おうち時間にゆっくり観たい《アート好きにおすすめの映画》
新年も始まり1週間もするとイベントが終わり、お休みに出掛ける頻度が減ってくる時期ですよね。
そんなおうち時間におすすめする、デザインやイラストの参考にもなるし観ていて楽しいアートな映画を5本ご紹介します。
ゴッホ 最期の手紙
「ひまわり」などの名画で知られるフィンセント・ファン・ゴッホ。その謎に包まれた最期を描いた映画がこちらです。
この作品の驚くべきポイントは、全編ゴッホ風油絵で描かれた絵画アニメーションというところ!油絵を描く人、アニメーション制作に携わる人からするととてつもなく気が遠くなる話ですよね…
俳優が演じた実写映画を元に、世界中の選ばれしアーティスト125名によって6万枚以上の油絵が描かれ、96分のアニメーションという形で作られています。全工程4年をかけて制作されたこの作品はまさに大作。ゴッホがいかに愛され、今もなお人々を魅了する画家であるということが、たくさんの人が関わったこの作品から見て取れます。
ゴッホの人生・謎の最期を、動く油絵でぜひご覧ください。
ビッグ・アイズ
60年代アメリカで一大ブームを巻き起こした、作家のウォルター・キーン絵画〈ビッグ・アイズ〉シリーズ。実はウォルターではなく妻のマーガレットが描いたものだった!という実話を、『チャーリーとチョコレート工場』などで知られるティム・バートンが監督した作品です。
どうなるのか気になるストーリーだけでも惹かれますが、マーガレットの大きな瞳の子供たちの絵だけでなく映像の色彩も魅力的。ずっと昔の話なのかと思いきや、マーガレット・キーンはご健在で(2022年1月現在)この映画にも出演されています。
ずっとゴースト・ペインターとして絵を描いてきたマーガレットの爽快な逆転劇でありながら、作家性・個性について考えさせられるそんな映画です。
アメリ
キュートなフランス映画といえば『アメリ』は外せません。フランスのみならず日本でも大ヒットした映画です。
空想好きの少女がそのまま大人に。他人を幸せにするいたずらが得意なアメリがとにかくかわいい!それだけでなく、舞台となるパリの街並みもアメリの部屋もサウンドトラックも何もかも独特ですが、おしゃれで好きな方が多いのではないでしょうか。
本家フランス版のポスターは、背景が緑、肌は白、リップは赤く強調された、ぎょろっとこちらを見るアメリというちょっと怖い印象ですが、日本版のポスターは打って変わってアメリがベッドでアルバムを開く引きのカット、部屋の壁の中央に「幸せになる」のコピーライトというとても可愛らしいもの。こちらもぜひチェックしてみてください。
また、フランスが舞台になっている映画では、ヘミングウェイやピカソが生きる1920年代にタイムスリップするラブコメディー『ミッドナイト・イン・パリ』もおすすめです!
HOKUSAI
今では誰もが知る「葛飾北斎」の、ひたすらに絵を描き続けた生涯。
『富嶽三十六景』を描き上げた老年期(田中泯)と、いままでほとんど語られることがなかった青年期(柳楽優弥)描いた本作。若き日の北斎に関する資料はほとんど残されていないためなかなか語られることがなかったが、歴史的資料を徹底的に調べ、事実を繋いで生まれたオリジナルストーリーとなります。
生涯で3万作品も描いたとされる北斎の生き様、何があっても続けることが1番の武器であり才能と気付かされます。
北斎は亡くなる前に、「あと5年あれば本物の絵師になれた」と話したそう。向上心の塊のような人だったんですね。絵を描く人にだけではなく、誰にでも観てほしい映画です。
ゼロ・グラビティ
最後は、おうち時間にゆっくり観たい映画といいつつも終始ドキドキハラハラな、極限のサバイバルSF映画をご紹介!ストーリーはアートとは全く関係のない宇宙空間での衝突事故、そこから生還を目指すというものですが、この作品のすごいところは映像美です。
臨場感あふれる映像を観ていると、実際に宇宙にいると錯覚し思わず息を止めてしまうほど。事故前の優雅な宇宙空間もですが、事故後の恐怖が半端ない…。無重力、無酸素、真っ暗で無音の宇宙は果てしなく、放り出された時は絶望でしかありません。この宇宙空間を表現するためアルフォンソ・キュアロン監督は、当時最新のVFXと3D技術を駆使し映像と音響にかなりこだわったそうです。少しネタバレですが、映画の最後にタイトルがドーン!と出てくるところも痺れます。
ぜひ部屋を暗くしてご覧ください。臨場感ありすぎなので酔わないようにだけご注意ください…!
今回は勝手ながら5本ピックアップさせていただきましたが、登場人物・ストーリー・映像などなど注目するところを変えるとアーティスティックな映画は数えきれないほどありますので、これを機に探して観てみてはいかがでしょうか?