携帯の画⾯で⾒ることが増えている中で、⼤きな作品として⾒てもらう機会をつくりたくて、今回のタイトルを「Face to face」にしました。 エピソードとしては、ユニさんは1つの作品に12時間ほどかけて作り上げていましたが、僕は15分ほどシャッターを切っただけです(笑)。 吉⽥さんの計算し尽くされたビジュアル構成と、キムさんの写真表現が融合する際、どのようなルールやこだわりを持って制作されたのでしょうか。互いのスタイルをどう活かし合ったのか伺いたいです。 吉⽥氏:ヨンジュンさんが私のアイデアを受け⼊れてくださったので、それに合う撮影⽅法を毎回考えてくださり、とても楽しかったです。ヨンジュンさんが考えてくださった撮影⽅法については、私も何も⾔わず任せて、信頼していました。 キム氏:最初に決めていたのは、ポートレート写真なので、⼈物がしっかり⾒えるライティングにすることです。それ以外は⾃由に進めました。 今回ユニさんと作業しながら驚いたのは、各⼈物に合った、その俳優が持つ魅⼒やオーラをさらに引き⽴てるアートワークを、毎回新しく⾒せてくださった点で、本当に感激しました。お互いの領域をリスペクトしながら、うまくプロジェクトを進められたと思います。 今回の展⽰は、⿇布台ヒルズギャラリーという特別な空間で開催されますが、空間構成において特にこだわった点や、来場者に「ここだけは⾒逃さないでほしい」という作品、または演出はありますか︖ 吉⽥氏:写真1枚1枚がしっかり⾒えるように全体としてはシンプルに⾒せながらも、空間の中に少しずつ撮影に使った要素を遊び⼼のように散りばめています。 キム氏:ポートレート写真展なので、まずは「⼈物がしっかり⾒えること」を最優先に考えました。 また、作品に使われた⼩道具なども空間内に配置していて、撮影の要素を感じられるようにしています。ちょっとした“シークレット的な要素”もあるので、そこも楽しんでほしいです。 実際に共同制作を⾏ってみて、相⼿のクリエイティビティに最も刺激を受けた部分や、⾃分⼀⼈では到達できなかったと感じる「新たな発⾒」は何でしたか︖ 吉⽥氏:私も普段の作品とは違って、フォトグラファーの視点が加わることで新しい世界が広がったと感じました。 特に、短い時間で俳優の⾃然な表情を引き出す⼒はすごく印象的で、その瞬間性が作品の魅⼒になっていると思います。 キム氏:今回のコラボレーションを通して、ポートレート撮影に対する視野やアプローチが⼤きく広がったと感じています。 これまでは「⾃分がうまく撮れればいい」と考えていた部分もありましたが、⼀緒に制作することで、⾃分では表現できない領域を補い合えることに気づきました。新しい表現の可能性や発⾒が連続する、とても刺激的な経験だったので、今回で終わらせるのではなく、今後も⼀緒に制作を続けていきたいと思っています。 この展⽰を楽しみにされているファンの皆様や、初めてお⼆⼈の作品に触れる⽅々へ、この空間を通じてどのような体験を持ち帰ってほしいか、メッセージをお願いします。 吉⽥氏:これだけ多くの俳優陣が⼀堂に会する展⽰はなかなかないと思うので、⼀つひとつの作品をそれぞれ丁寧に作り込んでいるのでじっくり⾒てほしいです。 キム氏:この展⽰では実際に⼤きなサイズで、⼈物と向き合う体験をしてほしいです。私がもっと頻繁に⽇本に来られるように、たくさんお越しいただけたら嬉しいです! *** 本展は、鑑賞にとどまらず、表現を志す人にとって多くの示唆を与えてくれる。どのように見せるか、どう表現するか、どこまで作り込むか。その問いに向き合うこと自体が、作品制作のヒントになるだろう。 『KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION “Face to face”』は5月28日(木)まで 《展覧会情報》 『KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION “Face to face”』 ⽇程:2026年4⽉29⽇(⽔・祝)〜 5⽉28⽇(⽊) ※会期中無休 時間:11:00-21:00 会場:⿇布台ヒルズギャラリー(〒105-0001 東京都港区⻁ノ⾨5-8-1 ⿇布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階) 料⾦:⼤⼈2,200円(税込)/⼤学⽣・専⾨学⽣1,500円(税込)/中⾼⽣800円(税込)/⼩学⽣以下無料/障害者⼿帳をお持ちの⽅1,500円(税込) 取材協力:株式会社TANK 取材/PicoN!編集部 市村 撮影/学生サークルSHATO 外山・八重樫   ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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【写真学校教師のひとりごと】vol.34 横幕雅大について

わたし菊池東太は写真家であると同時に、写真学校の教員でもあった。 そのわたしの目の前を通り過ぎていった若手写真家のタマゴやヒナたちをとりあげて、ここで紹介してみたい。その人たちはわたしの担当するゼミの所属であったり、別のゼミであったり、また学校も別の学校であったりとさまざまである。 これを読んでいる写真を学ぶ学生も作品制作に励んでいるだろうが、時代は違えど彼らの作品や制作に向かう姿が少しでも参考になれば幸いだ。 あるとき卒業生の篠田美穂から突然電話がかかってきた。 わたしのクラスの女子では初めて個展をやったヤツだ。 「ヨコマクがJRAのカメラマンやってるんだって!」横幕というのは久しぶりに聞く名前だった。 だがすぐに思い出すことができた。決して口数が多くはない、地味で比較的目立たない男だった。 だが不思議におぼえている。実直なヤツだ。 あの横幕がJRAのカメラマンか。 JRAというのは日本中央競馬会のことだ。 人の見ていないところで、こつこつとまじめに努力を積み重ねているようだ。 昔の記憶と記録をたどってみた。 卒業後の志望について、「馬が撮れたらなんでもいい」とあった。 よほど馬が好きなのだ、間違いなく。 