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「あの本」のブックデザイナーを調べてみた。 – 尾崎世界観『母影』デザイナー・寄藤文平について

ブックカバーは本の顔であり、言葉の茶の間へ私たちを招き入れる靴脱ぎ場でもあります。ステキなデザインの表紙が目に留まって本を手に取りたくなったり、読む前や読んだあとに表紙を眺め(あるいは撫でまわし、頬ずりし、匂いを嗅ぎ……)作品世界に深く浸るのも、読書の楽しみのひとつですよね。 特に売り出し中の本は「面陳列」(通称:平積み)、つまり本の表紙を前面に見せる陳列のしかたが取られることも常。ブックデザインとは単なる装飾ではなく、「本」という世界のまぎれもない一端であり、作品の一部なのです。そのわりに「この表紙を誰がデザインしたの?」ということは意外と顧みられることがありません。 今回は、2021年に話題となった尾崎世界観『母影』のカバーデザイナー・寄藤文平さんと、その作風やデザイン過程にスポットを当てました。 文/佐藤舜(編集部) 尾崎世界観『母影』カバーデザイナー・寄藤文平とは?  https://www.amazon.co.jp/%E6%AF%8D%E5%BD%B1-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-112-2-%E5%B0%BE%E5%B4%8E-%E4%B8%96%E7%95%8C%E8%A6%B3/dp/410104452X/ref=pd_lpo_sccl_1/358-3690653-6652230?pd_rd_w=vAcUX&content-id=amzn1.sym.855d8f70-df76-4181-80b0-56e48ae3bb9b&pf_rd_p=855d8f70-df76-4181-80b0-56e48ae3bb9b&pf_rd_r=JH13Z9PA2MNP481NH2ZW&pd_rd_wg=qP0qW&pd_rd_r=974da609-35c6-4ad0-8afe-daa9949f548d&pd_rd_i=410104452X&psc=1 『母影』は、ロックバンド「クリープハイプ」ボーカルの尾崎世界観さんが著した、第164回芥川賞候補作。ある居場所のない少女が、母親の勤める「マッサージ店」(実際には風俗店だが、それを少女はまだ理解できない)のカーテン越しにお客とのやりとりや母の苦悩に耳を澄ませるという、生々しくも切ない物語です。 カバーデザインを手がけたのは、アートディレクターの寄藤文平さん(HP/X)。本や雑誌、広告など、広いフィールドのクリエイティブに作品を提供するアートディレクター/デザイナーで、誰もが一度はどこかで目にしたことがあるであろう広告シリーズ・東京メトロ「家でやろう。」や、JT(日本たばこ産業株式会社)の大ヒット広告「大人たばこ養成講座」のアートワークなどが代表作です。 [caption id="attachment_21490" align="aligncenter" width="283"] 東京メトロの広告「家でやろう。」[/caption] 本章冒頭に挙げた『母影』文庫版の表紙は、物語のキーアイテムである「ガチャガチャ」と「100円玉」をモチーフにしたものであると寄藤さんは語ります。 (ガチャガチャと100円玉の)それぞれを立体的に並べたら、ちょうど眼球のようになりました。“見る”というのは『母影』のキーワード。100円玉の黒目とその影の中点として少女を置くことで、物語に通ずる不穏さも漂わせています。 語り・寄藤文平 ※括弧は筆者が施した。 出典:PR TIMES|文庫新カバー公開!クリープハイプ・尾崎世界観の芥川賞候補作『母影』(おもかげ)(新潮文庫7月28日発売) 『母影』の表紙と見比べてみると、シンプルな構図や線の扱い方、そして華やかな黄色の使い方に “ヨリフジ節” が垣間見えますね。 2024年6月に上梓した著書『デザインの仕事』の中で寄藤氏は、自身のデザインについて次のように語っています。 僕のイラストがどこかしら「おかしみ」の入っている作風になったことに関しては、自分でもわからないのです。おそらく、全体の印象というか、線の感じはいいかげん、なのに細部はきちんと描こうとするので、そのバランスの悪さがおかしみになっているのだと思っています。真剣な印象の絵にしたくても、妙にコメディ感が出てしまって、自分でもうまくコントロールできないのです。 (出典:寄藤文平.『デザインの仕事』.筑摩書房.2024年) この解説を踏まえて作品を見直してみると、『母影』の表紙も全体的には几帳面に整った構成になっているのに、仔細に見ると線が手書きのようにくにゅくにゅと歪んでいたり、「家でやろう。」のポスターも線やレイアウトや配色がシンプルにまとまっている一方で、人物の顔の造形や新聞紙の描き方などがちょっと “いいかげん” だったり。