最新記事

最新記事一覧

Illustratorでハロウィン装飾&フォトフレーム作ってみた!/Adobeであそぼ!#07

2022年も10月に入り秋の装いになってきましたね。 ということで今回はAdobe Illustratorでハロウィンを彩る装飾を作ってみます! 今回解説するのは、 ジャックオーランタン   蜘蛛の巣   オバケ   この3つを作っていきます。   ジャックオーランタンの作り方 ①まずは楕円形を作り、楕円形のパスをすこし移動してかぼちゃっぽくします。 [caption id="attachment_8773" align="aligncenter" width="750"] 楕円形の両サイドのパス2点を少し上に移動させるとナチュラルな形になります。[/caption]   ②楕円形に 効果 〉パスの変形 〉ラフ をかけてゴツゴツした表現に。 [caption id="attachment_8774" align="aligncenter" width="750"] 私が設定したラフの数値は、サイズ1%、詳細3/inch、ポイント「ギザギザ」[/caption]   ③口の形状を楕円2つをずらして重ね、 パスファインダーで形を切り抜く。 [caption id="attachment_8775" align="aligncenter" width="750"] 欲しい口の形をイメージして形の違う楕円をズラして重ね、パスファインダーの「分割」で欲しいパーツだけを切り抜きます。[/caption]   ④口の中に歯の形状も追加。 [caption id="attachment_8776" align="aligncenter" width="750"] 歯の形状をイメージして長方形を配置、パスファインダーで切り抜く。効果 〉パスの変形 〉ラフ でゴツゴツした表現に。[/caption]   ⑤パーツを組み合わせてジャックオーランタンの完成。 [caption id="attachment_8779" align="aligncenter" width="750"] 三角形を追加。パーツの大きさやレイアウトで表情やキャラクターが変わります。[/caption]     蜘蛛の巣の作り方 ①蜘蛛の巣パーツ1つめ、8角形を描き、中心を同じにして小さい8角形を追加。〈ブレンド〉と〈パンク・膨張〉を適用。 [caption id="attachment_8780" align="aligncenter" width="750"] 大きさの違う8角形を〈ステップ数2〉でブレンド。効果 〉パスの変形 〉パンク・膨張(-12%)を適用させて引っ張られている曲線にします。[/caption]   ②蜘蛛の巣パーツ02、 垂直な直線を放射状に回転させてコピー。 [caption id="attachment_8781" align="aligncenter" width="750"] 直線を回転(45度・90度)で回転・コピーさせます。[/caption]   ③2つのパーツを組み合わせたら蜘蛛の巣の完成。 [caption id="attachment_8782" align="aligncenter" width="750"] パーツ02は〈22.5度〉回転させれば、パーツ01と奇麗に重なります。[/caption]   ④完成した蜘蛛の巣を変形させてパースをつけると使いやすい。 [caption id="attachment_8784" align="aligncenter" width="750"] まず、線で描いた蜘蛛の巣に〈分割・拡張〉を適用して「線」から「塗り」に加工。パスファインダー「合成」で1つの図形に。[/caption] [caption id="attachment_8783" align="aligncenter" width="750"] 1つの図形になった蜘蛛の巣に、効果 〉パスの変形 〉パスの自由変形 でパースを意識して変形させます。[/caption]     オバケの作り方 ①オバケの元になる形をつくる。 [caption id="attachment_8785" align="aligncenter" width="750"] 直線だけで左のような図形を描き、一番先端の角を「ライブコーナー」の機能で丸くさせます。[/caption]   ②アピアランスを開き、図形の「塗り」に「パスのオフセット」を2回適用して、角の無いなめらかな形状に。パスを変形させても効果は続きます。 [caption id="attachment_8786" align="aligncenter" width="750"] 「パスのオフセット」1回目は数値を増やす(今回は40px)、2回目は数値を減らす(今回は-15px)。両方とも角の形状は「ラウンド」に設定しておくと、角の無いなめらかな形状に。[/caption]   ③できた形状に 効果 〉ワープ 〉円弧 でいろいろな形状のオバケを作る。 [caption id="attachment_8787" align="aligncenter" width="750"] 円弧の数値を変えるごとに形状が変わるので、さまざまなオバケが作れます。[/caption]     せっかく作ったので フォトフレームまで作りました。 PicoN!のアプリ限定の機能ですが「PicoN!フォトフレーム」に今回作例で作ったハロウィン装飾のフォトフレームを追加しました♪ もしよかったらハロウィン気分を盛り上げる写真で使っていただければ嬉しいです! [caption id="attachment_8798" align="aligncenter" width="750"] ジャックオーランタンのフォトフレーム[/caption] [caption id="attachment_8799" align="aligncenter" width="750"] 「#オバケがあつまってきた」フォトフレーム[/caption]   ではみなさま、2022のハロウィンをご安全にお楽しみくださいー♫ 文:PicoN!編集部 横山

