渋谷駅・桜丘口にオープン。「Shibuya Sakura Stage」をデザイナーが解説!
渋谷・桜丘口に新しく竣工した複合施設「Shibuya Sakura Stage」。 “桜” をモチーフとした淡いピンクが散りばめられたデザインが目を惹き、専門学校日本デザイナー学院(PicoN!の運営元)からも目と鼻の先の立地にあるこの話題のスポットを、ディスプレイデザイナーの池谷光江先生が探索しました。デザインのプロの視点から、施設の見どころを解説していただきましょう。
文/池谷光江(ディスプレイデザイナー)
渋谷・桜丘エリアに完成!「Shibuya Sakura Stage」
渋谷の大規模再開発の一つ、桜丘の「Shibuya Sakura Stage」が2023年11月に竣工。24年7月のまちびらきイベントに向けて、各施設が順次オープンし始めています。駅隣接の「SHIBUYAサイド」は、商業施設・オフィス中心。向かいの「SAKURAサイド」は、住宅やサービスアパートメントなどで構成されています。
渋谷駅から専門学校日本デザイナー学院への道も長らく工事中でしたが、「Shibuya Sakura Stage」のオープンに伴い、西口歩道橋から直接アクセスでき、3つのルートから選べる楽しい遊歩道へ進化しました。また埼京線・湘南新宿ラインのホームからは、南改札を利用することで学院へのアクセスがより楽になりました。
「SHIBUYAサイド」の建物壁面には、あざやかなピンクの円と線が2重に描かれています。移動しながら見るとちょっとした変化が楽しめます。桜の木洩れ日や、花びらが舞う空気の流れを表現しています。1階でテナントオープンを待つ外壁には、若者の街・渋谷の多様性が壁画風にデザインされています。両サイドにある街路樹の桜が花を咲かせる時期も楽しみです。
散策していると、LEDモザイクと出会います。環境音楽も流れていて、ちょっと足を止めて見上げてしまうような仕掛けです。
「SAKURAテラス」の入口階段は、1段ごとに石の色を変えた有機的なデザイン。グランドオープン前に仮設置されているカッティングシートイラストとの取り合わせに、かえって渋谷っぽさを感じます。
Shibuya Sakura Stageのロゴマークは、渋谷のポップカルチャーを連想させる、モダンで躍動感のあるピンク。中央の「S」は人や桜の花びらの流れ・動きを表現しています。文字もシンプルで親しみやすく、汎用性のあるデザインが採用されています。
渋谷民の新たな憩いの場「にぎわいSTAGE」
「にぎわいSTAGE」は、Shibuya Sakura Stageの “センターステージ” に位置づけられるスペース。休日にはイベントが開催され、天気の良い日は休憩スペースとしても利用できます。防災広場としての役割も考慮されています。「にぎわいSTAGE」の賑わいぶりは、道路にいても感じられるほど。両サイドには、気軽に利用できる飲食店もオープンし始めています。
Sの字をイメージしたデザインとメタリックピンクが目立つ建造物も。渋谷の新しいランドマークになるかも?
SAKURAサイドに佇む分譲マンション「ブランズ渋谷桜丘」
「SAKURAサイド」の高層階は、高級分譲マンション「ブランズ渋谷桜丘」。その足元の「はぐくみSTAGE」は、大きな山桜や落葉樹木、果樹などで四季を感じられる公園になっていて、陽だまりでランチを楽しんでいる人もちらほら。渋谷駅前とは思えない、のんびりした空気が流れているようです。樹木の間を抜けると、代官山方面への近道にもなっています。
最近はよく見かけるようになった、壁面緑化にも積極的に取り組んでいます。植栽の種類を多くすることで、変化に富んだ、より自然を感じさせる表情になっています。
渋谷駅から日本デザイナー学院へ、代官山へ、恵比寿へ……街が整備されたことで、散策がいっそう楽しくなりました。皆さんもぜひ一度足を運んでみてください。
文:池谷光江
NDSインテリアデザイン科講師。商品装飾展示技能検定1級、日本VMD協会理事マネキンディスプレイ会社のデザイン室を経て、フリーランスのディスプレイデザイナーとして、百貨店、専門店、メーカーのVMD企画デザイン、社員教育に携わる。現在、ディスプレイの国家試験「商品装飾展示技能検定」中央検定委員として問題作成に携わっている。
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