あなたも「闇」のデザイナーになるかもしれない…〈株式会社闇〉に踏み込んでみた…
そんな会社あるわけない、ネタだろう。
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
実在の会社で、日本全国でファンが拡大している会社なんです。
まずは「株式会社闇」のホームページがあるので、ぜひご覧いただきたい。
ぜひ、スマホで
音が出せる環境か、イヤホンなどを装着してアクセスしてみてください、、、
株式会社闇のホームページはコチラ。
いかがですか?体験していただけましたか?
会社ホームページを見てこんな体験をしたのは初めてという方がほとんどではないでしょうか。
今回は「株式会社闇」の代表取締役副社長CCO、頓花聖太郎(とんか せいたろう)さんに「闇」についてお聞きしてきました。
頓花さん|
「怖い」という感情はネガティブに捉えられがちなんですけど、僕たちのミッションは「怖いは楽しい」で世界中の好奇心を満たす、ということを掲げています。
具体的な事業内容としては、ホラーのVRを作ったり、ホラーイベントを作ったり、ホラーゲームを作ったり、ホラーでプロモーションしたり、というのが具体的な事業内容です。
ホラーVRとか体験されたことありますか?
編集部|
興味はあるのですがまだ体験したことはないんです。
頓花さん|
VR(バーチャルリアリティー)でホラーを体験するのってすごく楽しい体験なんですけど、作ってもなかなか体験できるところが無いんですよね、VRの機器を持っている方もまだ少ないですし。
僕たちはホラーVRを作ってそれをイベントにしてしまって、体験できる場所まで用意するというような事業をやっていたり、従来のお化け屋敷の形式だけでなく例えば観覧車のなかでやってみようとか、映画館のなかでやってみようとか、もしくは閉園した遊園地のなかでやってみようなどの新しいホラーイベントを作っています。
「ホラープロモーション」というのが分かりにくいかもしれませんが、みなさん商品やサービスのプロモーションのときに「話題化」って求められるかと思うんですけど、ホラーを使うと「話題化」を作りやすいんです。
例えば今までで作ったものですと、仮想通過であるとか株とか、リゾートバイトとか。
本来ホラーとは関係ないものでもホラーを使ってプロモーションすることで話題化したりするんです。
スキー場とか温泉とか、リゾートでのアルバイトをしていただける若い人を探したいという事業主さんがいらっしゃって、リゾートバイトをもっと一般化したいというときに、リゾートバイトをテーマにした怖い話をWEB上に作り出しました。
そうするとYouTuberさんたちがこぞって実況をしてくれるんですね。その結果、数百万回再生だとか、それと同時にリゾートバイトというものってこういうものなんだ、ということも一緒に紹介していただける、みたいなところでプロモーションに繋がるというような事業をしております。
たとえばYouTubeなんかで検索しますと、僕たちが作ったコンテンツって4,500万回くらい再生されているんです。
普通、4,500万回再生されるようなプロモーションとなると費用もどれだけ投下すればいいのか、、ということになってしまうんですけどホラーを使うと比較的それが実現可能だったりするんです。
<株式会社闇の制作コンテンツ一例>
頓花さん|
僕としてはまだまだホラーの認知度は低いなと感じているところなんですけど、本来はもっともっと可能性があると言いますか、広がっていくものだと考えていて、僕のなかでは「お笑い」と同じ市場規模があるんじゃないかと思っています。
そういった意味ではまだまだスポットライトが当たっていない分野なんですが、最近では「恐怖の楽しみ方」というのが広がってきているなと感じています。
仮説なのですがこの理由は、今の人は昔の人と比べて恐怖を楽しむことが上手くなってきていると思うんです。
特に若い人たちが恐怖をポジティブに楽しめる人たちが増えてきているなと感じています。
僕たちが若いころって、「お化けにビビることって情けない」という概念が強かったと思うんです。
いまだにこの概念は残っていると思うんですが、最近だとたとえばYouTuberさんがホラーゲームの実況などで悲鳴を上げながら楽しんでくれていて、僕は本来ホラーの楽しみ方はそれが正しい楽しみ方だと思うんです。