3 PicoN

デザイン

時代に合わせて写りが変わる!プリントシール機「写り」の歴史

みなさんはプリントシール機がいつ生まれたのかを知っていますか?意外と知らないプリの「写り」の歴史を振り返ってみましょう!プリントシール機シェアナンバーワン(2021夏フリュー調べ) のフリュー株式会社、門脇さんにお話を伺いました。 時代の変化でプリの写りも変わる。 プリントシール機が登場したのは1995年になります。当時は顔を盛る機能はなく、技術もあまりなかったので、ただ写真が撮れるというのがメインになっていました。フリューの第一号機は1997年にでた「似テランジェロ」です。似顔絵をつくる似顔絵シール機が最初で、1998年にプリントシールに移行しました。ちょうど1998年頃からプリは女の子の遊びとして定着し始め、どうせ撮るなら顔も盛りたいという女の子が増えました。そして、美白機能などが搭載されていき、徐々に写りが変わっていきました。 時代の変化があったときに、プリにも変化があると思っています。女の子の流行やメイクはプリと密接に関わっているんです。例えば、白ギャルが人気で、“あゆ(浜崎あゆみ)”がカリスマ化していたとき、「肌の色を白くしたい」という女の子が多くなりました。その時は、ストロボで顔を白くとばすことで、女の子たちの想いをプリで叶えました。 2006年頃からは、もっと「盛れる」に特化していきました。このときは“つーちゃん(益若つばさ)”をはじめ、Popteenやeggがすごく流行っていた時期です。つけまつげバサバサなギャルが流行っていたので、プリ機もそれに合わせてまつげを濃くしたり、より目を大きく見せたりする機能を付けました。 ここまでギャルギャルできていましたが、2011年にAKBさんなどのアイドルが流行り、プリもガラッと変わりました。写りがナチュラル盛りに変わった時代の変化ですね。このときに出た「LADY BY TOKYO」は、目の加工を抑え別人感が無く自然に盛れているナチュラル盛りという写りを提案した機種になります。この機種は、女の子が当時求めていた“なりたい顔”に応えることができていたこともあり、とても人気がありました。 女の子たちの盛れる顔は、時代に合わせてどんどん変わっていきます。その時々に喜んでもらえる写りを提供してきたので、プリを見れば時代の変化が分かります! 機種によって写りが違う?SNS好み多様化時代へ 今まで憧れの対象は、結構絞られていました。“あゆ”が人気ならみんな“あゆ”みたいな美白になりたい、“つーちゃん”みたいなギャルになりたい、アイドルみたいになりたい、とか。今は色々なYouTuberが好き、インスタグラマー、インフルエンサー、モデルが好きというように多様化しているので、プリの写りも機種によって変えています。 自分と向き合い見つけた自分に「合う」写り。 「ハルイロセカイ」は、よりレタッチを豊富に搭載している機種になります。目の大きさを変える機能は昔からありましたが、今は目の左右差が気になる方向けに右と左で大きさを細かく調整できたり、顔を小さくする方向を横か縦かで選べたり。今ってパーソナルカラーや骨格診断で自分と向き合う時間が多いですよね。一人一人が本当にこだわっていて、プリでも自分に合うってところを突き詰めていると思います。 プリのらくがきはシンプルになりましたが、実は滞在時間はあまり変わっていません。らくがきをするよりも、顔のレタッチにかける時間が長くなっています。リップ、涙袋、まつげ、など本当にたくさん種類があり、細かいところまで自分の好きなように調整できます。「ハルイロセカイ」で、細かい部分までのレタッチに需要があるのが分かりました。また、10月からは最大級のレタッチ数を搭載したプリ「TODAYL」も登場します。 プリントシール機ができるまで 新機種を作るとなると、まずは市場分析から始まります。どういう目的で撮っているのか、どんな写りが好きなのか、などを調べます。そして、次に企画をしていきます。企画の段階で企画者が作りたい写りを実現するために、どんな機材が良いのか、照明はどこにあったら良いのか、などを京都にある支社で細かい調整を繰り返して、決めていく形になります。なので1台1台、機材がすべて違うんですよ。 最初に「韓国っぽい」とか「透明感」とか作りたい写りを決めて、ストロボやカメラ、機材の位置や数・形まで、写りに合う機材を考えています。実は目の中のキャッチライトもそれぞれで違うんです。キャッチライト一つでも目を立体的に見せたいのか、丸く見せたいのか、かわいらしく見せたいのか、かっこよく見せたいのか、そのプリ機で叶えたい写りに合わせて決めています。 時代は繰り返す。プリのこれからについて プリ機の中にイスがあったのを覚えていますか?当時は、“空を飛んでいる風”などの撮影背景を合成するためのイスだったのが、今は盛るためのイスに進化しているんです。立ったまま撮ると立ち位置がぶれたりするのですが、座っているとリラックスできるしポーズも自由です。ここに座るってことが確約されていると、そこに目掛けてストロボを調整すれば良いので、安定に盛るためのイスってことになります。 [caption id="attachment_8588" align="aligncenter" width="628"] プリ機「97%」のイス[/caption] 前にイスがあったのを知っている方からすると懐かしいになりますが、今の女子高生たちからするとイスって新しいになるんですよ。その解釈の違いも面白いですよね。もしかしたら以前のようなデカ目の時代がくるかもしれないし、もっとナチュラルになるかもしれない。女の子の流行はコロコロ変わるので先が見えません。時代を繰り返しながら今風に写りをアレンジしたり、細かいところをキャッチしつつ、新しいブームを楽しんでいければなと思っています。時代に合わせて、そのときどきの盛れるを提供していきたいです。 盛るためのイスがある「97%」を体験 門脇さんと一緒に「97%」を体験させていただきました! [caption id="attachment_8598" align="aligncenter" width="650"] こちらのイスに座ってプリを撮ります[/caption] [caption id="attachment_8597" align="aligncenter" width="650"] 撮り終わったら落書きブースでレタッチしていきます[/caption] [caption id="attachment_8602" align="aligncenter" width="600"] 完成したのがこちら![/caption]   門脇さんありがとうございました!次々と新しい機種が登場するプリントシール機。写りは時代や流行に合わせて変わっていたのですね。1年後、3年後、5年後、未来のプリはどんな写りになっているのか今から楽しみです! この記事を読んでいるみなさまも、プリで大切な思い出を形に残してみませんか?   ご協力:フリュー株式会社 PicoN!編集部 木下

