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【絵を上達させたい人必見!】そもそもデッサン 第7回(最終回) 「屋外で”樹木”を見ながらスケッチ!」

そもそもデッサン6回目は『信号機』がモチーフでしたね。どうでしたか?
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
描いてみると真っ直ぐ垂直に柱があるのですが、意外と「真っ直ぐ」描くのが難しいんですね!

↓第6回目の記事はコチラ↓

そうですね。垂直線・水平線をフリーハンドでひくことが難しいですよね。それだけを自由帳のような紙でトレーニングすることをお薦めします。
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
スマホを見ながら描くのも初めてでした!
はい、ここで大切な説明をします。
【実はデッサンじゃなく、模写】
デッサンは本来、実物をモチーフに描きますが、前回はあえて撮影した画像を描きました。撮影したものを描くということは、三次元のモチーフを撮影した「画像」ですから平面に置き換わっていますね。なのでデッサンではなく「模写」という描画になります。
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
画像を見て描くのはデッサンではないと…?
はい、デッサンは目の前の実物を、両目で捉えて描く、つまり三次元空間にある物(あるいは人物など)を両目を通して二次元平面に描く行為です。立体物を立体として見ながら二次元に描いています。
そして画像や写真のような印刷物を見て描くことは平面を平面に描くことなので「模写」となります。
ただ、デッサンではないからということで「模写」を軽視するつもりはありません。「模写」も昔から画家も行っていて、画力向上につながります。
原先生
原先生
さて、今回がいよいよ最終回です。今度のモチーフは『樹木』です。
そして今回もデッサンではなくて「スケッチ」をしますよ。
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
デッサンとの違いはなんですか?
モチーフとした樹木を見て、大まかなその姿を描きます。
葉っぱの一枚一枚を克明に描くのではなく、樹木のその姿、雰囲気を立体的に描こうというのがスケッチです。
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
屋外では風が吹いたり、雲の影響で陽射しが変化したりしますよね〜。細かくガチガチにではなく、『自然体』として描いていくということですか?
それナイスアンサー!
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
ということで、最終回はビル群の一角にある公園にやってきました!
ちょうど樹木を描く際に座れる場所がありましたね。
はい、いろんな通行の方がいますので、邪魔にならない場所、そして熱中症に配慮して選んでください。
原先生
原先生

今回スケッチした樹木

「公園の樹木」のポイント
① 太い幹(みき)を中心に前後・左右の枝ぶりをよく観察する
② 特に幹より前の枝葉、後の枝葉の前後関係を意識して描く
③ 葉っぱをひとつの集合体(群)として捉えて描く
④ 木陰もしっかり描く

 

↓ここから先の手順は動画でもわかりやすく解説しています!↓

 

 

では、『(公園の)樹木』をスケッチしていきましょう。

◆描画に必要な用具

◯画用紙(白)…3枚
大きさはB4サイズ(画用紙の下敷き用とモチーフの下に敷きます)
表裏の確認をお忘れなく。ざらつき感の強い表面に描きます。

◯鉛筆(2B)…1本
事前にしっかり芯を削り出しておきます。
デッサン途中で摩耗するので、その都度削りなおします。

◯消しゴム・練りゴム…各1個

◯マスキングテープ(18㎜幅)…1個
画用紙を固定させるのに使います。

◯紙 or スチレン製のボード(5㎜厚)…A3サイズ1枚 画板の代わりにします。

まず、画用紙(B4)2枚(1枚は下敷き)を縦位置にして、座った膝の上に画用紙が自分に正対するように置いて描きます。
また、風で飛ばないように画用紙の四隅をマスキングテープで留めておきましょう。

 

◆◇ ステップ1 ◆◇ 全体像を斜めの線(ハッチング)でアタリのトーン(調子)を描きましょう。

【ポイント!】
①モチーフの大きさを描くために画用紙の縦幅をしっかり使って描く
②鉛筆をねかせて、柔らかいハッチングでタッチをいれる(モチーフの全体像のシルエットを意識できるのが目的)
③樹木の根の部分は強めに描いておこう

 

