映画ファン必見!「MONDO 映画ポスターアートの最前線」

銀座にある国際映画アーカイブで開催されている「MONDO 映画ポスターアートの最前線」展覧会では宣伝用の映画ポスターではなく純粋なアートとしてのポスターを見ることができます。飾られていたポスターの総数はなんと71枚!今回は「MONDO」の歴史と会場内の様子をお届けします。

「MONDO」とは

[MONDO]とはテキサス州オースティンを拠点に、映画館チェーンの傘下でオリジナリティあふれる映画ポスターを制作してきたアート・プロダクションです。MONDOがデザインするポスターでは、無声映画といった古い作品や誰もが知るもの、最新作まで、新旧問わずさまざまなジャンルの映画を手掛けています。

「GODZILLA ゴジラ ポスター:ファントム・シティ・クリエイティブ」

MONDOの起源は、2004年にオープンした、映画館「アラモ・ドラフトハウス」のTシャツショップ「MONDO TEES」。一線を画す個性的な映画館として評判を集めていた「アラモ」は、上映やイベントの際にオリジナルのポスターを制作していました。いつしかポスターはTシャツよりも人気となり、アーティストの個性が弾ける「オルタナティブ・ポスター」というジャンルを開拓したそうです。

「MONDO」ポスターの魅力

今回1番驚いたことはMONDOのポスターが版画で作られていたことです。スクリーンプリントで印刷がされていたのですが、紙の種類からインクの乗り方、繊細な線の使い方まで計算された作品となっていました。すべてがアナログで作られていて、これは実物を見なければ伝わらない感動がありました。

作品1つ1つが原作へのリスペクトを感じられて、約2時間の映画が1つの絵に集約されて表現しています。作品のファンには伝わるであろうエッセンスやネタが細かく仕込まれていたり、発見する楽しさがありました。

私が中で特に好きだったものが「ホームアローン」の作品でした。主人公・ケビンが泥棒を撃退する様子が描かれており、1枚の中にケビンの作戦に泥棒達が引っ掛かっているストーリーがとっても面白かったです。

左「V フォー・ヴェンデッタ ポスター:セサル・モレノ」中「ロッキー ポスター:セサル・モレノ」右「ホームアローン ポスター:アダム・シンプソン」

「ゴジラ対メカゴジラ」ポスター:アタック・ピーターの作品は制作過程のメイキング映像も流れていたので作品のこだわりや映画の好きな部分が伝わりより魅力的に感じます。

「ゴジラ対メカゴジラ ポスター:アタック・ピーター」

 

展示では実際にみることで分かる、スクリーンプリントの色味や繊細な表現は、実物を見ることでしか味わえません。映画好きの人からアートが好きな人まで後悔しない内容となっているので間近で作品に触れてみてほしいです!

左「キル・ビル[再編集版] ポスター:タイラー・スタウト」右「スター・ウォーズ 帝国の逆襲 ポスター:タイラー・スタウト」

常設展では映画の成り立ちから昔のカメラや紙フィルムまで歴史を勉強することができます。特にアニメーションの作り方など現物とあわせて作品を見るとより一層愛着がましてきました。「MONDO 映画ポスターアートの最前線」と同じ会場なので合わせてみることがオススメです!

MONDO 映画ポスターアートの最前線
会場: 国立映画アーカイブ 展示室(7階)
会期: 2021年12月7日(火)-2022年3月27日(日)
開室時間: 11:00am-6:30pm(入室は6:00pmまで)
*毎月末金曜日は11:00am-8:00pm(入室は7:30pmまで)
休室日: 月曜日、3月8日(火)~3月13日(日)は休室です。
観覧料: 一般250円/大学生130円/65歳以上・高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料
*料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含みます。
主催: 国立映画アーカイブ、京都国立近代美術館
特別協力: MONDO
公式サイト→https://www.nfaj.go.jp/exhibition/mondo2021/

 

 

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