えッ!?イエロー鬼、グリーン鬼、ブラック鬼!?!?/マンガに出てくるアレを深掘り!#01
「鬼」
それは力強く邪悪な存在で、物語では主人公が倒さなければならない存在です。
日本人は子供のころから刷り込まれてきたこの「鬼」についてのイメージ。
しかし「鬼」とはいったい何なのか、
調べてみました。
本来の「鬼」は姿のないもの
中国の文化における「鬼」は死んだ人の魂そのもので姿かたちのないものとされていました。
日本にこの「鬼」というものが伝わってきたときは同じように姿の見えない「恐怖の象徴」でしたが、仏教が由来となって現在の鬼の姿をイメージするようになったそうです。
鬼の姿の由来となったのは仏教における「餓鬼(がき)」や「獄卒(ごくそつ)」がイメージの由来だそうです。
「餓鬼(がき)」
六道(ろくどう/輪廻転生する6種の世界)における「餓鬼道」に生まれた亡者。
常に飢えと乾きに苦しみ、食物、飲物でさえ手に取ると火に変わってしまう。
「獄卒(ごくそつ)」
六道における「地獄道」で亡者を拷問で苦しめる鬼。囚人を直接取り扱う下級の役人。
イエロー鬼、グリーン鬼、ブラック鬼!?
鬼といえば赤鬼や青鬼はイメージが湧きますが、鬼について調べてみたら他の色の鬼が出てきました。
そして、ちゃんと違いや意味があったのでまとめました。
赤鬼
渇望や欲望の象徴で、
持っている武器はイメージどおりの「金棒」
青鬼
悪意、憎しみ、怒りの象徴で、
持っている武器は「刺股(さすまた)」
黄鬼(白鬼)
心の動揺、後悔、甘えの象徴で、
持っている武器は「両刃のこぎり」
緑鬼
倦怠、眠気、不健康の象徴で、
持っている武器は「薙刀(なぎなた)」
黒鬼
疑いの心、愚痴の象徴で、
持っている武器は「斧」
この5色は仏教の教えにある修行の妨げとなる5種類の「煩悩」とリンクしているようです。
「鬼」は
渡辺さんと坂田さんのことが恐い。
鬼が出てくる日本人の風習で節分にする「豆まき」がありますが、
なんと渡辺(渡部・渡邉・渡邊)さんと
坂田さんは豆まきをしなくて良いんです。
なぜかというと
鬼は渡辺さんと坂田さんのことが恐いから。
この言い伝えは、
京都にいた酒呑童子(しゅてんどうじ)という鬼の頭、そしてその家来の茨木童子(いばらきどうじ)という鬼を、鬼討伐隊の渡辺綱(わたなべのつな)が打ち倒した。
そして同じく討伐隊のメンバー「坂田金時」、幼いときの名前は「金太郎」。
坂田金時も渡辺綱と一緒に鬼退治で活躍したことから鬼は「渡辺」さんと「坂田」さんの名前が恐くて近寄らないらしい。
「般若(はんにゃ)」は鬼じゃない。
鬼のイメージでよくゲームやマンガで出てくる「般若(はんにゃ)」と言われる嫉妬や恨みの篭る女の顔としての鬼女の能面。
しかし本来は「般若」という言葉は「鬼」の意味はない、むしろ仏の教えに関する言葉なんです。
「般若」の意味は「仏の智慧(ちえ)」
「智慧(ちえ)」とは、さまざまな修行を積み、その結果得られる悟りのことで世の中の真理を指す言葉です。
つまり「般若」は「悟りの心」のことなんです。
ではなぜあの怖い鬼の面は「般若」というのか、
諸説あるようですが、有力な説は優秀な能面師「般若坊」という人があの怖い面の原形を作ったことから、あの面の形を「般若」と呼ぶようになったそうです。
いかがでしたでしょうか、
「鬼」のことを調べてみたらいろんなことがわかりました。
今回書いた内容以外にもたくさんの言い伝えが出てきました。
マンガやイラストなどの創作をするうえで、知識は大切なクリエイティブの材料になります。
ぜひ創作をするときはそのものの情報をあらためてよく調べてみてください!