恐怖を我慢するとか、ビビるのは恥ずかしいという概念ではなく、声を上げて恐怖を楽しむ若い世代の方が年々増えていると感じます。
たとえばホラー映画なんかもなかなか大ヒットという映画は少なかったんですけど、「犬鳴村」が興行収入14億円を突破したり、「事故物件」で23億円を突破したり、日本のホラー映画がヒットを続けているのは若い世代が映画やYouTuberさんの影響もあってホラーの楽しみ方が広がってきているなと感じていますね。
頓花さん|
少年時代にむちゃくちゃホラーが好きだったというわけではないんですけど、ただ思い返してみるとUFOとか超能力とかオカルトとか、そういうのは好きな少年でしたね。
生まれは関西のすごく田舎の方で、都会よりも気味の悪い現象というか、民俗学に出てくるような怪しい文化がそこかしこにあり、それに触れて育って比較的好きだったなと思いますね。
田舎だったので遊園地とかもすごく原始的なアトラクションしか無くて、お化け屋敷に入っても機械が動いているだけ、ガスが出るだけ、というようなところしか無かったんですけど、あるとき人が演じるお化け屋敷に入ったときにとても面白いエンターテイメントに出会った感覚を受けたんです。
そして大人になってもテーマパークでホラー体験をしていくなかで、お化け屋敷プロデューサーの五味弘文(ごみひろふみ)さんが手掛けられたお化け屋敷を体験しまして、それが非常に芸術的で美しさと感動と面白さを化ね揃えた体験をして、お化け屋敷ってこんなに面白いことができるんだと衝撃を受けました。
当時の僕はWEBやテクノロジー、アプリなどを制作する会社にいまして、その会社のなかで〈自社で培ったテクノロジーやスキルを活用して新しい事業を生み出せないか〉という議題が上がりまして、僕はその技術を使って「ホラー」を作りたい!と提案したんですけど、ご想像のとおり誰もノッて来ませんでした。笑
「高度に発達した科学技術は魔法と区別がつかない」という言葉があるんですけど、僕は当時テクノロジーを駆使してホラーエンタメを作ると、今までにない、身の毛もよだつ恐怖演出が作り出せると確信していたので、会社の人たちに理解してもらうためにまずは体験してもらおうと思い、社員旅行で予告なしのホラーイベントを計画しました。
それが社員旅行まで1週間しか無いというタイミングだったのですが、当時の会社で3人のメンバーを集めてスマートフォンに届く指示や謎解きに答えながら進んでいく肝試しのプログラムを作り上げたんです。
ホラーのストーリーを元に体験者のGPS情報によって指示が届くプログラム、ホラー用のWEBサイト、スマホに流れてくる映像や音声、様々なものを短い時間で作り上げたので本当に大変でしたね。笑
それを実際、社員旅行先でサプライズで体験してもらったら大好評でして、そこから一気に「これは面白いから事業化しよう」という流れになりました。
しかしですね、同じ会社の中の事業として実施するのは厳しいと。笑
分社化しよう、ということになりまして元々の会社の子会社という形で「株式会社闇」が生まれました。
頓花さん|
先ほどの話の流れで子会社という形で最初は僕ひとりだけの部門として動いていたんですけど、徐々に案件が増えてきて、当時の社長からも「集中して取り組んだ方が良い」という意向もあり、当時の親会社から2人を連れて独立したので、会社としては3人のメンバーで2015年にスタートしました。
ただ当時はエンタメの業界に対してコネがあったわけではないので、とにかく話題になり続けることしかないと考えて、クオリティの高いものを作りバズらせ続けることをしてお仕事をいただいていました。
そんな中で関西のMBS毎日放送というTV局と、先ほども出てきましたお化け屋敷プロデューサーの五味弘文さん、そして株式会社闇とでお化け屋敷を作れることになり、それが数年続いたところでMBS毎日放送さんの会社グループに入るお話しをいただきまして、親会社から移譲というかたちで2018年からMBSグループに属しています。
そこからMBS毎日放送のネットワークなどによって、日本全国のテーマパークや商業施設などに対してホラーを使ったイベントの提案もできるようになってきて事業規模もだいぶ拡大しました。
そして五味弘文さんには株式会社闇のエグゼクティブプロデューサーに就任していただけることにもなり、今年もいろんなイベントを一緒に作り上げていただいています。
