【学生インタビュー】ー「アイデンティティ」という大きなテーマに関心を持ち、ドキュメンタリーに取り組むことが好きです。ヴァンアン ヴァエリノロ
日本写真芸術専門学校(以下、NPI)の在校生インタビュー企画。今回はフォトフィールドワークゼミ3年ヴァンアン ヴァエリノロさんにインタビュー!
フォトフィールドワークゼミでは、3年次に180日間アジアの国を旅しながら、撮影と作品作りを行います。今回インタビューした、ヴァンアン ヴァエリノロさんは、2025年3月から9月まで海外での撮影を終え、先日帰国報告会を行いました。
日本写真芸術専門学校で実際に写真を学ぶ学生の今をお届けします!
Q.まず初めに、写真に興味を持ったきっかけを教えて下さい!
写真に興味を持ったきっかけと、実際に始めたきっかけは違いました。
写真に興味を持つようになったのは、10代の頃に観たアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展がきっかけでした。写真は単なる記録の手段ではなく、芸術的な力も併せ持つ表現であることに気づきました。
写真を始める前は、料理の仕事をしていました。しかしその仕事には自分の求めていた創造的な要素が欠けていると感じたため、写真を始めました。
Q. NPIへの入学の決め手は?!
幼い頃からよく海外旅行をしていました。海外生活も長いので、写真を勉強したいと決めた時、旅と写真を組み合わせたフィールドワークゼミに魅力を感じて日本写真芸術専門学校を選びました。
他にはない唯一無二のカリキュラムであり、アジアのさまざまな国を自分の目で直接見ることができる貴重なチャンスだと感じました。自分の経験を増やすと同時に、視点を広げることもできると思いました。
学校にキャリアセンターがあり、就職活動のサポートを受けられることから、海外フィールドワークが終わった遅れた時期でも安心して就職活動を始められると感じたのも理由のひとつでした。
Q.いま力を入れて作っている作品や作品のこだわりを教えてください
私は「アイデンティティ」という大きなテーマに関心を持ち、ドキュメンタリーに取り組むことが好きです。
海外フィールドワークで取り組んだ作品にもその要素が含まれており、現在はそのポートフォリオを完成させているところです。人物であれ、建物であれ、風景であれ、すべてには多層的な側面があり、語るべき物語があると私は考えています。
写真がそれらの物語を伝える手段になり得ることに、特に魅力を感じています。写真における角度や動きの表現にはあまり実験的でなく、写真を撮る際にはじっくりと観察してから、被写体やフレーミングを決めるタイプです。
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撮影/ ヴァンアン ヴァエリノロ
Q.学校での学びや講師の言葉で、印象的だったことがあれば教えてください
入学した時のワークショップで、当時まだ校長先生ではなかったハービー・山口先生のトークショーがありました。 そのとき先生がおっしゃった「自分にしか撮れないものを撮る」という言葉がとても印象に残っています。
それ以来、学校でテーマを与えられた時も、自分でテーマを考える時も、「自分にしか見えない視点」で作品を作ることを大切にしてきました。
学生の中には本当に素晴らしい作品を作る人が多く、自信を失うことも何度もありました。でもそのたびに「私は私にしか撮れないテーマで制作している」ということを思い出すと、少しずつ自信を取り戻すことができました。
Q.講師の先生との印象深いエピソードを教えてください
私は1年生の時から鈴木先生の授業を受けています。
知識が豊富で、先生との会話はいつも印象に残ります。数ある先生方の中でも、鈴木先生は私の作品や、その中に込めた思いを理解してくださった方です。
Q.憧れのクリエイターはいますか?
好きな写真家は、ジョエル・スタンフェルドです。彼が選ぶ被写体や写真の色味、作品のテーマに惹かれます。
ドキュメンタリー作品でありながら、写真や色彩に物語性が感じられる点が魅力的です。スタンフェルドのように、長い時間をかけて一つの作品を作り上げるクリエイターをとても尊敬しています。
Q.最後に将来の目標を教えて下さい!
今の目標は、日本で写真業界に就職することです。
職場で写真業界について学び、経験を積んだうえで、少し余裕ができた時に自分の表現活動にも取り組みたいと考えています。
大型フィルムカメラでの作品制作にももう一度挑戦したいですし、関心のある「アイデンティティ」というテーマもさらに広げていきたいと思っています。その中で、国際養子に関するドキュメンタリーを作ってみたいです。
そして、いつかまた、旅と写真を繋げられたら一番理想だと思っています。
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撮影/ヴァンアン ヴァエリノロ
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