【アナログイラスト初心者向け連載】第4回~水彩基本編~

今回は水彩の4つの基本的な技法について、お伝えします!

水彩は、「水で彩る」という文字の通り水分量がとても重要です。
紙につける水の量や、筆に含ませる水の量を変えながら、伸びやかに表現することを楽しんでいきましょう!乾くまで、水と絵の具が動いていくので偶発性にもドキドキしますね。
この後の解説でも出てきますが、色を均一に塗ることは、実は1番難しいテクニックです。
4つの基本のテクニックを応用させて、自分の絵をどう塗るか、楽しんでいただけたら幸いです。
どうぞ、最後までご覧ください。

➀にじみの技法

じゅわ~っとにじむ表現、ふわっと絵の具がぼけたりするのは水彩ならではの最大の魅了の一つです。
欧米では、にじみもぼかしも「ウェットインウェット」と呼ばれていて、字の通り、濡れているところに、絵の具を加えていく技法です。

1.大きめの筆でたっぷりと水を塗ります。
2.解いた絵の具を、紙の上に落とすように流し込みます。
3.絵の具の広がり具合を見ながら、絵の具を加えていきます。
4.自然に乾くのを待ちます。 紙の質や絵の具の顔料の重さによって広がり方が異なってきます。 にじみをいいタイミングで止めたい時はドライヤーを使用します。

②ぼかしの技法

1.絵の具を多めにたっぷりと塗ります。
2.筆に水をつけて、乾く前にぼかしたいところに水を塗ります。
3.筆を何度か往復させてぼかし具合をコントロールします。
(この時、水が多すぎると絵の具が流れてこないので注意)

 

ぼかしを活かして2色のグラデーションを作る

1.グラデーションにしたい色をたっぷりと塗ります。
2.平筆で、合わせたい色を重ならないように塗ります。
3.平筆で、二つの色の間を往復して色をつないでいきます。
4.乾いた時、美しく自然なグラデーションができます。

同系色を組み合わせることがうまくいくポイントですが、さまざまな色でチャレンジしてみてください!

③均一に塗る

今回、最後のテクニックとなります。初めにもお伝えしましたが、ピタッと均一に塗ることが、とても難しいテクニックです。初めは小さい面積で均一に塗れるようになってから、徐々に広い面積へトライしていきましょう!

1.均一に塗りたいところを水筆で濡らす
2.乾く前に、たっぷりと絵の具を含ませた筆で一気に塗る
(色が薄い場合は絵の具を筆に付け直して、上から重ねると濃くなります)
3.絵の具だまりに気をつけて乾かす

別の方法もあります!

1.紙を15度程度斜めに傾けて、絵の具が下の方にたまるように横に筆を動かして塗ります。
2.この絵の具だまりを巻き込むようにして、同じように横にスライドして塗ります。
3.一番最後は絵の具だまりを筆で取ります。
※映像だと分かりにくいですが、水彩ブロック紙の下にモノを置いて、傾けて描いています。

④拭き取り・洗い出しの技法

1.下地を塗り、しっかりと乾いたら…明るくしたいところを水筆でなでるように絵の具を取っていきます。
2.ティッシュペーパーを押し付けて、絵の具を吸い取ります。
3.より明るくしたいところをさらに水筆で洗い出します。
4.明るさの階調が出来ました。

いかがでしたでしょうか。
私がこのメイキング動画を作るにあたって、2色のグラデーションに何度も失敗しやり直しました。いつもの制作のスピード感と違ったようです!それも楽しみながら創作しました。

水彩は、「にじみ」「しみ」「ぼかし」「ムラ」が、最大の魅力です。

おおらかな気持ちで、何度も繰り返してから、本番の制作に臨むのもよし、緊張感を持ちながらダイナミックに一発描きするのもよし。二度と同じ「にじみ」や「ぼかし」の表現にならないので、唯一無二の作品になりますね。

池田幸穂
絵描き / Gallery MoMo 所属 / 武蔵野美術大学卒業後、個展多数。ワークショップ等。海外のアートフェアに参加。図書館に作品常設。

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