◆◇ ステップ2 ◆◇ 最も太い幹を描いていきつつ、主な枝も描きましょう。

【ポイント!】
① 自分の目線の高さから上の方向へ幹(みき)と主な枝を描きいれる
② 幹から前・後方向にのびた枝の前後感を意識して、幹から手前側に伸びる枝は濃いめに描いて
反対に幹から後ろに伸びている枝は薄めに描くことで、前後の距離感に差を出していくことが大切
③ 枝を描く順番
❶本幹より手前に伸びた枝から描いて→❷次に本幹を描き→そして❸後ろに伸びる枝の順に描くと良い
④ まず、幹から手前(自分の方向)に向かって伸びる枝を、幹の元から濃いめのタッチで描き、さらに枝分かれの様子を描く
⑤ 太めの枝を描いておいて、そして分かれる枝を描いていく
⑥ こうして複数の枝の伸び方と枝分かれを追っかけるように枝だけを描く
⑦ 枝分かれの様子と併せて太幹も(樹木の本体として)しっかりと濃いタッチで描いていく
⑧ 本幹より後ろに伸びる枝(離れていく枝)は淡めに描くことで前後関係を表現できる。※仮にモチーフが大小様々な枝が大変多い場合は主な枝だけを描くようにし、全てを描かなくて良い(スケッチとはそういうもの)

 

◆◇ ステップ3 ◆◇ 主な枝からさらに細かい枝とその葉の集合体を描く。ここから葉っぱも描きますよ!

【ポイント!】
① 本幹から別れた枝にさらに小枝を描きいれる
② そこから生えている葉っぱを鉛筆をくるくる回すようにして短時間にたくさん描いていく
③ 枝分かれを描きつつ、葉の集合体を順次描く
④ 最初に描いた樹木の姿のハッチングのアタリからはみ出してしまっても良い
⑤ 葉っぱの調子(トーン)は光の方向、順光・逆光で違いがある(太陽光が自分の背中側から当たっている(順光)よりも、その反対の(逆光)は濃く描く)
⑥ こうして複数の枝の伸び方と枝分かれを追っかけるように枝だけを描く
⑦ 枝分かれの様子と併せて太幹も(樹木の本体として)しっかりと濃いタッチで描いていく

 

◆◇ ステップ4 ◆◇ 葉っぱの群れ(集合体)はアバウトに描く。枝から生える葉っぱの群れを「こんな雰囲気」という感覚で描きましょう。

風が吹いていたりして枝葉が揺れる場合もありますよね。また手前に伸びた枝の葉っぱ群はさらに調子(トーン)を濃くして描きますよ。
遠い枝の葉は淡く描いて、この調子(トーン)の差で遠近感を表現できます。

 

◆◇ ステップ5 ◆◇ 樹木全体を描いたら、木陰を描いて完成。

野外でのスケッチなのでその時の天気の具合によって、木陰のあり様は変わりますね。日差しが強い場合は影が濃く、弱い時は淡めに描きましょう!
樹木に近い根元付近を最も濃くして離れるにつれて淡くなるのが木陰の描き方です。
そして影も含めた樹木全体を見て、自分に近い(手前に伸びた)枝葉の調子を濃くするなどの調整をして完成です。
(※もし仮に樹木の保護用の「寒冷紗(カンレイシャ)」が巻かれていれば、斜めのハッチングでそれらしく描いていきましょう)

【ポイント!】
◉スケッチはあまり細かな描写をしなくても、ざっくりとした描き方で状況を伝えるように描くこと
◉描いている最中に天候変化があるので、長くても30~40分内で終える

 

樹木のスケッチ、いかがでしたでしょうか?

【評価のポイント!】
❶ ラフであっても「樹木」に描けたか
❷ 手前と後の枝葉に遠近の距離感が描けたか、つまり樹木のスケール感があるか

以上の観点がポイントとなります。

編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
公園ではくれぐれも水分補給を十分に行ってくださいね。
さて、7回にわたってのデッサン、いかがでしたでしょうか?
原先生
原先生

➀グレーグラデーション→②直方体→③円柱形→④りんご→⑤スプーン→⑥信号機→⑦樹木

回数が増すごとにモチーフの難易度が上がりましたね。どんなものでもモチーフになります。
このコラムでお伝えしてきたことですが、デッサンは初歩が大切です。身近なモチーフを置いて、鉛筆を何度も削って、デッサンを繰り返しましょう。そして上手く描けない(何が表現として難しいのか)が個々人で違いますが、それを自分なりに描くように、描けるように繰り返していきましょう。そして、人に見てもらう事も大切です。デッサンに長けた人でなくてもご家族とか、友達とか、その方が見た印象を言ってもらうことが、描く本人には気づけない発見とかアドバイスになる事が本当に多いです。
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
結果として描けた、描けなかったは関係なく自分が描いてきたデッサンには回数・制作年月日と使用した鉛筆を裏面に記入するようにしたいと思います!10点描いたら、15点目、20点目を目指します!全7回の記事を通して私もパワーアップできました!先生、ありがとうございました。
上達を焦る事なく、続けていく事が大切です。続けることで上達が後からついてくるものですから。そもそもデッサンとは、『継続は力なり』なのです。ではまたの機会にお会いしましょう!
原先生
原先生

 

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