【デザインの枠が広がる】展示レポート「もじ イメージ Graphic 展」@21_21 DESIGN SIGHT

私たちが何気なく使っている日本語
しかし「日本語」は実は世界のなかでもとても難易度の高い言語であることはみなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか?

日本の文字の分類だけで、ひらがな、カタカナ、漢字の3種類。しかも時代とともに語彙、表現の幅広さはどんどん増えています。

そんな複雑な日本語のコミュニケーションとグラフィックデザインの関係を、第一線で活躍するグラフィックデザイナーやクリエイターの作品を様々なカテゴリーに分けて展示、解説している展示会「もじ イメージ Graphic 展」
赤坂にある「21_21 DESIGN SITE」で2024年3月10日(日)まで開催されています。

【東京・赤坂】11.23-3.10
「もじ イメージ Graphic 展」
会場:21_21 DESIGN SIGHT(東京都港区赤坂9-7-6)
入場料:一般1,400円/大学生800円
URL:公式Webページ

PicoN!編集部の横山が感想と共にレポートいたします。

会場には、コンピュータでのグラフィックデザインが主流となってきた1990年代から最新のグラフィック表現まで、所せましと展示されています。

13個のカテゴリーに分類されながら、グラフィックデザイナーのプロフィールやデザインの解説なども丁寧に表示されていて、それらを読みながら展示を見るとデザインの意図やユニークさをより理解しながら見ることができます。


服部 一成/Kazunari Hattori
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「フォントを多用しない」や「読みやすさを重視するテキストの配置」など、いわゆるグラフィックデザインのルールと呼ばれるようなものにとらわれない、自由な構成のデザインで見たひとの感性を揺さぶるデザインに感じました。表層的なルールは無視しても、美しくちゃんと情報は伝わるデザイン、勉強になります。


平林 奈緒美/Naomi Hirabayashi
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ユニークな造形やオリジナリティを重視したデザインが多いなか、モダンで美しく、機能性、公共性、グローバル性に強さを持つ平林さんのデザイン。なぜこんなに美しく、高品質に見えるのか、定規をあててよーく観察したい。


菊池 敦己/Atsuki Kikuchi
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色、形、レイアウト。グラフィックデザインでありながらも、ファインアートのような見た人を満足させるデザイン。
実は、PicoN!を運営する専門学校日本デザイナー学院・日本写真芸術専門学校のリニューアルされた学校ロゴマークは菊池敦己さんによるデザインです。


石塚 俊/Shun Ishizuka
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デジタルなのにアナログ、ノイズ、リズム感、グラフィックデザインはこんなに自由な表現でもちゃんと成り立たせることができるのかと発見させてくれるデザインです。


上西 祐理/Yuri Uenishi
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ラフォーレの広告の世界観、21_21の展示会ポスター、ユニークな発想と色が映えるデザイン、とても好きです。


BALCOLONY.
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マンガやアニメなどのサブカルチャー系のデザインに強いデザインチーム「BALCOLONY.(バルコロニー)」。そのコンテンツの世界観に浸り、グラフィックデザイン、タイポグラフィを制作しているのがよくわかります。


山田 和寛/Kazuhiro Yamada
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タイプデザインの経験による文字に対する真摯な向き合いと同時に、手書きの流れる柔らかさと活字の硬さを自在に操る文字のデザイン。美しさと人を感じる温かみのある文字がとても勉強になります。


鈴木 哲生/Tezzo Suzuki
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美大卒業後、海外でもタイプデザインを学んだ鈴木さんの文字デザインは、手書きのスケッチ、製図ペンで書き上げるレタリングそのもの。毎回ロゴが変化する雑誌「群像」の文字と日付の数字のデザインが広げられた展示は無限の発想に驚かされました。


三重野 龍/Ryu Mieno
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近年ではオリジナリティのある文字の造形は多くあるものの、三重野さんの文字は造形の強さ、完成度が高いという解説文だったが、理由は説明できないけどなんだかわかる。直線と曲線などの造形のコントラストがとても気持ちよく感じます。


王 志弘/Wang Zhihong
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台湾のグラフィックデザイナーの王さん。出版物のデザインを多く手掛けているそうで、数多くの装丁が並んでいました。漢字、日本語、図像の構成で作られた装丁は美しくユニークでとても魅力的でした。


葛飾出身/Katsushika Shussin
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展示会の出口付近にプロジェクターで映し出されていた葛飾出身さんの映像作品は、来場者の多くの心を掴み、みなさん笑顔になりながら見入っていました。現代ではなかなか見ることができない、レトロな質感の映像、だけど3Dモデルやエフェクトなどの造形とのマッチングでとても新鮮なビジュアル。その中身は等身大な作者のユニークな日記で私も心をつかまれました。

 

会場には本当にたくさんのグラフィックが展示してあり、みなさんがよく目にするクリエイティブもあります。

デザインやクリエイティブに直接関わらない方も、解説などを見ながら展示を見ると楽しめるものになっていますし、関わりがある方にとっては、デザイン・クリエイティブの自分の中の限界を必ず広げてくれる、とても刺激的な展示会でした。

3月10日まであと少しになっています。
ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

PicoN!編集部:横山

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