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【絵を上達させたい人必見!】そもそもデッサン 第3回 「トイレットペーパーをモチーフに“円柱形”にチャレンジ!」

そもそもデッサン2回目はティッシュペーパーの箱を見ながらの「長方体」でした。
上手く描けましたでしょうか?

↓第2回目の記事はコチラ↓

 

デッサンを始める際に、まずはシンプルな形体をモチーフにして、経験を重ねていくのが上達への近道です!
ちなみに長方体とかサイコロのような正六面体(上下左右の6つが正方形)といった形は“基本形体”とも呼ばれています。
原先生
原先生

 

編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
ということは、今回もシンプルな“基本形体”をモチーフに描くんですか?

 

はい。今回は『円柱形』を描きます。デッサン用のモチーフとして石膏でできた白い円柱形があるんです。
原先生
原先生

編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
うーん、これは家にないです…
なかなか自宅にある人はいないですよね。これを何で代用するのかというと、
トイレットペーパーのロールです!
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
え?でも真ん中に芯や穴がありますよ!
今回のモチーフも前回のティッシュボックスのように細かいものは描きません。あくまで基本の立体的な形として「円柱形」を描いていくので大丈夫です。
原先生
原先生

 

それでは、円柱形を描くポイントをまず始めにお伝えします。

ポイント①…モチーフがすっぽり収まる箱を紙面に作成します。

そしてポイント②…楕円(だえん)形を描くことです。

楕円形はまん丸な円を上下や左右に押し縮めた形ですね。

今回の楕円は上下方向に縮んだ形を2つ描きますよ

原先生
原先生

 

↓ここから先の手順は動画でもわかりやすく解説しています!↓

 

 

と言うわけで、トイレットペーパーのロールをモチーフに円柱形をデッサンしていきましょう。

 

◆『円柱形』の描画に必要な用具

◯画用紙(白)…2枚
大きさはB4サイズ(うち1枚は下敷き用です)
表裏の確認をお忘れなく。ざらつき感の強い表面に描きます。

◯鉛筆(2B)…1本
前回同様にしっかり芯を削り出しておきます。
デッサン途中で摩耗するので、その都度削りなおします。

◯消しゴム・練りゴム…それぞれ1個

◯直定規(30㎝)…1本
デッサンの過程でも使います。

◯マスキングテープ(18㎜幅)…1個
画用紙を固定させるのに使います。
カルトン(画板)とイーゼル(画架)もあれば使いますが、ない場合には
前回同様に↓

◯紙 or スチレン製のボード(5㎜厚)…A3サイズ1枚
画板の代わりにします。(これからも常に使用する物です)
イーゼルの代用は画用紙とボードが立て掛けられる動きにくいものを用意します。
最悪ない場合には、テーブルの手前側の縁に立て掛けても良いでしょう。

◯トイレットペーパーロール…1個

◯初回作成の「グレーグラデーション」

 

◆◇ ステップ1 ◆◇ 画用紙の中心を把握する

描画前の準備は前回同様です。

◯まず、今回も画用紙(B4)2枚(1枚は下敷き)を横位置にして、画用紙の縦幅と横幅を測った上で、そのセンター(上下左右の長さの半分)位置にメモリをふっておいて、垂直・水平線を鉛筆で引きます。
これで描こうとする位置の中心が視覚的に分かります。
この画用紙を左右の角にマスキングテープでボードに固定します。

◯モチーフ(トイレットペーパー)をセットして画用紙とボード(画板)を机の端に立てかけます。(横位置)

 【ポイント!】ここで今回のポイントを整理
①モチーフは円面が上下になるように置こう。
②初期段階のデッサンは自信が無くて、無意識に小さくなりがちなので、気持ち大きめに描くつもりで。
③構図(画用紙の中のモチーフの配置)として、上下・左右に変に片寄りが生じている事に気付いたら、その時点で勇気をもってやり直そう!
デッサンにやり直しはつきものです。

④モチーフがすっぽり収まる箱を紙面に作成します。
⑤楕円形を描くこと。これは描き慣れるまで難しい形。チャレンジあるのみ!

 

◆◇ ステップ2 ◆◇ それでは描画です!

鉛筆の持ち方は一旦テーブルの上に置いた鉛筆を利き手の指で持ち上げるように。
まず、モチーフを見ながら、円柱形の全体のアタリ線を引いていきます。
その際にモチーフの影も含めての全体がセンターから左右上下にバランス良く入る様に意識しましょう。
そして小さくも大きくもなり過ぎないように!