「整っている、のに、どこか整いきっていない」というバランス感覚が寄藤デザインの魅力を担っています。しかもそれは「個性を出そう」としてわざとやっているものではなく、「自分でもうまくコントロールできない」いわば手癖のようなものだと言うのですから興味深いですね。 哲学者・千葉雅也さんの著書『センスの哲学』にも「アートの個性とは、アーティストの “癖” や、不完全さに由来する偶然性が現れたもの」という趣旨のことが書かれていましたが、まさに寄藤デザインの「個性」もそういうものなのかもしれません。個性的であるために作為された個性、個性のための個性ではないからこそ、それは自然かつ本当の意味でのユニークな表現となり、多くの人の心を惹きつけるのでしょう。 ちなみに寄藤作品のトレードカラーとも言える華やかな「黄色」も、たまたま使っていた蛍光ペンの色に由来するとのこと。デザインのラフ案を描くとき、大事なところを目立たせるために蛍光ペンを使っていたのですが、それを見たクライアントが気に入り「文平がいつも使っているあの黄色がいいよ」ということになったのがきっかけだったと同書で述べられています。色彩の個性も、やはりある種の “癖” から生まれたのです。 「作風に個性がない」とお悩みのクリエイターは、悪癖も含めた「ついついやってしまう」自分の癖を見つめ直してみることで、思わぬ個性のタネを発見できるかもしれませんよ。 そのほかにも『デザインの仕事』には、寄藤さんが幼少期からデザイナーを志すまでの話、業界で体験したリアルな仕事のエピソード、アイデアをデザインに落とし込むまでの思考プロセスなど貴重なお話が満載ですので、クリエイターの頭の中を覗いてみたい方はぜひ手に取ってみてください。 *** 本のデザイナーの名前は、最後のほうのページのクレジット覧などに「装丁:誰々」という具合に記されており、比較的簡単に調べることができます。お気に入りの本のデザイナーを調べてみることで、優れたクリエイターとの思わぬ出会いがきっとあるはず。デザインという観点からも、奥深い本の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか? ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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デザイン

【写真学校教師のひとりごと】vol.17 久保木英紀について②

わたし菊池東太は写真家であると同時に、写真学校の教員でもあった。 そのわたしの目の前を通り過ぎていった若手写真家のタマゴやヒナたちをとりあげて、ここで紹介してみたい。 その人たちはわたしの担当するゼミの所属であったり、別のゼミであったり、また学校も別の学校であったりとさまざまである。 これを読んでいる写真を学ぶ学生も作品制作に励んでいるだろうが、時代は違えど彼らの作品や制作に向かう姿が少しでも参考になれば幸いだ。 ▼【写真学校教師のひとりごと】vol.15 久保木英紀について [clink url="https://picon.fun/photo/20240812/"]   あれから、久保木は写真を某写真展会場に送付した。写真展応募のために。 結果がでるのは今年の暮れである。 かれは小学3年生の終わりに千葉県から、この茨城県牛久市に移り住んだ。 父親が建てた念願のマイホームだ。 団地とよばれる新興住宅が、雨後の筍のようにあちこちで建ち始めたころである。 久保木はこの牛久に住んで40年近くになる。写真学校に通っていた間は東京に住まいを移していたが。 写真学校をでて、この牛久市にもどり、サラリーマン生活を続けている。 子供も3人いる。かれらは大学を出たり、現在大学を目指したりしている。 そんなかれらと親としていろいろな話をする。 そんなとき久保木は自問自答した。自分は人生でとことん努力したことがあるだろうか。 写真学校を卒業したころ、写真作品をそれなりに完成させ、展示しようと思い、あるところに応募した。数カ月後、落選の通知がきた。 月日がすぎ、写真とのかかわりもきれ、そのままになってしまった。 このごろ子供たちと話していて、自分が一生懸命努力すべきときに、そうしてこなかったことが気になり、子供に胸をはって言えるだろうかと逡巡するようになった。 そんなことを考えたあげく、現在住んでいる地、牛久にカメラを向けるようになったのだ。 もともと担当教師のわたしから見て、いままでに久保木は写真展をやっていても、何の不思議も感じさせない力量を持つ男である。 つまり遅ればせながら、自分がやると決めた写真、それを完成させ作品として展示しよう、ということにやっと行き着いたのだ。 遅ればせながら、原点に立ち戻ったというのだろう。決めたことがうまくいかなくて、途中で挫折するということは、よくあることだ。 子供の教育というか人間としてまずい、放り投げたままではいけない、努力しよう、初志貫徹だと悟り、やり直そうと考えたのである。 