イラストレーター/フウタ 初個展を目前に控えたSpecial Interview

注目の若手イラストレーター「フウタ」氏にお話しを伺うことができた。

2023年6月12日(水)から、初個展となる『Vary』を「SHARE LOUNGE TSUTAYA BOOK STORE 福岡空港」で開催するなど、活躍の勢いはとどまる所を知らない彼は、どのようなことを想い制作を行なっているのだろう。

 

〈Profile〉フウタ
2002年生まれ。大分県別府市出身のイラストレーター。
大分県立別府青翔高等学校を卒業後、専門学校日本デザイナー学院 九州校 イラストレーション科に進学。専門学校在籍中の2022年に初開催された『Fukuoka Wall Art Project』主催の「Fukuoka Wall Art賞」で入賞。
専門学校卒業後も、2023年の統一地方選挙で、福岡市ソラリアプラザ期日前投票会場に飾られたアート作品の制作者の1人に選出されるなど、注目を集める若手イラストレーター。

 

いつ頃から絵を描き始めたか覚えていますか?

フウタ)絵を描くことが楽しいと感じ始めたのは、幼稚園に通っていた頃です。

当時は絵を描いていたというより、友だちと一緒にクレヨンなどを使ってグチャグチャに紙に描くことを楽しんでいました。その時の「楽しい」という感情は、今でも鮮明に思い出せますね。

 

その後、どのような経緯で現在の創作に辿り着いたのでしょうか?

フウタ)小学校に入ってからは、もっぱら漫画キャラクターなどの模写をやっていました。中学校に入ってからも引き続き模写を楽しんでいましたが、中学3年生頃から独自のイラスト制作をスタートさせていきました。といっても、キャラクターなどを描くのではなく、「ゼンタングル」という細かな模様をペン1本で制作するパターンアートを行なって楽しんでいました。

高校生になってからは、スマホを手に入れたこともあり、InstagramやTwitterなどで、それまで以上に色々なアーティストの作品を目にしていきました。「世の中にはめっちゃ上手い人がいっぱいおるなぁ」と刺激を受けながら、自分自身の作品にもパターンアートに加えて、実写的なものを組み合わせる作品表現を行い出しました。人物も多少は描いていたのですが、基本的には無機物系のイラストを描くことが多かったですね。

 

そうすると、現在の作風になったのは専門学校に通われてからになるのでしょうか。

フウタ)そうですね、人物をしっかりと描き始めたのはそのタイミングです。同時に、それまでは彩色もほとんど行なってこなかったのですが、この頃から白黒の世界から抜け出していきました。

 

専門学校に入って、何かキッカケなどあったのでしょうか。

フウタ)明確なきっかけはわからないのですが、例えばイラストレーターで漫画家の「るん太」さんの作品などには、入学後すぐに刺激を受けましたね。NDSの先輩にあたる方で、まだお会いしたことはないんですが 笑

民族系っぽい衣装や模様、配色などに感銘をを受けて、そこから他のアーティストさんの作品にも触れるようになっていきましたね。そうしているうちに、今の作風になっていったという感じです。

 

-現在の制作を行う際のこだわりや、ここだけは譲れないことなどはありますか?

フウタ)現在の私の作品を見ていただいた方から、よくお褒めの言葉をいただくのは「色」の使い方についてです。もちろん、その言葉はとても嬉しいです。

ただ、私としては線画からスタートしたということもあって、「線」には強いこだわりを持っています。そして、制作行程としても楽しい部分です。線の密集具合や、描く部分に適した線の表現などは、ぜひ注目して見ていただきたい部分ですね。

 

専門学生時代には『Fukuoka Wall Art Project』主催の「Fukuoka Wall Art賞」で入賞をされていますよね。この受賞でアーティスト活動に変化はありましたか?