志望通りの仕事だ。いいね。 JRAに写真撮影部門はない。JRA出入りの写真撮影をやる組織に所属しているのだ。 普通競馬というとギャンブルを連想するが、横幕はそっちの方面にはあまり興味がないようだ。 とにかく走っている馬がひたすらかっこよくて、この世界に入ったのだ。     同期にもう一人、わたしのクラスでは初の個展をやった小島昇がいる。 この男も以前このシリーズに登場したことがある。 この二人(篠田と小島)も横幕と一緒に会うことにした。同期会みたいなもんだ。 (左から、篠田美穂、横幕雄大、小島昇) 競馬場にはわたしはスタッフ・カメラマン時代に数回仕事で行っただけで、その後足を踏み入れたことがない。 さまざまな写真を見せられた。 数多くの写真の中の一枚、皐月賞での馬の疾走シーンがあった。 この世界では当たり前のことだが、時速60キロあまりで疾駆する馬の筋肉や体毛一本一本が克明に写っている。 シャッタースピードは1600分の1秒だったそうだ。 プロだから当たり前のことだけど、なかなかキッチリやっている。 連日、疾駆する馬の写真を撮った。 来る日も来る日も。 毎回やっているとそのうちにできるようになる。 当たり前のことかもしれないが。 するとそこに憧れた馬の美しい姿、躍動感が見えてくる。 これこそが横幕の求めていたものだろう。 かつては若さ特有の熱意で馬の美を求めて、写真を撮っていた。 そんな日々の積み重ねだった。 最近はそんな熱情もおさまり、割に平穏な日々のようだ。これも当たり前のことだ。 昔はほとんど酒を飲めなかった男だが、飲んで人と話をするようになってきた。 話すことの悦びにも目覚めたようでもある。 世界には、馬が走る素晴らしい写真がたくさんあるに違いない。 今までの努力を考えてみたら、もっと素晴らしいものを頭の中に作りだすことも、そんなに難しいことではないだろう。 やってみようよ。写真家としてはこれからだよ。 時速80キロのときの、その瞬間の馬の目は、筋肉の躍動感は? 最新の機材だからこそ、今までは不可能だったショットというのもあるんじゃないのかな? これからが本番だよ。 人生最後ににっこり笑えたらいい 菊池東太 1943年生まれ。出版社勤務の後、フリー。 著作 ヤタヘェ~ナバホインディアン保留地から(佼成出版社) ジェロニモ追跡(草思社) 大地とともに(小峰書店) パウワウ アメリカインディアンの世界(新潮社) 二千日回峰行(佼成出版社) ほか 個展 1981年 砂漠の人びと (ミノルタフォトスペース) 1987年 二千日回峰行 (そごうデパート) 1994年 木造モルタル二階建て (コニカプラザ) 1995年 アメリカンウエスト~ミシシッピの西 (コニカプラザ) 1997年 ヤタヘェ 北米最大の先住民、ナバホの20年 (コニカプラザ) 2004年 足尾 (ニコンサロン) 2004年 DESERTSCAPE (コニカミノルタ) 2006年 WATERSCAPE (コニカミノルタ) 2009年 白亜紀の海 (ニコンサロン) 2013年 DESERTSCAPE-2 (コニカミノルタ) 2013年 白亜紀の海2 (ニコンサロン) 2015年 日系アメリカ人強制収容所 (ニコンサロン) ほか ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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【展示レポ】種村有菜・30周年記念展が東京・池袋で開幕。誰もが憧れた少女たちの物語を生原画で巡る、あの頃のときめき。

ページをめくるたびに胸が高鳴った、あの頃。 そのきらめきは、時間が経っても消えることはなかった。 種村有菜・30周年記念展は、そんな記憶をそっと呼び起こす場所だ。生原画の一枚一枚に宿る線や色を追いながら、少女たちの物語を巡る体験は、ただの展示鑑賞にとどまらない。 種村有菜先生の画業30周年を記念した原画展は、東京・大阪・京都の3都市を巡る。「種村有菜 30周年記念展 きらめく少女たちの夢物語」東京会場が、4月17日(金)〜5月18日(月)の期間中、アニメイト池袋本店8階「Space Galleria」にて開催中。 [caption id="attachment_28678" align="aligncenter" width="530"] 種村有菜先生描きおろしビジュアル     ©種村有菜/集英社 ©種村有菜/白泉社[/caption]   漫画家・種村有菜先生は、1996年少女漫画雑誌「りぼん」でデビュー。1998年に連載開始の『神風怪盗ジャンヌ』は累計発行部数600万部を突破する大ヒットとなり、テレビアニメ化。その後も『満月をさがして』、『紳士同盟✞』(しんしどうめいくろす)、『桜姫華伝』など人気作品を多く送り出してきた。 繊細な画風と、少女たちの強さと儚さを描く物語で、多くの読者の心を掴んできた。 筆者もまた種村有菜先生の作品に魅了された1人。『神風怪盗ジャンヌ』で、主人公・まろんの寂しさと向き合いながらも気丈に振る舞う姿に憧れた。『時空異邦人KYOKO』のファンタジーな世界観に惹かれ、誕生から眠り続ける妹・憂の秘密と、主人公・響古に隠された真実に、胸を高鳴らせながらページをめくった。『満月をさがして』は、難病を抱える主人公・満月が寿命というタイムリミットが迫る中、歌手になれるのか、英知くんと再会する事は叶うのか、と期待をしつつ、こども向けとは思えないとても重い現実も描かれており、幼いながらにショックを受けたが、種村先生のその優しい描写でハッピーエンドを迎えたのを今でも覚えている。 東京会場は、アニメイト池袋本店にある〈Space Galleria〉 会場は、東京・池袋駅から徒歩5分、アニメイト池袋本店8階の〈Space Galleria(スペース ガレリア)〉。 アニメ、マンガ、小説、ゲーム、演劇、アーティスト等、あらゆるジャンルからセレクトした作品世界を表現する、展示会専門のスペース。 アニメイトの店内に入って左手のエレベーターを上がり、左手に進むと、ギャラリーの入り口に辿り着く。 