クリエイティブ圏外漢のクリエイティビティを感じる何か…〈vol.16〉―KURT STENZEL『JODOROWSKY’S DUNE(OST)』
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
突然ですが(前回記事と同じ入り方w)
皆さんはフィジカル商品を買う場合に
店舗で購入してますでしょうか?
それともネットで購入してますでしょうか?
恐らく多くの方はどちらも時間、商品特性、店舗への距離によって、店舗とネットでの購入を使い分けているのかと思います。
スマホの普及やあらゆるデジタルサービスが一般化されて
あらゆるデジタルデータの可視化がされて以降
リアルな世界がデジタルの世界に包含された
現代はアフターデジタルと一部で定義されています。
同名タイトルでこのアフターデジタルの世界における
社会のありかたやビジネス戦略などについて記載された
「アフターデジタル/藤井保文・尾原和啓 著」は
数年前にビジネス界のなかで大きな注目を獲得しました。
本書の中でビジネスの世界で
デジタルの世界にリアルの世界が包含された時に
デジタルでの経済活動は利用頻度を増し、
ビジネスにおけるリアル店舗は
「リッチなコミュニケーションや体験をさせる場」としての意味が増すというような記載があります。
(もう4年前に読んだので詳細は間違っているかもですがご容赦!)
確かに今後店舗の存続するには
・顧客との丁寧なコミュニケーション
・店舗でしか体感出来ない体験
・推しの店主に会える
みたいなことが商品自体よりも重要視されそうです。
そんな中で、私はあるレコードをECで購入したのにも関わらず、
店舗並みのリッチなコミュニケーションを体感し、
以降もその店のECで高頻度でレコードを購入しています。
もう逆アフターデジタル!逆OMO(=本書で出てくる用語です)!
今回ご紹介する音楽は、
私が逆アフターデジタルな購買体験したきっかけの
KURT STENZEL の『JODOROWSKY’S DUNE (OST)』です。
*逆アフターデジタルな購買体験に関しては文書の後半で
アレハンドロ・ホドロフスキー『ホドロフスキーのDUNE』
アレハンドロ・ホドロフスキーは、
チリ出身の映画監督 兼俳優、脚本家、漫画家、小説家…である。
映画監督としての彼の作風は自身の経験にシュールレアリスム、象徴主義、宗教的モチーフ…を盛り込みつつ、どの作品根底にはにも人生を祝祭的に肯定するメッセージ込められており、映画ファンからはカルト的な人気を獲得している。
そんな彼の未完の超大作として知られる『デューン』の制作秘話を追想したドキュメンタリーが『ホドロフスキーのデューン』であり、今回ご紹介するのはそのサウンドトラックである。
Kurt Stenzel と『JODOROWSKY’S DUNE(OST)』
本作の作曲者Kurt Stenzel(クルト・シュテンツェル)は
ハードコア・パンク・バンド のヴォーカリストという経歴の持ち主で
現在はSpacEKrafTというクラウト・ロック系ユニットでも活動している。
本作はジャーマン・ロック風でもあり、
壮大かつ神秘的なアンビエントミュージックであり、
「誕生」「生」「死」「復活」の4部構成。
『ホドロフスキーのDUNE』が実現したかった
宇宙の世界観と壮大な4部構成のテーマを想像させる
シンセミュージックの深海という印象です。
逆アフターデジタルな購買体験
話が戻りまして逆アフターデジタルな購買体験についてです。
私が『JODOROWSKY’S DUNE(OST)』について把握したのが
とある個人経営のレコードショップのTwitterでした。
本作を紹介するtweetに
私「ホドロフスキー好き的には迷うなあ」と
引用リツイート
店「ホドロフスキー好きなら是非」
と返信。
意を決してその店のECで購入〜自宅に届く。
楽しみにダンボールからレコードを取り出す。
そこには納品書があり、捨てようととするが
手書きの文字を発見↓
手書きの文章には同じホドロフスキー好きであること
感銘を受けた作品が同じであることが記載されており、
きっと私だけでなく全てのレコード購入者にコメント入れてると想像できる。
合理性を追求してネットショップは運営される中
なかなか出来ることではないと思います。
そして私が購入して納品書を見るまでの一連の流れは
「アフターデジタル」で言われている
今後リアル店舗で行われるべきリッチな購入体験をデジタルで再現している。
最早リアル/デジタルと関係なく、
店主がコミュニケーションや体験価値を考えるかが重要でデジタルでもリッチな体験は出来るのだなと感動しました。
ちなみにこの体験に感動した私はこの体験をTwitterに投稿。
お店の人とホドロフスキー話を往し、
後日別のレコードも購入。
チョイスしたレコードを納品書の手書きで褒められ
また感動…みたいに関係性は続いています。
リアルでもデジタルでもコミュニケーションを伴う購買体験は楽しいですね。
是非皆さんもお店でもネットショップでも
コミュニケーションしながらお好きなモノを購入してみてください。
文・写真 北米のエボ・テイラー