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スマホで手軽に『物撮り(商品撮影)』に挑戦!
今回は、スマホで手軽にできる『物撮り(商品撮影)』をご紹介します! SNSに載せたいけどなかなかうまく撮れない、自宅の蛍光灯だと暗く映ってしまって影が気になるなど、"モノ"を撮影するときに困ったことはありませんか? いつものスマートフォンでの撮影に一工夫するだけで、自宅で簡単にきれいに商品撮影をすることが可能になります! 用意するもの ・被写体となるモノ ・LEDライト ・トレーシングペーパー ・背景用画用紙 ・マスキングテープ ★あると便利なもの ・クリップ ・透明のバインダー ・スマホ用三脚 セットの作り方 自宅のテーブルと壁を使用してブースをセッティング。 今回は一人でも簡単に物撮りができるようにバインダーにトレーシングペーパーを挟んで自立するディフューザーを作成し、使用して撮影しました! ディフューズの効果とは? ディフューザーには光を拡散させて影を柔らかくする効果があるので、モノを撮る際にはディフューザーを使うとよりキレイに撮影が可能になります。 今回はバインダーとトレーシングペーパーを使用して簡易的なディフューザー作ってみました! トレーシングペーパーがない場合は、ビニール袋でも簡単に柔らかい光が完成するので是非試してみて下さいね! 効果にどれくらい違いが出るのか見てみましょう。 ライティングをして実際に撮影! 〇ライトなしの場合 全体的に暗く、光が回っていない状態です。 全体的に光量が足りていない印象に。 ここから実際に光を当ててライティングしていきます! 横からライトを当てる 〇ディフューズなし LEDの光をモノに直接当てて、撮影しました。 強めの影が出ていてコントラストが効いており、クールでスタイリッシュな印象に! 〇ディフューズあり トレーシングペーパーを通して撮影してみました! ディフューズすることで全体に光が回り、柔らかく明るい印象になりました。 トップライトを当てる 〇ディフューズなし 上から直接ライトを当てて撮影しました。横からのライティングに比べると光が全体に回り、商品全体が明るく映っています!影が濃くはっきりと出るため、力強くシャープな印象に。 〇ディフューズあり こちらは上から光を当て、トレーシングペーパーを使用して撮影してみました!影の濃さが和らぎ、全体的に柔らかく明るい印象に仕上がっています。 シンプルな商品でも、優しい雰囲気を出したいときにおすすめのライティングです。 いかがでしたか? ちょっとした工夫で、同じ被写体でも写真の印象は大きく変わります。「光の向き」と「ディフューズ」を意識するだけで、ぐっとレベルアップした物撮りが可能に! ぜひ、おうちで試してみてくださいね! PicoN!編集部松浦 ↓PicoN!アプリインストールはこちら

天王洲で現代アートの現在地を辿る—「TENNOZ ART WEEK 2025」レポート
ジャンルや世代を超えた作品を通じて、日本の現代アートの「いま」を幅広く紹介する「TENNOZ ART WEEK 2025」が、2025年9月11日から15日の5日間、天王洲で開催されました。 国際アートフェア「Tokyo Gendai」のオフィシャルパートナーである寺田倉庫株式会社が、連携企画として実施した本イベント。 寺田倉庫の6施設をすべて活用し、大規模な展覧会や体験型の展示、ワークショップなど、多彩なプログラムを展開しました。 現代日本のリアリズム絵画を代表する画家、諏訪敦(すわ あつし)氏の軌跡を辿る個展や、国際的に活躍するアーティスト、ナイル・ケティング氏によるパフォーマティブ・インスタレーションなど、アートシーンの最前線を体感するプログラムが多数行われました。 この記事では、諏訪氏とケティング氏の展示を中心に、「TENNOZ ART WEEK 2025」のイベントレポートをお届けします。アーティストやキュレーターの言葉を交えながら、作品が生まれた背景も紹介しますので、ぜひ現代アートの魅力に触れてみてくださいね。 「諏訪敦|きみはうつくしい」—人物画と静物画のはざまを描く [caption id="attachment_26275" align="alignnone" width="750"] WHAT MUSEUM 展示風景 「諏訪敦|きみはうつくしい」 Photo by Keizo KIOKU中央の作品は、最新作の《汀にて》(2025年)。[/caption] 卓越した描画技術によって、対象の本質に迫るリアリズム絵画を描き続けてきた諏訪敦氏。現代日本におけるリアリズムの第一線で活躍する画家として、国内外から注目されています。 およそ3年ぶりの大規模個展となる本展では、約80点の作品を通して、これまでの制作活動の変遷を辿ります。 [caption id="attachment_26276" align="alignnone" width="750"] 「emptiness」 2024 Photo by 筒口直弘[/caption] 諏訪氏は、実在のモチーフを精密に描写する従来の写実絵画とは異なり、徹底した取材をもとに、不在の対象に迫る表現を追求してきました。 亡くなった人々や、神話・古典文学の登場人物など、不可視な存在を描くリサーチプロジェクト型の制作スタイルが、高い評価を得ています。 本展の最大の見どころは、これまでの表現とは一線を画す大型絵画《汀にて》(2025年)です。 [caption id="attachment_26277" align="alignnone" width="750"] 《「諏訪敦|きみはうつくしい」短編ドキュメンタリー 諏訪敦 — Still Life》(2025年)のワンシーン。諏訪氏が《汀にて》を制作する過程を記録しています。[/caption] 家族の死と向き合う中で、様々な心境の変化があり、人物画から静物画、そして両者の境目とも言える表現へと、移り変わっていったそうです。 [caption id="attachment_26278" align="alignnone" width="750"] 諏訪敦氏(右)と本展のキュレーターを務める宮本武典氏(左)[/caption] ここでは、本展のキュレーター・宮本武典氏による展示解説をご紹介しながら、諏訪氏の表現の変遷をレポートします。 展覧会レポート—対象の本質を見つめる表現 [caption id="attachment_26279" align="alignnone" width="750"] 諏訪敦《美しいだけの国 ver.2》2015〜2016年[/caption] 本展は、Chapter1〜5の5つのパートで構成されています。