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クリエイティブ圏外漢のクリエイティビティを感じる何か…〈vol.33〉―『聖と俗 対話による宮台真司クロニクル』

おはようございます。こんにちは。こんばんは。
アメリカ大統領選も終わりトランプ氏が勝利しました。
色々騒がしくなりそうな昨今ですが、
皆様いかがお過ごしでしょうか?

マクロな社会情勢の混沌とミクロな日々の変化や忙しさに
私だけでなくあらゆる方々も疲弊しているかと思います。

今回は疲弊しがちな現代社会において
祝祭が人間が力をため込む上での重要性を感じさせる
社会学者の著作と祝祭的なフェスと音楽をご紹介。

『聖と俗 対話による宮台真司クロニクル』

まずご紹介するのは社会学者 宮台真司の半世紀を
当人とミュージシャンの近田春夫が対談によりまとめ上げた一冊。

宮台氏にご興味ある人は紹介する本書並びに
上記Wikipediaのリンクを読んでほしいのですが
それすら面倒な方にをバックり説明すると

90年代より若くして活躍してきた
気鋭の社会学者/映画評論家であり
常に過激な発言が巷間の耳目を集め、
最近の出来事だと大学構内での切り付け事件の
被害にあったことが有名である人物です。

本書は宮台真司という強烈な個性から
想像がつく家系や数々のエピソードが
面白いのは勿論だが、
近田春夫が宮台氏の「かわいさ」を
見出したのが慧眼。

当人の本やラジオを聴いてた身としては
我が意を得たりなその「かわいさ」が
通底奏音になっているのが素晴らしく感じる。

また本書が宮台氏のこれまでの著作や発言の
補助線としても効果的に機能しており、
彼の考えやそれに付随する学問、
その界隈への理解も進むので、
彼の理解や批判をしたいのならまず読むべき作品です。

力をため込むことの重要性

本書並びに宮台氏の過去の著作や発言において
ヒラメ/キョロメな振る舞いの劣等生、郊外化の問題、
損得勘定しか気にしないクズ、感情の劣化…
なかなか刺激的なパワーワードが並ぶ。

これらのワードや通底する問題は
ニクラス・ニューマンの社会認識に依拠する
曰く(宮台氏の解釈のさらに筆者の抜粋)

“社会(言語・法・損得…)の営みで疲れた=力を失った者は
性愛やその延長の家族(言語外・法外・損得外…)の営み
または祝祭によって力を回復する(ため込む)”

これは現代社会のあらゆる問題に関して通底するとともに
現代は“力をため込むプロセス”が損なわれているのでは
ないだろうか?と感じる。

そんな中でもちょうど本書を読んでいて
力をため込むような祝祭を感じたフェスが
Festival de FRUE 2024

Festival de FRUE 2024

私の記事の中で何度もFRUE関連のことを記載しているので
詳細は省くが、Festival de Frueは
“魂の震える音楽体験”をコンセプトに
様々なアーティストが参加するフェスです。

何度か参加したこのフェスでしたが
参加前&フェス会場でも『聖と俗』を読んでいたせいか、
はたまた今年のラインナップがFRUEのコンセプトを体現する
集大成的な出来だったからか、
実に社会での疲弊を回復し、
力をため込ませてくれるようなライブの数々でした。

すべてのアクトが素晴らしかったので、
まずは公式のプレイリストをご視聴いただければ幸いです。

その中でも今年のFestival de FRUE 2024で
個人的に楽しみにしていたのがBruno Berle

現行のブラジル音楽を代表する音楽家であり、
前作『No Reino Dos Afetos』ではビートミュージックや
コンテンポラリーR&B、アフリカンな影響も受けつつ
フレッシュなMPBを展開してブラジルでのLIVEは
SOLDOUTしている。

今回のFRUEでは『No Reino Dos Afetos2』を引き下げ
アルバムプロデューサーのbatataboyとともに
ライブを行いました。

前作を深化させた楽曲群を伝統的な楽器編成と
エレクトニックなダンスチューンの両側面を
体験できるライブで非常に力をためさせて頂きました。

*Bruno Berleもbatataboyも会場で
軽くお話をさせていただき、
写真にも快諾頂き人柄も最高でした。

どんな音楽でもよいので
社会生活をする上で
“力をためこめる”祝祭や音楽が
皆様の近くにあること祈念しております。

文・写真 北米のエボ・テイラー

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