これは実際にはなかなか誰でもができることではない。よく決心出来たものだと思う。心からの喝采をおくりたい。 結果ではない。たとえうまくいかなくてもとことん努力するという、人間としての生き方の問題だ。 1回ぐらいは落ちるかもしれない。なんといってもずいぶん長いブランクがあるのだから。だが落ちた後が肝心だ。 生涯いままでにやったことがない、始まって以来という努力で、なにが足りないのか考え、撮りこむことだ。 今まであえて越えてこなかった壁を乗り越えなければいけない。 そうすれば、かれは審査を通し、展示にこぎつけることができるだろう、という確信に近いものがわたしにはある。 そうすれば、愛する子供たちに父親としての生き様を胸を張って見せることができるだろう。 先日久々に見た、最近かれの撮った写真の数々。 その素直な目線は昔のままだった。 久保木は申し込んだ。   菊池東太 1943年生まれ。出版社勤務の後、フリー。 著作 ヤタヘェ~ナバホインディアン保留地から(佼成出版社) ジェロニモ追跡(草思社) 大地とともに(小峰書店) パウワウ アメリカインディアンの世界(新潮社) 二千日回峰行(佼成出版社) ほか 個展 1981年 砂漠の人びと (ミノルタフォトスペース) 1987年 二千日回峰行 (そごうデパート) 1994年 木造モルタル二階建て (コニカプラザ) 1995年 アメリカンウエスト~ミシシッピの西 (コニカプラザ) 1997年 ヤタヘェ 北米最大の先住民、ナバホの20年 (コニカプラザ) 2004年 足尾 (ニコンサロン) 2004年 DESERTSCAPE (コニカミノルタ) 2006年 WATERSCAPE (コニカミノルタ) 2009年 白亜紀の海 (ニコンサロン) 2013年 DESERTSCAPE-2 (コニカミノルタ) 2013年 白亜紀の海2 (ニコンサロン) 2015年 日系アメリカ人強制収容所 (ニコンサロン) ほか [clink url="https://picon.fun/photo/20220626_pfw/"] ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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写真

「美術のこもれび」Rayons de soleil dans l’art ⑲ ― ルイーズ・ブルジョワ《 Crouching Spider(かまえる蜘蛛) 》について

ルイーズ・ブルジョワ《 Crouching Spider(かまえる蜘蛛)》について 専門学校日本デザイナー学院東京校 講師の原 広信(はらひろのぶ)です。 今回は、フランス・パリ育ちでニューヨークに移住して創作活動を行なったアーチストです。この作家は立体(彫刻に類する)作品をはじめ、絵画・版画の制作も行っていて幅広い表現領域を持っています。 まずはニューヨークのグッゲンハイム美術館のコレクションの中からご紹介しましょう。 [caption id="attachment_21446" align="aligncenter" width="748"] 【ルイーズ・ブルジョワ Louise Bourgeois 『妖精の裁縫師 / Fée Couturière』1963年 102 x 54cm ペイントされたブロンズ グッゲンハイム美術館蔵 / NY,米国】 ※画像引用元:グッゲンハイム美術館 HP[/caption] シンプルに奇妙な形状のこの作品。上からワイヤーのようなもので吊り下げられた展示になっています。縦長が102cmでほぼ1メートル。白っぽくペイントされたブロンズ(青銅)製ですから、それなりに重量がありそうです。ちょうどこの画像の角度では瓜実顔(うりざねがお)の形に見えています。 この形状と展示台に置くのではなく吊り下げる展示方法によって、そして作品のタイトルも含めて鑑賞者を惹きつける作品です。中央に開けられた穴から見える内部(空洞…?)を思わず凝視してしまいますね。作品をグルリと回って鑑賞したくなります。 この作品のようにルイーズ・ブルジョワは不思議な形態の作品を数多く制作しています。 続いては、 [caption id="attachment_21447" align="aligncenter" width="547"] 【ルイーズ・ブルジョワ Louise Bourgeois『トルソ 自画像 /Torso, Self-Portrait 』1963-64年 62.3 x 40.5 x 18.8cm 石膏 ニューヨーク近代美術館蔵 MoMA / NY,米国】 ※画像引用元:MoMA HP[/caption] この作品の原題にある “ Torso”はイタリア語で『胴体だけの彫像』を指します。 