教育業界で働くビジネスマンから見た、大学と専門学校の学びの違いについて

教育業界で働くM.O(イニシャル)と申します。大学では英文学を学び、新卒ではIT企業で3年ほど営業をしていました。教育に関わる仕事をしたいという思いがあり、転職して今の仕事に就きました。

私は高校生の時、将来特段やりたいこともない学生で、好きだった英語と4年後どこかに就職ができればいいな、という軽い気持ちで大学を選びました。大学選び自体には後悔はないですが、この仕事を始めて学びが仕事に直結する専門学校という場を知り、大学時代とは前も今も全く違う仕事をしている自分を見ると、将来を考えて進路選択の機会をもっと大事にすればよかったなあと思うことがあります。進路選択の場をもっとワクワクするものに、高校生の進路の可能性を広げたいという思いで仕事をしています。

今回は、大学と専門学校の違いという部分に焦点を当て、お話ししたいと思います。

大学と専門学校の違いについて

大学と専門学校の違いですが、大学が一般教養や専攻分野の教育を通して、知識や理論を身に付ける教育を行う場であることに対して、専門学校は専門分野の教育がほとんどで、知識と技術を身に付ける実践教育を行う場だと考えます。

例えば私自身は大学で英文学科でしたが、海外の文化や考え方を知識として知ることで、思考力を養うことや、人間性などの教養を身に付けることを目的とし、英語圏の文化・文学を分析したり、言語特性・体系などを学習していました。
当時学んでいた専攻や教養科目が私の人間性をつくっているな、と感じることはありますが、今仕事で使うスキルは大学で学んだことや、身に付けたものからということは実際少なく、社会人になってから一から学んだことばかりです。

一方、専門学校は「職業教育」というだけあり、実践を通じて職業に直結する知識や技術を習得することができ、就職後も知識、技術を生かして働いていくことができます。
例えば日本デザイナー学院だと、「イラストレーターになりたい!」や「店舗デザインをしたい」など具体的な同じ目標や考え方を持った仲間と切磋琢磨して過ごすことができる点、そしてその目標に対して業界に精通した先生方から学べるという点も、就職後の働き方を常に考えながら過ごすことができる、専門学校の大学や短大にはない大きな魅力です。

大学と専門学校のそれぞれのメリットや向いている人とは

大学は4年間をかけてやりたいことを見極めることができるので、高校生の間にやりたいことを決め切れない、色々な教養を身に付けながら将来をじっくり考えたいという人には向いているなと思います。
ただ、大学に入るにしても学部を決めないといけないですよね?大学は入試があるので得意な科目や成績だけで判断してしまいがちな点は注意してほしいなと思う部分です。(実際私も英語が当時得意科目で数学が苦手だったので消去法で英文科に進学して、先ほども言ったように全く違う仕事をしています笑)
やはり、受験科目の勉強だけでなく、やりたいことや進みたい将来、自分自身に向き合うこと、様々な仕事を知ることはとても大切だと思います。

専門学校は自分のやりたいことが決まっていて極めたいと思う人にはもちろん向いている学校ですが、学んだことを仕事に生かしたいと思っている人にもおすすめです。
実は9割以上の専門学校の卒業生が、学んだ分野に関連する仕事をしているんです。仕事に直結する専門知識や技術を身に付けられるので、即戦力として社会で活躍できることも専門学校卒ならではのメリットだと思います。

けれど、途中で進路を変えたい、専門分野ではない職業に就きたいとなったときにハードルが高くなってしまうという点もあります。学校で学ぶ専門分野に限らず、自主的に幅広い知識を身に付けたり、技術力だけでなく考える力なども鍛える意識をしておくことが大切です。
専門学校だと短い年数でカリキュラムも限られてしまうので、日本デザイナー学院のようにSchooのようなオンライン教育を通して自主的に学べるのはすごくいい機会ですよね(※)。私自身、社会人になってからですが、専門外の勉強をしたいなあと思い始めオンライン教育を活用して学び直しをしていますが、学生時代とはまた違った視点で学習することができています。専門性を磨きつつ別分野の教養を学ぶことがより高い専門性を身に付けることにも大切になってくると思います。

※日本デザイナー学院のオンライン教育について→日本デザイナー学院×Schoo

これからの進路選び

日本は今まで「就職」より「就社」のようなメンバーシップ型採用がされてきました。新卒一括採用、スキルよりポテンシャルが重視され配属先は入社してから決まる、ということが一般的でした。
しかし、海外ではスキルや専門性を持った人材を重視するジョブ型採用が一般的な働き方であり、コロナ禍でリモート業務も増え仕事の成果がよりわかりやすく評価されやすくなった今、ジョブ型採用は日本でも導入されやすくなっていますし、今後もどんどん変わっていくでしょう。実際弊社でもジョブ型採用が使われています。採用形態の変化もですが、専門性、自分に何ができるのか、やりたいのかを伝えることも求められる世の中になっていくのではないでしょうか。

自分が将来何をしたいか、進路を決めるのは難しいことですが、大学も専門学校も様々な可能性を発見してくれる高校生が増えていくことを願っています。

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