26 PicoN

写真

マンガ連載~第12話~ クリエイターのコツは逆算思考!?

こんにちは!専門学校日本デザイナー学院(以下、NDS)講師の藤田岳生先生によるマンガ連載です! 第11話では「デザイン学生のとある一日~ビジュアルデザイン編~」をお届けしました。デザイナーだったら1度はやったことある怖い出来事をご覧頂きました。こまめの保存!大切なことなので何度もお伝えしますよ! 前回のお話↓[clink url="https://picon.fun/comic/220827/"] 第12話となる今回は「クリエイターのコツは逆算思考!?」です。課題の締め切り、会社での納期など気が付くと間に合わない!!なんてことございませんか?そんな危機をどう乗り越えるのか、、お届けします。 いかがでしたでしょうか?ゴールから逆算して作業時間を配分していくことが最も大切なことですよね。困ったときは一緒に作業をしてくれる友達を頼ることも忘れずに! 物語に出てきた「期末審査の様子」はデザイン学生たちの努力の集大成の場所でもあります。是非こちらもご覧くださいね。 [clink url="https://picon.fun/comic/20220302/"] [clink url="https://picon.fun/comic/20220330/"] それでは次回もお楽しみに! 作・藤田岳生先生 マンガ・イラスト関係の専門学校を卒業後、マンガ作家のアシスタント業に就く。さまざまな作家さんの現場を渡り歩き、経験を積む。その後、イタリアのマンガ学校「LUCCA MANGA SCHOOL」の目に留まり、24歳での短期単身渡伊をはじめとして、幾度か現地の方を対象としたレッスンを行う。Web系など絵を描き始める方に向けての指導をはじめ多方面で活躍中。 NDSのマンガ科を詳しく知りたい人はこちら