【参考画像】 [caption id="attachment_21448" align="aligncenter" width="655"] 『ミレトスの胴体』/torse de Milet 』-490 / -385(紀元前5世紀の第1四半期、紀元前5世紀の第2四半期)135 x 76.5 x 43cm 大理石 ミレトス劇場で発見 ルーブル美術館蔵 Musée du Louvre / Paris,フランス ※画像引用元:ルーブル美術館 HP[/caption] こちらもユニークな形状ですね。ニューヨーク近代美術館(MoMA)所蔵の作品です。 「トルソ 自画像」というタイトル。参考画像はルーブル美術館の所蔵品のトルソの一例です。 このルイーズ・ブルジョワの作品、見ようによってはトルソに見えなくもないですが…いかがですか? また自画像(Self-Portrait)ともこの作品を名付けています。石膏製で形を削り出した細かい痕跡があって、そこがまた大理石の古代のトルソの趣(おもむき)がありますよね。奇妙なフォルムとこのタイトルの不思議さがルイーズ・ブルジョワらしさでもあります。 [caption id="attachment_21449" align="aligncenter" width="703"] 【ルイーズ・ブルジョワ Louise Bourgeois『無題 (萌芽) /Untitled (Germinal) 』1995年 16.5cm ブロンズ(青銅)RISD美術館蔵 / プロビデンス,米国】 ※画像引用元:RISD美術館 HP[/caption] 画像で確認できる範囲で15の突起が上の方向に伸びている様に見えています。半円状の土台部分は内側にやや窪み、そこからむくむくと伸び出しています。突起部分の一つひとつに動きを想像させ、さほど大きな作品ではないですが、ルイーズ・ブルジョワの表現力が窺える作品です。 ※RISD(ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)美術館 引用:Wikipedia [caption id="attachment_21450" align="aligncenter" width="445"] 【ルイーズ・ブルジョワ Louise Bourgeois『軟体動物 /Les Mollusques 』1948年頃 24.0 x 16.2cm エッチングと彫刻 ニューヨーク近代美術館蔵 MoMA / NY,米国】 ※画像引用元:MoMA HP[/caption] こちらは『版画』作品です。黒色系インクの濃淡とエッチングによる線や点が描かれた全体がしっとりとした雰囲気ですが、『軟体動物』の秘められた生命感が漂っています。 エッチング (Etching)とは一般的には銅製の平板にニードルなどで傷をつけ、その表面を腐食させてインクの溜まる溝で製版する版画の手法ですが、MoMAのこの作品のクレジットでは “Etching and engraving“とあり『エッチングと彫刻』となります。この場合の彫刻はニードルでの刻版作業であろうと思います。 立体作品だけではないルイーズ・ブルジョワの表現の幅の一端を見せています。 [caption id="attachment_21451" align="aligncenter" width="750"] 【ルイーズ・ブルジョワ Louise Bourgeois 『 ママン(アマ) / Maman (Ama) 』1999年 927 x 891 x 1023cm ブロンズ・大理石・ステンレス ビルバオ・グッゲンハイム美術館 / Bilbao,スペイン】 ※画像引用元:ビルバオ・グッゲンハイム美術館 HP[/caption] 脚の長い蜘蛛を思わせる怪異なフォルム。そしてこの大きさ、画像で見ると圧巻の迫力ですね。ほぼ幅が9~10メートルで高さが9メートルを超えるという作品。この巨大な脚を動かして、移動している様に見えています。その『動き』の雰囲気は8本の脚それぞれにある筋肉や関節の表情の造形が細部まで行き渡っていることだと思います。作品名『Maman(ママン)』は母親を指す言語でもあるので、ますますこの作品のへの興味は尽きないですね。 ※ビルバオ・グッゲンハイム美術館は、スペインの大西洋側の都市ビルバオにあるニューヨークの同名の美術館の分館。ソロモン・R・グッゲンハイム財団の設立 さて、いよいよ今回の作品です。 [caption id="attachment_21452" align="aligncenter" width="750"] 【ルイーズ・ブルジョワ Louise Bourgeois 『 構える蜘蛛 / Crouching Spider 』2003年 270.5 x 835.7 x 627.4cm ブロンズ・茶色く磨かれたパティナ・ステンレス鋼 森美術館 / 六本木,東京】 ※画像引用元:森美術館 HP[/caption] 展示室の一角に展示されたこの作品は8本もの長い脚をもつ蜘蛛。神経質に身構えるこの姿は『ママン(アマ)』のようなサイズ感ではないものの、迫力は充分に展示エリアを支配しています。