鑑賞者が最初に足を踏み入れるのは、「どうせなにもみえない」と名付けられたパートです。 正面に立つ女性が、頭蓋骨の目の向こうからこちら側を見ている作品や、キリンの頭部の骨格があらわになった絵画など、諏訪氏の代表作がひとつの部屋に集結しています。 [caption id="attachment_26280" align="alignnone" width="750"] WHAT MUSEUM 展示風景 「諏訪敦|きみはうつくしい」 Photo by Keizo KIOKUChapter1「どうせなにもみえない」[/caption] キュレーターを務める宮本氏は、「どれだけリアリズムを追求しても、その中身や本質を描くことはできないという大きな矛盾を、諏訪さんは自身の命題として取り組んでいます」と説明。 写実的な表現をシニカルに捉えながらも、逆説的な状態から真理を見出す画家のあり方を示しています。 さらに、宮本氏は、諏訪氏の作品テーマについて、次のように解説しました。 「精緻に描くほど、時間をかけるほど、永遠の不可能性や死というテーマも浮かび上がってきます。だからこそ、諏訪さんは、多くの死と向き合ってきた画家でもあります」 [caption id="attachment_26281" align="alignnone" width="232"] 「山本美香」 2014 Photo by 南高正[/caption] 続くChapter2のタイトルは、「喪失を描く」。この部屋に並ぶのは、ご遺族やパートナーの方から制作を依頼されて描いた、肖像画の数々です。 国際的なジャーナリストとして活躍し、シリア内戦の取材中に亡くなられた山本美香氏や、若くして息を引き取った方々が、精緻に描画されています。 「作品の背後には、丹念な準備と徹底的な取材、そして、積み重ねられたコミュニケーションがあります。写真を受け取ってその通りに描くということは、一切していません」と宮本氏。 ご遺族の方々に直接会って何度もお話を聞き、残された人々の記憶の中に、モデルとなるご本人の姿を捉えています。 [caption id="attachment_26282" align="alignnone" width="750"] 諏訪敦《father》(1996年、佐藤美術館所蔵)[/caption] Chapter3では、「横たえる」というタイトルの通り、横たわる人々の作品が展示されました。 誰かの死を描く中で、同時に、自身の家族の死を見つめてきた諏訪氏。代表作のひとつである《father》(上の写真)は、父親が亡くなるまでの時間と向き合い、親子の関係という視点で表現した作品です。 最近では、母親が病床に横たわる様子もスケッチしています。 彼が経験した壮絶な日々について、宮本氏は次のように語りました。 「亡くなって横たわっている人間は、果たして人物なのか静物なのかという問いが、彼の中で生まれました。『今は、静物画でしか自分を表現できない』と話していた時期があり、家族の死から静物画を考えるフェーズへと移行していきます」 [caption id="attachment_26283" align="alignnone" width="750"] WHAT MUSEUM 展示風景 「諏訪敦|きみはうつくしい」 Photo by Keizo KIOKUChapter4「語り出さないのか」[/caption] Chapter4「語り出さないのか」のパートでひときわ目を引くのが、中央に展示された静物画のモチーフです。蚕の繭や稲穂など、豊かさを象徴するものがある中で、剥製や酸素マスクも並んでいます。眺めていると、生と死を同時に感じるような、不思議な感覚になりました。 [caption id="attachment_26284" align="alignnone" width="750"] 諏訪敦《頸椎の上に豆腐が載って在る》2024〜2025年[/caption] コロナ禍で人と会うのが難しかった頃、静物を通じて自分なりの絵画論を展開したいという思いから、諏訪氏は「食物起源神話」というテーマに辿り着きます。これは、日本をはじめ、アジア各地に継承されている神話で、地母神が殺められた後に、その遺骸から生命を育むための食物や資源がもたらされるという共通のストーリーがあります。 諏訪氏は、亡くなったものから、新しい物語を生み出せないかと考えた時に、この神話がヒントになるのではないかと考え、静物画のプロジェクトに着手しました。 [caption id="attachment_26285" align="alignnone" width="750"] 諏訪敦《東西の酒器と洋梨》2025年[/caption] シリーズのもうひとつの特徴は、蚕やタロイモといった、ヨーロッパの伝統的な静物画にはないモチーフを選んでいる点です。 対象を目に映るままに描写するのではなく、背後にある地母神の存在を浮かび上がらせようと試みています。 しかし、プロジェクトが進行する中、彼の母親が息を引き取ったことをきっかけに、「食物起源神話」をテーマとする静物画から、さらに表現が変化します。 [caption id="attachment_26286" align="alignnone" width="200"] アトリエ風景 Photo by Keizo KIOKU[/caption] 静物画のプロジェクトを休止した後、彼が作り上げたのが、本展のメイン作品である《汀にて》(2025年)です。宮本氏がアトリエを訪れると、骨格標本に少しずつ手足が肉付けされ、徐々に人間の形になりつつあるモチーフが出現していたと言います。 Chapter5では、諏訪氏が骨格標本に手を加えたブリコラージュと、その過程を記録したスケッチ、そして大型絵画《汀にて》(2025年)が展示されました。 [caption id="attachment_26287" align="alignnone" width="750"] WHAT MUSEUM 展示風景 「諏訪敦|きみはうつくしい」 Photo by Keizo KIOKUChapter5「汀にて」[/caption] 展示室の壁面には、《汀にて》の制作に至った心境が、諏訪氏の言葉で綴られています。 父を亡くした時と同じように、死の床の母を静物のように描いた自分は、ちゃんと悲しむことができない、 こんな〈人間もどき〉なのかもしれない。 この絵は静物画に似ているし、風景のようにも私には見える。 〈ひと〉と〈モノ〉の汀に立ち尽くしているみたいだ。 