「好きなものを好きなように撮ってみる。私の作品制作の原動力はそこにあると思います。」 – 写真科3年・畑中佑太さん
日本写真芸術専門学校の在校生インタビュー企画。
今回は写真科総合写真研究ゼミ 畑中佑太さんに、現在の制作やつくっているものについて伺いました。
Q.いまつくっている作品のコンセプトや概要を教えてください
私は、友人のスナップ写真や街のランドスケープ、花火、鉄道写真など、複数のテーマの作品を同時並行で制作しています。その中でも特に、都市の風景を被写体とした作品を制作することが多く、都市風景を媒介に何かを表現することに面白さを感じています。
「破壊されたミラーワールド」という作品は、在学中の3年間をかけて制作し続けている作品の一つです。この作品は、東京の夜の街をガラス越しに観察するように撮影しています。
Q. なぜその作品をつくりたいと思ったのですか?きっかけとなった思いやエピソードなどがあれば教えてください。
1年生の前期末審査のテーマは『東京』でした。私はこの期末審査で、「破壊されたミラーワールド」の原型となる作品を発表しましたが、講師陣の反応はイマイチでした。自分が本当に好きな作品だったので悔しかったです。
しかし、その審査での苦い経験をバネに「いつか見返してやるぞ」という意気込みで作品制作に励むようになりました。それがこの作品を作り始めたきっかけです。それから2年以上が経ちましたが、いまだに撮影を続けています。
Q. 特にこだわった点を教えてください。
撮影地の選定には最もこだわりを持って取り組みました。複数枚のガラスの反射を利用して撮影を行うため、適した条件の場所を見つけるのに非常に苦労しました。放課後や休日にはさまざまな場所を歩き回りながら、ひたすら撮影地を探し続けました。
Q. この作品を見た人に、どんな気持ちになってもらいたいですか?
私は、自分が撮りたいものを、自分の撮りたいように撮って満足してしまうタイプの人間なので、これまで鑑賞者のことを深く考えたことはありません。
しかし、自分の作品を他大学の学生や初対面のフォトグラファーに見せた際、ビジュアルがかっこいいと褒められたり撮影方法について興味を持って質問してもらえたりすると、本当に嬉しくなります。
どんなことでもいいので、作品をきっかけに話を聞いてもらえたり対話が生まれたりすれば、それだけで十分満足です。
Q. 将来の夢や目標、これからつくりたいものを教えてください。
この学校で過ごした3年間では、写真を通じて自己表現を行うことの楽しさを身をもって実感しました。卒業後はレタッチャーとして内定が決まっているのですが、撮影行為を止めることはなく、作品制作をライフワークとして続けていきたいと思います。 この3年間は何かと期日に追われて作品制作を行なっていたので、自分のペースでゆっくりやっていこうと思います。そして、いつかコンペ等で良い評価を頂けたら、なんて妄想をしています。
Q. 最後に作品や自分の表現についての思いを教えてください。
とにかく、好きなものを好きなように撮ってみる。私の作品制作の原動力はそこにあると思います。
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