特に画像の手前の左右2本の脚は見る者に何とも言えない警戒心を示しているかの様です。この蜘蛛を収めておくには余りに狭い空間ですね。また、この作家の内面性やスピリチュアリティー(精神性)がその迫力の根源のように感じます。 このルイーズ・ブルジョワの作品「構える蜘蛛」が観覧できる展覧会が、東京都港区六本木にある森美術館の 『ルイーズ・ブルジョワ』展です。 この展覧会のサブタイトル『地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』がとても興味をそそれられます。 では、最後はルイーズ・ブルジョワご自身の肖像写真です。 [caption id="attachment_21453" align="aligncenter" width="743"] 【ルイーズ・ブルジョワ Louise Bourgeois 1911~2010年】 ※画像引用元:テートギャラリー HP(London,英国)[/caption]   展覧会情報 『ルイーズ・ブルジョワ』展 会 期:2024年9月25日(水)~2025年1月19日(日) 場 所:森美術館(東京都・港区六本木) 公式HP:https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/bourgeois/index.html   [clink url="https://picon.fun/art/20240809/"] ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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アート

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インテリアデザイナーが解説! 渋谷にニューオープン「TSUTAYA BOOKSTORE」の魅力とは?

2024年7月25日に「渋谷サクラステージ」の4階に地域最大級となる書店「TSUTAYA BOOKSTORE」がオープンしました。 そのコンセプトは、公式HPに次のように記載されています。 「SHIBUYAの今とこれからを過ごす全ての人々の生き方が広がる場」をコンセプトに掲げ、渋谷を訪れるクリエイティブワーカーと、渋谷周辺にお住まいの方々をメインターゲットに、約16万冊の在庫を展開する渋谷エリア最大級の書店。渋谷に住む・働く・遊びに来る全ての人の知的好奇心を刺激する「本」に囲まれた空間と、「本」を通じて「知」が広がる体験をご提案いたします。 (出典|TSUTAYA BOOKSTORE 公式HP) 日本にある書店の数は、全国で見ると1990年頃の2万店をピークに、30年余りで半数以下に。都内においては80%が廃業したとのデータが。これはインターネットとスマートフォンの普及にほぼ比例していることは間違いありませんが、これは書店に限ったことではありません。ネットショピングの普及により、他の物販店も減少してきているのです。 そんな中で大型店を出店する「TSUTAYA BOOKSTORE」は、どのような戦略や工夫をしているのか? 「商業施設としてのインテリアデザイン」の視点で、気になるところをお伝えしてみたいと思います。 文・撮影/角範昭(インテリアデザイナー) 大型店だからこそできる「魅せ方!」 まず、本の陳列方法に工夫がありました。その工夫とは、もっとも情報量が多く目につきやすい「表紙」を見せる「面陳列」のスペースがとにかく多いことです。 一般的には平らな台のスペースを設けて「平積み」にすることが多いのですが、実用書は背の高い6段ある棚の中段の2段を「面陳列」のスペースに使っています。漫画の棚に至っては9段のうち5段を「面陳列」にし、売り出し中の漫画に至っては同じ表紙を横に6冊も並べているところまであります。 勉強や仕事もできるカフェラウンジ 店内には、アプリ会員になると利用できる180席の「シェアラウンジ」と会議室を併設。朝8時から夜23時まで利用でき、ビジネスなどさまざまな利用法が想定されています。 ホテルのラウンジのような雰囲気の空間には、ゆったりとしたソファーや、一人になれるカウンターがあり、アルコール、ドリンク、スナックなどが用意されています。魅力的なことに、購入前の本を3冊まで持ち込んで読むことができます。 ビルの上層階にはたくさんのオフィスがあり、十分な利用が見込めるはず。中小規模のテナントビルにはない、大型複合施設ならではの立地によるメリットですね。 インテリアデザインはとてもシンプルで、コストや環境も意識されている モノトーンでまとめられた店内は、ニュートラルグレイのセラミックタイルの床、天井はスケルトンでブラックアウトされています。 セラミックタイルは2000年ごろから急速に普及した素材。以前主流だった塩ビタイルなどと比べると初期コストは高めですが、10年以上メンテナンスや張り替えの必要がなく、結果的にライフサイクルコストを下げられるのがメリットです。 