【展示会レポート】特別展アリス -へんてこりん、へんてこりんな世界-/森アーツセンターギャラリー

土砂降りの六本木、
雨のカーテンは不思議の国への扉だったのかも。
森アーツセンターギャラリー
特別展アリス -へんてこりん、へんてこりんな世界-」、アリスイラストレーターでお馴染み?専門学校日本デザイナー学院講師の
トシダナルホがレポートします!
アリスファン垂涎必死!
あまりに盛りだくさんの展示なので、何からご紹介したら良いのか迷いましたが、個人的感想
わたしのテンション爆上がりポイント4章にわけてご紹介しようと思います!
拙い文章ですが、良かったら最後までお読みいただき、アリス展に足を運んでもらえたら嬉しいです。

 


まず1章。
アリスへの見聞を深められます。

作者ルイス・キャロルの本名はチャールズ・ラトヴィッチ・ドジソンということはファンの皆さまはすでにご存知でしょうか?
展示物の中にはドジソンの幼少期の通知表などもあり、こちらには「卓越した独創性がある。」といったことが書かれていたり、展示物から幼い頃から言葉への関心と発想力に特別なものがあった事がわかります。

そんなドジソンさん、
名前をラテン語にして文字を入れ替えて
ルイス・キャロルと名乗ることにしたそうです。
言葉遊びや皮肉なユーモアが溢れた作品、「不思議の国のアリス」の作者ならではのペンネームですね☆
その他、アリスのモデルになったと言われる
リドゥル家の次女、アリス・リドゥルの写真(ドジソン撮影)を観ることができますし、物語に登場する絶滅したドードー鳥の骨の展示や当時流行っていた玩具や慣習など空気感を感じることの出来る展示物はアリスの世界観をより具体的に想像することができてワクワクさせてもらえます!
そうそう、アリスのモデルになったアリス・リドゥルは将来画家になるそうです!
イラストレーター、デザイナーを目指す皆さん、親しみを感じませんか?

 


さて2章。
アトラクションのように楽しめる展示。

鏡の国のアリス」は本棚のある居間から物語がはじまります。
展示の入り口は同じように書棚を模した壁紙の演出がこれからへんてこりんな世界に迷い込む私たちを盛り上げます♪
順路を進むと物語に登場する小さな小窓を発見!その窓を覗き込むと見える美しい庭園物語そのままのように再現。
さらにその先では妖しく光りニタニタと笑うチェシャ猫や首がにゅーんと伸びるアリスにも遭遇することも出来ます!
終盤に展示されたお茶会のテーブルは魔法のようなプロジェクションマッピングによって、様々な模様に美しく変化して本当に不思議の国に紛れ込んでしまった感覚に!

これは見逃せませんね♪

 


そして3章、
キャロルの描いた挿絵。

不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」ともに最初に出版されたときの挿画はジョン・テニエルによるものだということは有名なお話。
テニエルの鉛筆描きとダルジール兄弟による版画の比較も見どころのひとつ。
ですが!わたしの着目ポイントはキャロル自身による挿絵の展示です。
作者によるイメージの具現化であるとともに、ほっこりとユーモラスでいてヘンリー・ダーガーに通じる毒っけと孤独感の漂うイラストは書籍では見ることのできない、この展示ならではのものだと思います!

「星の王子さま」のサン=テグジュペリによるイラストはあまりにも有名ですが、それにも負けない味わい深さです!
ぜひチェックしてみてください♪

最後にご紹介する4章、
金子國芳、ヒグチユウコ、酒井駒子など近現代の作家によるアリスのイラスト。

何度も書籍等では見かけたことのある、むしろ食い入るように観ていた作品の原画です!
奇遇なのか運命なのかわたしがもっとも尊敬するアーティスト3人の作品が一挙に集結していることに、
うむ!間違っていなかった♪と、なにかわからない確信得て帰りました!
あぁ、わたしもこの中に混ぜて欲しいな!笑
こちらは図録にも掲載されていないようなので、ぜひ生で見て欲しいです!
以上4章に分けて見どころをご紹介しました!
少しは興味を深めていただけたでしょうか?

暑い日が続きますので、涼みがてら出かけてみてください!(会場はめっちゃ涼しかった笑)
そして、観て来たみなさん!一緒に感想を語り合いましょう♪

 

『特別展アリス - へんてこりん、へんてこりんな世界 -』

<会期>
2022年7月16日(土)~10月10日(月・祝)※会期中無休
<会場>
森アーツセンターギャラリー[六本木ヒルズ森タワー52F]
<開館時間>
10:00~20:00(月・火・水曜は18:00まで)
<観覧料>
一般(平日):2,100円
一般(土日祝):2,300円
大学生・専門学校生(平日):1,300円
大学生・専門学校生(土日祝):1,500円

特別展アリス//公式リンク

文・トシダナルホ
NDS講師。イラストレーター。日本デザイナー学院Ⅱ部グラフィックデザイン科卒業。在学中からフリーランスとして活動を始め、現在は『an・an』などの女性ファッション誌や情報誌、書籍、広告、Webなど多方面で活躍中。

編集:PicoN!編集部 横山

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