フウタ)はじめて受賞した大きな賞でしたので、とても驚いたのを覚えています。コンテストに応募した当初は、何か強い想いがあって応募したというよりも、「応募してみようかな~」ぐらいの少し軽めのノリで応募をしていました。

電話で結果のご連絡をいただいた時には、1人で飛び上がりながら喜びましたね。役者さんがオーディションで合格をもらったときに嬉しいとかいう話しを聞いたことがありましたが「まさか自分もこんな感覚を得ることになるとは !」という感じでした。

そして、この賞に挑戦して、受賞できたお陰で、自分の作品や作風に自信を持つことができたことは確かです。そして、それが自分が描きたいものであるということも感覚として掴むことができた気がしました。

1つの受賞ではありますが、色々な方にサポートしていただきながら、自分で動き出したことが、次のステップへ進めたことのきっかけになったと思います。

 

そして、初個展『Vary』を開催することに繋がっていくのですね。この個展名である「Vary」に込めた想いをお聞かせください。

フウタ私にとって初個展ということで、開催間近の今は、不安や嬉しさ、ワクワクした感じなどが入り混じっている感覚です。

今回の「Vary」は、日本語では、「変える」「変化する」「多様にする」「変化を持たせる」といった意味になります。皆さんがよく聞き馴染みのある「Change」と近い意味の単語ではありますが、僅かに意味合いが異なります。「Change」は「根っこの部分から変えていこう」という感じが強いのに対して、「Vary」は「今あるものから変化をしていこう」といったような意味合いの違いがあるんです。

私の絵を古くから知っている友人からも、「描く内容は変わっていても、根っこの部分は変わっていないよね」って言われるんです。そして、それは自分の中でも大切にしている部分なんです。根底は変わらないけど、自分が経験したり成長して得たことを枝づけしていって、進化していくような感じです。この想いを「Vary」という単語に込めています。

そして、この個展は私にとってスタートと考えています。これから先も、作品を制作していきますが「自分の根底にあるものはしっかりと保ちながら、視野を広げて変化をしていこう」という意気込みも含んでいます。

 

ー個展の開催場所が福岡空港内ということもあり、国籍を問わず老若男女の方に作品に出会っていただくことになると思います。初めてフウタさんの作品に触れる方も多いと思いますが、どのように作品を見て欲しいなどありますか?

フウタ自分が他のアーティストの作品を見るときに、色んな想像をしながら見ることが多いんです。作者がどんなことを考えて描いたのか、とか。私は、そのようなことを考えながら作品を見ることを楽しんでいたりするので、ぜひ私の作品を見た方にも「フウタは何を想って描いたのか」など色々な妄想を膨らませながら楽しんで欲しいですね。

あとは、私はキャンバスの中に色んなキャラクターを描いているので、小さいお子さまにも、お年寄りの方にもそれぞれのキャラの個性を面白がって欲しいと思います。

結局は、難しく考え過ぎずにラフに「楽しんで欲しい!」という気持ちが強いです。

 

ー最後に、今後の活動や目標について教えてください。

フウタ公募などに挑戦していくとともに、色々な人に見てもらえるCDジャケットなど媒体でも活動していきたいという想いはあります。

まずは今回の初個展を皆さんに楽しんでもらい、また一つ次のステップへ成長できるように変化をしていきたいです。

 

【個展情報】FUTA SOLO EXHIBITION『Vary』
期間:2023.6.12(水)~7.31(月)
開場時間:8:00~20:00
会場:SHARE LOUNGE TSUTAYA BOOK STORE福岡空港
福岡県福岡市博多区下臼井767-1 福岡空港国内線ターミナルビル3F
※シェアラウンジ内での展示となります。通常は有料スペースですが、展示は無料でご覧いただけます。展示をご覧になる方は、必ず店舗スタッフの方に「展示を見に来た」旨をお伝えください。

 

【フウタ氏の作品や最新情報はこちらからご覧いただけます。】

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PicoN!編集部 NDS九州 佐藤

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