キーワードは“3DCG”と“子供向け”。知られざるマレーシア産アニメの世界

こんにちは、日本デザイナー学院マレーシア校スタッフです。
私達は現在マレーシアで、NDSの新しい姉妹校の開校準備しています。
現地のスタッフが日々痛感するのは、実際に住んでみて初めて分かるマレーシアの奥深さ。そんなまだまだ日本では知られていない、コアなマレーシアのデザイン、サブカルチャー情報を、定期的にお届けします!

 

日本デザイナー学院マレーシア校からお伝えする、現地情報第二弾のテーマはずばり”マレーシアのアニメ“について。もちろん日本のアニメも人気ですが、日本には知られていないマレーシアの国産アニメもあるんです!今回は、そんな知られざるマレーシアのアニメについてお話します。

マレーシア産アニメを説明する上で、キーワードとなるのは“3DCG”と“子供向け”。
この二つのキーワードの根底にあるのが、政府主体となって行われたアニメの産業化です。

親日家であり、現在96歳でありながら現役政治家である、マレーシアの元首相Tun Dr Mahathir bin Mohamad(マハティール・ビン・モハマド)氏。彼が推奨した制作現場の積極的なデジタル化、そして政府からの助成金が、マレーシアのアニメに“3DCG”というスタイルを確立させました。また、これらの作品で自国の文化に基づく価値観を描くことにより、マレーシアという国を国外に示し、かつ国民生活に合ったアニメが生まれたのです。

 

そんなマレーシアのアニメを代表する国民的アニメが、『Upin & Ipin(ウピンとイピン)』です。
マレーシアの伝統的な村kampong(カンポン)を舞台に、双子の男の子ウピンとイピンが繰り広げるエピソードは、日本ではあまり見ることのないムスリムの文化が散りばめられています。

 

 

 

また、『BoBoiBoy(ボボイボーイ)』という作品にも、マレーシアらしい特色を見つけることができます。
ヒロインの一人であるYaya(ヤヤ)のチャームポイントは、ムスリムの女性が頭に身に付けるピンク色の可愛らしいヒジャブ。たくさんのマンガやアニメ作品がひしめく日本でも、まだまだヒジャブ付けたキャラクターは珍しいのではないでしょうか。

 

 

 

最後にご紹介するのが、『Ejen Ali(エージェント・アリ)』という作品です。
舞台のモチーフとなるのは、マレーシアの首都クアラルンプール近郊の新興都市Cyberjaya(サイバージャヤ)。マレーシア経済特区であるサイバージャヤは、最先端のIT関連企業が集まっています。エージェント・アリで描かれるのは、そんな都市の未来を示すような近未来スパイアクション。

 

 

そんな未来ではマレーシアのアニメも、もしかしたら日本の皆さんにとって馴染みのあるものになっているかもしれませんね。

 

英文記事

Here with new info from NDS Malaysia, the second local info topic is “Malaysian Anime”.
Of course, Japanese anime is well known, but there are also Malaysian anime that are unheard of in Japan!
This time, we will introduce you to these unknown Malaysian animation.

To understand Malaysian animation, the keywords are “3DCG” and “for children”.
The foundation of these two keywords is the industrialization of animation done mainly by the government.

Currently 96 years old, the former Malaysian Prime Minister, Tun Dr Mahathir bin Mohamad is a pro-Japanese politician. His recommendations to actively digitize local production companies, as well as grants from the government helped establish “3DCG” as the main animation style in Malaysia. Also, by drawing the values based on Malaysian culture in animated works, Malaysia can be introduced to foreign waters as well as the daily culture through animation.

Upin & Ipin is the widely loved animation that truly represents Malaysian animation.
Set in a traditional Malay village, also known as kampong, this anime tells the story of the twin boys, Upin and Ipin with elements of Islamic culture that is foreign to Japanese viewers.

In addition, you can also find Malaysian characteristics in the anime, BoBoiBoy.
The charm point of one of its heroines, Yaya, is the pretty pink head covering also known as hijab. Even in Japan, abundant with various manga and anime, it is still rare to see characters drawn with a hijab.

The last anime to be featured is Ejen Ali.
The story is set in Cyberjaya, an emerging city near Kuala Lumpur, the Malaysian capital. Designated as Malaysia’s special economic zone, Cyberjaya is home to cutting-edge IT-related companies. Ejen Ali depicts a near-future spy action story that explores the future of such city.

In such future, Malaysian animation might become more familiar to the Japanese market.

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