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クリエイティブ圏外漢のクリエイティビティを感じる何か…〈vol.12〉―DISCOディスク・ガイド「DISCO MADDNESS」

おはようございます。こんにちは。こんばんは。
本記事が公開されるころにはバレンタインなんかも終わっていることと思いますが、皆様はどんなバレンタインでしたでしょうか?
好きな人、友達、家族にチョコレートをあげたり、もらったりしたんでしょうか?
チョコレイト・ディスコは未だにバレンタイン・アンセムなのでしょうか?

さて、前回記事前々回記事が変化球的に音楽から離れましたが、今回から主題を音楽に戻しまして、「DISCO MADNESS」というDISCOディスクガイドとその中に掲載された東欧のDISCOをご紹介します。

DISCOって?

そもそもDISCOという言葉には大きく「場所」と「音楽」の意味がございます。

「場所」としてのDISCOは音楽を流し、酒などの飲料を提供して客を踊らせる場所で、1990年代以降は同様の場所はCLUBと呼ばれるようになりました。

語源はフランス語の”discothèque”(ディスコティーク)で、マルセイユの方言で「レコード置き場」という意味でした。

第二次対戦中にバンドの構成員が戦争に参加せざる得なくなった結果、演奏が困難になり、レコードをかけるようになったのがきっかけで、50年代にはジャズを聞かせるディスコティークが定着。
60年代には世界の主要都市に波及していくことになる。
NYでデビッド・マンキューソが自宅に開いた「The LOFT」が、後世の「場所」としてのDISCOのスタイルを決定づけました。

 

「音楽」としてのDISCOは定義が難しいのですが、
60年代のアメリカの場所としてのDISCOでは
モータウン・サウンドやジェームス・ブラウン、スライ・ストーンなどのソウル、ファンクがかかっていました。
70年代になるとフィリー・ソウルというストリングを多用して、都会的で洗練された甘いソウルがDISCOで流行るようになります。

このフィリーソウルのような都会的なサウンドを背景に
一晩中踊れるように心臓の鼓動と近いBPM120くらいの
リズムフォーマットで作られたモノが「音楽」としてのDISCO。
特徴としては女性ボーカルやストリングスやホーンが多用されがちで、後世のHouse、Technoなどにも多大なる影響を与えました。

音楽としてのDISCOのフォーマットは音楽番組や映画の影響も手伝って70年代には全世界に広がり、各国でDISCOフォーマットの曲が作られます。

各国ローカライズなDISCO曲が作られるだけでなく
POPS、ROCK、PUNK、JAZZなど他の音楽ジャンルとも融合、影響を与えるという一大ムーブメントを作った音楽ジャンルなのです。

*ここら辺の歴史や音楽の説明は乱暴にまとめている為、
興味がある方は名著「ブラック・マシン・ミュージック」を参照。

ディスコ・ガイドの決定版「DISCO MADNESS」

このDISCOという音楽ジャンルは上述の通り世界中に
一大ムーブメントを起こしただけでなく現代でも
BTS「Dynnamite」がグラミーでノミネートされたように
アートフォームとして一般化したような現役バリバリのジャンルです。

この広範に広がり、50年以上の歴史のあるDISCO。
掘っても、掘っても、掘り足りないDISCO。

そんなDISCOを深堀する上での道しるべとなるのが
今回ご紹介する究極のDISCOディスク・ガイドDISCO MADDNESSです。

本書は月刊『レコード・コレクターズ』
2018年7月号の特集<ディスコ・インフェルノ!!>の増補改訂版で、1973〜1982年にリリースされたアルバム/シングルを、メジャー/マイナー問わず徹底的に解説。

ロック、ジャズ、日本のポップス、パンクなどへの影響、
ヨーロッパ、東欧/ソ連、ラテン、ブラジル、アフリカ/カリブ、アラブ/アジア地域に焦点を当てた記事などを追加しています。

もうコレを読めばDISCO素人からDISCO玄人になること間違いなし!

そんな本書の中で個人的に興味を持ったのが東欧/ソ連DISCO。

DISCO黄金期の東欧/ソ連は西側諸国より女性歌手が多く、社会主義圏であったことで国営の大所帯バンドを抱えており、DISCOの煌びやかで大仰なサウンドを再現しやすく、ロックよりも政治的でないのでバンド活動を制限されない…

まさかのDISCOが作られやすい土壌が合ったエリアなのである!
東欧とDISCOというのがなかなか結びつかなかったが、
本書を読んでそんな背景を知り、面白がり、購入したレコードがコチラ!

作曲家兄弟によるチェコを代表するDISCOグループのご機嫌な一作!
こちらのレコードは2作目でインスト中心でDJでも重宝しやすいですが、1作目のヴォーカルやコーラス多めのアルバムも素晴らしい!

音楽をいくらでも聞ける環境ですが、
ディスクガイドを片手に興味を深堀りして、嗜好の幅を広げてみては?
DISCOならこちらのDISCO MADNESSがオススメです!!

文・写真 北米のエボ・テイラー

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