渋谷の街中にある矢印アートの謎〈シブヤ・アロープロジェクト〉
渋谷の街を歩いてみると、
矢印、
矢印、
矢印、
「矢印」が描かれた
アート作品が数多く点在しています。
いったいこの矢印たちは何なのでしょう。
矢印の先には何があるのか。
実はこの矢印アート、渋谷区が企画・設置した
災害が起きた際の<一時退避場所>を示す
「シブヤ・アロープロジェクト」というものなんです。
災害時など、渋谷駅周辺には区民の方や来街者の方への帰宅困難者受け入れ施設が開設されるまでの間、安全に留まれる場所として一時退避場所が設定されています。
この一時退避場所を示すサインを画一的な看板などで示しても、特に渋谷の場合は街の中に埋もれてしまう、よりシブヤらしくクリエイティブに人々の意識に残る方法として「シブヤ・アロープロジェクト」が生まれたそうです。
渋谷駅周辺で設定されている一時退避場所は2カ所
・明治神宮、代々木公園一帯
・青山学院大学
街中の矢印アートと共にシブヤ・アロープロジェクトをより活用するために専用アプリもリリースされています。
Android用 Google Play
シブヤ・アロープロジェクト
このアプリを使いながら
矢印アートをめぐってみようと思います。
〈明治神宮・代々木公園一帯〉
方面へ向かう矢印アート
1カ所目は神宮通りの「渋谷宇田川架道橋下」
ここにあるのは、アートディレクター
森本千絵さんが手掛けられた
「Break through your heart. / 心突き破れ」
という巨大な壁画。
中心にある大きなハートを矢印が射止められていて、その周りにはカラフルな色彩で動物や人、恐竜なんかも矢印の方向を向いて楽しそうに描かれています。
ここでアプリを見てみると、
「明治神宮・代々木公園 あと968m」と避難場所を指す矢印がアプリ上で表示されます。
このアプリでは、現在地から近くの一時退避場所までの距離と方向を表示してくれるんです。
アプリ画面で表示される矢印アートは作者を選択することができるようになっていて、いろんな矢印を見たくなります。
道路の反対側にもさまざまなアートが。
2カ所目は井之頭通り沿いの「清掃事務所壁面(宇田川分室)」
ここにあるのは、アーティスト/アートディレクターのヒロ杉山さんが手掛けられた半立体の矢印アート。
ここから明治神宮・代々木公園までは1,012mのようです。
アプリに従って歩いてみると、代々木公園にちゃんと到着します。
日本人だけでなく、外国人の方にも「矢印」という直感的なアイコンであれば緊急時にも伝えやすいですね。
〈青山学院大学〉
方面へ向かう矢印アート
1カ所目はMIYASHITA PARKの下を潜る「上渋谷ガード」
ここにあるのは、マンガ家でアーティストの
しりあがり寿さんが手掛けられた作品。
他にもさまざまなアーティストの矢印が青山学院大学の方向を指し示してくれています。
2カ所目は渋谷キャスト前の広場
ここにあるのは、
アーティスト東恩納裕一さんの作品。
矢印が茂る樹木のような作品が青山学院大学の方向を指し示しています。。
渋谷の街を彩ってくれているアートでありながら、災害時の一時退避場所を指し示してくれる。
デザインやアートの社会的な可能性が広がるとてもチャレンジングなプロジェクトだと感じました。
渋谷の街にお越しの際はアートを楽しみながら、シブヤ・アロープロジェクトのことを知らない人にはぜひ伝えてあげてください。
PicoN!編集部 濱田・横山