グッドモーニングトウキョウ vol.4
「トウキョウの朝」をテーマに様々なクリエイターに作品を作ってもらう「グッドモーニングトウキョウ」。
今回は、“イラストレーター”として活躍されているいとうみちろうさんにお願いした。
彼には、トウキョウの朝がどのように見えたのだろうか。
イラストレーター いとうみちろう
いつもの東京の朝。
傾いた土星、巨大なバベルの塔が今日もよく見えます。
足元にいるのは近所で拾ったシーサーの子供で、家にいると魔除けになるそうです。ただ神社のそばにいたのでもしかしたら狛犬なのかもしれません。違いはよく分かりませんが。
ベランダにとまっているのはつがいのヒヨドリですが、頭の上に乗っかっているのは、なんでも鳳凰というありがたい鳥です。ただし、まだ小さいので普通の鳥にしか見えません。そんな鳳凰と仲がいいのは竜の子供で、今はこの部屋に住み着いていますが、大人になるととてつもなく大きくなるそうです。
流しの桶にいるのは少し擦れた感じのメンダコで、東京ビッグサイトに行ったときに海辺で出会って以来ここにいます(深海生物のはずですが・・・)。桶の中に洗い物を入れておくと自慢の吸盤でピッカピカにしてくれる、意外と義理堅いヤツです。
カッパは小さいですが、よく「高度経済成長期を比べたら東京の川も少しはキレイになった」とか話しているので、長生きなのかもしれません。
観葉植物だと思って買ってきた鉢植えは、どうも森の精霊らしく「まだまだ東京には緑が足りない」とよくぼやいています。
上からぶらさがっているのは現代人を鼓舞する「はたらき者」プリントがされた風呂敷を背負ったナマケモノです。なぜかのんびりマイペースな気持ちになります。
そんなこんなにかこまれた、ありふれたいつもの東京の朝。でも輝く朝日のおかげか少し世界がステキに見えます。
今日はどんな一日になるでしょうか。
NDS講師 いとうみちろう
イラストレーター。児童書や絵本、教科書や雑誌、アプリ、カード、舞台美術などさまざまな分野を手掛ける。教育関係の仕事の傍らフリーランスとして活動をはじめ、これまでカルチャーセンターや美術学校などで、小学生から高齢者まで幅広い年代を対象に講師として指導。
HP:https://www.michiro-ito.com/
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