13 PicoN

マンガ

おすすめ記事

おすすめ記事一覧

生の現場を覗いてみた!インテリアデザイナーのアトリエ訪問記 その2

インテリアデザイナーのアトリエ訪問記 ショップデザイナー、住空間デザイナー、ファニチャーデザイナー、ディスプレイデザイナーなどインテリアデザイナーが働いている現場を取材していきます!普段見れない裏側、制作現場を余すことなくお届けしていきますよ。 2話目となるインテリアデザイナーは様々な素材ととことん向き合うプロダクトデザイナーの「岩元航大」先生です。さっそく工房を見てみましょう! 第1話 [clink url="https://picon.fun/design/20220725_in/"] 八王子にあるシェア工房「スタジオ発光体」 岩元先生は、八王子にあるシェア工房「スタジオ発光体」を主管している。 現在この工房には、デザイナー、調香師など10名の会員が在籍し、24時間自由に使用している。他分野のクリエイターが工房を共にすることで、あらたな対話と想像力が生まれることを意図して2021年春オープンした。 [caption id="attachment_8630" align="aligncenter" width="259"] 外観・内装デザイン、施工も岩元先生の手作り[/caption]   [caption id="attachment_8632" align="aligncenter" width="480"] 入り口を入るとデスクワークと打合せスペース。白い壁面は自然光が入る撮影スペース。[/caption] 奥は広々とした作業スペース。天井高もあるので、大きな家具、什器などの製作も可能。この日は、学生が真剣に木製家具を製作中だった。スペースのストレスなく自分の手で物を作る楽しさを実感していた。 [caption id="attachment_8635" align="aligncenter" width="640"] 木工・金工を中心に、様々な加工機械が揃っている。棚や作業用テーブルも岩元先生手づくりで機能的[/caption] この工房には、素材に触れ真摯に向き合い、試行錯誤し想像して作りあげてゆく岩元先生の、モノづくりの姿勢が表れている。 見慣れた塩ビ管が熱加工によって独特の美しいシルエットに変化し、陶器や磁器のようにも見える。そこには、元々の塩ビ管が持つ軽さや薄さと、軽やかな遊び心が相まって独特の世界観が醸し出されている。素材としっかり向き合ったからこそできた逸品だと感じた。 日本古来の鉈(なた)を使った丸木の加工方法からヒントを得て新しい合板を作り出し、オリジナル家具「PARI PARI」が生まれた。ランダムで美しいパターンが、シンプルな家具のフォルムに温かさを加えている。 金属パイプを固定する技法「Tube flattening」に取り組む中で見つけた潰れたアルミパイプの形状を生かした、折り畳み式スツール どの作品にも、様々な素材や技法と真摯に向き合い、楽しんで実験しつくし、美しくシンプルで機能的なシルエットに仕上げる岩元先生の姿勢が感じられる。 モノづくりの原点とは 先生のモノづくりの原点になった神戸芸術工科大学のデザインプロジェクト「DESIGN SOIL」の展示会「harvest」展を覗いてきた。このプロジェクト参加をきっかけに、2010年からミラノサローネに毎年出品している。プロジェクトが目指す『これまでの「当たり前」を超えていくため、実験的なデザインを追求する』ことを、岩本先生が体現していると感じた。 「harvest」展は、2022年8月26日 - 9月4日、六本木のAXISギャラリーで開催された。9月3日には岩元先生も登壇しトークイベントを配信した。 現役の学生の作品だけでなく、歴代の秀作も展示。岩元先生の作品、挿し方を変えることでライトの位置や向きが変化する卓上ライトと、「Naname」と名付けられたコートラックのモックアップも出品されていた。 [caption id="attachment_8645" align="aligncenter" width="493"] 「Naname」刀で斬った瞬間のようなシャープなデザイン。1本の棒を斜めに切り、ずらすことで、コート掛けの機能が備わっている。[/caption] 一つの素材に固執することなく、様々な素材に向き合い、チャレンジするのは、岩本先生曰く「一つの素材に向き合う職人さんへのリスペクト」多くの仲間でシェアする工房の運営、素材と向き合う新進デザイナー、そして、家族との生活を大切にした職住近接のライススタイル。これからデザイナーを目指す学生達へ、ひとつの理想的な形を具現化しているようにも思えた。 岩元 航大 鹿児島県生まれ。2009年神戸芸術工科大学プロダクトデザイン学科入学後、デザインプロジェクト「Design Soil」に在籍し、イタリアのミラノ・サローネやフィンランドのハビターレ等、海外の展示会に多数参加。 卒業後、スイスのローザンヌに移り、Ecole cantonale d’art de Lausanne(ECAL)のMaster in Product Designに進学。 卒業後、東京を拠点に国内外の企業と製品活動を進めつつ、精力的に作品制作を行なっている。 関連HP プロダクトデザイン | 岩元航大デザイン事務所 / Kodai Iwamoto Design (kohdaiiwamoto.com) Home | Studio Hakkotai | 東京都 (studio-hakkotai.com) DesignSoil 文:池谷光江 NDSインテリアデザイン科講師。商品装飾展示技能検定1級、日本VMD協会理事マネキンディスプレイ会社のデザイン室を経て、フリーランスのディスプレイデザイナーとして、百貨店、専門店、メーカーのVMD企画デザイン、社員教育に携わる。現在、ディスプレイの国家試験「商品装飾展示技能検定」中央検定委員として問題作成に携わっている。 [clink url="https://picon.fun/information/20220421_app/"]

