【イラストレーター芦屋マキ描き下ろし】NDS学校パンフレット
芦屋マキ先生よりコメント
「凛とした眼差し」、「引きすぎず人物がアップで映るように」とのイラストイメージをいただきましたので、まずその2点からブレないよう、シンプルな中で動きが出るような構図を目指しました。
強い風が吹いているイメージですが、画面の中の滞空時間が早くなりすぎないように、軽くて落ちる速度の遅いリボンと鳥の羽で少し柔らかさをプラスしています。
強い意志のある眼差しが印象に残るように、目の描写には気合を入れました!
それでは、芦屋マキ先生に各工程のポイントを教えていただきながら、表紙のイラストが完成するまでの流れを見ていきましょう!
➀ 印刷用のラフ
水彩紙にトレスするときにわかりやすいように濃い色で作りました。手元やリボンなどモチーフの前後がある部分は、色分けをして線画で迷わないようにします。
② 塗り始め
背景が白なので、しっかりと人物が浮かび上がるようにメリハリをつけて塗りました。目に視線が集まるように複数の色を使いました。
③ 顔回りや手元の塗り込み
目の濃さとバランスが取れるように髪の毛にも濃い色を足していきます。濃い色を使っていても透明感が出るように、濃い色を置くポイントは絞りました。
④ 服のシワの描き込み
白い服ですが単調になりすぎないように、顔まわりで使った色も混ぜて塗っていきます。
⑤絵の具の色を試してリボンの色を決定
リボンの色で印象が大きく変わる画面なので慎重に決めていきます。全体的に寒色の画面になっているので、濃い部分は青みの強い緑色、薄い部分には少し黄みを出すことにしました。
⑥ バランスを見ながらリボンの着彩
⑤で決めた色を塗っていきます。緑色の印象が薄くならない程度に、リボンの裏表の切り替えや光の当たる部分に、色相の違う色も入れました。
⑦ 濃い色も追加
バランスを見ながら濃い色を追加しました。濃い色は後から修正するのが難しいので、濃い色に負けないようにこの段階までに他をしっかりと塗り込んでおきます。
⑧ 鳥の陰影などを追加
大きな陰影をざっくり入れながら、羽の柔らかさを意識して塗っていきます。白はコントラストが強くなりやすいので、塗り込みすぎないように気をつけました。
⑨全体的に線画をくっきりとさせました
色鉛筆、絵の具を使って線画をなぞっていきます。
⑩ ホワイト
目のハイライトや爪先、髪の毛に細い線を入れていきます。全体的にスパッタリングをしてキラキラした画面を演出しました。
≪ 完成 ≫
芦屋マキ
イラストレーター・作家。透明水彩を使って光や温度を感じるような作品を創っています。2016年から本格的に作家活動を開始。季刊エス・SS(スモールエス)でメイキングを担当するほか、ワークショップ等で講師としても活動中。
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