【絵を上達させたい人必見!】そもそもデッサン 第4回 「“りんご”を緻密に描画しよう!」
そもそもデッサン3回目はトイレットペーパーをモチーフとしての「円柱形」でした。
上面は平面的に、側面は曲面をグラデーションで描くという、徐々に描き方に変化がありましたが、いかがでしたか?
↓第3回目の記事はコチラ↓
それでは、描くポイントを挙げます。
🍎りんごを描くポイント🍎
①トイレットペーパーに近い点として、上面がある
②その上面に凹みと芯枝を描く
③トイレットペーパーと同じく楕円形を描く
④凹みからの放物線
描く過程で解るように説明しますね。
鉛筆1本(1種類の硬さ)でもデッサンは描けますが、わざわざ硬さが違うものを使う理由としては、使い分けをして描くことができるようになると、デッサンのクオリティーは上がるためです。
おそらく、使い分け方にはその人なりの個人差があり、デッサンの模索を通して経験による会得になると思います。今回は「私なりの使い分け」として紹介します。
↓ここから先の手順は動画でもわかりやすく解説しています!↓
目次
では、りんごをデッサンしていきましょう。
◆描画に必要な用具
◯画用紙(白)…3枚
大きさはB4サイズ(画用紙の下敷き用とモチーフの下に敷きます)
表裏の確認をお忘れなく。ざらつき感の強い表面に描きます。
◯鉛筆(2B・HB)…各1本
事前にしっかり芯を削り出しておきます。
デッサン途中で摩耗するので、その都度削りなおします。
◯消しゴム・練りゴム…各1個
◯マスキングテープ…1個
画用紙を固定させるのに使います。
カルトン(画板)とイーゼル(画架)もあれば使いますが、ない場合には
前回同様に↓
◯紙 or スチレン製のボード(5㎜厚)…A3サイズ1枚
画板の代わりにします。(これからも常に使用する物です)
イーゼルの代用は画用紙とボードが立て掛けられる動きにくいものを用意します。
最悪ない場合には、テーブルの手前側の縁に立て掛けても良いでしょう。
◯りんご(できるだけ赤いもの)…1個
◆◇ ステップ1 ◆◇ 画用紙の中心を把握する
描画前の準備は前回同様です。
◯まず、今回も画用紙(B4)2枚(1枚は下敷き)を横位置にして、中心点を交差する垂直・水平線をHBの鉛筆で引きます。
◯テーブルに白紙を引いてモチーフ(りんご)をセットして画用紙とボード(画板)を机の端に立てかけます。(横位置)
【ポイント!】
①モチーフは凹みと軸芯が上を向くように置こう
②小さくも、大き過ぎないように描こう
③輪郭がまんまるより、歪んでいる
④途中段階で楕円形を描く
◆◇ ステップ2 ◆◇ それでは描画です!
まずはHB(鉛筆)でモチーフを見ながら円柱形全体の輪郭のアタリをいれましょう。
「りんご」は丸いようで、丸くなく少し歪んでいるのが特徴です。これはモチーフに個体差があるので、よく観察しながらアタリをひきましょう。
今回も全体のアタリ線が画用紙のセンターよりやや高めに描くのが理想です。
それは影のタッチ(調子)も含めた描画全体の中心をセンター位置に置きたいためです。
(※なので影がりんごの後ろにあって、手間側にない場合はモチーフの中心の画用紙のセンターが同一で構いません)
力を入れずに軽く持って、あまり強い線にしないよう柔らかく描きます。
やや丸みを帯びた直線を何本か繋げるようにして、りんごの形にしてみてください。
アタリの全体が小さくならないようにしましょう!
次にアタリの線と線のつなぎ目を消しゴムで消して、そこを丸みのある線に直していきます。
◆◇ ステップ3 ◆◇ 鉛筆でりんごの傾きを測る
輪郭のアタリが描けたら…
➀鉛筆(長いのを選んで)をおしり側で軽くつまみ上げて、片目をつむり、りんごの中心にまで鉛筆を移動させます。(できるだけ、鉛筆がまっすぐ垂直になるように!)