36 PicoN

デザイン

西島伊三雄〜人に愛されるクリエイターの在り方を学ぶ 後編〜

今年生誕100年を迎える、福岡出身のデザイナー/童画家の西島伊三雄氏の特集。 〈Profile/西島伊三雄(にしじまいさお)〉 1923年(大正12年)福岡県福岡市生まれのグラフィックデザイナー・童画家。 専門学校日本デザイナー学院九州校初代校長。 主な受賞歴に、二科特待賞、世界観光ポスターコンクール最優秀賞、全日本観光ポスターコンクール最優秀賞などがある。 また、福岡市営地下鉄の駅シンボルマークや博多座ロゴマーク、ハウス食品「うまかっちゃん」ネーミング、パッケージデザインなども手掛けている。 今回は、アトリエ童画代表取締役社長で西島伊三雄氏の息子でもある西島雅幸(にしじままさゆき)氏にお話しを伺いました。 前後半に分けての今回の記事。 前半では、西島伊三雄氏がどんなデザイナーであり、どのような人間であったのかをお話しいただきました。 ■前半記事をご覧になられていない方は、 こちらからご覧ください。 [clink url="https://picon.fun/design/20220909-2/"] 前半に引き続き、後半も博多弁が飛び交う中で、楽しくお話しをさせていただきました。 福岡に長年住んでいると次第にわかってくるのですが、博多弁って不思議な温かさと優しさが溢れた方言なんですよ。 この博多弁も、素敵な福岡の文化の1つですので、もし福岡に遊びに来られる際には体験してくださいね。   さて、本編です。 そんな博多の地で、長年愛され続けている商品があります。 それが「うまかっちゃん」(ハウス食品)です。九州の味ラーメンとして、1979年から絶大な支持を受けている袋麺です。 [caption id="attachment_8607" align="aligncenter" width="750"] 「うまかっちゃん」のパッケージデザインとネーミングを担当されている[/caption]   西島伊三雄氏は、この「うまかっちゃん」のパッケージデザインをご担当されたと同時に、名付けの親でもあります。 ここからは「うまかっちゃん」誕生秘話を伺いました。 編集部) そもそも「うまかっちゃん」のお仕事の依頼は、どのようにして受けられたのでしょうか?   西島雅幸氏) 「うまかっちゃん」のデザインは、広告代理店の方が親父(西島伊三雄氏)に「ハウス食品の方が、先生に絵を描いて欲しいと言われています。」とお話ししてくれたことからスタートします。 続けて「ハウス食品さんがラーメンで勝負をしたい」と考えられていることもお聞きしました。 当時、ハウス食品さんと言えば「カレー」という印象でしたので、「カレーラーメンなんて食わんですばい」と親父が話していたことを覚えています。   編集部) そうですよね。当時のハウス食品さんのイメージといえば、「バーモンドカレー」のイメージが強いですね。   西島雅幸氏) そんな話しをしていると、担当者が「カレーではなく、豚骨で勝負する」と続けて話されるんですよね。 さらに商品名は、 「これはうまか」や「おっしょい」など、山笠を連想できるような力強い商品名を想定されていたんです。   編集部) 博多と豚骨ラーメンというワードで販売をしていくならば、必然的な感じがしますね。   西島雅幸氏) ただ、それを聞いた親父は 「それはダメです」って言っていましたね。 もちろん、その発言は勢いだけで言ったわけではなく、当時の消費者の傾向を考えたうえでの発言だったんです。   編集部) 具体的にはどのような理由があったのでしょうか。   西島雅幸氏) 50年程前の話しですので、現在とは状況が違ってくるのですが、当時の袋麺の購買者は主婦の方が大多数だったんです。 要するに、子どもの夜食のために「うまかっちゃん」を買う母親などがメインのターゲットだったのです。 そうすると、広告代理店の方が持ってこられていた商品名というのは、少し当時の女性には刺さりにくい名前に思われました。   編集部) なるほど。   西島雅幸氏) そして親父が「女性の方でも手に取りやすい名前を、私が考えましょう」と言って作ったのが「うまかっちゃん」という名前でした。 もちろん、1発でクライアントのハウス食品からもOKをいただくことができました。   編集部) 博多弁で「美味しい」の意味がある「うまか」に、「〜ちゃん」を付けたという訳ですね。