大人も楽しむ!読書の秋、おうち時間に読みたいマンガ6選
秋!いま、おうち時間にマンガが熱い!
だんだん肌寒い季節になってきましたね。今年はおうち時間にマンガの世界にどっぷりと浸るのはどうでしょう?バトルアクション、ラブロマンス、SF、異次元…とさまざまなジャンルの中から、マンガ好きスタッフによる「おすすめマンガ6選」をお届けします。
No.1『バガボンド』井上雄彦
原作は吉川英治の『宮本武蔵』。関ケ原が終わり、剣の時代が過ぎ去ろうとしている中で生きる宮本武蔵の成長や葛藤を描く。息遣いやその場の空気まで感じられるほどの圧倒的な画力が味わえる作品。物語途中から多用されるようになる筆を用いた表現にも注目したい。後半になるにつれて、冴えわたっていく剣と、殺し合いの世界への向き合い方で葛藤し、さまざまな人と関わる中で変化していく宮本武蔵も見どころです…!
代表作:『スラムダンク』『リアル』
第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第24回講談社漫画賞一般部門、第6回手塚治虫文化賞マンガ大賞、累計発行部数 8200万部以上
No.2『乙嫁語り』森薫
中央アジアに暮らす人々の「生活」と「文化」を描く群像劇。「乙嫁」の名の通り、「お嫁さん」を主軸にした物語で、土地によって違う結婚観や文化の違いが丁寧に描かれる。柔らかく、可愛らしいキャラクター表現に加え、作者の入念な取材に基づいた、各地域ごとの文化や価値観見への書き込みも見どころ。とくに刺繍や模様など生活の中の装飾の書き込みが素晴らしく、こだわりが強く感じられます。
代表作:『エマ』
マンガ大賞2011 2位、マンガ大賞2013 2位、マンガ大賞2014大賞、フランス・アングレーム国際漫画祭2012、世代間賞受賞。アメリカ・全米図書館協会、10代向けグラフィックノベル・ベスト10選出。
No.3『BLAME!』弐瓶勉
はるか未来の世界、無限に増殖を続ける「都市」の中、「ネットワーク端末遺伝子」を探して歩き続ける主人公の物語。退廃的なSF描写だけでなく、舞台となる「都市」が距離感を狂わされるほどのスケールで描かれていることが特徴。都市の規模は断片的な情報しか示されず、その全体像をつかむことはできない。また世界観の説明がほとんどないため、登場人物の会話から、読者が想像する場面が多いのも特徴です。
代表作:『シドニアの騎士』『バイオメガ』
2017年劇場アニメ化 他、短編アニメなどメディアミックス多数
No.4『もっけ』熊倉隆敏
勿怪(「もっけ」とは妖怪やモノノ怪のこと)が見える姉と、勿怪に憑かれやすい妹の生活を描く。勿怪たちとともに過ごす穏やかな日常を描きながらも、社会の問題や実生活とリンクする場面が多く、中にはぞっとするほど描写もある。和風ホラーや文化に興味があるひとにもおススメ。主人公の姉妹や、霊媒師である祖父の言葉から、妖怪や信仰とのかかわり方を考えさせる作品です。
代表作:『ネクログ』
2007年アニメ化
No.5『九龍ジェネリックロマンス』眉月じゅん
よろしくお願い致します!#九龍ジェネリックロマンス#眉月じゅん pic.twitter.com/sN47gdIkDq
— 【九龍ジェネリックロマンス&恋雨】公式 (@ameagarinoyouni) November 6, 2021
香港にかつて存在した巨大スラム「九龍城砦」を舞台にした 30代男女のラブロマンスストーリー。ノスタルジーあふれる20世紀の生活を送る人々と、時折垣間見える近未来的要素が独特の雰囲気を生んでいる。映画で例えると「恋する惑星」70%、「ブレードランナー」30%と行ったところだろうか。「蒸し暑し朝」「昼下がり」といった時間、湿度、暑さなど、登場人物たちが感じる環境を感じさせる絵で、舞台の雰囲気が読者側にもよく伝わる描き方になっています。
代表作:『恋は雨上がりのように』
マンガ大賞2021 9位
No.6『少女終末旅行』つくみず
主人公のユーリとチトが、文明が崩壊した廃墟の都市をひたすら上層を目指して旅するストーリー。作中では全貌が把握できない終末世界の風景と、あくまでゆるく旅を続ける二人の掛け合いが魅力。しかし、各ブロックに登場する人々の行動や会話からは、世界に確実に終わりが近づいていることをこちらに感じさせる。画面における視点に独特の特徴があって、カメラのポジションやアングルは映画やアニメなどの映像作品の影響があるのかもしれません。
代表作:『シメジ シミュレーション』
第50回星雲賞 コミック部門 受賞、2017年アニメ化
マンガを楽しむ、秋の夜長。
気になる作品はありましたか?日本デザイナー学院・日本写真芸術専門学校の校舎2階、図書室マンガコーナーには不朽の名作から最新作品までずらりと揃っています。マンガ好きの皆さま、要チェックです。(在校生の皆さん、マンガも図書貸出しOKですよ!)おすすめ作品がありましたら、ぜひ教えてくださいね。
文・内山慎也
1989年生まれ。専門学校日本デザイナー学院の教務課スタッフ。幅広いジャンルのマンガを読む。作品の世界観の中にある登場人物の暮らしや文化が描かれている作品が好き。好きな作家は原田マハ、谷崎潤一郎、岡倉天心の作品。