彼の言葉を受けて、宮本氏は、「もう一度人を描くためには、自分でまずモチーフを作るところから始める必要があったのだと思います」と補足しました。 また、本作が「九相図」という仏教絵画から題を取っていることにも言及しました。「九相図」とは、人間が亡くなり骨になって朽ちるまでを9枚の絵で表したものです。 ただし、「九相図」をテーマとしながらも、母親が亡くなった後に生きていた時点を立ち上げている点は、本来の時間の流れとは逆行していると指摘しました。 これまでの制作スタイルとはまったく異なるプロセスで生まれた《汀にて》。諏訪氏の作品を丁寧に辿ると、新しい表現が何を語っているのか、見えてくるかもしれません。 「ご覧になった方が、それぞれに色々なストーリーを作って、タイムトラベルしてもらえたらいいなと思います」と宮本氏が締めくくりました。 [caption id="attachment_26288" align="alignnone" width="200"] 《汀にて》の前で挨拶をする諏訪敦氏[/caption] 最後に、《汀にて》を制作に至った心境について、諏訪氏が次のように語りました。 「コロナ禍で、2人の高齢者を自宅で介護していたのですが、その中で、人間の美しさをあまり信じられなくなることもあったんです。母親は誰にとっても大きな存在だと思いますが、知性や運動能力などを、見えない病気で剥がされていく感覚がありました。それに臨む時に、自分の醜い感情が浮かんできたんですね。 僕は、望まれることでしか人を描けないタイプなので、人間の美しさを全肯定したいのですが、それが難しくなってしまいました。 その時に、静物画が、自分にとって救いになってしまったところがあります。一方で、人物画に復帰しなければならないという義務感も、心のどこかで持ち続けていました」 彼の言葉からは、人物と静物のはざまを行き来し、新しい表現を模索していた様子がうかがえます。 生と死に向き合い続け、緻密に描き出してきた諏訪氏の軌跡を辿る本展は、2026年3月1日(日)まで開催しています。ぜひ会場に足を運び、最新作《汀にて》に至るまでの変遷を体感してください。 ナイル・ケティング《Blossoms – fulfilment》—体験型のパフォーマンスから鑑賞する行為を考える [caption id="attachment_26289" align="alignnone" width="750"] TENNOZ ART WEEK 2025「Blossoms – fulfilment」展示風景 Photo by Asuka Yazawa[/caption] パフォーマティブ・インスタレーションという形式の作品で、国内外から注目されるアーティスト、ナイル・ケティング氏。 本プログラムでは、2024年にリスボンのCAM Centro de Arte Modernaで発表した《Blossoms》をもとに、新作を展開しました。天王洲の倉庫空間を舞台に、鑑賞という行為そのものや鑑賞者のあり方を問いかけます。 日本で初めて公開されたケティング氏のパフォーマティブ・インスタレーションに、多くのアートファンの関心が集まりました。 体験レポート—パフォーマーと鑑賞者が一体となるコミュニティ [caption id="attachment_26290" align="alignnone" width="750"] 《Blossoms – fulfilment》Blossomによるパフォーマンスの様子[/caption] 《Blossoms – fulfilment》は、インスタレーションの中で常にパフォーマンスを行い、鑑賞者を含めてひとつのシチュエーションを作り上げる作品です。 会場を訪れると、作品の一部としてハンドアウトが手渡されます。そこに掲載されたQRコードから専用のWebアプリケーションにアクセスすると、体験がスタート。 [caption id="attachment_26291" align="alignnone" width="750"] 《Blossoms – fulfilment》のWebアプリケーションの画面。Blossom1のプロフィールが表示されています。[/caption] アプリケーションを開くと、5人のBlossoms(パフォーマー)のプロフィールや現在どのような行動を取っているかが表示されます。 Blossomsは、ミュージアムで作品を見る気力を養うために、トレーニングと呼ばれるパフォーマンスを行い、屋外の施設へ出かけて行きます。 彼らが今どこにいるのか、アプリケーションのマップで確認することも可能です。 [caption id="attachment_26292" align="alignnone" width="750"] 《Blossoms – fulfilment》のWebアプリケーションの「マップ」[/caption] さらに、鑑賞者もBlossomとして展示に参加できるのが、本展の面白いポイントです。展示会場の入り口にある「ステムライン・エントランス」を通れば、作品の世界へとすっかり入り込んでしまいます。 [caption id="attachment_26293" align="alignnone" width="750"] 《Blossoms – fulfilment》「ステムライン・エントランス」[/caption] パフォーマティブ・インスタレーションでは、鑑賞者であるBlossomsが、ベンチに腰掛けて作品の一部になったり、アプリケーションを通じて交流したりすることができます。 [caption id="attachment_26294" align="alignnone" width="750"] 《Blossoms – fulfilment》展示会場の様子。鑑賞者もBlossomsとなって、空間を自由に歩き回ったり、ベンチに座ったりしています。[/caption] [caption id="attachment_26295" align="alignnone" width="750"] 《Blossoms – fulfilment》のWebアプリケーションの「ブルーム」[/caption] アプリケーションの「ブルーム」は、匿名のテキストメッセージサービスで、Blossomsが交流する場です。 テキストや写真をアップすると、「ブルーム」の空間がひとつのコミュニティになっていきます。 [caption id="attachment_26296" align="alignnone" width="750"] 「ブルーム」のチャットが映し出されたモニター[/caption] 「ブルーム」のやりとりは、会場のモニターに時折映し出され、鑑賞者が「自身も作品に参加している」と実感し、人々とのつながりを意識することができます。 