「うまか」は理解できますが、なぜ「〜ちゃん」をつけたのでしょうか。   西島雅幸氏) 当時の博多の街並みを眺めていると、「〇〇ちゃんうどん」など「〜ちゃん」が付いた店舗や屋台が多かったんです。 そのような店舗名からは、親しみや可愛らしさを感じることができると思います。 このように、女性に好まれる名前を追求していき「うまかっちゃん」が生まれたのです。 そして「文字も私が書きましょう」ということで、親父がパッケージ制作をする流れとなりました。   編集部) お客さまの目線に立って生み出されていったのですね。   西島雅幸氏) 実は、親父はこの仕事をお断りしようと考えていた時期もあったんですよ。 ただ、その当時は従業員も5,6人おりましたので。会社の経理を担当をしていた私としては「頼むから断らないでくれ!」とヒヤヒヤする毎日でしたね。笑 そのようにして誕生した商品が、長年に渡って愛していただいていることは嬉しい限りですね。   編集部) 気遣いと思いやりに溢れた西島先生の作品だからこそ、時代を越えて愛され続けられているように感じます。 現代の若手デザイナーや学生が、そのような作品を制作していくためには何が求められるとお考えでしょうか。   西島雅幸氏) やはり、まずは日々の努力は必要になると思いますね。 商業デザインは、自分が好きなデザインばかりをやっておけば良いわけではないですからね。 また、「うまかっちゃん」のように消費者の姿が明確に見えるお仕事もあれば、デザインのヒントが見つけにくく、苦戦する仕事だってあります。 例えば、私が福岡地下鉄七隈線の駅シンボルマークをデザインさせていただいた際も、親父が生前に残したラフスケッチからデザインをしましたが、かなり苦労をしました。 親父も、亡くなる前に病室で「七隈線のデザインは、その土地の歴史が掴みにくいので難しいだろう」と話していましたね。 [caption id="attachment_8608" align="aligncenter" width="750"] 「福岡市営地下鉄」の各駅シンボルマークを制作。令和5年3月に開業される櫛田神社駅前を含めた七隈線のデザインは、伊三雄氏が生前に描いたラフスケッチを基に雅幸氏が制作。[/caption]   編集部) 雅幸さんは、どのようにして七隈線のマークを完成させたのでしょうか。   西島雅幸氏) まずは、親父からも紹介をして貰っていた、武野要子さん(福岡大学名誉教授)にご相談をさせていただきました。 親父は、生前から武野さんと仲良くさせていただいており、「歴史では福岡でナンバーワンだろう」とも話していました。 実際、武野さんからは多くのことをお聞きし、デザインに活かすことが出来ました。 そして、それに加えて、親父も大切にしていた「本物を自分の目で見ること」を実践しました。 デザインの対象となる土地に自ら行き、現地の方にお話しを伺いながら、駅シンボルマークのデザインを仕上げていきました。   編集部) 現地に出向いて得られた情報が、そのデザインの最後のピースとなる場合もあるんですね。   西島雅幸氏) 繰り返しになってしまいますが、デザイナーの仕事というのは、絵を描くだけじゃないんですよね。 実制作以外にも、デザインの対象からわずかな情報を見つけ出し、それを摘んで引っぱり出すことこそが、デザイナーの仕事なんだと思っています。     編集部) そのためにもコミュニケーションが大切になるのでしょうね。   西島雅幸氏) そうです。親父もコミュニケーションの大切さを常々言っていましたね。 描くことよりも、まずはその下調べに重きを置いて、丁寧に行うこと。 「そしたら面白いものができるったい!」ってね。   編集部) 今は、ネットなどで情報が得られやすい時代になっています。そんな時代を生きるデザイナーでも、下調べを「より丁寧に」行うことに重きを置くと、さらに作品の質を高めていくことができるかもしれないですね。 最後になりますが、そんな若手クリエイターの皆さんに一言いただけますでしょうか。   西島雅幸氏) 実際に絵を描くことや、デザインをすることはとても大事なことです。 ただ、デザインだけをするのではなく、少し視界を広げると、より広い社会が見えてくると思います。 「多くの人と出会い、経験し、 相手のことを思いやる。」 私も親父から教わったことですが、本当に大切なことだと思います。 皆さんも、心の隅っこで良いので、留めておいていただけると嬉しいです。

