マンガを学ぶ学生と講師の先生が選ぶ「名言&名場面集」

マンガを読んでワクワクしたり、元気をもらえたり、時には涙したり、なかにはマンガが心の支えになったという方もいるのではないでしょうか?

今回はマンガを学んでいる学生と講師の先生に「心に響いた名言と名場面」を聞いてみました。学生たちには、SF・ファンタジー・バトル編と恋愛編のジャンルで分けてアンケートをとりました。

マンガ科1年生が選ぶ名言・名場面

各々が思う心に響いた場面を考えています

SF・ファンタジー・バトル編 『鋼の錬金術師』

グリードの最期

グリードはお父様によって造られた人間「ホムンクルス」。強欲の名を司り、全てを欲する彼が本心から手に入れたかったのは仲間だった。

一度グリードは消滅し、お父様に吸収された。ヤオ族のリンの体を侵食して新しいグリードになった。消滅したことで前の記憶はリセットされたはずだが、消滅前の仲間と対峙した時、見覚えのない記憶が頭に浮かんでくる。彼の記憶はおぼろげだが残っていた。リンとの対話、エドとの共闘、それらに影響されながら戦いを続けていくことで、グリードは本当に欲しかったのは「こいつらみたいな仲間だったんだ」と気づいた。

死に際にエド達に仲間として思われてきたことを感じ「十分だ。もう何にもいらねぇや」と残し散っていった。

たくさんの案がでました

恋愛編 『俺物語!!』

剛田猛男と大和凛子の告白

猛男と凛子は、2人で会うことになった。凛子は猛男に想いを寄せていたが、猛男は凛子が好きなのは友達の砂川だと思っていた。そのため凛子の恋を応援しようとしていた。「すな(砂川)はいい男だ!俺が保証する。」という言葉を聞いて凛子は泣いて帰ってしまう。なぜ泣いてしまったのか分からない猛男はその後砂川の家に行く。もともと凛子の想いを聞いていた砂川は、今までのことを猛男に話す。だが猛男は凛子が自分のことを好きだと信じられない。そこに凛子が訪ねてきた。隠れている猛男の前で、砂川は凛子になぜ泣いたのかを聞き、凛子は「猛男くんが好きだからー!」と叫んだ。それを聞いた猛男は凛子の前に出ていく。凛子は驚いたが、「好きです!はじめて会った時からです。」といった。猛男も「好きです!はじめて会った時からです!」と伝えた。

マンガ科2年生が選ぶ名言・名場面

グループで話し合い、1つの案を出してもらいます

SF・ファンタジー・バトル編 『僕のヒーローアカデミア』

雄英高校体育祭ガチバトルトーナメント

1-A最強クラスの個性「半冷半燃」を持つ轟に、まだ「ワン・フォー・オール」を使いこなせないデクは苦戦を強いられる。さらに轟は父との因縁から炎の力を封じて氷の力のみで戦っている。力を使うたびに負傷するデクが劣勢の状況で、「全力で、かかってこい!!!」と言い放つデク。半分の個性で戦う轟に手を抜かれていると同時に、本気でヒーローを目指して全力を出してるみんなの気持ちを否定していると感じていた。轟は自身のプライドと父を否定する意味で炎の力を使わなかったが、「君の力じゃないか」そのデクの言葉に心を動かされる。デクの一言で昔純粋にヒーローになる夢を持っていたことを思い出し、轟は全力の力でデクとの闘いに挑む。

恋愛編 『ヲタクに恋は難しい』

宏嵩の告白シーン

隠れ腐女子のOL成海とゲームヲタク宏嵩の幼なじみの恋愛を描いたラブコメディ。2人の告白シーンでこのセリフは出てくる。

「俺だったら素材集めだろうが、レベル上げだろうがいくらでも付き合ってやるし、残業しても待っててやるし、失望させて泣かせたりしないし、そもそも間違えたなんて言わせないし、さらには来週末のイベントに売り子として同伴可能です。」という告白に成海は「採用!」と答えた。

 

マンガ科の先生が選ぶ名言・名場面

太田和敏先生 

クリリンのことか 『ドラゴンボール』

ドラゴンボールで一番盛り上がったであろうナメック星編、主人公の孫悟空がスーパーサイヤ人になるきっかけがクリリンという仲間の死でした。相手のフリーザが言った「木っ端みじんにしてやる、あの地球人のように!」というセリフに怒りながら悟空がはなったセリフが「クリリンのことか」になります。

生活のすべてがドラゴンボールを中心に回っていた小学生時代、クリリンが死んだ悲しみ、無念さ、怒り、フリーザの憎たらしさ、すべてが悟空のこのセリフに凝縮されていたと思います。主人公である悟空が自分達読者の気持ちを代弁をしてくれたと感じました。自分含め、あの当時少年だった読者はみんな悟空になりきって読んでいたと思います。後にも先にも、あれほど感情移入し、心を奪われた作品はありません。

生涯忘れない名場面であり、名言だと思います。

齋藤亜弥先生

立って歩け、前へ進め。あんたには立派な足がついてるじゃないか 『鋼の錬金術師』

信じていた教祖が偽物で、恋人を生き返らせることはできないと言う事実に打ちひしがれるロゼ。これから何に縋って生きればいいのかとエルリック兄弟を責めるような口調で問うロゼにエドが返した言葉です。母親の人体錬成に失敗して片足と弟を、弟の魂と引き換えに片腕を失って尚前に進み続けるエドが言うからこそ深みの出る言葉です。また、中盤を過ぎたあたりで街の復興のために活動するロゼが描かれており、立って歩いて前に進んだことが分かる部分もぐっときます。

自分の進むべき道は心で決めなさい 『シャーマンキング』

この言葉は作中で何度か出てきており、主人公である葉の価値観に大きな影響を与えています。葉にこの言葉をかけたのはマタムネで、心とは目の前にある物にとらわれずに人を信じることだと教えてくれました。葉が仲間を信じ、時には敵を信じ、最後にはハオをも信じ救ったことに繋がる、作品のひとつのテーマのように感じます。この言葉はマタムネの後悔から出ているというのも大事な要素です。マタムネの信念でハオを救うと言うことは、ハオを信じぬくことができずに後悔し続けているマタムネも救うことにも繋がります。大変エモーショナルですね。

まどろっこしい!暴力で決めようぜ 『吸血鬼すぐ死ぬ』

五番勝負が面倒になってきたロナルドが言うセリフです。シンプルかつパワーのあるセリフでとても好きです。この分かりやすさやインパクトの強さはシンプルに面白いですよね。面白いだけでなく、たった1コマなのにキャラの性格や関係性などが分かりやすい点も素晴らしいです。


 

いろいろな名言・名場面を知ると、そのマンガを読みたくなりますね。みなさまは新しいマンガとの出会いはありましたか?良かったら登場した作品を読んでみてくださいね。

PicoN!編集部 木下

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