展示を通して、パフォーマーと鑑賞者が一体となり、ひとつの作品を作り上げていく感覚を味わえました。 会場では、ケティング氏による挨拶があり、Blossomsとは何か、なぜ鑑賞という行為に焦点を当てたのかを語りました。 [caption id="attachment_26297" align="alignnone" width="200"] ナイル・ケティング氏[/caption] 「ある日、『SNSのフォロワーを買いませんか?』という広告を目にした時に、インターネット上の「サクラ」が思い浮かんだのです。現代のデジタルテクノロジーと自然観、貨幣価値や経済価値が、「サクラ」という言葉を介してすべて結びついた瞬間でした」 また、ケティング氏が活動を続ける中で、「今回の展覧会は、集客ができて、とても良かったですね」など、来場者の価値を数字で伝えられることが増えたと言います。成功や良いものが数値化される世の中で、鑑賞者の感情を表すパラメーターがない状況に、もどかしさを感じたそうです。 鑑賞者が美術館を訪れた時に、どのような行動を取るのか、何を感じているのかという疑問からスタートして、様々なリサーチを行い、今回のパフォーマティブ・インスタレーションが完成しました。 [caption id="attachment_26298" align="alignnone" width="750"] TENNOZ ART WEEK 2025「Blossoms – fulfilment」展示風景 Photo by Asuka Yazawa[/caption] さらに、本展にはもうひとつ重要なポイントがあります。 「1916年に、ベンジャミン・アイブス・ギルマンが『美術館の来場者は、鑑賞後になぜ疲れてしまうのか』という点にフォーカスした論文を発表しました。 その中で、鑑賞中に人々がよく取るポーズが、モノクロ写真で30パターン紹介されています。《Blossoms – fulfilment》のパフォーマーは、ヨガのポーズをキープするように、このポーズを取って、美術館で鑑賞するための力を養います」 パフォーマンスを通してトレーニングを行ったBlossomsは、やがて外へ出かけて行き、周辺のミュージアムへと向かいます。この行動がポリネーション(受粉)であり、花開いたBlossomsは、循環の最初に戻りサイクルを回し続けるのです。 ケティング氏は、「鑑賞という限定的な所作をもう一度立ち上げて、私たちの社会やものに対する価値感を見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。パフォーマーや来場者とともに、どうすれば数字に感情を入れられるのかを考えたいと思っています」と話しました。 インスタレーション、パフォーマンス、アプリケーションなど、あらゆる手法を模索し、数字に隠れた感情を浮上させたケティング氏。 来場者は、作品の一部になる体験を通して、鑑賞する行為をより能動的に考え、数値よりも感じたことにフォーカスできるようになるでしょう。 Blossomsが集まる倉庫空間から、新たな価値観が解き放たれるプログラムとなりました。 アートシーンの最前線を天王洲で体感 [caption id="attachment_26299" align="alignnone" width="750"] WHAT MUSEUM 外観[/caption] 5日間にわたり、様々なプログラムを展開した「TENNOZ ART WEEK 2025」。WHAT MUSEUMでの大規模な展覧会や、倉庫空間を活用した展示などを通して、アートシーンの最前線に触れることができました。 「TENNOZ ART WEEK 2025」の会期は終了となりましたが、現在も諏訪敦氏の展覧会が開催中です。アートシティとして進化を続ける天王洲に足を運び、現代アートの魅力を体感してみてくださいね。 「諏訪敦|きみはうつくしい」 開催期間|2025年9月11日(木) ~ 2026年3月1日(日) 開館時間|11:00 - 18:00(最終入館17:00) 休館日|月曜(祝日の場合は翌火曜休館)、年末年始 会場|WHAT MUSEUM(東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号) 入場料|一般:1,500円、大学生/専門学生:800円、高校生以下:無料 文/浜田夏実 アートと文化のライター。武蔵野美術大学 造形学部 芸術文化学科卒業。行政の文化事業を担う組織でバックオフィス業務を担当した後、フリーランスとして独立。「東京芸術祭」の事務局スタッフや文化事業の広報、アーティストのサポートを行う。2024年にライターの活動をスタートし、アーティストへのインタビューや展覧会の取材などを行っている。 note X

【PicoN!発】「#私を発掘してください」プロジェクト No.11
「#私を発掘してください」プロジェクトは、専門学校日本デザイナー学院(NDS)に通うクリエイターの卵たちが自由に発信できる場です★ きっとお気に入りのクリエイターが見つかるはず。第11回目の今回は、『I.Aさん』の登場です! I.Aです。普段はパッケージデザインや本の装丁、グッズ制作、ポスターデザインなどのグラフィックデザインを主に学んでいます。パッケージデザインや、ポスターデザインをしていることが多いです。 デザインに興味をもったきっかけは何ですか? 捨てられなくて溜まってしまったパッケージやショッパーを見たときに”捨てられない”ってすごく素敵だ、と感じたのがデザイン業界に興味をもったきっかけでした。 作品を制作する上でのこだわり、意識している事はありますか? 誰かの心に留まるようなデザインがしたいと思っていますが、そのためにはまず自分が自分の作品の虜になるようなものでないと人に堂々と勧められないと思っています。思わずクスッと笑ってしまうような、人に楽しさや幸せを与えるような、自分好みのデザインが出来るよう心がけています。 ただ、自分だけの視点にならないように、人からのアドバイスは積極的に受けに行き、自分の伝えたいことがきちんと伝わるかを周りの人に協力してもらいながら慎重に制作しています。 これからやりたい事や将来の夢、目標はありますか? デザインに興味をもったきっかけとなった、捨てられないほど愛してもらえるパッケージデザインをするのが将来の夢です。