みてください、わたしの地元/#03

遠い地方から上京してきた方でも故郷を大切に、初心を忘れずにいてほしい。

自分が生まれ育った「地元」だからこそ分かる魅力や今まで見てきた風景。

それらを作品を通して伝えていきます。今回は、日本デザイナー学院(NDS)と日本写真芸術専門学校(NPI)在学生の地元です。

山梨県出身 山崎美結

山梨県の河口浅間神社で行われる「河口の稚児の舞」のロゴマークをデザインしました。河口の稚児の舞は、貞観6年の富士山貞観大噴火を鎮めるために奉納されたのが始まりと言われており、平成29年に国の重要無民俗文化財に指定されました。
4月25日に孫見(まごみ)祭、7月28日に太々御神楽(だいだいおかぐら)祭で稚児の舞が奉納されています。「御幣の舞」、「扇の舞」、「剣の舞」、「八方の舞」、「宮めぐりの舞」の五番の演目があり、地元の小学生7~8人で奉納されます。
太々御神楽祭では、五番全てが奉納されますが、孫見祭では「御幣の舞」、「扇の舞」、「剣の舞」の三番が奉納されます。
このロゴマークでは、どちらのお祭りでも最初に奉納される「御幣の舞」河口浅間神社の鳥居富士山を取り入れました。また、稚児の舞の衣装の特徴である赤色を意識したカラーにまとめました。

伝統を残す一つの手段に

新型コロナウイルスの影響で、一般公開を取りやめていましたが、2022年7月28日に3年ぶりに従来の形で「太々御神楽祭」が開催されました。
私自身稚児の舞を舞った経験があり、この地区で続いてきた伝統を残したいという想いが強くありました。伝統を残す一つの手段になればいいなという思いを込め、このロゴマークをデザインしました。

改めて地元が好きだと感じました

このロゴマークを制作して、地元に戻って仕事がしたいという気持ちが強くなりました。デザインを学ぶために山梨を離れましたが、改めて地元が好きなんだなと感じました。伝統を繋いでいくということは大変なことですが、もしデザインという形で携われることができたら嬉しいです。
4月25日・7月28日に稚児の舞が奉納されているので、機会がある方はぜひ行ってみてください。

 

Ⅰ部グラフィックデザイン科1年 山崎美結

 

千葉県出身 本田愛惠

撮影場所は中学の通学路や子供の頃に良く遊びに行った場所です。

高校を入学してから現在までの4年間、地元を見ていないことに気づいたです。高校時代は放課後学校に残って友達と話したり2駅先のショッピングモールで遊んでました専門学生になった現在はバイトと撮影で夜遅くに帰ったりしています。 

変わっていく地

撮影をはじめたきっかけは、授業で「地元」をテーマに出されたことでした。私は昔よく遊びに行っていた公園までの道や中学の通学路を撮影しに行きました。数年ぶりに歩いた道は私が知っている道とはガラリと変わっていました。広くあった畑は住宅街へと変わり、森林があった場所は伐採され、遠くの方までよく見えました。

「ああ。変わっていくだな」 

私は喪失感に襲われとても後悔しました。この時から空いた時間にカメラを持って撮影をするようになりました。 

写真が教えてくれた

写真を学びにNPIに来て、カメラを始めて1年私にとって地元は大切な思い出がたくさん詰まった場所だと気づきました。きっと写真をやっていなかったら分からなかったことです。本当に教えてくれありがとう。 

 

写真科Ⅰ部1年 本田愛惠

 


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