まずは画用紙のセンターに円柱形が描けるようにアタリをとりましょう。
この時点で影を描画することを考慮して上側に寄せておくとよいです。
上の余白が狭いと窮屈な印象になるので、少し余裕を持たせて描くと収まりが良く見えます。

ここから直定規を使います。円柱形のアタリ線の上面に合わせて、定規で台形の線を鉛筆でひきます。
そしてその台形内に対角線をひきます。

台形の下側(手前側)の左右の角から下方向に円柱形の高さ分の垂直線をひきます。
さらにその2本の垂直線の下端を結ぶ水平線をひいて、正面に四角形を作成します。
そして出来た四角形にも対角線をひきましょう。
すると、円柱形がちょうど収まる箱型の線ができますね。

さらに定規での作業です。上面の台形の対角線の交差点を通る水平線を薄めにひきます(円柱形の横幅になります)。

さて、ここからですね。水平線の幅を横幅とした台形に収まる楕円を描き入れます。
楕円は曲線なので、小さな曲線をつなげるようにして描いてみましょう。

楕円形の両端から定規を使わずに垂直線を下方向にひきます。
その2本の垂直線から円柱形の横幅に合わせて底面となる楕円形を描きましょう。
楕円形の見えない部分も描きます。後で消す曲線ですが、楕円をきれいに描くために必要です。

ここでモチーフの輪郭が取れましたので、定規で引いた台形や対角線などを消しゴムで消します。
楕円形の線など折角描いた消したくない線の周辺は練りゴムの先を尖らせて使用すると便利です。

 

◆◇ ステップ3 ◆◇ 鉛筆でのハッチング

側面と正面、そして影にそれぞれ明暗の調子(トーン)を入れます。
ここでもグレーグラデーションで作成した明暗の調子を応用しますよ!

まず、鉛筆で円柱形の側面から正面にモチーフを見ながら明るさの変化の調子(トーン)をハッチングしていきます。
※ハッチングは鉛筆の斜めの筆跡で調子を作っていくこと。

側面の両端が明るく中央部に近づくにつれて暗くなる変化の様子を濃淡のグラデーションでで描いていきます。目の前のモチーフの明るさをよく観察してください。
輪郭からモチーフの外側へのタッチのはみ出しは気にしないで、軽快にハッチングしましょう!
トーンは「グレーグラデーション」の中心から左右に4マス分の範囲(3番目から6番目)です。
※ここでは一つの目安として参考にしてください。モチーフと照明の関係で変わります。

初回に制作したグレーグラデーションを活用しましょう!

次に、まず円形の側面から上面へのタッチのはみ出しが円柱形上面にかかってましたら、練りゴムで消しておきます。
そして上面には均等に調子(トーン)をハッチングしていれましょう。
「グレーグラデーション」の淡い方から2番目程度
ここでは面に変化はないのでフラット(均等)に、なるべくムラなく描きます。

円柱形全体に調子(トーン)がはいりましたので、影を同じく鉛筆のハッチングで描いていきます。
影もモチーフの白さの反射によって変化していますから、そこを観察しながら描きます。
「グレーグラデーション」の濃い方から2~3番目程度
ここの濃淡の変化は大切です。よく観察しながら調子(トーン)を描きましょう!

 

◆◇ ステップ4 ◆◇ ここから仕上げの描画です!(動画視聴推奨!7分10秒頃から)

では、まず下敷きの紙、もしくは定規を使ってマスキングして円柱形の両端よりはみ出しているタッチとを消しゴム消していきます。

その際に輪郭線も消しましょう。線は消しても輪郭自体が残ります。
黒い消しゴムカスはその都度、紙面から払い取りましょう。その際、カスの出ない練りゴムが便利です。
行面の楕円からはみ出たタッチ、輪郭線は練りゴムで丁寧に消しとります。
すると、紙面がすっきりとしたモチーフの姿になるはずです。さらに、上面と側面の接する半楕円の輪郭に沿って、側面側をやや濃いめのタッチを重ねていきます。

これで側面と上面の角度(90度)を強調していきます。
その濃いめの調子(トーン)を側面にやや広げるようにタッチをいれて、側面全体の明暗の変化をスムーズにしていきます。円柱形の曲面に滑らかさを与えるように描きましょう!
あわせて、テーブルに接する側面の底となる楕円(半楕円)の線をやや強調するように曲線をいれます。
そして、影の調子も再度モチーフを見ながら、全体のデッサンのトーンを比較しながら影の調子を描きます。
※ここは影だけ突出して濃過ぎてしまわないように意識しましょう。

これでようやく仕上がりました!

さて、どんな風に描けてますでしょうか。
以下の点でデッサンを見ましょう。

【評価のポイント!】
❶ 構図として画面に適切に描けているか。

❷ 側面のトーン変化がスムーズか。
❸ 円柱と比べて影の調子が適切(濃過ぎず・淡過ぎず)か。
❹ 円柱側面のグラデーションと影の方向にズレはないか。
側面の最も明るい部分に対して反対側が影の方向になる。

前回もお伝えしましたが、仕上がりに納得できない方は、再チャレンジしてみましょう。
同じモチーフを描くことはチャレンジと言うより、再発見です。
同じ描き方をしているつもりが、描かれ方が変わります。
より見えているものに近づけたい、という意識がデッサンに反映されるのだと思います。

編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
デッサン上達の近道があるとしたら“1枚でも多く描くに尽きる”ですね!
燃えてきました。次回も楽しみです!

 

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