きらめく装飾がありなっちワールドの入り口 本展のメインビジュアルがお出迎えしてくれる。 カーテンをくぐると目に飛び込んでくるウェルカムムービーが、一気にあの頃の記憶を呼び起こしてくれる。 映像内には、種村先生からの挨拶も。最後までじっくり見てから次のブースに行こう。もうここで来て良かったと思ってしまう。 生原画で辿る少女たちの物語 ウェルカムムービーの後は、種村先生の生原画が各作品ごとに展示されていた。   『神風怪盗ジャンヌ』『満月をさがして』『紳士同盟✞』『桜姫華伝』『猫と私の金曜日』と順路を進んでいく。   各作品の世界観を踏襲した空間装飾も見所。   繊細な線、トーン技術、ホワイト処理、美しい原画を間近で見る事ができる。 本誌やコミックスでは見る事のできない細かな印刷指示がそのままの状態で展示されている。 どんな事が書き込んであるかは、ぜひ足を運んで確認してほしい。   コスチュームエリア 『猫と私の金曜日』の先には、コスチュームエリアが広がる。 [caption id="attachment_28687" align="aligncenter" width="750"] 衣装制作:chioriya[/caption] 灰音、ジャンヌ、桜、タクト、めろこの衣装をリアルに再現している。 制作者のchioriyaさんによると、コスチュームの後ろにもスペースを確保しているので、360度ほぼゼロ距離で見られます。との事。細部へのこだわりをぜひ会場でご覧いただきたい。   圧巻のカラー原稿が一堂に会する 今ではデジタル着彩が一般的だが、ここに飾られているのは、コピックなどの画材を使用したアナログ着彩のカラー原稿。種村先生の緻密な着彩を目に焼き付けて欲しい。 筆者が特に注目したのは、種村先生が高校生時代に描いた『時空異邦人KYOKO』のカラー原稿。隣には、連載時に作成された同じ構図の『時空異邦人KYOKO』のカラー原稿が並んでいる。 高校時代に描いた一つの物語を原点に、技術を磨き続け、プロの漫画家として連載作品へと昇華させた点に大きな価値がある。高校生時代の発想や情熱を一過性のものにせず、時間をかけて育て上げ、より多くの読者に届ける作品へと進化させたその歩みは、創作に対する強い信念と継続力の証と言えるだろう。 あなたの家にもまだあるかもしれない、あの懐かしの付録が勢ぞろい カラー原稿を見た後は、これまでの種村先生の執筆された作品を年代とともに振り返る年表とともに、「りぼん」に毎号ついてきた種村先生作品の付録や、応募者全員サービスのアイテムが展示されていた。 りぼんっこであれば、一度は申し込んだであろう「応募者全員サービス」 応募した方全員にアイテムがプレゼントされるサービスで、応募券とともに未使用の切手を指定金額分同封して申込む。 他誌が定額小為替という小学生としては、購入方法が分からないものを同封する指定だったのに比べ、切手を購入するという小学生でも分かりやすいアイテムで申し込みができた為、母に切手をねだって応募したのをとても覚えている。 ステーショナリーセットは、届けばすぐに学校に持ち込み、友達に自慢した。 持っていなかったバッグを友達が持ってきた時には、羨ましく思った。 付録を見ていると、小学生の時の記憶が鮮明に思い出された。 種村先生描きおろしの各作品のキャラクターたちのフォトスポット 最後のエリアはフォトスポット。 種村先生が描きおろした各作品のキャラクターたちの等身パネルが迎えてくれる。 満月とフルムーンの身長差に心躍る。 こちらもファンにはたまらない距離まで近づいて撮影する事ができる。 本当にファン想いの展示だった。   最後は、物販ブース。ファンにとってはたまらない複製原稿や、物語に登場するキャラクターのぬいぐるみや、アクリルスタンド、ふろく風便箋などお金がいくらあっても足りないラインナップが陳列されていた。 [caption id="attachment_28694" align="aligncenter" width="600"] ©種村有菜/集英社©種村有菜/白泉社[/caption] [caption id="attachment_28693" align="aligncenter" width="600"] ©種村有菜/集英社©種村有菜/白泉社[/caption]   その中でも筆者がときめいたのは、キャラクターのアイテムをモチーフにしたチャーム! [caption id="attachment_28695" align="aligncenter" width="600"] ©種村有菜/集英社©種村有菜/白泉社[/caption] 杖ちょんがなんとグッズに!怪盗シンドバッドの剣も、逆滝のクリスタルソードも、桜の血桜もどれも物語から出てきたような造りにまじまじと見惚れてしまう。 ジャンヌのロザリオは新旧どちらにしようか迷ってしまう、、、。 本展開催を記念したトークショーや、コラボカフェも展開されている。   少女から、大人になり、そして、母になり、ときめきには、そっと蓋を閉じてきた。 きらめく少女たちの世界があなたを優しくあの頃に連れて行ってくれるだろう。 『種村有菜 30周年記念展 きらめく少女たちの夢物語』東京会場は5月18日(月)まで 《展覧会情報》 『種村有菜 30周年記念展 きらめく少女たちの夢物語』 【開催期間】2026年4月17日(金)~2026年5月18日(月) 【開催時間】10:00~21:00 【開催場所】Space Galleria 〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-20-7 アニメイト池袋本店8F ※最終入場は閉場の30分前まで ※最終日5月18日(月)は17:00閉場(16:30最終入場) 【チケット】前売券:2,000円(税込)・当日券:2,200円(税込) 【大阪会場】 【開催期間】2026年6月19日(金)~2026年7月20日(月・祝) 【開催時間】月~金 11:00~20:00 土・日・祝 10:00~20:00 【開催場所】Space Gratus 〒556-0005 大阪府大阪市浪速区日本橋4-15-17 アニメイト大阪日本橋別館3F ※最終入場は閉場の30分前まで ※最終日7月20日(月・祝)は17:00閉場(16:30最終入場) 【チケット】前売券:2,000円(税込)・当日券:2,200円(税込) 取材協力:株式会社ムービック 取材/PicoN!編集部 市村 撮影/学生サークルSHATO 宮田   ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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手で作られた、完璧な錯覚ー吉田ユニ×キム・ヨンジュンが表現する“存在そのものの美”

