【対談】空間×ディスプレイ×インテリアデザイナーを志す学生
張 富凱さん
空間デザイン事務所爆団に所属。これまでの主な仕事に「TOKYOゲームショー2022 YGG JAPANブース」、「日本放送協会BS4K、BS8K放送開始イベント」、「TEPIA先端技術館」、「株式会社ユピテルショールーム及び本社受付」、「株式会社奥村組バーチャル展示会空間」、「VR体験アミューズメント施設 V-World AREA in E-ZO福岡」、「ONE PIECE 麦わらストア」や「TOKYO MOTOR SHOW 本田技研工業ブース」などに携わる。いつかは世界で通用するデザイナーになり、自分のデザインが世に知られるようになる日を夢見て日々勉強中。
池谷 光江先生
NDSインテリアデザイン科講師。商品装飾展示技能検定1級、日本VMD協会理事。マネキンディスプレイ会社のデザイン室を経て、フリーランスのディスプレイデザイナーとして、百貨店、専門店、メーカーのVMD企画デザイン、社員教育に携わる。現在、ディスプレイの国家試験「商品装飾展示技能検定」中央検定委員として問題作成に携わっている。
望月 梨愛さん
日本デザイナー学院 インテリアデザイン科 在校生
望月さん)そろそろ就職のことを考えないといけなくて、張さんはなぜ今の会社に入ろうと思いましたか?
張さん)一番は仕事内容が面白そうだなと思ったからです。入社してオフィスは独特な内装で面白いし、職場の人も楽しいです。あと他の会社と違って、デザインに対する情熱をすごく感じたのが良かったです。
池谷先生)張さんの仕事を見ていると、仕事内容が多岐に渡っていて、1つ1つが凄く楽しそうですね。デザインとかアイデアを考えるのは楽しいですか?
張さん)そこが一番楽しいですね。いろいろ考えたり、見たり、調べたりしてこの相手だったら、こういうデザインが一番伝わるかなとか。やっぱりデザインって伝わらなければ意味がないので、アイデアを考えたり、デザインで形に起こすところは楽しみながらも一番大切にしている作業ですね。
池谷先生)それを強く感じますね。一人で打ち合わせからデザイン、プレゼンテーションを任されるようになるにはどれくらいかかりましたか?
張さん)4年くらいかかりましたね。初めはこのワンコーナーだけ作ってみてという感じでゼロからデザインや企画を学びました。あとは留学生なので言葉の壁もありました。そこで諦めたくなかったので時間をかけて語学も勉強しました。
池谷先生)入社して最初の2~3年が非常に大変ですよね。自分のやりたいことやデザインより前段階のことをたくさん勉強しないといけない。そこを乗り越えるようなコツはありますか?
張さん)やっぱり自分の夢や目標をしっかり持つことだと思いますね。例えばスポーツ選手も金メダルを取るために毎日何時間も練習する、つらくても高い目標があるからそこに向かってがむしゃらに頑張ることができることに近い感覚ですね。
望月さん)今の時代って新しいものを作る人が求められると思うのですが、私は他の人の作品を見て、それに影響されやすいのが悩みです。何も見ないで新しいもの作るにはどうしたらいいですか?
張さん)最初はそういうやり方もいいと思います。昔は誰も見たことのないものっていっぱいあったと思います。ただ今ってもうだいたい誰かしらが作っちゃってるんですよ。だけどクライアントに仕事を依頼されて、新しいアイデアを求められる。その時に他の人の作品を参考にしつつも、その相手を考えながらデザインをすることが大切だと思います。その人用にアレンジを加えていくことでオリジナルの作品に作り上げていく。それを重ねていくうちに知識や経験が付いてきて、自分だけで完結できるようになってきます。なので初めは苦しむ悩みではありますが、地道に今の方法を続けていくと道が見えてきますよ。
池谷先生)張さんの言う通りで、何の資料もなく全く新しく考えましたっていうデザインは、ほとんどないと思います。課題や仕事に関連するいろいろな資料を見て、そこからインスピレーションが湧くことはよくあります。何も見ないで、頭の中だけで考えていると何も出てこないので、たくさんいろんな良いものを見ることが大切です。自然界の形や関係のなさそうなものからヒントを得ることもあります。自分がチョイスするものや、アレンジの仕方にもオリジナリティや自分のセンスが出ます。このアイデアの元になったものがあるってことと、俗にいう「パクる」とは違います。そういう意味でも、本物、優れた物をたくさん見ることは、とても大切だと思います。
池谷先生)最後に張さんに今後の目標やこれからインテリアデザインを学ぶ人に向けてメッセージを頂いてもいいですか?
張さん)大きいことやりたいなと思っています。デザインの面白さをたくさん知ってもらいたい。あとは下の世代にデザインを教えていきたいです。その人たちがいつか仲間となって、一緒に仕事をして大きな案件を一緒にやって、そんな関係性ができたら嬉しいなと思っています。人のつながりをどんどん作っていきたいと思っています。なのでこれからインテリアデザインを学ぶ人には自分が好きなことを見つけてほしいのといっぱい仲間を見つけてほしいです。学校とかで過ごす時間って本当に短いので、後悔のない選択をして欲しいですね。