又、パッケージデザインに携わる仕事がしたいと思っていますが、学校を卒業してもスキルを増やしていきたいと思っていますので、今後も色んなことに挑戦していきたいです。 ▽過去の「#私を発掘してください」プロジェクト記事はこちら [clink url="https://picon.fun/illustration/20250317/"] [clink url="https://picon.fun/design/20250501/"] [clink url="https://picon.fun/design/20250601/"] [clink url="https://picon.fun/design/20250701/"] [clink url="https://picon.fun/illustration/20250801/"] [clink url="https://picon.fun/design/20250901/"] [clink url="https://picon.fun/comic/20250922/"] PicoN!編集部 武田 ↓PicoN!アプリインストールはこちら
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原作ファン歓喜の細かい仕掛けが憎すぎる!話題のちいかわパークに行ってみた!レポート
7月28日(月)に池袋のサンシャインシティ アネックスで待望のオープンを迎えた「ちいかわパーク」。イラストレーター・ナガノさんが描く漫画作品『ちいかわ』ワールドに没入できる初の体験型施設とあってオープン前から話題騒然! チケットの抽選結果の日、X上では、当落に歓喜する声、涙する声が多くつぶやかれました。運良く、8月にチケットをゲットした為、ちいかわパークに行ってきた内容をレポートします! 『ちいかわパーク』ワクワク体験は池袋駅からもうはじまっている?! ちいかわパークは「ちいかわの世界に入り込める」体験型施設です。 ファンの方はもちろん、はじめて「ちいかわ」に触れる方でも楽しめるやさしくてあたたかい空間です。 JR山手線池袋駅のホームに降り立ち、改札へつながる階段に、ちいかわパークオープンのポスターが! ちいかわパークのオープンを記念して、池袋駅アゼリアロードに大きなちいかわ・ハチワレ・うさぎのぬいぐるみが登場し、『ちいかわ柱』として、SNSでは大きな話題となりました。筆者もこどもたちと撮影しましたが、もうふわっふわで並んででも撮影できてよかったです!池袋駅からワクワクが止まりません! [caption id="attachment_26084" align="alignnone" width="750"] 8月4日(月)~8月10日(日)の限定掲出。※現在はすでに終了しています。[/caption] 入口は要注意!サンシャイン60の地下通路を進むと見える推したちにドキリ! JRから、池袋サンシャイン アネックスの外観を見るとついついそちらに向かってしまうところですが、入口はサンシャイン60のエスカレーターを降りて、道なりに進むと、この入口に到着します。 ベビーカーは持ち込み不可ですが、ここで預けると、出口まで運んでいただけるので、導線もとてもスムーズ 入場特典のステッカーをいただき、あのこに見つめられながら、入場を待ちます。 なんとか視界がモノクロになる前に中に進む事ができました。 ウェルカムムービーを見た後は、「目覚まし回廊」に進みます。乗り物酔いする人はご用心!数秒の出来事のはずが、目が回り、平衡感覚がなくなりました。 カチューシャ売場でカチューシャと被り物をゲットしておくべし! グリーティングの先の1Fフロアにグッズショップがあるので、グリーティングで推しとカチューシャをつけて写真を撮るなら、ここで購入する必要があります。 B1F体験フロアのスタートはほのぼのとしたちいかわワールド ちいかわの家には、草むしり検定の勉強を頑張っているちいかわの姿が! 穴に落ちたハチワレは、ハチワレが落ちてしまった穴を再現したフォトスポット。撮影したデータはQRでダウンロードします。 体験エリア中央にある木の周りでは、画面にうつったちいかわたちと写真撮影ができます! パーク内は、ファン歓喜の発見でいっぱい! パーク内のそこかしこにキャラクターたちがおり、写真撮影を堪能できます。カチューシャ売場の前にいたモモンガちゃんとカニちゃんの角がぴょこぴょこと動いていたり、 ちいかわの家の目の前には、ハチワレからの差し入れが、、、! マンガやアニメで見たあのシーンがよみがえってくるしかけがたっぷり。 中でも筆者親子が感激したのがこちら。1Fにあるちいかわパーク限定のオリジナルアイテムを多数販売しているグッズショップの一角 こ、これは!!!! 娘にチャリンてしていい?と聞かれましたが、おそらくチャリンしてはダメそうだと止めておきました。 お話を読んでいなくても、その愛くるしいキャラクターたちがくらす世界に没入できるが、お話を読めば読むほど、楽しめるそんなしかけが次から次へと待ち構えています。そして、ちいかわの世界と言えば、ほのぼのとした世界だけでなく、ちょっぴりダーク&ホラーなシーンがあり、そのお話を再現するエリアに進んでいきます。 ダーク&ホラーなエリアはこどもはちょっとこわいかも? [caption id="attachment_26101" align="alignnone" width="750"] あくむな部屋[/caption] [caption id="attachment_26102" align="alignnone" width="750"] ゴブリンたちの牢屋[/caption] 拾魔を進んでいくと、とーってもかわいいにくきゅうとおつめがしっかり見えるレアなハチワレと遭遇。 恐ろしい夜が終わり、日常へと戻るエンディング!3人とともにくらやみを抜けると、 誰がいるかな?グリーティングエリア メインエントランスで、キャラクターたちがお迎え!ランダムで2人のキャラクターがみんなを待っています。 筆者親子を迎えてくれたのは、うさぎとモモンガ!キャラクターたちとじっくり交流できます。筆者の娘がモモンガちゃんTシャツを着ていったところ、お付きのスタッフの方がその事をモモンガちゃんに伝えてくれ、モモンガちゃんにむぎゅむぎゅしてもらっていました。 1Fグッズコーナー・ゲームコーナー エスカレーターを上がると、グッズコーナーになります。ゲートをくぐって右手にゲームコーナーがあります。 ゲームコーナーは混雑していて、ちいかわパーク内で1番待機時間が長かったように思います。並びながらぜひ注目していただきたいのが、こちらのうさぎのぷりぷりのおちり。待ち時間すらキュンキュンでした。 