日本トップクラスのアートディレクター・吉⽥ユニと、BTSやTWICEなどのアルバムジャケット撮影も手掛ける韓国のフォトグラファー キム・ヨンジュンによる初のコラボレーション写真展『KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION “Face to face”』が、2026年4⽉29⽇(⽔)〜5⽉28⽇(⽊)までの1ヶ⽉間、⿇布台ヒルズギャラリーにて開催される。 本写真展では、ドラマ、舞台で活躍する⽇韓のトップ俳優62名が参加し、キム・ヨンジュンのレンズと吉⽥ユニのディレクションのもと、それぞれの俳優が持つ内⾯と存在感をアートとして昇華させた作品が展⽰されている。⽇本からは、⻑澤まさみ、広瀬すず、⼩松菜奈、オダギリジョー、坂⼝健太郎 他(※順不同)、韓国からはイ・ビョンホン、ソン・ヘギョ、パク・ヒョンシク、チュ・ジフン、キム・ダミ 他(※順不同)、両国を代表する俳優たちが参加し、“今”のアジアを象徴する豪華な顔ぶれがそろっています。 《アーティスト情報》 ■キム・ヨンジュン KIM YEONG JUN フォトグラファー。大韓民国ソウル生まれ。31歳でエージェンシーにスカウトされキャリアを始めた。雑誌、広告、アルバムジャケット、映画、ドラマ、ポスターなど多様な分野で活動を続けている。Vogue、Harper's Bazaar、ELLE、Marie Claire、Dazed、Singles、W Korea、GQ、Esquire、Arena Homme+などの主要マガジンで撮影を担当。また、BTS、TWICE、Stray Kidsなどの様々なアーティストのアルバムジャケットやコンサートポスターの撮影も手がける。映画ポスターでは『アジョシ』、『神弓-KAMIYUMI-』、『王になった男』、『エクストリーム・ジョブ』、『ゾンビになってしまった私の娘』などがあり、ドラマポスターでは『涙の女王』、『テプン商事』、『暴君のシェフ』などを撮影した。Levi's、Montblanc、Calvin Klein、Adidas Originals、Reebok、Guessなどの広告ビジュアルでグローバルブランドとコラボレーションした。   ■吉田ユニ YUNI YOSHIDA アートディレクター、グラフィックデザイナー。東京生まれ。女子美術大学卒業後、大貫デザイン入社。宇宙カントリーを経て2007年に独立。広告、CDジャケット、装丁、映像など幅広い分野で活動中。主な仕事にWonjugyo 、エテュセなどのコスメブランドの広告、渡辺直美のドーム公演ビジュアル、『アンナチュラル』、『エルピス』、『しあわせな結婚』などのドラマのポスター、Vaundyや木村カエラ、アイナ・ジ・エンドのCDアートワーク、UNIQLO × DISNEYコラボレーション、韓国の舞台「マクベス」のキービジュアルデザイン等。国内外での個展も開催し、23年には、韓国・ソウル美術館で個展「Alchemy」を開催。過去作や新作「PLAYING CARDS」などを展⽰し10万⼈を動員。主な受賞に、東京ADC賞(2016)、毎⽇デザイン賞(2019)、MAMA ベストアートディレクター賞(2019)。2024 年韓国へオルム国⽴劇場での舞台「マクベス」のポスターがClio Awards で2部⾨ゴールドを受賞。 都市とつながる展示空間 会場となっている麻布台ヒルズ ギャラリーは、多様な文化や表現が交差する場として企画された展示施設である。 アクセスは、東京メトロ日比谷線「神谷町」駅から直結しており、駅の5番出口を利用することでスムーズに到着できる。実際に訪れてみると、駅と麻布台ヒルズが自然に接続された設計になっており、迷う事なく会場へ行く事ができる。 「花」をモチーフにした62名の俳優の世界観を表現 本展のテーマは「⼈間の最も本質的な美しさ」。 [caption id="attachment_28744" align="aligncenter" width="750"] (公式:内館画像)[/caption] 「花」をモチーフに、俳優⼀⼈ひとりの個性や存在感を引き出したビジュアル作品が合計124点展示されている。一枚一枚異なるディレクションがなされており、本展の為に撮りおろされた作品だ。 会場内には、ビジュアル作品の他、実際の撮影で使用した花を使用したフォトプロップスを、展示空間に合わせて、再現した立体作品が点在している。 撮影で使用しているフォトプロップスは、全て吉田ユニ氏ご本人が、一つずつ自らの手で制作されているそう。 撮影を疑似体験できるフォトブース ここでしか体験できないコンテンツとして、フォトスポットが用意されている。 フォトスポットの壁面裏に展示されているビジュアルの背景と同デザイン。 ぜひ展示の記念に撮影したいスポットだ。   制作の裏側を知る「メイキングエリア」 吉田ユニ氏の、俳優それぞれから受けるインスピレーションをデザインに落とし込み、実際の花で表現するという、類稀なる能力はいかにして生まれるのか。その片鱗をみることができるメイキングエリアが用意されている。 ここでは、撮影前のプレゼンテーションで実際に使用されたラフ画を、インスタレーションとして体験できる。将来、アートディレクター・デザイナーを志す方にとっては、普段目にする事のできない制作の裏側を見られる貴重な機会なので、ぜひ見てもらいたいコンテンツだ。 「⼈物と向き合う体験をして欲しい。」