【今月の図書】世界へ先駆けて活躍したインテリアデザイナー「Shiro Kuramata」

日本のインテリアデザイナーが世界に目を向け、海外から高い評価を受けるようになったのは実はごく最近のことです。

今では世界中で沢山の日本人デザイナーが活躍していますが、サッカーでいえば三浦カズや中田英寿、野球で言えば野茂英雄がそうであったようにインテリアデザイナーにも世界へ先駆けて活躍した人物がいます。この本の主人公「倉俣史朗」もそのうちの1人です。倉俣史朗はインテリアデザイナーであり、アーティストであり、プロダクトデザイナーであり、家具デザイナーでもありました。

残念ながら今から30年前の1991年に急性心不全のために56歳の若さで亡くなりますが、彼が生み出した作品やデザイン思想は今もなお世界中に多大な影響を及ぼしています。オークションで彼の代表作の椅子「ミス・ブランチ」がデザイン製品の中で史上最高額の5千万円で落札されたことからもそれを知ることができます。

倉俣史朗の世界 展 図録 クラマタデザイン事務所

私がお勧めするこの本はそんな倉俣史朗の回顧展(1996年 原美術館で開催)の図録です。日本のインテリアデザインが発展したきっかけをこの本を読んでぜひ感じみてください。

https://totodo.jp/SHOP/C5-0106.html

 

文・吉里秀則
NDS講師。インテリアデザイナー/一級建築士 多摩美術大学卒業後、デザイン事務所を経て2016年にヨシザトデザイン一級建築士事務所を設立。住宅設計や店舗デザインを中心としてジャンルにとらわれない幅広いデザイン活動を行っている

 

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