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クリエイティブ圏外漢のクリエイティビティを感じる何か…〈vol.19〉―DJ/アーティスト Theo Parrish

おはようございます。こんにちは。こんばんわ。

これを書いている現在時点で2023年の
音楽/エンターテイメント業界で避けては通れない問題といえば
ジャニー喜多川氏による性加害問題でしょう。

BBCの「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」に端を発して
明らかになった当問題は加害者と被害者の問題だけでなく、
それを長年隠ぺいしてきた事務所、メディア、その周辺組織…
の問題まで顕わにしました。

この問題自体については発言は控えますが、

近年は音楽を楽しむ場において観客は

当事者/関係者のポリティカル・コレクトネスを

意識せざるえない状況にきていると感じます。

良し悪しやどこまでの人が意識する/しないは横に置いといて
これは所与のものとして存在する事実なのだろう。
昔からあった話だが、観客の意識への浸透や
アップデートが進んだ気がします。

現に今年のクラブミュージック界隈でいうと
metamorphoseやThe Labyrinth等のイベントでも議論が起こっている。
*気になる方は検索してみてください

 

一方、こういう状況だがらこそ
何も意識せず音楽を音楽として純粋に楽しみたい気持ちもある。
そのためには『音楽への愛』をストイックに追及している
アーティストの単独でのライブにいくしかない…

そこで思い浮かんだアーティストであり、今回ご紹介するのは
デトロイトを代表するDJ/アーティストTheo Parrish

Theo Parrishと彼自身の音源

Theo Parrishはデトロイトを拠点に活動している
アーティスト/DJ/プロデューサーです。

幼いころよりMiles Davis、Stevie Wonder、Jimi Hendrix、
Nina Simone、George Gershwin、Bob Marley…
様々なアーティストに影響を受けてきましたが、

中でもRon Hardy、Larry Heard、Lil’ Louisなどの
シカゴハウスのアーティストに強烈な影響を受けました。

96年に「Lake Shore Drive」で初リリース。
のちにデトロイトハウスと評される
ザラつきを感じるLow-Fiハウスミュージックを確立し、
その代名詞となります。

97年にはデトロイトの象徴的存在の3人、
Theo Parrish、Moodymann、Rick Wilhiteで
結成したユニット「3 Chairs」としても活動を始めるとともに、
自身のレーベル「Sound Signature」を設立。

様々な音楽への造詣の深さと新たな発想から生み出される作品は
アメリカのみならず世界中に熱狂的な支持者がいます。
彼の初期~最近の作品をざっと並べたので是非ご視聴を。

 

 

Theo Parrishの真骨頂であるDJプレイ

彼の作品も素晴らしいが、彼の真骨頂はDJプレイにあると思います。
一般にハウスのアーティストでくくられていますが、
彼自身が音楽をジャンルでくくることに嫌悪感を感じており、
多種多様な選曲がその分け隔てない音楽愛を物語っています。

ジャンルの横断は勿論のこと
ダンス・ミュージックのDJのセオリーである
単純な4つ打ちでの繋ぎに満足するのではなく、
多岐に及ぶリズムパターンを刻み、
音像も一辺倒にせずに陰鬱なものから浮遊感や多幸感まで
ドラマチックに展開される…

彼のDJプレイには
最高な音楽を最高な形で人々に届ける使命感と、
ターンテーブルに載せるレコードの溝に情熱を刻んだ先人への
敬意と愛を感じます。

そんな彼のDJプレイはこちら

 

音楽を聴く上でも色々考えさせられる今ですが
「音楽を音楽として楽しめる」Theo Parrish Japan Tourが
東京で22日、大阪で23日に開催されます。
まだチケットがあれば、踊りまくるのをオススメです!

(記事掲載時にはチケットが完売している可能性がございます)

■イベント詳細
https://www.rainbowdiscoclub.com/soundhorizon/

文・写真 北米のエボ・テイラー

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