クリエイティブ系専門学校で聞いてみた「映画なにが好き?」
みなさん、映画、お好きですか?
映像、音、演技、ストーリー、総合芸術とも言われる「映画」は多くの人々の感性に影響を与えているメディアのひとつでしょう。
と、いうことは、クリエイターにも影響を与えているはず。今回はクリエイティブ系専門学校で好きな映画について聞き取ってみました!
1番というのは難しいので「好きな映画ひとつ教えてください」という聞き方で5名の方と、私横山が回答させていただきました。
上原則博 先生(アートディレクター)の好きな映画
アリス/ヤン・シュヴァンクマイエル 監督(1988年)
—上原先生のコメント—
チェコのアニメーション作家ヤン・シュヴァンクマイエルが「不思議の国のアリス」を独自の解釈で製作した長編映画。実写とストップモーションアニメーションが混在する全編にわたるシュールな雰囲気に引き込まれました。特に映画の中で多く登場する動くアッサンブラージュのような不可思議なオブジェが魅力的で興味深かったのを覚えています。
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浦野康介 先生(アニメーション監督・映像ディレクター)の好きな映画
The Beatles Yellow Submarine/ビートルズ(1968年)
—浦野先生のコメント—
毎年僕のアニメーションの授業でもDVDの上映をしているのですが、僕が表現としてのアニメーションに興味を持ったきっかけとなった作品です。公開は1968年なので(日本での公開は1969年)もちろんリアルタイムでの鑑賞ではないです。僕、当時まだ産まれてません…。 ストーリーでみせるような作品ではなくかなりシュールでアート的な演出で、当時人気絶頂であったビートルズの楽曲、コラージュのように様々な表現をミックスしたビジュアルのコラボレーションは今観てもかっこよく実験的で新鮮です!(その後に登場するミュージックビデオの先駆けともみて取れます)また、ビートルズの冠が付いてる映画なのに、本人たちの出演はたったラスト1カットだったり…当時の人達はどんな感想を抱いたのだろう?とか思ってしまいます。ジブリやディズニーなどの商業大作とは別ベクトルの「アニメーション表現」を知ることができる映画なので、是非何も情報を入れずに観てもらいたい…のですが現在のネット配信は無いようで、DVDかブルーレイでの鑑賞のみとなるので若干ハードルは高いかもしれません。
トシダナルホ 先生(イラストレーター)の
好きな映画
ひなぎく/ヴェラ・ヒティロヴァ監督(1991年)
—トシダ先生のコメント—
チェコの伝説的オシャレ映画です。 ボブヘアのマリエとツインテールのマリエの姉妹は男の人にご飯を奢らせたり、枕やシーツを切り刻んで遊んだり日々ご機嫌に暮らしています。 え?2人ともマリエなの?とか急に画面がチョキチョキと刻まれてコラージュされていく演出なに?!正直意味不明。 ところが、マリエ達のファッションも画面も常にオシャレ、とにかくかわいい! 意味不明をオシャレでねじ伏せた感じ。かっこいい、かわいいを極めればそれでOKなんだ!とわたしにとっては原風景的作品。 最後の急展開は人生の山あり谷あり崖ありの不条理を学ぶことにもなりました!
配信系見つからず(涙
黒田渉 先生(コンテンツチームスタッフ)の好きな映画
バンパイアハンターD/マッドハウス制作(1999年)
—黒田先生のコメント—
菊地秀行の小説が原作の長編アニメーション映画です。原作の世界観を見事に再現しつつ、その画の綺麗さとアニメーションの凄さに圧倒されます。とくにゴシックホラーや吸血鬼モノが好きな方は必見です。 舞台は中世ではなく遥か未来、その世界設定やDというキャラクターの魅力を語りだすとキリがないのですが、個人的にこの映画ではそのラストシーンの描かれ方が特に好きです。 長寿の身でありながら、ちょっとした口約束を大切に生きているDの生きざまと、彼が生きるその世界の壮大さが写し出されるような描写でエンディングを迎えます。 この世界観の素敵な部分が凝縮されているようで何度も見返したくなる作品です。
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濱田愛実 先生(入学相談室スタッフ)の好きな映画
超劇場版ケロロ軍曹 撃侵ドラゴンウォリアーズであります!/サンライズ、ブリッジ制作(2009年)
—濱田先生のコメント—
2009年に公開された、劇場版「ケロロ軍曹」の第4弾作品です。 本作は、ケロロ小隊がドラゴンへと姿を変えられてしまうのですが、ドラゴンになったケロロ達の戦闘シーンが超かっこいい! ケロロ軍曹、子どもの頃見ていた方も多いのではないでしょうか。 大人になって見るケロロ、かなり良いです。 愛らしすぎるケロロ達の日常が、どんな気分の時でも、何も考えずに見れるので(ここ重要)、ぜひ。
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筆者:横山淳平(コンテンツチームスタッフ)の好きな映画
落下の王国(The Fall)/ターセム・シン監督(2006年)
—横山のコメント—
病院で出会う入院する男と幼い少女。男が少女にせびられて「おとぎ話」を聞かせてあげる。その少女の想像が壮大な映像になって映し出される映画です。ユニークな登場人物、ワクワクする冒険、壮大な風景、美しい衣装、そして男が紡ぎだす順風満帆には進まないおとぎ話。純粋にハッピーエンドを望む少女。まだ映画の撮影当時10歳にも満たない少女の涙のシーンは心が張り裂けそうになりました。僕の人生のなかで記憶から消えない映画の1つです。制作は「ザ・セル」のターセム監督、衣装デザインは石岡瑛子さん、13の世界遺産、24ヶ国以上で撮影という映像へのこだわりと、独創的なストーリーが魅力の映画です。
以上、6つの映画をご紹介させていただきました。
もうすぐ夏休み!映画を見るにはちょうどよい時期ですね。
最新作の映画も魅力的ですが、過去作もおもしろい映画はたくさんあるのでぜひいろんな映画からシゲキをもらってくださいね!
PicoN!編集部 横山
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