みてください、わたしの地元/#02

遠い地方から上京してきた方でも故郷を大切に、初心を忘れずにいてほしい。

自分が生まれ育った「地元」だからこそ分かる魅力や今まで見てきた風景。

それらを作品を通して伝えていきます。今回は、日本写真芸術専門学校(NPI)在学生3人の地元です。

茨城県出身 畑中佑太

自宅から徒歩数分程度の土手を撮影してきました。何の変哲もないただの土手ですが、僕にとっては思い出の詰まっている土手なんです。父親と散歩に行って階段でグリコをやったり、幼馴染の女の子と変顔をしながら写真に映ったり、蛙を虫かごいっぱいに捕まえたり、夜に人目から逃げて花火をやったりと。そんな思い出の詰まった場所を撮影してきました。ありきたりな表現ですが、「僕の裏庭」ってやつです。

ありのままの自然がある

茨城県の守谷市って、わずか約36㎢しかないんですね。元々県の魅力が無いと言われがちな茨城県。その中の小さな市である守谷市に、特別なイベントや観光名所なんてないんです。そんな守谷市ですが、僕は割と好きです。そこには思い出がいっぱい詰まっていますから。特別な何かがなくても、ありのままの自然があるじゃないか。そう思い立って、今回は久々に思い出の詰まった土手に行ってみることにしました。

地元の景色は変わらない

東京の街は数ヶ月で別世界になります。学校から駅までの道のりですら、工事の影響でルートが変わったり、新しいコンビニができたり、山手線のホームが拡張されたりと。懐かしいという感情を生み出す隙を与えてくれません。
でも、地元の景色というのはあの時から何も変わっていなくて。良い意味であの頃のままで。そんな手付かずで飾りっ気の無い自然を眺めると、幼い頃の記憶が色々と蘇ってきて、とても懐かしい気分になりました。


特別な場所なんか行かなくても、こんなに近くにこんな素敵な場所があるんだなって改めて思いました。これを機に、もっと身近な風景に目を向けてみようと思います。
そういえば冒頭にチラッと出てきた、幼な馴染みの女の子。もう何年も会っていませんが、母親の元に届く年賀状の便りによると社会人になったそうです。いつかまたこの場所で会いたいですね。その時まで、この場所はこの場所のままだと思うので。

 

写真科Ⅰ部1年 畑中佑太

埼玉県出身 小松瑛

埼玉県川越市で開催される「川越氷川祭」を撮影しました。
川越氷川祭は、別名川越まつりと呼ばれており、城下町の総鎮守氷川神社が行う「例大祭」と「神幸祭」を根源とする祭祀と氏子、町衆が行う祭例の山車行事です。平成28年にはユネスコ無形文化遺産にも登録をされたお祭りです。

今までとは違う視点で楽しみたい


今年は3年ぶりの開催で市制100周年と節目の年であった事、また、自分がカメラを持ってからは行ったことがなかったため、今までとは違う視点でお祭りを楽しめるのではないかと思い撮影に行くことにしました。

山車の迫力を体感できました


山車の迫力がすごかったです。山車の数も多くて山車と山車の演舞を間近で見ることができてよかったです。そして3年ぶりの開催というのもあり物凄い人の数で、歩くのがとても大変でした。あまり人混みは好きではないけれど、山車を見るために行く価値のあるお祭りだと改めて思いました。来年以降も開催されると思うので機会がある人はぜひ行ってみて欲しいと思います。

 

写真科Ⅰ部1年 小松瑛

東京都出身 青山尚人

思い出の地を再確認しました

私の地元である東京都中野区を練り歩き、自身が暮らす街並みを撮影しました。
普段歩き慣れた道、訪れた場所、見慣れた風景を撮影しつつ思い出の地を再確認しました。子供の頃の通学路、歩道橋から見える丸ノ内線の車庫の風景はとても美しく私の目には写りました。何気ないT字路にある横断歩道、少しひらけた坂道、いつもと同じ一日が今日もゆっくり終わっていく、そんな人々の営みを表現しました。
古びたビルにいくつものバーがすしずめ状態になっている、どこか不思議な空間に思えて私もいつか飲みに行きたいと思っています。毎年訪れる神社はいつ来ても心落ち着く場所であり、私にとって思い出の強い地のひとつです。

私が子供の頃と今とでは街並みもだいぶ変わりました。新たにマンションが建ち、飲食店も増え、スーパーやドラッグストアがオープンしたりと、住みやすくなり地元の人口も少しずつ増えてきました。そうした中でも昔と変わらない地元ならではの風景を撮影したいという思いで昔から馴染みのある場所を中心にシャッターを切りました。

何気ない風景をカメラ越しに見てみると

今回生まれ育った街を、当時を振り返りながらカメラ越しに見てみたことで、普段何気なく見る風景が懐かしくかつ美しい風景に見えました。

写真学校で学び始めて早1年、色々な場所で撮影することで毎日違った発見があり、日々成長を感じています。そんな中よく知った地元を撮ることで「改めて知る良さ」や「初めて知る良さ」が分かり、とてもいい機会になりました。もっと多くの人にこの良さが伝わり、興味を持って貰えると嬉しいです。

 

写真科Ⅰ部1年 青山尚人

 


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