ゲームは2種類あり、『くものすキャッチャー』と、『ミートボールころがし』人数分チャレンジする事が可能です。(有料:1ゲーム¥700) 筆者親子は、『ミートボールころがし』を選択!奥の穴にミートボールが入ればチャレンジ成功です。 なんと4歳がチャレンジ成功!宝箱からモモンガちゃんとカニちゃんが現れました! チャレンジ成功の景品は、ちいかわのダイカットクッション。失敗してもランダムのチャームがもらえます。※現在の景品は、「ダイカットクッション(ハチワレ)」に変更となっており、2025年10月1日より、再度、「ダイカットクッション(ちいかわ)」に変更されます。 ゲームコーナーを抜けて、グッズコーナーへ。書籍以外、このちいかわパークでしかゲットできないグッズが目白押し!カスタムキーホルダーで自分だけのキーホルダーを作るもよし。 Tシャツやバッグなどアパレル雑貨から、ステーショナリー、ばらまきおやつまでいろんなグッズがあり、最後までちいかわワールドにどっぷり。 グッズコーナーでお会計すると、地上の出口へ。すべてのエリアが一方通行の為、ひとつひとつのエリアをじっくり味わってから進むのがオススメ!9月入場分は遅い入場時間であればこれからでも公式ホームページから購入可能!みなさんもぜひ、ちいかわたちのほっこりあたたかい、ちょっぴりホラーな世界に遊びに行ってみてはいかがでしょうか。 《施設情報》 「ちいかわパーク」 所在地:サンシャインシティ アネックスB1F・1F (東京都豊島区東池袋3-3-5) 営業時間:10:00~21:00(最終入場19:00) 休館日:2026年1月31日(土)※営業時間は変更となる場合がございます 公式HP:https://chiikawapark-tokyo.jp/ アクセス:各線「池袋駅」東口より徒歩8分 ≫Google Mapはこちら 取材・撮影/PicoN!編集部 市村 ↓PicoN!アプリインストールはこちら

専門学校卒業からフリーへ挑む、イラストレーター「イツキ」さんの現在地
専門学校日本デザイナー学院 総合イラストレーション科を卒業後、2024年4月からフリーランスのイラストレーターとして活動中のイツキさん。PRマンガをはじめ、マスコットデザインやVtuberのキャラクターデザインなど幅広い仕事を手がけています。 今回は、7月にイツキさんが参加したグループ展にお邪魔し、フリーとして働くリアル、そしてこれからの夢までたっぷりお話を伺いました。 [caption id="attachment_26125" align="aligncenter" width="750"] 会場には人気イラストレーターたちの作品がずらり[/caption] [caption id="attachment_26126" align="aligncenter" width="750"] イツキさん[/caption] [caption id="attachment_26127" align="aligncenter" width="750"] 右手がイツキさんの作品[/caption] 「クラスで一番」と思っていた高校時代。入学直後の衝撃。 ーイツキさん、本日はよろしくお願いします。最初にうかがいたいのは、制作の“ビフォーアフター”です。高校生の頃に描いたイラストと、専門学校で仕上げた卒業制作を並べると、その成長が一目でわかりますね。 [caption id="attachment_26128" align="aligncenter" width="536"] Before(高校生の頃に描いたイラスト)[/caption] [caption id="attachment_26129" align="aligncenter" width="523"] After(卒業制作作品)[/caption] 自分でも見返すと、ここまで変わるんだって驚きますね…。 これでも高校生の頃は、「クラスの中で自分より上手い人いないでしょ」って思って専門に入学したんですけど、 入学すぐのオリエンテーションで早速挫かれました。クラスメイトに信じられないくらい上手い人がいて、「この人に追いつきたい」って強く思いましたね。 ―そこから3年間、必死に描き続けたんですね。 はい。最初は線もぎこちなくて、キャラクターをただ描いているだけという感じでした。でも卒業制作では、一枚に200時間くらいかけて、構図や色、ストーリー性まで考え抜きました。先生に何度も相談しながら形にしたので、“やり切った”という自信につながりました。 比べてみると、“描ける”から“伝わる”に変わった気がします。これは専門学校でしか得られなかった経験だと思います。 「やっぱり絵を描くのが好きだから」──怖さも糧に変えて、専門卒業後はフリーランスの道へ ―現在のお仕事について教えてください。 卒業後に受けた最初の大きな仕事は、美容室のPRマンガ。単発の予定が好評で長期契約になり、今も月1回の打ち合わせで継続しています。 SNSや知り合いの紹介を通じて仕事をいただくことが多く、パフェ屋のマスコット、アイドルの生誕祭Tシャツ、Vtuberのキャラクターデザインなど、多彩なジャンルを任せてもらっています。 実際に手掛けているPRマンガ この投稿をInstagramで見る 美容師ものがたり/美容師あるある(@biyo_shi.recruit)がシェアした投稿 ―フリーランスとしてお仕事をする場合、お金の話って少し難しそうですが、料金設定はどんなふうに考えていますか? フリーランスでは案件ごとに条件が違うので、僕は料金表は作らず柔軟に対応しています。提示額が明らかに安い場合は「その金額ならここまでしかできません」と伝えますし、逆に希望をすべて叶えるには「このくらい必要です」としっかり説明します。安く引き受けると自分が消耗してしまうし、後から値上げするのは難しい。だからこそ、最初から適正価格で向き合うことが、お互いにとって一番いい関係につながると考えています。 [caption id="attachment_26133" align="aligncenter" width="750"] これはサスペンス映画のポスター制作の際、リサーチをした時のメモ。調べることは大切で、根拠を持って表現することが説得力に繋がります。[/caption] 仲間とのつながりがチャンスを呼ぶ ―フリーランスとして活動する中で、人とのつながりはどんな意味を持っていますか? 作品の価格感や方向性を相談できる仲間がいるのは本当に大事だと思っています。人の話を聞くことで自分の基準や相場感も固まってくるし、知り合いが増えると「この業者いいよ」と紹介してもらえたり、展示やイベントに呼んでもらえたりする。