ーータイトルに込めた想い [caption id="attachment_28752" align="aligncenter" width="750"] ▲左から:吉⽥ユニ/キム・ヨンジュン[/caption] 韓国と⽇本、それぞれのクリエイティブシーンを牽引するお⼆⼈が、今回タッグを組むことになった経緯や、きっかけを教えてください。 キム氏:きっかけはシンプルで、ユニさんとは友達関係だったので、何か⼀緒にできたら良いねと以前から話していました。 「ポートレートの展⽰会をやろうと思っているんだけど、⼀緒にやらない︖」と提案しました。もともとユニさんの作品を知っていたので、展⽰会をきっかけにより親しくなりました。 吉⽥氏:⼀緒にやろうとずっと話していて、そういう提案をしてくださったことから、話が広がっていきました。2年前に韓国で個展をしたのがきっかけでヨンジュンさんとつながりました。 展⽰タイトル『Face to face』にはどのような想いが込められていますか。また制作過程において、お⼆⼈がまさに「向き合う(Face to face)」中で⽣まれたエピソードがあればお聞かせください。 吉⽥氏:タイトルはヨンジュンさんが考えてくださいました。 最初はお花と決まっていたわけではないのですが、少し進んだ段階で、お花をテーマにするのもいいかもねとなり、そこからすべてお花で、俳優さんに合ったイメージに仕上げました。私は作り込みに時間をかけることが多かったのですが、ヨンジュンさんは撮るのが早く、⼀瞬で撮ってくださいました。 キム氏:俳優さんたちのポートレートを携帯の画⾯で⾒ることが増えている中で、⼤きな作品として⾒てもらう機会をつくりたくて、今回のタイトルを「Face to face」にしました。 エピソードとしては、ユニさんは1つの作品に12時間ほどかけて作り上げていましたが、僕は15分ほどシャッターを切っただけです(笑)。 吉⽥さんの計算し尽くされたビジュアル構成と、キムさんの写真表現が融合する際、どのようなルールやこだわりを持って制作されたのでしょうか。互いのスタイルをどう活かし合ったのか伺いたいです。 吉⽥氏:ヨンジュンさんが私のアイデアを受け⼊れてくださったので、それに合う撮影⽅法を毎回考えてくださり、とても楽しかったです。ヨンジュンさんが考えてくださった撮影⽅法については、私も何も⾔わず任せて、信頼していました。 キム氏:最初に決めていたのは、ポートレート写真なので、⼈物がしっかり⾒えるライティングにすることです。それ以外は⾃由に進めました。 今回ユニさんと作業しながら驚いたのは、各⼈物に合った、その俳優が持つ魅⼒やオーラをさらに引き⽴てるアートワークを、毎回新しく⾒せてくださった点で、本当に感激しました。お互いの領域をリスペクトしながら、うまくプロジェクトを進められたと思います。 今回の展⽰は、⿇布台ヒルズギャラリーという特別な空間で開催されますが、空間構成において特にこだわった点や、来場者に「ここだけは⾒逃さないでほしい」という作品、または演出はありますか︖ 吉⽥氏:写真1枚1枚がしっかり⾒えるように全体としてはシンプルに⾒せながらも、空間の中に少しずつ撮影に使った要素を遊び⼼のように散りばめています。 キム氏:ポートレート写真展なので、まずは「⼈物がしっかり⾒えること」を最優先に考えました。 また、作品に使われた⼩道具なども空間内に配置していて、撮影の要素を感じられるようにしています。ちょっとした“シークレット的な要素”もあるので、そこも楽しんでほしいです。 実際に共同制作を⾏ってみて、相⼿のクリエイティビティに最も刺激を受けた部分や、⾃分⼀⼈では到達できなかったと感じる「新たな発⾒」は何でしたか︖ 吉⽥氏:私も普段の作品とは違って、フォトグラファーの視点が加わることで新しい世界が広がったと感じました。 特に、短い時間で俳優の⾃然な表情を引き出す⼒はすごく印象的で、その瞬間性が作品の魅⼒になっていると思います。 キム氏:今回のコラボレーションを通して、ポートレート撮影に対する視野やアプローチが⼤きく広がったと感じています。 これまでは「⾃分がうまく撮れればいい」と考えていた部分もありましたが、⼀緒に制作することで、⾃分では表現できない領域を補い合えることに気づきました。新しい表現の可能性や発⾒が連続する、とても刺激的な経験だったので、今回で終わらせるのではなく、今後も⼀緒に制作を続けていきたいと思っています。 この展⽰を楽しみにされているファンの皆様や、初めてお⼆⼈の作品に触れる⽅々へ、この空間を通じてどのような体験を持ち帰ってほしいか、メッセージをお願いします。 吉⽥氏:これだけ多くの俳優陣が⼀堂に会する展⽰はなかなかないと思うので、⼀つひとつの作品をそれぞれ丁寧に作り込んでいるのでじっくり⾒てほしいです。 キム氏:この展⽰では実際に⼤きなサイズで、⼈物と向き合う体験をしてほしいです。私がもっと頻繁に⽇本に来られるように、たくさんお越しいただけたら嬉しいです! *** 本展は、鑑賞にとどまらず、表現を志す人にとって多くの示唆を与えてくれる。どのように見せるか、どう表現するか、どこまで作り込むか。その問いに向き合うこと自体が、作品制作のヒントになるだろう。 『KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION “Face to face”』は5月28日(木)まで 《展覧会情報》 『KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION “Face to face”』 ⽇程:2026年4⽉29⽇(⽔・祝)〜 5⽉28⽇(⽊) ※会期中無休 時間:11:00-21:00 会場:⿇布台ヒルズギャラリー(〒105-0001 東京都港区⻁ノ⾨5-8-1 ⿇布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階) 料⾦:⼤⼈2,200円(税込)/⼤学⽣・専⾨学⽣1,500円(税込)/中⾼⽣800円(税込)/⼩学⽣以下無料/障害者⼿帳をお持ちの⽅1,500円(税込) 取材協力:株式会社TANK 取材/PicoN!編集部 市村 撮影/学生サークルSHATO 外山・八重樫   ↓PicoN!アプリインストールはこちら

