スーパーやコンビニで見かけるパッケージデザインのあれこれ①
コンビニ、スーパーのパッケージデザイン。
店内に入ると目につくレジ横のホットスナックのコーナー。
コロッケなどついでに、ちょっと購入…ありますよね!
包装せずに、出来たてをすぐに陳列、提供できることは「鮮度、美味しさ、安心」を表現していて、店頭ならではのリアルな体験です。
お店にある他のパッケージデザインも、色々な表現方法、包装形態があり、容器も様々な工夫がされていて、「鮮度、美味しさ、安心」などを上手く表現しています。
そこには、ルールも存在していて、消費者の利益もしっかりと守られています。
普段は気づかないパッケージデザインの裏側を少し紹介したいと思います。
フルーツの断面、輪切り表現の秘密とは!
果汁入りのジュースなど、フルーツの美味しさをアピールするなら、ジュースのパッケージデザインはフルーツの輪切りで表現したい……
ちょっと待って。
その商品は「果汁100%」?
それ以外は、輪切りの表現は出来ません。
5%未満ではより厳しく「平面的な絵」、つまり立体感、グラデーション、地肌を表現したもの、そしてもちろん輪切りの平面的な絵もNG!なのです。
ペットボトルの水って賞味期限すぎると飲めないの?
お腹に悪そうだから、廃棄しましょう…ちょっと待って。
消費者庁のサイトには食品ロスの観点から、以下の記載があります。
「飲料水は、(中略)品質の変化が極めて少ないことから、一部のものについては期限表示(消費期限・賞味期限)の省略も可能としています。」
では、なぜ賞味期限の設定があるのでしょう?
関係するのは内容量の表示と、匂いうつりの2点です。
容器に通気性があるので、水が蒸発して内容量を大幅に下回ったり、においが強いものと一緒だとペットボトルにが移るからです。
期限を設定することで、良い状態で飲むことができるのです。
牛乳パックのてっぺんが、少し凹んでるけど意味はあるの?
少しでも紙サイズを減らすエコな工夫かな?…いいえ。
消費者の声を反映して、2001年に登場した生乳100%「種類別 牛乳」のみにつけられる「切欠き(きりかき)」という特別なシンボルです。
売り場には様々な種類の牛乳が並んでいます。
牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、成分調整牛乳、加工乳、乳飲料など、選ぶのにもしっかり確認しないと間違えます。特に目の不自由な人にとっては、とても難しい選択です。バリアフリーの観点からも、「牛乳」を間違えないで購入するための目印なのです。
※サイズや位置は、JIS規格で定められている。ただし任意表示なので、全てではない。
ポテトチップス、スナックの袋がパンパンなのは何故?
もっと中身を増やせないの?
パンパンなのは空気の代わりに窒素ガスを入れて商品の劣化を防いでいる為です。
油分が空気に触れると味、風味が損なわれるから美味しさを保つための窒素ガスの膨らみなのです。
もちろん中身の保護にも役立っています。
いかがでしたでしょうか?パッケージデザインについてもっと詳しく知りたい!という方は、以下の書籍もおすすめです。ぜひ手に取ってみてください。
次回は、「板ガムの包装は優れもの!目立たないけど優等生!?」など昔ながらのパッケージのヒミツについても紹介していきます。お楽しみに!
石井浩一
NDSグラフィックデザイン科講師
公益社団法人日本パッケージデザイン協会会員
motto「日本の包む文化を大切に」
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