世界観作りの小道具カタログ:トルコクラフト編
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こちらは世界中の色々な小物やクラフト文化を紹介するシリーズ、「世界観作りの小道具カタログ」の第2弾!
今日はトルコのユニークで魅力的な美術芸術品をいくつか紹介するよ!もちろん、こんな記事一つでトルコの広く深いアート分野を語りつくすことなど到底不可能。それでも、皆さんがトルコクラフトをもっと知りたくなるような、作品作りのヒントになるようなきっかけが作れたら願っているよ!
Tile and Ceramics タイルと陶器
トルクのクラフトで銅器の話は欠かせません!トルコの銅器歴史が長く豊かであり、多くなスタイルや技術、制作方法やデザインが含まれる。
トルコの芸術の中にも広く知られているÇini(チニ)タイル。建築物の内外の壁を飾るのに多く使われた。トルコのタイル芸術の初めは釉薬(ゆうやく、又はうわぐすり)でレンガに色を付けて幾何級数的なデザインにアレンジする技法が使われていたが、時間とともにより高度で新しい技術が生まれタイルの制作が進化し続けた。タイルモザイク、エンボスタイル、様々な釉薬の技法が広まった。デザインのモチーフも、昔、古いトルコ地域で信仰されたシャーマニズムの名残から、象徴的な意味を持つ動物や人物のモチーフも含まれるが、だんだんとデザインの傾向も移り、カリグラフィーや花、幾何級数的な形やパターンが多く使われてきた。
タイルのデザインで使われるモチーフは銅器デザインでも愛用されていた。トルコセラミックの中で、İznik(イズニク)銅器は特に有名。初めは中国銅器、特に染付のスタイルを模様していたと言われている。白地にコバルトブルーでデザインをしていたが、その制作方法もイズニクのデザインも中国のものと明確に異なり、トルク独特のスタイルとなった。イズニクと言ってもその中にも様々なスタイルが生まれて、幅広いモチーフ類や文字、様々な色などを用いてトルコ職人の自由なデザインと創作力を表している。
Glasswork ガラス細工
トルコのガラス細工の歴史もまた長くて奥深い。オスマン帝国以前からステンドグラスの技術があった。鋳造(ちゅうぞう)と吹きガラス技法も発展し広められていき、活発なガラス業界を生み出した。ガラスはNazar Boncuğu(ナザール・ボンジュウ)のようなアクセサリーや飾りを作るに使われる。トルコの代表的なモチーフ、青い目に見えるナザール・ボンジュウは災いをはねのけてくれるので贈り物として贈られたり、見えやすいところに飾られたりする。
もう一つなトルコガラス細工、トルコランプは色とりどりなガラス破片で美しい不思議な魅力を持つモザイク。パターンも配色も多彩で無数だが、やはり他トルコ芸術でよく見る細かで複雑な幾何級数的なパターンが人気。
Metalware 金属製品
トルコの金属製品の美しさとクオリティーは有名。銅製品はトルコの歴史の中で特に重大な意味を持つが、銀や金などの他の金属製品は同等な技量で扱われている。その高い技術で生まれる素晴らしく繊細なデザインには、他のトルコ芸術分野でも馴染の植物や花のモチーフやカリグラフィーなどを含む。
一般的な金属製品には、台所用品やアクセサリーがある。トルコでは金属製品は実用的な価値と芸術としての価値も重宝されている。
Ebru (Paper Marbling) エブル
Ebru(エブル)というクラフトは昔からトルコに存在している。エブルは紙を色付けたり染める方法で、日本の墨流しという方法に似ている。エブルでは、色素を少し粘度のある液体に落とし、様々な技法でその色素を動かして自然的な美しいデザインを作り上げる。最後に、そのデザインを紙に移す。
エブルには多くのスタイルも存在するが、どの技術を用いても出来上がる作品は唯一無二のものとなる。元々本の紙を染めるために使われたエブルだが、近代ではエブル作品自体に注目が集まっていて、単体でも芸術品として評価されている。エブルの自然的で流れるような特徴を活かす花デザインは一般的に使われるモチーフ。
Carpet and Rug Weaving 絨毯織り
トルコと言えば煌びやかで高貴な手織り絨毯が有名!絨毯職人はオーガニックな染粉と素材の自然の色を使って、細かで繊細で複雑なデザインを作り、豪華な絨毯作品を生み出す。
絨毯デザインのモチーフは動物、植物、幾何級数的、象徴的、そしてミックスモチーフに分離される。イスラムでは生物を現実的に表すことが禁じられていることから、動物のモチーフはデフォルメされている。象徴的なモチーフは「喜び」のような感情を表したり、「力」のような意味を持ったり、「嵐」のような自然現象や「宇宙」のような概念を表現できる。
では、そろそろ…
トルコの芸術とデザインは国の長い進歩しつづけた歴史の産物。トルコの地理的な位置は、多くの民族や文化の影響を取り入れやすい環境を生み出し、トルコ職人の自由で想像的な制作作りから美しい芸術品を多く生み出した。豊かなモチーフもどんなものでも概念までもを表現できる。この記事では、銅器、ガラス細工、金属製品やエブル、絨毯織りについて簡易に紹介したが、トルコにはまだまだ多くな宝が隠されている。(羅列だけすれば、木彫り、石彫、刺繍、キルト作り、Minyatür(ミニヤチュール)イラストレーション、カリグラフィー、Tezhip(テズヒップ)金の装飾芸術、やKaragöz(カラギョズ)影絵人形劇などもあるよ!)
では、覗く程度の紹介ではあったが、皆さんのトルコクラフトへの好奇心、制作意欲を少しでも刺激を与えられたらうれしい!次の記事を、どうかお楽しみに!
Special Thanks! トルコクラフトをKBに紹介してくれたトルコ雑貨店sevinç8とそこに案内してくれた友達のミホに感謝を!
(参考)
・Ayla ERSOY (2008), 『Traditional Turkish Arts』, Republic of Turkey Ministry of Culture and Tourism General Directorate of Libraries and Publications
・Türkiye Sustainable | Traditional Turkish Handicrafts and Their History
・Republic of Türkiye Ministry of Culture and Tourism | Traditional Arts and Crafts
・Handcraft GoTürkiye
・UNESCO| Ebru, Turkish art of marbling
・UNESCO | Hüsn-i Hat, traditional calligraphy in Islamic art in Turkey
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