デザイン

【展示レポ】種村有菜・30周年記念展が東京・池袋で開幕。誰もが憧れた少女たちの物語を生原画で巡る、あの頃のときめき。

ページをめくるたびに胸が高鳴った、あの頃。 そのきらめきは、時間が経っても消えることはなかった。 種村有菜・30周年記念展は、そんな記憶をそっと呼び起こす場所だ。生原画の一枚一枚に宿る線や色を追いながら、少女たちの物語を巡る体験は、ただの展示鑑賞にとどまらない。 種村有菜先生の画業30周年を記念した原画展は、東京・大阪・京都の3都市を巡る。「種村有菜 30周年記念展 きらめく少女たちの夢物語」東京会場が、4月17日(金)〜5月18日(月)の期間中、アニメイト池袋本店8階「Space Galleria」にて開催中。 [caption id="attachment_28678" align="aligncenter" width="530"] 種村有菜先生描きおろしビジュアル     ©種村有菜/集英社 ©種村有菜/白泉社[/caption]   漫画家・種村有菜先生は、1996年少女漫画雑誌「りぼん」でデビュー。1998年に連載開始の『神風怪盗ジャンヌ』は累計発行部数600万部を突破する大ヒットとなり、テレビアニメ化。その後も『満月をさがして』、『紳士同盟✞』(しんしどうめいくろす)、『桜姫華伝』など人気作品を多く送り出してきた。 繊細な画風と、少女たちの強さと儚さを描く物語で、多くの読者の心を掴んできた。 筆者もまた種村有菜先生の作品に魅了された1人。『神風怪盗ジャンヌ』で、主人公・まろんの寂しさと向き合いながらも気丈に振る舞う姿に憧れた。『時空異邦人KYOKO』のファンタジーな世界観に惹かれ、誕生から眠り続ける妹・憂の秘密と、主人公・響古に隠された真実に、胸を高鳴らせながらページをめくった。『満月をさがして』は、難病を抱える主人公・満月が寿命というタイムリミットが迫る中、歌手になれるのか、英知くんと再会する事は叶うのか、と期待をしつつ、こども向けとは思えないとても重い現実も描かれており、幼いながらにショックを受けたが、種村先生のその優しい描写でハッピーエンドを迎えたのを今でも覚えている。 東京会場は、アニメイト池袋本店にある〈Space Galleria〉 会場は、東京・池袋駅から徒歩5分、アニメイト池袋本店8階の〈Space Galleria(スペース ガレリア)〉。 アニメ、マンガ、小説、ゲーム、演劇、アーティスト等、あらゆるジャンルからセレクトした作品世界を表現する、展示会専門のスペース。 アニメイトの店内に入って左手のエレベーターを上がり、左手に進むと、ギャラリーの入り口に辿り着く。 きらめく装飾がありなっちワールドの入り口 本展のメインビジュアルがお出迎えしてくれる。 カーテンをくぐると目に飛び込んでくるウェルカムムービーが、一気にあの頃の記憶を呼び起こしてくれる。 映像内には、種村先生からの挨拶も。最後までじっくり見てから次のブースに行こう。もうここで来て良かったと思ってしまう。 生原画で辿る少女たちの物語 ウェルカムムービーの後は、種村先生の生原画が各作品ごとに展示されていた。   『神風怪盗ジャンヌ』『満月をさがして』『紳士同盟✞』『桜姫華伝』『猫と私の金曜日』と順路を進んでいく。   各作品の世界観を踏襲した空間装飾も見所。   繊細な線、トーン技術、ホワイト処理、美しい原画を間近で見る事ができる。 本誌やコミックスでは見る事のできない細かな印刷指示がそのままの状態で展示されている。 どんな事が書き込んであるかは、ぜひ足を運んで確認してほしい。   コスチュームエリア 『猫と私の金曜日』の先には、コスチュームエリアが広がる。 [caption id="attachment_28687" align="aligncenter" width="750"] 衣装制作:chioriya[/caption] 灰音、ジャンヌ、桜、タクト、めろこの衣装をリアルに再現している。 制作者のchioriyaさんによると、コスチュームの後ろにもスペースを確保しているので、360度ほぼゼロ距離で見られます。との事。細部へのこだわりをぜひ会場でご覧いただきたい。   圧巻のカラー原稿が一堂に会する 今ではデジタル着彩が一般的だが、ここに飾られているのは、コピックなどの画材を使用したアナログ着彩のカラー原稿。種村先生の緻密な着彩を目に焼き付けて欲しい。 筆者が特に注目したのは、種村先生が高校生時代に描いた『時空異邦人KYOKO』のカラー原稿。隣には、連載時に作成された同じ構図の『時空異邦人KYOKO』のカラー原稿が並んでいる。 高校時代に描いた一つの物語を原点に、技術を磨き続け、プロの漫画家として連載作品へと昇華させた点に大きな価値がある。高校生時代の発想や情熱を一過性のものにせず、時間をかけて育て上げ、より多くの読者に届ける作品へと進化させたその歩みは、創作に対する強い信念と継続力の証と言えるだろう。 あなたの家にもまだあるかもしれない、あの懐かしの付録が勢ぞろい カラー原稿を見た後は、これまでの種村先生の執筆された作品を年代とともに振り返る年表とともに、「りぼん」に毎号ついてきた種村先生作品の付録や、応募者全員サービスのアイテムが展示されていた。 りぼんっこであれば、一度は申し込んだであろう「応募者全員サービス」 応募した方全員にアイテムがプレゼントされるサービスで、応募券とともに未使用の切手を指定金額分同封して申込む。 他誌が定額小為替という小学生としては、購入方法が分からないものを同封する指定だったのに比べ、切手を購入するという小学生でも分かりやすいアイテムで申し込みができた為、母に切手をねだって応募したのをとても覚えている。 ステーショナリーセットは、届けばすぐに学校に持ち込み、友達に自慢した。 持っていなかったバッグを友達が持ってきた時には、羨ましく思った。 付録を見ていると、小学生の時の記憶が鮮明に思い出された。 種村先生描きおろしの各作品のキャラクターたちのフォトスポット 最後のエリアはフォトスポット。 種村先生が描きおろした各作品のキャラクターたちの等身パネルが迎えてくれる。 