そうやって広がったご縁が、次のチャンスにつながっていきます。 ―展示やイベントに参加しようと思った最初のころは、ハードルが高く感じませんでしたか? 人が集まっている場所に参加するのは、最初はめちゃくちゃ怖かったです。知らない人と話すのも緊張するし、場の空気も分からない。でもある時、「怖いのは自分だけじゃなくてみんな同じなんだ」と気づいた瞬間、気持ちが軽くなりました。どうしても行ってみたい展示やイベントがあったら、深く考えずに足を運んでみる。 実際に行ってみると「思ってたのと違ったな」という日もあるし、「めちゃくちゃ楽しかった!」という日もある。でも、どっちも経験として残ります。そこで一人でも知り合いができたら、それだけで大きな財産。その出会いからSNSでつながったり、別の場で再会してさらに仲良くなったり。小さな一歩が、気づけば大きな道につながっている感覚があります。 だから最初から完璧を求めなくても大丈夫です。人脈を作ろうとか、イベントを100%楽しもうなんて思わなくていい。「ちょっと顔を出してみる」だけで十分。SNSだけでは得られないリアルな空気や偶然の出会いがあって、怖さは残るけど、その分得られる発見や刺激が必ずある。僕自身、そうやって少しずつ挑戦を重ねてきたし、これからも怖さごと受け止めて、一歩ずつ進んでいきたいと思っています。 [caption id="attachment_26135" align="aligncenter" width="750"] オリジナルグッズは展示会場やイベントで販売[/caption] アイデアはChatGPTも活用! ―普段の制作ではどんなふうにアイデアを広げているのですか? 例えば、実際に携わっているパフェ屋さんのマスコットデザインの仕事だとこんな感じでアイデア出してます。 LINEスタンプなどSNS上のコンテンツを見て研究 フルーツの特性を調べてキャラクター化 依頼者と「こんなキャラいいよね」と意見交換しながら広げる アイデアがまとまったらChatGPTに「もっと広げられることある?」と相談して、さらに広がるポイントを探す AIを“自分専用データベース”として使う ―ChatGPTはどのように役立っていますか? 僕なりのChatGPTの使い方としては、まず自分の中で思いついたことをどんどん言葉にします。 そして、そのやりとりや相談内容をChatGPTに入力していくうちに、AIの中に自分の嗜好や表現傾向が蓄積されていくんです。 長くやり取りを重ねた後で「これまでの会話をもとに、僕の絵のスタイルや得意な表現を言語化してください」とお願いすると、 「あなたはこういうタッチで、こういう感情表現を得意にしていて、こういうモチーフを好む」といった分析が返ってくる。これは、単なる思いつきメモとは違って、客観的かつ体系的に自分を見せてくれる“鏡”のようなツールになります。 自分では気づいていなかった強みや一貫性を発見できるのが面白くて、今では作品づくりの自己分析に欠かせない存在になっています。 一方で、SNSでいいな!と思った絵がAIだったこともありました。少なからず怖さはありますが、人が描いた絵には感情や温かみがある。だからこそ人の絵に価値が上がっていると思うし、むしろ自信を持って描き続けたいですね。 専門学校時代に学んだこと ―専門学校での学びが、今の活動にどんな影響を与えていますか? 信頼できる先生に相談できたのは本当に良かったです。独学ではここまで来られなかったと思います。 あとは、イラストだけじゃなく3Dやデザインについても幅広く学べたのが大きかったです。正直、“これは自分には要らない”と言って3Dの授業をサボっている人もいました。 でも学生のうちに“これは要らない”なんて分かるわけがない。幅広く学んでおいた方が得だと思います。キャラクターもロゴデザインもできれば、仕事の幅はぐっと広がりますから。 幅広く学んでいたこともあって、フリーでやっていくことにも自信が持てたと思います。 ―在学中からSNSで作品を発信していたそうですね。 はい。「週1投稿」を目標にSNSで作品を公開し続けてきましたね。 SNSにアップするのを躊躇する友達もいたけど、「勿体なくない?」って。確かに反応は怖いですけど、自分の絵を描いたらちゃんと投稿しよう!ガンガン人に見せちゃえよ!って気持ちでアップしてました。 絵を続けるということ ―長く描き続ける中で、大切にしている考えはありますか? いまの画風が確立するまで5年かかりました。でも無駄なことは一つもなかったです。アニメや映画、本、日常のメモ…全部が自分の世界観を作る材料です。絵のスタイルは焦らなくても時間をかけて育っていきます。 好きで始めたイラストも、時には嫌いになる時期もありました。 でも好きな小説に、“嫌いになってもまた好きになる”っていう言葉があって。ああ、時には嫌いになってもいいんだって思ったんです。だから悩んでもいいし、楽しんでもいい。全部ひっくるめて絵を描き続けていきたいですね。 将来の夢は音楽フェス公式Tシャツをつくること! ―イツキさんのこれからの目標や夢を教えてください。 音楽が大好きなので、ロッキンみたいなフェスの公式Tシャツをデザインするのが夢です。音楽とイラストってすごく相性がいいと思うんですよね。 あと最近だと、ロボットデザインをしてという依頼をもらいました。ロボットなんて描いたことないけど、「サイバーパンク系の女の子描けるようになるのも強くね?」って切り替えました(笑) 標本買って調べるところからやってみようかなって。 結局大事なのは、まずはやってみること。怖さも含めて飛び込むこと。その一歩が、自分の未来を大きく変えていくんだと思います。 ―イツキさん、ありがとうございました!未知の分野にも臆せず飛び込む姿勢がとても印象的でした。今日のお話が、挑戦を迷っている誰かの“最初の一歩”につながれば嬉しいです。 イツキ 2001年生まれ。群馬県出身・東京都在住。とあるイラストレーターの影響を受け、2020年から絵を描き始める。感情の揺らぎや孤独、夢と現実の境界をテーマに作品を制作。リアル寄りの厚塗りで繊細な表情や空気感を描く一方、デフォルメされたポップなイラストも手がけるなど幅広い表現を行っている。デジタル・アナログ双方を活用し、暗さの中に潜む美しさや野望を表現している。 \\ イツキさん SNSにて最新作品掲載中! // Instagram X 取材/PicoN!編集部 濱田・撮影/市村 ↓PicoN!アプリインストールはこちら

恋×タイポグラフィ 若きデザイナー達が作り上げた空間体験型イベント「恋するタイポ展」池袋PARCOにて10/13まで開催!内覧会レポート