②下向きの鉛筆をモチーフに片目だけで重ねて見て、りんごの傾きを見定めましょう。
※ここでの傾きとは、りんごの凹みの中心とりんごの底部の中心とのズレのこと。
③今度は鉛筆をりんごの凹みの中心と底部の中心に合わせてその傾きと鉛筆を揃えてみます。
④りんごの傾きに鉛筆の傾きが揃ったら、片眼のまま鉛筆を見ます。
⑤今度は鉛筆の角度をりんごのアタリの中央に描き、りんごにまっすく貫くような線をひきます。
◆◇ ステップ4 ◆◇ 鉛筆(2B)でりんごのトップと軸芯のアタリを描く
鉛筆を2Bにして、まずりんごのトップ(凹みの周囲で最も高くなっている部分)を楕円のアタリを描き入れます。
そして手前側の土手(盛り上がって見える部分)を描き入れて、そこから軸芯+その影をアタリで描きます。
さらに、土手から楕円形の沿ってハッチングで土手を一周するようにタッチを入れていきます。
するとりんごのトップの感じが描かれます。
◆◇ ステップ5 ◆◇ りんご形の放物線を描く
2Bの鉛筆のままで、モチーフの側面で最も膨らんでいるところにアタリの楕円を描きます。
そして、凹みからりんごの側面にかけて、周囲に向かって放物線を8本程度ひきます。
膨らみの楕円を参考にして描きます。
これは説明しにくいので、画像をご覧ください。(ちょうどみかんの房のように描きます)
◆◇ ステップ6 ◆◇ りんごの全体を描く
まず、りんごの傾き線を練りゴムで慎重に消しておきます。
ステップ4で描いたりんごのトップから2B鉛筆でハッチングでトーンを入れていきます。
その際にタッチが放物線に沿うようにしましょう。また、赤いりんごの特徴である皮の表面のスジ線も描きましょう。
トップから下の方に順に放物線に沿うようにタッチを描くことで、丸い球体のように描けていきます。
そして(照明の)光を浴びて明るいツヤにはタッチを入れず避けて白く残します。
「りんご」らしさは凹みの奥から伸びた軸芯が特徴ですが、その前に球体であることが前提です。
トップから下の方までハッチングタッチをいれますが、りんごの底に近づくと下に敷いた紙の反射光で少し明るくなっていますね。そこはよく観察しながら、ハッチングを加減します。
◆◇ ステップ7 ◆◇ りんごの影を描く
モチーフはりんごだけではありません。基本形体同様に陰影も大切です。
まず2Bで影を描きましょう。影のトーン(調子)も観察しながら変化をさせましょう。
影はその物体から遠ざかるにつれで淡くなる傾向があります。
今度は鉛筆をHBに替えて、りんご全体のうち暗い側(光の方向の裏側)について、タッチを重ねていきます。その場合タッチの方向は横向きでりんごの球体に沿って描きいれましょう。
また、りんごのテカリ部分やその周辺にもHBでタッチをいれます。
この変えた鉛筆のタッチはりんごの硬さの質感の表現になっていきます。
HBはりんごの凹みの明るい部分にも使ってタッチをいれましょう。
◆◇ ステップ8 ◆◇ 仕上げ描画
もう一度2Bに鉛筆を替えて、軸芯を観察し描きましょう。
ここはりんごの特徴の一つなので、しっかり描きます。
消しゴムでりんごの輪郭線と輪郭からはみ出したタッチを丁寧に消します。
さらに練りゴムでりんごのテカリ(反射光)を明るくする、もしくはHBの鉛筆で輝度(明るさ)を下げるなど、細部をモチーフに近づけていきます。
そして影の濃淡も調子を整えましょう。
【評価のポイント!】
❶ 構図として画面に適切に描けているか
❷ 球体として見えるように描けたか
❸ 影の濃淡の調子(トーン)は適切か
❹ りんごに照明のテカリ(反射)と軸芯は描けたか
❺ りんごに硬さ・重さの質感が描けたか
以上の観点がポイントとなります。
イマイチかなと思ったら、りんごの向きを変えてみて再度描いてみましょう。