天井は、音に気を使う物販スペースやラウンジ以外の部分では、石膏ボードや吸音板は貼らずに構造体のまま塗装しただけですが、照明を天井に当てないことでダクトやエアコンなどが目立たなくなり、省エネ効果も期待できます。気になったのは、壁の石膏ボードがビス丸出しで塗装もないこと。簡素極まりないですが、近くで見なければ気にならないのでしょうか? 陳列の棚は、汎用性の高い既製品の棚を組み合わせたものですが、側面にスタッドと呼ばれる壁の下地材を使ってパネルを作り、簡素ながら素朴でクールな表情を出しています。 時代に合わせ業態が変わっても書店の魅力は健在 本の一番の魅力は、思わぬ情報や他人の経験などと巡り合わせてくれることだと思います。 私は、本の表紙を見てどんなことが書かれているかを最初に想像してから、答え合わせをするように読むことが好きです。そうすると思わぬ発見があったり、何かに気付かされたり、期待値を上回る裏切りに遭ったりして、とてもドラマチックに感じることができますよ(笑)。 皆さんも気分を変えたいときに足を運んでみてくださいね。 文/角範昭 専門学校日本デザイナー学院90年卒。97年有限会社空デザイン開業。 小さな街の飲食店から大型フィットネスクラブまで現在までに1300店舗以上を手掛ける。 ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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デザイン

【イラレテクニック】デザイン文字のアピアランスレシピ紹介/Adobeであそぼ!#18

どうも、スタッフの横山です。 ちょっと久しぶりの「Adobeであそぼ!」の18回目の記事でございます。 過去の記事を見返すとAdobe Illustrator(略称:イラレ)の記事が人気がありそうなので、イラレ記事の連投になりますが今回もイラレで記事を書いていきます。 今回は「アピアランス文字」を解説。 「アピアランス」というのは過去の記事でも取り上げたことがありますが、文字や図形などに複数の線、塗り、効果を組み合わせることができ、リッチなビジュアルに加工することができる機能です。 [clink url="https://picon.fun/design/20220324/"] 以前の記事では「溶けた文字」のつくり方を書きましたが、アピアランスを工夫するとさまざまな文字表現ができるので、今回はそのレシピを4つご紹介します。   まずは基礎的な説明のために簡単なコチラから。 アピアランスパネルの説明 線や塗り、効果などを複数設定することができ、複雑になればなるほど項目が多くなっていきます。 レシピ1:立体シルエット文字 アピアランスを使えば、打ちっぱなしの文字だけでここまで変形させることができます。 手順1:文字を打つ テキストツールで文字を打つとデフォルトでは黒の文字になります。この文字を選択している状態で「アピアランスパネル」を見ると「黒の塗り」は表示されていません。 手順2:文字の色を消す 初期の文字色を残したままだとキレイに作れないことがあるので、まずは文字の塗りの色を赤斜線で「なし」にします。 手順3:「新規塗りを追加」 「新規塗りを追加」ボタンを押し、赤色に設定しました。 手順4:さらに「新規塗りを追加」一番下に もういちど「新規塗りを追加」を押して黄色に設定し、赤より順番を下にします。しかしこのままではぴったり重なって黄色は見えません。 手順5:「パスのオフセット」で太らせる 「黄色の塗り」項目を選択している状態で「新規効果」>「パス」>「パスのオフセット」と進み、今回は12ピクセル太らせました。「パスのオフセット」というのは形をつくっているパスを外向きに太らせたり、内向きに痩せさせたりすることができる効果です。 「角の形状」を「ラウンド」にしておくこともポイントです。形によりますが、トゲが突き出てしまうことを防止してくれます。 手順6:ずらして増やす【完成】 「黄色の塗り」にさらに新規効果、「パスの変形」>「変形」を追加して、今回は「移動」の項目を「水平&垂直:0.5px」、「コピー」の項目を「80」に設定。そうすると右下に少しずれた形が80回繰り替えされ、右下に伸びたような形状になります。   ということで、アピアランスパネルの基礎的な使い方はこんな感じ。これらを応用していきます。   次はこちら レシピ2:ネオン文字 光っているネオン管のような表現もできます。ネオンは明るい背景色より暗い色のほうがネオンらしく見えますよ。 手順1:文字を打ち、白い線を設定 手順2:新規線を追加して白より太く 今回は赤色の7ptの線にしました。ネオン管そのものの役割です。 手順3:白い線をぼかす 白い線を選択して、効果「ぼかし」>「ぼかし(ガウス)」を設定。ネオン管のハイライトの役目です。 手順4:さらに太い線を追加して半透明に ネオン管と同じ赤色でさらに太い線を追加。