冬はお家でマンガ!年末年始に読みたいおすすめマンガ6選
冬休みはお家でマンガに浸りたい!
年末年始の予定は決まりましたか?お家でゆっくり過ごす派のみなさんに、❝年末年始に読みたいおすすめマンガ6選❞をご紹介します!冬休み中に読み切れる10巻前後で完結する作品をセレクトしています。
▼「大人も楽しむ!読書の秋、おうち時間に読みたいマンガ6選」はこちら
No.1 寄生獣
岩明 均
人間の頭に寄生して人間を食べる「寄生生物」ミギーと共生することになった高校生・泉新一の数奇な運命を描く。全10巻
この作品の特徴は新一をはじめ、新一の両親、ガールフレンド、家族を殺されてしまった探偵、偶然出会った老婆など、関わる人間たちのほとんどが等身大の普通の人間であるとこと。寄生生物からみせば弱々しく見える人間が、自分なりに現実と関わり、ときに抗おうとするドラマが心に迫る。 バトルマンガとしても魅力的で、不利な相手との闘いを頭脳を駆使した戦術でひっくり返していくところは、いつも見ていてハラハラさせられる。
No.2 あさきゆめみし
大和 和紀
『源氏物語』をマンガ化したもの。古典でも特に著名な『源氏物語』の世界を、ほぼ忠実にマンガ化しており、手軽に古典への理解を深めることができる名作。高校や予備校の本棚にもあるほど、古典に興味を抱かせた功績は非常に大きいとされている。全13巻(文庫版、愛蔵版などで変動あり)
『源氏物語』54帖がほぼ忠実に描かれており、平安時代の生活などもわかりやすく描かれている。また、特に問題のない部分に関しては、読者が入りやすいように独自エピソードが加えられたり削られるなどしているほか、現代的な感覚を踏まえて造形されたキャラクターもおり、様々な工夫によって源氏物語を純粋に「マンガ」として楽しむことができる。 源氏が捨てられない想い、それに振り回され苦悩する女性たち、時が進むにつれてその葛藤がどんな結末を迎えるのか、皆さんの目で確かめてもらいたい。
No.3 エマ
森薫
ヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台に、メイドの主人公エマの恋物語とともに、階級社会の光と影を穏やか且つ淡々と描かれる。全10巻
以前「乙嫁語り」という作品を紹介させていただいた森薫先生の作品。 今回はメイドさんの物語だが、乙嫁語り同様その時代の風俗や建物、文化などの書き込みが素晴らしい作品。主人公のエマと、恋仲となるウィリアムの物語を追っていくなかで、主役となる「メイド」の生活、上流階級との価値観の差と、その中での様々な駆け引き、さらにそれを取り巻く社会状況まで物語上違和感なく読むことができる。
No.4 血界戦線
内藤 泰弘
一夜にして超常現象、超常犯罪が抜港する都市に変貌した、かつてニューヨークと呼ばれた街「ヘルサレムズ・ロット」。妹の視力を取り戻すため、この街の危うい均衡を保つ組織「ライブラ」の一員に迎えられた少年は、仲間とともに様々な事件に挑んでいく。全10巻
作者が「技名を叫んでから殴るマンガ」と語るほど、ダイナミックな能力バトルが魅力の作品。キャラクターたちも個性に富んでおり、過酷な運命や重大な使命を抱えたキャラクターに加えて、毎回様々な、時には神のような力を持った存在が登場するが、そんな彼らはどこかコミカルに描かれており、世界が滅びるような事件でありながら、ドタバタ劇のなかで解決されてしまうような話も少なくない。明るいコメディと心を打つシリアスさを併せ持った名作なので、バトルマンガ好きには特におすすめ。
No.5 最終兵器彼女
高橋 しん
北海道に暮らすシュウジとちせは、ちせの告白から付き合うことがある。しかし、ある日謎の「敵」に街は空襲される。逃げるシュウジの前に現れたのは腕を巨大な兵器に変え、背中から鋼の翼を生やし「最終兵器」として戦うちせの姿だった。全7巻
可愛くほのぼのした絵柄と、過酷な状況における心理描写のリアルさのギャップが印象的な作品。シュウジとちせの二人の淡い恋愛模様に始まり、「誰かとつながっていたい」「人のぬくもりが欲しい」という人の心が敵味方問わず様々な人物から描き出されている。兵器として進化していくちせと、もがきながらもその現実を変えることのできないシュウジの二人の関係がどうなっていくのか、是非最後まで読んでほしい作品。
No.6 BLUE GIANT
石塚真一
仙台に住むまっすぐな性格の少年「宮本大」は、ある日聞いたジャズに興味を持ち、ライブハウスで実際のジャズライブを目の当たりにしたことで、サックスプレイヤーになるための道を歩み始める。全10巻
音楽の知識がなくとも問題なく読むことができるマンガで、主人公と一緒に学びながら自然と用語がわかるようになっていく。漫画としてはライブの臨場感が凄まじく、擬音も使わず画面から音楽を感じさせるプレイヤーたちがとにかく輝いて見える。さらに魅力的なのが、主人公を代表格として登場人物みんながジャズと真摯に向き合っていること。皮肉屋のライバルも、少し傲慢な世界的プレイヤーも例外ではなく、そのおかげで、主人公たちが厳しい現実に直面しているときでも不思議と気分は前向きでいられる。何かに迷い、悩んだ時に、試しに手に取ってみてほしいマンガである。
マンガに浸る、冬休み。みなさまよいお年を!
有名な作品から、すこしコアな作品まで、10巻前後で完結するマンガ作品をご紹介しました。NDSの図書室にある作品(在校生のみなさんは無料貸し出し可能ですよ!)もあるので、ぜひ手に取ってみてくださいね。来年もまた、どんな作品に出会えるか楽しみです。
文・内山慎也
1989年生まれ。専門学校日本デザイナー学院の教務課スタッフ。幅広いジャンルのマンガを読む。作品の世界観の中にある登場人物の暮らしや文化が描かれている作品が好き。好きな作家は原田マハ、谷崎潤一郎、岡倉天心の作品。