『恋』と聞いて、あなたはどんな想いを想像しますか?恋焦がれる想い、とけるような甘い想い、どろりとした独占欲、じれったくなったり、思うようにならずに全身が悲しみで満たされる、人それぞれに『恋』が表現する想いやイメージは変わるものです。本展は、揺れる心模様をタイポグラフィで表現した展示です。 東京・池袋PARCOで9/5からはじまった企画展『恋するタイポ展』の内覧会に伺いました。 取材協力:アシタノシカク 『恋するタイポ』展レポート—笑って、少し痛くて、でもやっぱりまた好きになる PARCO FACTORY IKEBUKUROは、池袋パルコ 本館7階にあるミュージアム。アニメ関連の企画展や、現代アート作家の展示会などユニークな展覧会を開催しています。 今回の『恋するタイポ』展を手がけたのは、大阪府大阪市の“アシタを面白くするクリエイティブスタジオ”「アシタノシカク」 企画・ディレクションはアシタノシカク(株)代表取締役のアートディレクター・クリエイティブディレクター大垣ガクさん、空間・グッズ・すべてのタイポグラフィは「アシタノキカク」のタイポデザインユニット「もっと、愛TYPO。」のモトバチヒロさんとヨドカワ愛奈さん [caption id="attachment_26267" align="aligncenter" width="2250"] 『恋するタイポ』展のメインビジュアル(画像提供:アシタノシカク(株))[/caption] 会場内は、6つのエリアで構成されています。 壁面だけでなく、床などにも参加型のコンテンツがあり、会場をぐるりと見渡すのがオススメ。 好きは晴れやかなシーンだけじゃないのが大変なところ ダークサイドなエリアもあります。 グサリとくる言葉のオンパレードです。 どこで撮影しても間違いなく“映え”る空間デザインに筆者もワクワク。 「好きな事が仕事になるってとても素敵な事!グラフィックが好きな人に見て欲しい展示です。」ー展示の制作について、「もっと、愛TYPO。」のモトバチヒロさんにお話しを伺いました。 モトバ:大阪の専門学校を卒業しました。現在、アシタノシカクに入社して4年目です。この画像にある「恋の昭和⇄令和」は、現在、当たり前に使っている“沼”や“刺さる”などのキーワードを昭和で使っていた言葉に置き換えると?という順序で制作しました。 [caption id="attachment_25963" align="aligncenter" width="750"] 「恋の昭和⇄令和」キャプションには使用フォントが記載されています。[/caption] 今回の展示はPARCO側からのご依頼ですか? モトバ:今回はこちらからご提案して開催する運びとなりました。先方からご依頼をいただいて展示をする事もあります。 デザインをする上でAIを使用する事はありますか? モトバ:実際のデザイン制作する時に使用する事はあまりありませんが、企画のアイデア出しやコピーのバリエーションを考えるのに使っていたりします。 アイデアの引き出しを増やす為に日頃から心がけている事を教えてください。 モトバ:他ジャンルの雑誌や書籍などを読んだりするとアイデアがふっと浮かんでくることがありますね。 どんな人に見てほしいですか? モトバ:グラフィックデザインが好きな方にぜひ見ていただきたいです!私もNDSの学生さん同様、専門学校を卒業して、仕事は主にクライアントワークの為、お客様の要望に沿ったデザインを制作する事が多いのですが、今回の展示は、本当に好きな事しかしていなくて!入社4年目の若手デザイナーがこんなに自由に、しかも、PARCOFACTORYという素敵な会場を使って展示ができる事が素直に嬉しくて。好きな事しかしていないのに、お金をもらっていていいのかな?と思っちゃいますね。好きな事がこんな風に仕事になるんだよ。という事を伝えたいです。 見どころを教えてください。 モトバ:入ってすぐがメインエリアになっていて、その中でも、こちらがイチオシです。自分の制作したタイポグラフィがこんなに大きく印刷されて展示される事はなかなか無いのでぜひ見ていただきたいですね! [caption id="attachment_25964" align="aligncenter" width="750"] 今回お話を伺ったモトバチヒロさん[/caption] 自分の好きな事を仕事にされているキラキラとした若手のデザイナーのモトバチヒロさんから素敵なお話を伺う事ができました。 恋だけじゃない。「推しタイポ」、「褒めタイポ」、「叫びタイポ」に共感の嵐 恋以外にも「推しタイポ」、「褒めタイポ」、「叫びタイポ」エリアもあり、間違いなく“刺さる”タイポに出会えるはず。 「褒めタイポ」「叫びタイポ」はお友達同士で撮影し合って楽しめるタイポがたくさん。 グッズや恋みくじでさらに楽しい! 物販コーナーには、「パル恋神社」が登場!恋みくじを楽しめます。(有料:500円) デザイン学生ならではの楽しみ方ができる本展 本展は、モリサワフォントを開発しているメーカー「株式会社モリサワ」が協賛 展示で使われているタイポグラフィがどのフォントから作られているのか考えながら見るのも楽しそう! 『恋するタイポ展』は10/13まで 《展覧会情報》 『恋するタイポ展』 会期:2025年9月5日(金)‐10月13日(月・祝) 会場:PARCO FACTORY(池袋PARCO 本館7F)東京都豊島区南池袋1‐28‐2 入場料::一般1,200円(税込)入場特典付き ※小学生以下無料 ※小学生以下は保護者同伴必須、※身体障がい者手帳ご提示で介護者1名様のみ無料(ご本人は有料) ※入場特典のお渡しは有料入場者のみ ※混雑時は入場規制等行う場合がございます。 〈入場料無料〉・「PARCOメンバーズ プラチナランク」ご提示でご本人様のみ無料 ・「大丸松坂屋お買い物ご優待カード」ご提示で株主様(ご持参者様)と同伴者1名様まで無料 ・「大丸松坂屋お得意様ゴールドカード」ご提示でご持参者様と同伴者1名様まで無料 〈入場料100円引き〉 ・「PARCOメンバーズ レギュラーランク~ゴールドランク」をご提示でご本人様のみ100円引き 開館時間: 11:00~21:00 ※最終日18:00閉場 ※最終入場閉場30分前 アクセス:各線「池袋駅」東口より徒歩1分 ≫Google Mapはこちら ≫展覧会の詳細はこちら 取材・撮影/PicoN!編集部 市村 ↓PicoN!アプリインストールはこちら
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