株式会社闇ではいくつかの職種について採用活動を行っているそうなので、気になったことをお聞きしました。
頓花さん|
たぶん闇のなかには霊感を持っている人はひとりもいないんじゃないかな?笑
僕も「見たい」とは思っていますがまだ見れたことは無いです。
こういう仕事をしているとエピソードトークとか求められるんですけどなにも無いんですよね。
なので霊感はなくて大丈夫なのですが、求めている職種としてはいろんな職種があるんですけど、
イベントを仕切れる人であったり、WEBプロモーションを動かせるディレクター職であったり、システムを支えるエンジニア、世界観を支えるデザイナーだったり、は常に人材を求めていますね。
あとは「ホラー」にアレルギーがあるという方には難しい仕事だと思いますね。
ホラーがすごく好きじゃないといけない、ということは無くて逆にそれぞれの職種に関するスキル・能力のある方を求めているという状態です。
特に僕たちに求められるところが、企画力、話題力、技術力というところなのでモチベーションは必要かなと思います。
今までに無いイベント、今までにないプロモーションというような要望を受けるので作り手の面白さというものは非常にある会社だと思います。
頓花さん|
制作メンバーの平均年齢は32歳くらいで、女性のほうが人数の割合は多いですね。
女性を意識的に採用しているわけではないのですが、現時点では能力を優先したり、アルバイトや事務の人もいますので女性の割合が多くなっていますね。
メンバーの雰囲気としてはエンタメの感度が高い人が多いですね、あと保守的というよりは新しいことに興味があるタイプの人が生き生きとしているのかなぁと思います。
人柄としては一風変わった人が多いかもしれません。笑
あと人ではない、社内で愛されている何か、というものでは「闇子ちゃん」というのがいます。
2016年ごろから活躍してくれています。
頓花さん|
企画、制作、現場の立ち合いまでの本当にゼロから100までを経験するので簡単な仕事ではないです。
だから適正は必要かなと思っていて、それを「楽しい」と思ってもらえるひとはすごく向いているんじゃないかなと思います。
アルバイトで手伝ってくれている段階でも決裁権を渡していて「どうしたら面白くなるか」っていうのを一緒に考えてもらうみたいなところもあるので、自分で采配することに楽しみを見出せる人っていうのは非常に向いているのかなと思います。
あと、作り手はもちろんですがクライアントさんも企画に対してすごく情熱を持って参加してくれます。
これにはひとつ理由があって、闇の場合は広告代理店を通した仕事というのが少なく、企業さまと直接やりとりさせていただいているんです。
MBSのネットワークや、闇の過去のコンテンツなどを見て直接お問い合わせいただいたりするので、企業の担当者と共犯者となって作っていけるケースが多いですね。
「株式会社闇」イベント情報
株式会社闇が手掛ける2022年夏、直近のホラーイベントはこちら!(ホラーじゃないものもありますよ)
ドラマチック謎解き観覧車
18分探偵と密室ゴンドラの謎
公式サイト:https://osaka-wheel.com/18tantei/
期間:開催中
場所:EXPOCITY内 オオサカホイール(大阪)
地獄のゾンビ観覧車
~暗黒~
公式サイト:https://osaka-wheel.com/zombie/
期間:2022年7月1日〜
場所:EXPOCITY内 オオサカホイール(大阪)
ホラーハウス in 心斎橋PARCO
心斎橋ゾンビパニック~ゾンビだらけのサマーフェア~
公式サイト:https://shinsaibashi.parco.jp/page/zombie-panic/
期間:2022年7月16日~8月21日
場所:心斎橋PARCO(大阪)
引きずり込まれるVR
-怨霊の金縛り屋敷&学校の怖い話-
公式サイト:https://kuzuha-mall.com/event/detail/?id=1224
期間:2022年7月16日~8月28日
場所:くずはモール(大阪)
呪われた夜の遊園地
『赫い風船の女』
公式サイト:https://www.mbs.jp/obake/
期間:2022年7月30日〜9月3日
場所:ひらかたパーク(大阪)
ぜひ、闇のホラーエンタメを体感して忘れられない夏にしてみてはいかがでしょうか?
頓花さん、貴重なお話しをありがとうございました!
PicoN!編集部 横山