風景写真をマンガ背景に!【Photoshop】/Adobeであそぼ!#05

マンガの世界観を伝える大事な要素として、キャラクターたちの「背景」ってとても重要ですよね。

だけど、背景をこだわろうとするとキャラクターを描く以上に時間が必要になってきます。

もし、マンガの世界観が現実の世界と大きく変わらないのであれば、現実の風景写真データを加工してマンガ背景にするのはいかがでしょうか?

 

今回はAdobe Photoshopを使って、風景写真をマンガ背景風に加工する方法を解説します。

今回使用する写真データは、学校の2階に位置する学生ホールを写したこの写真。

これをマンガ調に加工していきます。

 

STEP01/彩度を落とし「線画用」「ベタ塗り用」レイヤー2グループを作成。

Photoshopで画像を開き、
イメージ〉〈色調補正〉〈彩度を下げる〉を選び、白黒の画像にします。

白黒の写真になったらレイヤーを複製して、
新規グループ2つ作り、それぞれに1枚ずつレイヤーを格納します。

この2つのグループは、このあとの作業で「線画」用のレイヤーと、「ベタ塗り」用のレイヤーの2つの用途で使い分けます。

 

STEP02/線画用のレイヤーを作成。

グループ内のレイヤーを1つ選び(今回はグループ2)
フィルター〉〈その他〉〈ハイパス〉を選び、色調が変化している部分のディティールだけを抽出します。

ハイパス〉の数値はうっすらとディティールが見えるくらいで大丈夫です。

ハイパス〉できたレイヤーに〈2階調化〉を加えます。
しきい値を調整して背景に出て欲しい「」が現れる値にあわせます。

 

STEP03/ベタ塗り用レイヤーを作成。

グループ2(線画用レイヤー)は一旦非表示にして、
グループ1のなかのレイヤーを加工していきます。

2階調化〉を加えて背景で「黒ベタ」にしたい部分の表現になるよう数値を調整します。

 

ここまでできたら非表示にしていたグループ2も表示さて、表示モードを〈乗算〉にします。

そうすると、線画のレイヤーとベタ塗りのレイヤーが重なって見えるようになります。

一旦保存してみるとこのような感じ。

マンガ背景に近づいて来ました。

ここらへんで一旦保存をしておきましょう。

ファイル形式はレイヤー情報が残るようにPhotoshop形式。

 

STEP04/トーン用の画像を作成。

つぎは別ファイルとして作業を進めていきます。

もともとの画像をPhotoshopで開き、
イメージ〉〈モード〉〈グレースケール〉で白黒の画像にします。

つぎに、
イメージ〉〈色調補正〉〈ポスタリゼーション〉を選び、グレーの階調を少なくします。

ポスタリゼーション〉で色の階調数(色の数)を少なくすることで、マンガで使われる濃さの違う「トーン」の役目を表現してくれます。

この状態で、
モード〉〈モノクロ2階調〉に編集し、
種類」で〈ハーフトーンスクリーン〉を選びます。

この〈ハーフトーンスクリーン〉がマンガの「トーン」を再現してくれるものになります。

「網点形状」は「円」を選び、
「角度」は45度。
「線数」は画像のサイズによって変わるので、ちょうどよい数字を探してみてください。
今回は「60」で進めていきます。

「OK」を押すと、
グレーだったところがトーンのように円形ドットの密度によって表現されます。

 

STEP05/「線画」「ベタ塗り」「トーン」を合成すると完成!

先に作成していた「線画」「ベタ塗り」を作成したデータに、先ほど作った「トーン」のレイヤーをコピペして、モードを〈乗算〉にして合成すると完成です。

データとして書き出すとこのような感じになります。

途中に調整を追加しながら作成したデータ

 

だいぶマンガ背景らしくなったのではないでしょうか。

加工する写真によって特徴が違うので、データに合わせて途中で調整を追加していくとより理想に近い表現になっていくと思います。

このままでは「写真をマンガ風に加工した感」がどうしても残ってしまうので、このデータを土台にして、手描きで線を加筆したり、不必要なものを消したりするとよりマンガになじませることができます。

 

いかがでしたでしょうか?
面倒なマンガの背景作り、
もしかしたら写真加工で解決できるかもしれませんよ。

ぜひ試してみてください♪

 

PicoN!編集部 横山

関連記事