満月とフルムーンの身長差に心躍る。 こちらもファンにはたまらない距離まで近づいて撮影する事ができる。 本当にファン想いの展示だった。   最後は、物販ブース。ファンにとってはたまらない複製原稿や、物語に登場するキャラクターのぬいぐるみや、アクリルスタンド、ふろく風便箋などお金がいくらあっても足りないラインナップが陳列されていた。 [caption id="attachment_28694" align="aligncenter" width="600"] ©種村有菜/集英社©種村有菜/白泉社[/caption] [caption id="attachment_28693" align="aligncenter" width="600"] ©種村有菜/集英社©種村有菜/白泉社[/caption]   その中でも筆者がときめいたのは、キャラクターのアイテムをモチーフにしたチャーム! [caption id="attachment_28695" align="aligncenter" width="600"] ©種村有菜/集英社©種村有菜/白泉社[/caption] 杖ちょんがなんとグッズに!怪盗シンドバッドの剣も、逆滝のクリスタルソードも、桜の血桜もどれも物語から出てきたような造りにまじまじと見惚れてしまう。 ジャンヌのロザリオは新旧どちらにしようか迷ってしまう、、、。 本展開催を記念したトークショーや、コラボカフェも展開されている。   少女から、大人になり、そして、母になり、ときめきには、そっと蓋を閉じてきた。 きらめく少女たちの世界があなたを優しくあの頃に連れて行ってくれるだろう。 『種村有菜 30周年記念展 きらめく少女たちの夢物語』東京会場は5月18日(月)まで 《展覧会情報》 『種村有菜 30周年記念展 きらめく少女たちの夢物語』 【開催期間】2026年4月17日(金)~2026年5月18日(月) 【開催時間】10:00~21:00 【開催場所】Space Galleria 〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-20-7 アニメイト池袋本店8F ※最終入場は閉場の30分前まで ※最終日5月18日(月)は17:00閉場(16:30最終入場) 【チケット】前売券:2,000円(税込)・当日券:2,200円(税込) 【大阪会場】 【開催期間】2026年6月19日(金)~2026年7月20日(月・祝) 【開催時間】月~金 11:00~20:00 土・日・祝 10:00~20:00 【開催場所】Space Gratus 〒556-0005 大阪府大阪市浪速区日本橋4-15-17 アニメイト大阪日本橋別館3F ※最終入場は閉場の30分前まで ※最終日7月20日(月・祝)は17:00閉場(16:30最終入場) 【チケット】前売券:2,000円(税込)・当日券:2,200円(税込) 取材協力:株式会社ムービック 取材/PicoN!編集部 市村 撮影/学生サークルSHATO 宮田   ↓PicoN!アプリインストールはこちら

マンガ

挑戦と羞恥の先に、世界があった。 ——ブランド広告を撮るフォトグラファーの原点

「日本で写真を学びたい」「世界で活躍したい」——そんな夢を抱く人へ。留学生として日本で写真を学び、多くの挑戦と立ちはだかる壁を乗り越えて歩み続けてきた1人のフォトグラファー・陳明剣さん。 いまではNIKEをはじめとするブランドのメインビジュアルを手がけています。 学生時代の葛藤や努力、そして背中を押した恩師の言葉とともに、その原点をたどります。 挑戦を重ねて築いたキャリアと、現在のフィールド ー簡単に経歴を教えてください 母国の中国の大学では、グラフィックデザインを専攻していました。大学で写真を撮り始め、大学卒業後、2016年に来日しました。JCLI日本語学校(現:早稲田EDU日本語学校 王子校)で日本語を学び、2018年から2020年まで日本写真芸術専門学校に通っていました。 卒業後は、母国である中国に帰国して、カメラマンとして働き始めました。 2022年に自分のスタジオを立ち上げて、今は中国で広告写真などの商業写真を撮影しています。 ー現在の仕事内容について教えてください コマーシャルフォトグラファーをしています。 主に、広告のメインビジュアル(KV)や芸能人のイメージビジュアル、ブランドのlookbook、それから雑誌などの撮影をしています。 ー世界の現場で感じる、写真の醍醐味は? 街を歩いている時やショッピングモールを訪れた時に、ふと自分が手がけた作品を見かける瞬間があります。そのたびにとても嬉しい気持ちになりますし、多くの人が行き交う場所で、自分の撮影したビジュアルが実際に使われているのを見ると、大きな達成感と、この仕事を続けてきて良かったという実感が湧いてきます。     挑戦の現場で培った、プロとしての視点 ークライアントワークで意識していることがあれば教えてください 仕事をする上では、誠実さが一番大切だと思っています。 商業カメラマンなので、お金を稼ぐことも大事ですが、それ以上に、クライアント一人ひとりに100%の真心で向き合いたいと考えています。おかげさまで、「いつ連絡しても回答が早いし、すぐに問題を解決してくれてとても助かる。」とお褒めの言葉をいただく機会が多いです。 ー写真のお仕事に携わっているからこそ得られたスキルや技術があれば教えてください 写真という仕事を通じて、私は完全に計画を重んじる「J人」タイプになりました。 「J人(J型人格)」とは、MBTI性格診断において「Judging(判断)」タイプを指し、計画性、組織力、結果志向を重視する人々のことです。突発的な変化よりも整理された状況を好み、期限を守ることを大切にする傾向があります。 物事を前もって計画する習慣がつき、プライベートの旅行でも詳細なスケジュールを作成し、1日の流れをしっかり管理するようになりました。   ー仕事で大変だったと感じたことはありますか? ロケーション撮影では、天候に左右される事が多く、なかなか計画通りに撮影が進まない事が多く発生しますね。 