33 PicoN

デザイン

飯塚明夫アフリカフォトルポルタージュ《ニャーマ》 Living For Tomorrow:明日へ繋ぐ命 #4

アフリカ大陸には54ヵ国、約12億人の人々が暮らす。ライフワークとして約30年間、この大陸の人々の暮らしと文化、自然を取材し実感したことがある。それは「彼らに明日は約束されていない」ということだ。 アフリカの人たちの「命の生存」を支える経済基盤は驚くほど脆弱である。不安定な現金収入のため、「その日暮らし」の状況に置かれている。今日の一日の労働は、明日に命を繋ぐための闘いだ。 だが彼らから感じるのは、悲壮感よりエネルギッシュな生活力である。厳しい社会状況の中で一生懸命に生きる人々に尊厳を感じたことも多い。そのような彼らの姿をシリーズでお伝えしたい。 メインタイトルの「ニャーマ」は「霊魂・生命力」等を意味する西アフリカに住むドゴン族の言葉である。アフリカの人々の中に息づく逞しい「ニャーマ」を少しでも感じ取っていただけたら幸いである。   アフリカフォトルポルタージュ-#4 バオバブ -アフリカの母なる樹- [caption id="attachment_8379" align="aligncenter" width="750"] セネガルのサバンナで出会ったバオバブ。幹の太さは直径6~7メートル。樹齢は千年位だろうか。 セネガル[/caption]   サバンナに屹立する巨樹バオバブは、しばしばアフリカを象徴する樹に例えられる。「悪魔が幹をつかんで引き抜き、さかさまに置いた」ようだと形容される魁偉な姿からか、『星の王子様』(アントワーヌ・ド・サン=デグジュペリ著)では、成長すると王子様の惑星をその根で破壊してしまう恐ろしい存在として描かれている。 [caption id="attachment_8394" align="aligncenter" width="750"] バオバブ並木と小魚を獲る夫婦。一見のどかな風景だが、バオバブは過剰な水で根腐れを起こし倒れてしまう。  マダガスカル[/caption]   しかし実際のバオバブは、葉・樹皮・果実など各部位を合わせると約100通りの利用法があるといわれるほどの多目的有用樹である。地域住民には大切な天然資源だ。 樹齢1000年~1500年といわれるバオバブの巨樹は、その生命力と存在感の強さから「神木」として信仰の対象にもなっている。まさに「ニャーマ=生命力・霊魂」を具現化した「アフリカの母なる樹」である。 1.恵みの樹 西アフリカのサヘル地帯(半砂漠地帯)の乾季は野菜類の不足が深刻だ。特に雨季が始まる直前の3月~4月は市場でもなかなか手に入らない。 [caption id="attachment_8380" align="aligncenter" width="550"] 巨樹から葉を摘む。袋には摘んだ葉が詰まっている。 マリ[/caption]   バオバブはこの時期に緑の葉をつける。村の人たちはそれを摘みスープの具に使う。多量のミネラルやビタミンを含む葉は、厳しい乾季を乗り切るための重要な食材である。乾燥させれば長期の保存食材になる。食材以外にも葉は下痢止めや熱さましなど、薬としても利用されている。堅い果皮をもつ実は、半分に割り器としても利用されてきた。乾燥した果肉は食べると甘酸っぱいラムネ菓子の様な味がする。果肉を水に溶かしたバオバブジュースは乾いたのどを心地よく潤してくれる。子どもたちには大切なおやつ代わりだ。 [caption id="attachment_8382" align="aligncenter" width="750"] 葉を干して保存食に。 マリ[/caption] [caption id="attachment_8383" align="aligncenter" width="750"] ドゴン族の主食「トウ」。ヒエをお湯で練り、葉のスープ(中央)につけて食べる。  マリ[/caption] [caption id="attachment_8381" align="aligncenter" width="750"] 果実を割って果肉を食べる。甘酸っぱい清涼感が口の中に拡がる。  マリ[/caption]   バオバブの樹皮も利用頻度が高い。マダガスカルの西部ムルンダバ地方では、家を建てるとき屋根や壁にバオバブの樹皮を利用する。身近で手に入る樹皮はトタンなどの建材を買うより安上がりだ。市場では樹皮の繊維から作ったバオバブロープや籠を売っていた。樹皮を削り、煎じて飲むと下痢止めや解熱、マラリアに効く。 もしバオバブが『星の王子様』に悪者として描かれていると知ったら、「オレはこんなに人間の役に立っているのに」と嘆くかもしれない。 [caption id="attachment_8384" align="aligncenter" width="750"] 樹皮をはぎ取られた幹。再生には10年ほどかかる。  マダガスカル[/caption] [caption id="attachment_8385" align="aligncenter" width="750"] 乾燥した樹皮を売り歩く。  マダガスカル[/caption] 2.精霊の樹 樹高20メートルを超え、幹の直径は6~8メートルにもなる巨木は、精霊の宿る「神木」としてアフリカ各地で崇められてきた。 [caption id="attachment_8386" align="aligncenter" width="750"] 月光に浮かぶバオバブ。  マリ[/caption]   セネガルの初代大統領レオポルド・サンゴールは、故郷の村のバオバブに祈りを捧げるために、毎年帰郷したといわれている。 マリに住むドゴン族の人々は仮面儀礼で知られているが、巨樹の生える村の広場を中心に儀礼が繰り広げられる。 [caption id="attachment_8387" align="aligncenter" width="750"] バオバブを中心に踊る女性たち。ドゴンの葬送儀礼。  マリ[/caption] [caption id="attachment_8388" align="aligncenter" width="750"] 夕闇の迫るバオバブ広場で葬送儀礼を執り行うドゴンの村人たち。  マリ[/caption]   マダガスカルのムルンダバに「聖なるバオバブ」として村人の信仰を集める巨樹が生えている。樹齢800年と村人は言うが、正確には誰も分からない。幹の下側3分の2は藪に覆われ昼間でも薄暗い。人々はその木に精霊が宿ると信じ、畏敬の念を抱いている。 困り事や願い事のある村人は、お供え物を持ってそのバオバブを訪ね、祈祷師を介して事の成就を祈った。私もムルンダバを訪ねたときは「聖なるバオバブ」にお神酒を上げ、取材の無事をお願いした。 [caption id="attachment_8389" align="aligncenter" width="750"] ムルンダバの「聖なるバオバブ」。撮影から10年ほどして根腐れを起こして倒れてしまった。  マダガスカル[/caption] 3.受難の時代 悠久の時を生き抜いいてきたバオバブがいま生存の危機に直面している。人口増加や経済の発展に伴う宅地開発や道路の拡張工事などにより、多数のバオバブの巨樹が重機によってなぎ倒されているのをセネガルで目撃した。 [caption id="attachment_8390" align="aligncenter" width="750"] 田畑の開墾のために森林に火を放つ。バオバブの巨樹は火に耐えて生き残る。  マダガスカル[/caption] [caption id="attachment_8391" align="aligncenter" width="750"] 森林を焼かれて孤立したバオバブは、サイクロン(台風)の風や、水田の水による根腐れなどで倒れてしまう。  マダガスカル[/caption]   マダガスカルではサトウキビ畑や水田の拡張のため、バオバブの生える森林が焼き払われている。バオバブの若木は焼かれ、生き残った巨樹も田んぼの水で根腐れを起こし倒れてしまう。サバンナなどの乾燥地に適したバオバブは、水田地帯では生き残るのが難しい。 私がお神酒をあげた「聖なるバオバブ」も風のない夜、大きな音を発して倒れたという。やはり根腐れが原因だった。 [caption id="attachment_8392" align="aligncenter" width="750"] 残照に浮かぶバオバブ。広げた樹幹をアンテナにして宇宙と交信をしているようだ。  マダガスカル[/caption]   (注)バオバブは世界に10種類存在するといわれているが、確定されたわけではない。東アフリカのマダガスカルに8種類、アフリカ大陸に1種類、オーストラリアに1種類。 文・写真/飯塚明夫 ©IIZUKA Akio [clink url="https://picon.fun/photo/20220308/"] [clink url="https://picon.fun/photo/20220514/"] [clink url="https://picon.fun/photo/20220716/"] [clink url="https://picon.fun/information/20220421_app/"]

67 PicoN

写真