今回は不透明度を70%に。 手順5:太い線を強めにぼかす【完成】 不透明度70%にした線を強めにぼかすとネオン管からの光の表現になります。   レシピ3:飛び出す3D文字 バラエティやアミューズメントのようなデザインのときに使えそうな飛び出してくる文字。 細かな説明は割愛しますが、レシピはこんな感じです。   レシピ4:ゴールド立体文字 立体感のあるメタリック文字は豪華なビジュアルにしたいときに重宝しますね。ゴールドっぽいグラデーションの色味の説明は省いていますが見た目のとおりです。 アピアランスのレシピはこんな感じ。   と、いうことで4つのレシピをご紹介しました。 アピアランスで加工された文字表現は工夫次第でとてもたくさんのビジュアルを作り出すことができます。 慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、簡単なものからチャレンジしてみてはいかがでしょう♪   PicoN!編集部:横山 ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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デザイン

台湾のスイーツ&お土産ショップ/宮原眼科のパッケージデザイン

みなさんは、台湾にある「宮原眼科」を知っていますか? 宮原眼科とは、日本人の宮原武熊氏が1927年に開業した眼科で、その建物を台湾の日出グループが購入し、スイーツ&お土産ショップとして2012年にリニューアル。台湾を訪れる観光客にも人気があり、いま注目のスポットとして知られています。 [caption id="attachment_21339" align="aligncenter" width="750"] 宮原眼科の外観[/caption] 実際に宮原眼科へ行ってきたので、お店やお菓子のパッケージデザインを紹介していきます! 店内は天井が高く図書館のようで、ファンタジーな雰囲気が映画ハリー・ポッターを感じさせます。細かい部分まで、こだわりの詰まっている内装に思わず見とれてしまいました! 台湾のお土産として有名なパイナップルケーキをはじめ、チョコレートやカステラ、ヌガーなど、レトロでおしゃれな台湾らしいパッケージに包まれたお菓子が並びます。日本語表記もあるので安心です! 中秋節があったため、ウサギをモチーフにしたパッケージもありました。 レコードのような↑こちらの中には、紅茶がたくさん入っていました!おもしろいアイデアですね。 一つずつ見ていきたいと思います! [caption id="attachment_21357" align="aligncenter" width="750"] パイナップルケーキ[/caption] [caption id="attachment_21353" align="aligncenter" width="750"] はちみつ味と紅茶味のカステラ[/caption] [caption id="attachment_21354" align="aligncenter" width="750"] 紅茶[/caption] [caption id="attachment_21355" align="aligncenter" width="750"] ミルク味のヌガー[/caption] [caption id="attachment_21358" align="aligncenter" width="750"] バタフライクッキー[/caption] 宮原眼科のInstagramには素敵な写真とともに、この他にもさまざまな商品が載っているのでチェックしてみてください!   この投稿をInstagramで見る   日出 宮原眼科(@miyahara1927)がシェアした投稿 台湾らしいレトロなパッケージのお菓子は、お土産にぴったり。それぞれが個性的なデザインで、つい色々と集めたくなってしまいました!パッケージデザインを考えるときの参考になれば嬉しいです。また、台湾旅行を計画中の方は、ぜひ「宮原眼科」に立ち寄ってみてくださいね。 宮原眼科 HP Instagram @miyahara1927 宮原眼科から歩いて3~4分ほどの「第四信用合作社」は、同じく日出グループが銀行だった建物をリノベーションしたカフェ。宮原眼科で売られているお菓子を購入したり、アイスクリームを食べることができます。 私は鉄観音フレーバーをチョイス!茶葉の味をしっかり感じられておいしかったです。他にもウーロン茶やキンモクセイなど、台湾ならではの紅茶味のアイスクリームがたくさんありました。こちらもぜひ! PicoN!編集部 木下 ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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