一見華やかに見える撮影の現場ですが、体力的にも精神的にもハードな面があります。 体力面で言うと、標高5,000メートルの雪山で高山病と戦いながら雨に打たれてシャッターを切ったり、45度の夏日に熱中症で倒れそうになりながらカメラを回したり。忙しい時は、1日の睡眠が3時間なんてこともよくあります。 精神面では、クリエイティブな仕事だからこその葛藤があります。[自分の写真最高!]→[満足]→[壁にぶつかる]→ [自分への疑い]→[どん底]→ [変化と成長]→[再び、自己肯定]というサイクルを、だいたい1年周期で繰り返しながら進んでいます。 恩師との出会いが導いた、フォトグラファーへの道 ー日本で写真を学ぼうと思った理由を教えてください 日本の美学に惹かれて、日本を選びました。 大学時代にグラフィックデザインを専攻していた為、多くの日本のデザインに触れる中で、日本独特の美意識に強く惹かれていきました。中でも影響を受けたのが、グラフィックデザイナーの原研哉氏の思想でした。 愛読書の一つが、『Designing Design(デザインのデザイン)』です。同書は、デザインを単なる見た目の美しさではなく、「物事の見方そのものを設計する行為」として捉え直した一冊で、日本の美意識や“余白”の考え方などにも触れながら、日常の中に新しい価値を見出す視点の大切さを説いています。   ー進学先をNPIに決めた理由を教えてください 留学生向けの進学相談会でNPIの存在を知り、体験授業を申し込みました。NPIのオープンキャンパスで、詳しくお話を聞いて、その場ですぐに「ここだ!」と決断しました。   ーNPIでは、どんなことを学んでいましたか? 写真に関するあらゆる知識を学び、この2年間の学生生活を通して、ようやく自分なりの表現の軸を構築することができました。     ー学生時代はどんな作品を作られていたんですか? スナップ、風景、ファッションなど幅広く撮影してきましたが、メインは、ファッションポートレートゼミを専攻していた為、モデルを起用したファッションポートレートの作品を制作していました。 ー印象に残っている授業や先生はいますか? 一番印象に残っているのは、大野隼男先生の授業です。 [caption id="attachment_28531" align="aligncenter" width="750"] (写真)大野隼男先生プロフィール写真[/caption]   先生はいつも多くの機材を教室に持ち込んで見せてくださり、ライティングの技術を丁寧に教えてくださいました。写真に対する先生の真摯な姿勢に心を打たれ、「自分も将来フォトグラファーとして、100%の誠実さで仕事に向き合おう」と決心しました。 卒業して中国へ帰国する際、空港で待機していた時に、大野先生から中国語でメッセージが届きました。 「年轻时要面对很多挑战和羞耻感。这样你就可以成为一个很好的摄影师」 その言葉は、仕事でスランプになったり、壁にぶつかるたびに、今でも私の背中を押してくれます。   ー学生時代に力を入れていた活動はありますか? 自主制作の作品には、多大なエネルギーを注いできました。   ー在学中にこれはやってよかった、逆にやっておけばよかった事はありますか? 在学中に有志で参加した文化服装学院ファッション流通科スタイリストコースの学生たちとの作品制作です。スタイリストを目指す学生さんの好みをヒアリングし、どのような作品を制作するかを話し合い、撮影に挑みました。非常に学びの多い経験となりました。 [caption id="attachment_28535" align="alignleft" width="1024"] (写真)NPIのホールで行われた文化服装学院の学生さんとの顔合わせの様子[/caption] [caption id="attachment_28532" align="alignleft" width="500"] (写真)実際に撮影された作品[/caption]   隔離期間から始まった、フォトグラファーとしての挑戦 ー陳さんは、卒業後、すぐに母国の中国へ帰国していましたね。就職活動について教えください 卒業した2020年3月は新型コロナウイルスが流行し始めた時期で、卒業後はすぐに帰国しました。 3月中旬に帰国し、ホテルでの2週間の隔離期間中、ずっと履歴書を送り続けました。4月から面接を受け始めたのですが、 ある会社のディレクターから「新卒ならまずはアシスタントから始めるべきだ」と言われました。私はこう答えました。 「私のポートフォリオをご覧いただければ、撮影経験が十分にあることは理解いただけるはずです。ただ、商業撮影の機会が欠けているだけです。今の私はいわば『真っ白な紙』のような状態ですが、それは大きな利点でもあります。既存のカメラマンのようにスタイルが固まっておらず、非常に高い可塑性を持っていますから。」 この言葉が決め手となり、無事に初めてのフォトグラファーとしての仕事が決まりました。   ー新卒1年目から2年目の間にどのような経験をされたのか教えてください 会社の先輩方と一緒に参加する撮影は、そのすべてが学びの連続でした。 商業撮影の現場は、学校の教室よりもはるかに直感的です。撮影プランの企画、スタッフとの調整、現場のディレクション、そしてレタッチの管理まで、これらはすべて時間をかけて積み重ねていくべき経験だと実感しています。       ー学生時代の経験が今に活きているなと感じることはありますか? 学生時代に数多くのフィルム撮影に触れ、それぞれのフィルムが持つ特性を深く理解しました。 その経験が、現在のレタッチに非常に大きな助けとなっています。   ーこれから挑戦するあなたへ 年轻时要面对很多挑战和羞耻感。这样你就可以成为一个很好的摄影师 若い時はたくさんの挑戦と恥ずかしさに直面しなさい。 そうすれば、きっと良いカメラマンになれます。         取材/PicoN!編集部 市村   ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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