えかきー出張連載 無料アプリでデジタルで漫画を描こう!
こんにちは、おさしみちゃんです。フリーランスのイラストレーターをしながら、絵描き向け記事のライターとしても活動しております。
今回は芸大マンガ学科卒で受賞歴もあるおさしみちゃんが「デジタルで漫画を描いてみたい!」というデジタル漫画初心者さんに向けて、無料アプリ『MediBangPaint』 でのデジタル漫画の描き方を紹介します!
前回の記事はこちら
【前準備】下絵を用意
今回はこちらの漫画1ページを使って解説したいと思います。下絵はアナログでも大丈夫。写真やスキャンデータを取り込むことが可能です。
①キャンバスを開く
無料で使えるイラストペイントアプリはたくさんありますが、その中でもMediBangPaintは特に漫画を描く機能が優れている(おさしみちゃん調べ)ので、MediBangPaintを使っていきます。なお、今回はiPadを使用していますが、PC版、iPhone版、Android版にももちろん同じ機能があるのでご安心ください。
【新しいキャンバス】→【漫画原稿】で自分が作りたい原稿サイズを入力したら、右上の【完了】ボタンを押します。
キャンバス(原稿用紙)が作成されました!
漫画雑誌や漫画サイトに投稿する場合は応募要項をよく確認して、同人誌などを印刷所で刷りたい場合は印刷所のサイトなどをよく確認して、原稿を作成しましょう。原稿サイズや解像度が違っていると、最悪描き直しになるので要注意!
②下絵を取り込む
レイヤーの+(プラス)ボタンから【画像を選択して追加】を選択すると、端末のアルバムなどから画像を取り込むことが出来ます。今回はアナログ下絵を取り込みたい方のため下絵の取り込みを順序に加えていますが、下絵からデジタルの方はもちろんこの原稿用紙に直に下絵を描いても問題ありません。
このような感じになりました。
③コマを作る
ツールバーから【コマ割りツール】を選択すると、このように【新規のコマ素材】というメニューが表示されます。コマの線幅や色などをカスタマイズすることが可能です。
【完了】を押すと、コマが出現しました。
④コマのサイズ調整
【コマ割りツール】のとなりの【操作ツール】を選択すると、コマ上に◯が出てきます。この◯を引っ張ると…
コマのサイズが調整できました。
⑤コマの分割
【コマ割りツール】に戻って、コマを分割したい箇所に線を引くと…
コマの分割が出来ました。分割の幅は左のコマ割りツールメニューから設定が可能です。
⑥フィルターの活用(ウニフラッシュ)
人物のペン入れが終わったら効果などを入れていきますが、その時に役立つのがフィルター機能です。特に【集中線】【流線】【ウニフラッシュ】のフィルターは漫画を描くにあたって大活躍なので、ぜひ覚えておいてください。今回は1コマ目の光をウニフラッシュフィルターで作成していきます。
ウニフラッシュを作りたい範囲を選択ツールで選択したら、レイヤー右上の三点リーダーから【フィルター】を選択。
ウニフラッシュを選択すると数値のバーが出てきます。ここで線の長さや太さ、密度などを細かく調整することが可能です。調整が終わったら完了を押し、変形ツールなどでサイズ感や位置を調整してください。
調整するとこのようにコマからはみ出ることもあるかと思いますが、はみ出た箇所は消しゴムツールなどで消してしまって大丈夫です。後から移動させる可能性を考慮してマスクレイヤーで隠しても◎。同じ要領で集中線や流線も簡単に作ることができます。
⑦フキダシと写植
フキダシを作る際は【フチ付き塗りつぶし】ブラシがオススメです。描いた線の中を背景色で自動的に塗りつぶしてくれるという優れもの。こちらのブラシはクラウドからダウンロードすることが可能です。
写植は【テキストツール】で行います。フォントや文字サイズ、文字色、文字間隔、行間隔などなど簡単に設定することができます。漫画の写植にオススメのフォントは【FOT-アンチックセザンヌPro】!
⑧トーン
【8bitレイヤー】というレイヤーを使ってトーンを貼っていきます。レイヤーの+(プラス)ボタンから【8bitレイヤー】を追加。
8bitレイヤーには【8】のマークが付きます。横の歯車マークを押すと…
このようなメニューが現れるので、以下のように設定してください。(①のハーフトーンをONにすると、②③④⑤が現れます。)
①【ハーフトーン】をON
②【アミ点】
③【線数】を設定(商業誌は基本的に線数60です)
④【トーンの濃さを固定】をON
⑤【トーンの濃さ】を設定
この設定の状態で描いた部分は全てトーンになります。線数や濃さを見ながら調整したい場合は、先にトーンにしたい箇所を塗りつぶしてからメニューを開いて設定しても問題ありません。また、レイヤーを追加する時【ハーフトーンレイヤー】を選択しても、同じ設定ができます。
トーンを削りたい場合は、メッシュブラシやカケアミブラシを活用しましょう。こちらのブラシはクラウドからダウンロードすることが可能です。ちなみにMediBang Premiumに加入すると使えるブラシがものすごく増えます。Premiumブラシは無料のブラシに比べクオリティも高いので、お財布に余裕ができたらぜひ検討してみてください。
1番安いプランで年間2,480円なので、アナログの原稿用紙やペン先、インク、トーンなどの画材にかかる費用と比較すると、あまり変わらないどころかPremiumのほうが安いのではないかと思います。ぜひご検討を!(おさしみちゃんもお世話になっています!)
完成!
というわけで、漫画が1ページ完成しました!アナログに比べるとかなり時短で完成できたのではないでしょうか。
わたしは漫画を描き始めた当初はアナログだったのですが、初めてデジタルで漫画を描いた時はあまりの便利さに感動しまくりました。トーンがワンタッチで貼れたり、集中線やウニフラッシュを自分で描かなくてよかったり…MediBangPaintを使用すると、それらが全て無料で出来るというのも魅力的ですよね。
「デジタルでの漫画制作に興味はあるけど、ハードル高いかも…」と迷っている方は、是非MediBangPaintで気軽に漫画制作を始めてみましょう
絵描き向けメディアサイト『えかきー』
わたしは普段、『えかきー』という絵描き向けメディアサイトでライティングしています。絵の練習方法やイラストレーターを目指している学生さんへの就活アドバイスなど、その名の通り絵描きさんが気になること・興味のあることを発信しているので、ぜひあそびにきてくださいね。
フリーランスのクリエイターを目指すなら一度は社会に出ろ
https://ekakey.com/2023/06/02/2023060205/
【SKIMA】実績なしの無名絵師がイラスト依頼をもらうワザ!
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【お絵描き練習】トレースや模写には意味がある!
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おさしみちゃん
京都の某私立芸大マンガ学科を卒業後、2年間企業にてクリエイティブ職に就き、退職・独立。
現在はフリーランスのイラストレーター・ライターとして活動。(おさしみちゃんはライター名義。)
ちなみに雑誌で受賞していたのは学生の頃で、集英社さんの別冊マーガレットや講談社さんのなかよしなどの少女漫画誌に応募していました。今はその力を同人誌で発揮する大人になりました。
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