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デザイン・イラストを学んだ先にある働き方とは?バナナスピリッツに聞く。“好き”をかたちにするグッズデザインの仕事

デザインやイラストを学んだ先に、どんな仕事があるのか?

「好きなことを仕事にしたい」と思っていても、実際の働き方や仕事内容までは、なかなか想像しづらいものです。

今回は、NDSでの学校内説明会をもとに、バナナスピリッツさんが実際に手がけるグッズデザインの仕事に注目し、
アニメ・エンタメの世界観を“グッズ”として届ける働き方を紹介します。


バナナスピリッツ株式会社

東京都・港区に本社をおく、デザイン・イラストレーション制作/商品企画開発/ECサイト企画・運営/印刷物全般を手掛ける会社

バナナスピリッツHPはこちら

 

ご登壇いただいたのは、右側が代表取締役の米山様、左側が統括部長の飯田様(NDS卒業生)

 

 

そもそも、グッズデザインってどんな仕事?

グッズデザインの仕事は、ひとつのやり方だけではありません。
大きく分けると、進め方は2つあります。

①自分たちで企画から商品化まで行う仕事。
②企業から依頼を受けて制作する仕事。

どちらの場合も、絵を描く前に、まず何をつくるのか、どう届けるのかを考えるところから始まります。

【① 自社企画】企画から商品になるまで、どう関わる?

自分たちで企画から関わる仕事のひとつが、ライセンスグッズ制作です。

アニメやゲームなどの作品について、・飾って楽しむインテリア系のアイテムにするのか・普段使いできる雑貨にするのかなど…どんなアイテムにするのか、どんなデザインで見せるのか、誰に、どんなシーンで使ってほしいのかを考えるところからスタートします。

扱うジャンルは多彩で、アニメ作品だけでなく声優さんのアイテムや、アパレルブランドとのコラボ商品などにも展開を広げています。女性の方が購買意欲が高く、ECサイトの利用者は約8割が女性。女性向けマーケットは多様でデザインの幅が広く、作っていてとても面白いです。

ポップアップショップや路面店などへの展開も進行し、「こんな場所でもアニメグッズが売ってるの?!」と驚いてもらえるようなブランディングを目指しています。

◎ こんな人が向いているかも
・絵を描くだけでなく、アイデアを考えるのが好き
・世界観をどう形にするか考えるのが楽しい
・お店や売り場の見せ方にも興味がある

【② クライアントワーク】依頼を受けた仕事では、何をする?

もうひとつは、企業から依頼を受ける仕事です。

たとえば依頼の内容は、「このアニメで、くじやクレーンゲームの景品をつくりたい」
「パッケージや販促物等も考えてほしい」など。

そこで具体的にやることは、・どの素材やイラストを使用するか
・商品ごとの特性を活かしたデザインテーマ
・シリーズで並んだときにどう見えるか
等、どうすれば作品の魅力が一番伝わるかをご提案するのも仕事です。

完成した商品を、コンビニやお店で実際に見かけることも多く、仕事の成果を実感しやすいです。

◎ こんな人が向いているかも
・人の要望を聞いて整理するのが得意・相手の意図をくみ取ることが苦じゃない・チームで何かをつくるのが好き

グッズ制作で、イラストは何のために描く?

学生にとって、いちばん意外に感じるのがこの部分かもしれません。
グッズ制作では、イラストは「完成した作品」として描くものではなく、次の工程へ伝えるための資料として使われる場面が多くあります。

たとえばフィギュア制作では、原型師が立体をつくるために、
・正面
・背面
・側面
この3方向から描いたイラストを用意します。

原型師はこの絵をもとに造形を進めるため、ポーズのバランスや重心の位置、髪や服がどう流れているかまで、絵の中で具体的に伝える必要があります。

また、商品用イラストの制作でも、いきなり完成形を描くわけではありません。
まずラフを描き、クライアントや版権元と調整を重ねながら、少しずつ「元になる絵」を仕上げていきます。

世の中に同じキャラクターのグッズはたくさんある。だからこそ“どう差別化するか”を常に考えています。
たとえば墨絵風のタッチにしたり、素材感を変えたりして個性を出すこともあります。

 

新人デザイナーの1日(例)はどんな感じ?

10:00|出社・メール確認・朝ミーティング先輩と一緒に業務の流れを確認。デザイン・イラスト業務を通して実務を学ぶ。

12:00|ランチ休憩

13:00|デザイン・イラスト制作先輩のサポートを受けながら、案件を担当。

15:00|打ち合わせ同行クライアントと企画内容を確認。例えば、作品のどの編を使うのか?、キャラクター選定、スケジュールを整理。

16:30|ブラッシュアップ打ち合わせ内容を反映し、デザインを調整・完成度を高める。

18:00|進捗確認・提出先輩チェック後、クライアントへ提出。

18:30|修正対応クライアントからの修正依頼を受け、内容と期限を整理・共有。

19:00|タスク整理・退社翌日の作業を確認して帰宅。

採用では、何を見ている?

採用で重視しているのは、ポートフォリオから“その人らしさ”が伝わるかという点です。

◎ ポートフォリオとは? 
作品や制作過程をまとめた「クリエイターの作品集」のこと。
主に就職活動で、自分の得意分野や表現力を伝えるために使われます。

まず見るのは、まとめ方の丁寧さ。
制作過程や見せ方には、仕事への向き合い方や緻密さがそのまま表れます。

次に、スキルのバランス。
デザインとイラストの得意割合(7:3、6:4など)を参考に、「どんな仕事を任せられそうか」をイメージします。

さらに、その人は「何が好きで、どんな強みがあるのか」がわかるものであると良いですね。
工程や考え方が見えるポートフォリオは、働く姿をより想像しやすく、印象にも残りやすいです。

得意が違っていても、仕事はできる?

社内には、イラストを描く人もいれば、企画や進行管理を得意とする人もいます。

失敗したらどうしようと思う人も多いけど、失敗してもいいんです。経験を重ねないと成長できないし、挑戦した数こそが自信に繋がります。
やっぱり“好き”という気持ちが大事。この仕事は好きじゃないと続かないけど、“好き”がある人には無限の可能性があると思います。

時代が変わるたび、デザインできる可能性も広がる

「今ある流行を追うより、次に流行るものをつくりたい。」

バナナスピリッツは、キャラクターのイメージ香水など、新しいジャンルの商品に早くから取り組んだりと、誰もやっていないことにいちはやく挑戦する姿勢を大切にしています。

かつてアニメが“サブカルチャー”と呼ばれていた時代から、今は多くの企業がアニメとコラボする時代になりました。

その変化の中で、日本が誇るコンテンツを新しい形へデザインしていくことが、この仕事の魅力です。

 

——バナナスピリッツさん、ありがとうございました。

デザインやイラストを学ぶことは、表現力だけでなく、
「考える」「伝える」「形にしていく」という幅広い力を育ててくれます。
そうした力をどう生かすかによって、企画・提案・設計など、関われる仕事の可能性は大きく広がっていきます。

今回の記事が、自分はどんな関わり方が心地よさそうか、将来を考えるひとつのきっかけになれば嬉しいです。

 

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