VMD視点で街を楽しむ 第4回「Holiday Season」を楽しむなら、やっぱりGINZA
Holiday Season真っ只中、学生と一緒に銀座のクリスマスディスプレイ=Holiday SeasonのVPを、堪能してきました。銀座のハイブランドショップの前には、入店順を待つ外国からのお客様の列ができていて、自粛明けと円高を同時に実感しました。
前回ご紹介した表参道同様、ラグジュアリーブランドの全盛ですが、その中でも、ビジュアルはもちろん企画が特に際立っていた、4店をご紹介します。
アンディ・ウォーホルが描いたティファニーのクリスマス
1957年~1962年まで、ティファニーのグリーティングカードのデザインは、アンディ・ウォーホルが手掛けていた。今年、その6枚のカラフルなイラストをモチーフに、クリスマスオーナメント、プレート、グリーティングカードなどが限定品として発売されている。
ティファニー全店のクリスマスディスプレイも、アンディ・ウォーホルが描いたカラフルな鳥たちが、大胆に飛び交う華やかな展開です。「キャンベルスープ缶」の前のアンディ・ウォーホルの仕事に出会える楽しいひと時です。
ティファニー × アンディ・ウォーホルからのホリデー メッセージ | Tiffany & Co.
ルイ・ヴィトン×レゴ® 圧倒的なレゴ®の量と緻密な造形に感嘆!
全世界のルイ・ヴィトンショップのウィンドウでは、ヴィトンのビジュアルイメージスタジオが構想を描き、レゴ®認定プロが制作した様々なオブジェがクリスマスシーンを盛り上げています。
創業者ルイの生誕200周年記念プロジェクト「LOUIS 200」のレゴ®でのトランク制作から始まったコラボレーションは、レゴ®グループ90周年記念とも重なり、世界中で展開されている。
年明けの解体後、使用可能なレゴ®は現地の学校や施設に届けられる予定とのこと。レゴランドより、レゴ®の訴求効果大ですね。
松屋銀座 地域共創プロジェクト×ねぶた師 北村麻子
昨年のクリスマスに続き、今年もねぶた師の北村麻子さんが製作したサンタクロースやトナカイ、クマなどの動物たちが、やわらかい光と和やかな笑顔で勢ぞろいしたクリスマスプレゼンテーション。スマートフォンでショーウィンドウに記載の二次元コードを読み取ると、3DアニメーションのAR体験ができます。
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GINZA和光、GINZA6などでも、ディスプレイとARを連動して参加型VPが楽しめます。
松屋の地域共創プレジェクトでは、日本の伝統工芸の制作者にウィンドウディスプレイのオブジェを発注し、使用した後そのオブジェを他店(地方百貨店など)に有料で貸し出す取り組みを行っています。従来からのディスプレイは、期間限定の使い捨てという業界の常識を刷新した取り組みです。ねぶたの動物たちとも、どこかの街のデパートで再会できるかもしれません。
銀座メゾン エルメス 「モーフィング・コクーン」
様々なエルメスのアイテムが誕生する奇跡の瞬間の物語を、繭を用いて描き出そうと試みました。蛹から蝶へと変態するように、自然から抽出されたエレメントが白い繭の中で鮮やかにかたちを変えていきます。(エルメス公式HPより抜粋)
建築家 御手洗龍氏による、冬の自然を軽やかに感じさせるプレゼンテーション。
「モーフィング・コクーン」| エルメス – Hermes | Hermès – エルメス-公式サイト
この他にも、ブルガリ×チームラボによる、ブルガリのアイコン「セルペンティ(蛇)」のイルミネーションや、カルティエの懐かしい電球をモチーフにしたカラフルでかわいいVPなどなど・・・・この時期の銀座は、見どころ満載です。
文:池谷光江
NDSインテリアデザイン科講師。商品装飾展示技能検定1級、日本VMD協会理事マネキンディスプレイ会社のデザイン室を経て、フリーランスのディスプレイデザイナーとして、百貨店、専門店、メーカーのVMD企画デザイン、社員教育に携わる。現在、ディスプレイの国家試験「商品装飾展示技能検定」中央検定委員として問題作成に携わっている。