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ゴディバ・パッケージデザインのひみつを開発者に聞いてみた。~チョコレートの魔法ができるまで~

クリスマスやバレンタインデーのシーズンになると、デパートでは魅力的な包装のチョコレートやお菓子のギフトセットを目にします。その中でも、ゴディバは他のお菓子会社の中でも常に傑出していると感じます。また、常に目を離せないさまざまなテーマやスタイルを生み出しています。まるで、ゴディバはクリスマスの魔法を作り出し、心と魂にクリスマスの “村” をもたらしてくれるようです。

今回は、六本木にあるゴディバ ジャパン株式会社を訪問し、素晴らしい製品とパッケージの背後にいる商品開発の担当の方にお話を伺い、ゴディバがどのように「チョコレートの魔法」をつくり出しているかを垣間見る素晴らしい機会を得ました。

取材協力/ゴディバ ジャパン株式会社
取材・文/サイ・フォン・キッドマン
(専門学校日本デザイナー学院・グラフィックデザイン科)

キッドマン
キッドマン
まずは、ひとつの商品が完成するまでのプロジェクトの流れを教えてください。
GODIVA 橋田さん
GODIVA 橋田さん
新商品の準備は、だいたい1年半ぐらい前からスタートします。チョコレートを生産するのにとても時間がかかるので、それぐらい前から始める必要があるんですね。一番最初に決めるのは「コンセプト」です。たとえば今回のホリデーシーズン(2024年のクリスマス向け商品)は「ウィンターワンダーズ」と言って、 ゴディバの発祥の地であるベルギー・ブリュッセルで行われているクリスマスマーケットをテーマにしたものになっています。この世界の中を散歩したり、歩いて回っていただいているような情景をパッケージに描いているんです。そういったコンセプトに基づいて、パッケージデザインだけではなく、チョコレートのビジュアルやお味も考えます。今回の商品で言えば、一個一個のチョコレートをキラキラしたクリスマスマーケットやクリスマスのオーナメントのような雰囲気になるよう、デザインしました。その時々の世の中の ムードというか、世の中の皆さんが感じてらっしゃることも商品に反映することもあります。

キッドマン
キッドマン
パッケージをデザインするうえで大切にしていることは何ですか?
GODIVA 橋田さん
GODIVA 橋田さん

「どんなお客様がどんな目的でその商品を買いにいらっしゃるのか」そして「その後どんな場面でそれを召し上がってくださるのか」を考えることを大切にしています。クリスマスに発売する商品ならクリスマスギフトとして使われるお客様が多いかと思うんですけども、その皆様がより楽しいクリスマスを過ごせますように、という気持ちでしたり、持ち帰ったパッケージをおうちに飾ってクリスマス気分を味わっていただいたり……など、そのお客様のことをどこまで想像できるか。また商品は「デザインして終わり」ということではないんです。デザインした後も、パッケージがお店に並ぶまでに壊れないかとか、 そういったところも細かくテストをします。売り場のスタッフはもちろん、倉庫で詰め合わせるスタッフも含め、全てのメンバーが「よりいい状態で商品を届けたい」という思いで取り組んでいます。

キッドマン
キッドマン
そういうスタッフの皆さんの “想い” がこもっているからか、GODIVAのチョコレートを開けた時って、本当にキラキラと輝いて見える感じがしますよね。
GODIVA 橋田さん
GODIVA 橋田さん
ありがとうございます。
キッドマン
キッドマン
お仕事の中で一番楽しいことはなんですか?
GODIVA 橋田さん
GODIVA 橋田さん
コンセプトやテーマを作ることももちろんですが、それをビジュアル化していく過程がやはりすごく楽しいと思います。イメージ通りにならないこともやっぱりあって、そういう時はメンバー同士で何度も相談や話し合いをして、 1つのものに作り上げていきます。そういうコミュニケーションも含めて、デザインをつくっていく過程はやっぱり楽しいです。

キッドマン
キッドマン
日本と他の国では、パッケージデザインに何か違いはありますか?

GODIVA 橋田さん
GODIVA 橋田さん
日本で販売する商品に関しては、ゴディバ ジャパンが主体となって国内のマーケットに合わせた商品を開発しています。日本でオリジナルに企画をして、日本の皆さまに受け入れられやすいデザインであったり、チョコレートのお味を考えているんです。チョコレートの製造についてはフランス人のシェフの存在とベルギーに生産チームがありまして、「ベルギーチョコレート」という軸にはこだわりをもっています。ゴディバ ジャパンで企画した商品は、韓国や中国などからも「自分の国でも展開したい」とご要望をいただいたりしてます。日本のGODIVAがグローバルに評価されているのは嬉しいですね。

キッドマン
キッドマン
今後のプランやビジョンを教えてください。

GODIVA 橋田さん
GODIVA 橋田さん
GODIVAは歴史あるブランドで、2026年に100周年を迎えます。もともとは家族経営のチョコレート屋さんから始まったブランドで、創業者は「一粒のチョコレートで、世界に幸せを届けたい」という想いを大切にしていました。そういった創業者の気持ちが、今も私たちの会社の理念というか、 ものづくりの核になっています。もうすぐ100周年を迎えるゴディバですので、改めて「ベルギーらしいチョコレート」をお客様にお届けしたい、感じていただきたいという想いで商品開発に取り組んでおります。

取材後記
今回のインタビューを通して、私は多くのことを学びました。パッケージデザインにとって最も重要なことは、魅力的に見せることだけではなく、クリエイターと企業の本質の両方を伝えることなのですね。ゴディバの魔法は、開発チームが常に製品に心血を注ぎ、ゴディバの精神と誇りを忘れず、さらにそこから一歩踏み出すことで生み出されていることがわかりました。
キッドマン

取材協力:
ゴディバ(GODIVA)プレミアムチョコレート【ベルギー王室御用達】

 

 

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