チロルチョコパッケージデザインのお仕事〜チロリストがハマるデザインの魅力〜

店頭に並んでいると思わず買ってしまうのがチロルチョコ

お店に行くたびに新商品が出ているのでついつい手に取ってしまいますよね。筆者が中でも魅力に感じているのはパッケージデザイン。あのちいさな面積でどうやって消費者の目に止まるようなデザインを考えているのか、、、とっても気になりませんか?ちなみにパッケージをコレクションしている「チロリスト」という方々もいるんだとか。

↑実は筆者も学生の頃、パッケージを集めていました(笑) チロリストの中ではパッケージをファイリングするのが主流みたいです。

 

今回はチロルチョコ株式会社の開発部 企画室でパッケージデザインを制作されている澤田さんにお話を聞くことが出来ました!

チロルチョコが好きな方はもちろん、パッケージデザインに興味のある方々にも「チロルチョコのパッケージデザインの魅力」について知っていただける内容となっております!読み終わったらチロルチョコを買いに行きたくなるはずです!

澤田さんの仕事内容について教えてください!

現在はチロルチョコ株式会社の開発部の企画室で働いています。企画室は新しいチロルチョコの企画立案を行っている部署で、私はそこでチロルチョコのパッケージデザインを考えています。メインはこのお仕事ですが、デザイン制作が終わった後も納品された包材のチェックや生産する際のマニュアルなどを製造部とやり取りをしたり、商品のパンフレットなどパッケージデザイン以外のデザイン業務に携わることもあります。また企画室の一員なので、新しいチロルの商品立案などにも関わっています。

パッケージデザイナーを目指したきっかけを教えてください

大学時代に授業でパッケージを制作した際にとても面白くてパッケージデザイナーというお仕事に興味を持ち始めました。就職時もやっぱりこのお仕事に携わりたいという気持ちがあったので、特に「デザインを通して商品に携わることができる」メーカーのデザイナー職をメインに就職活動をしていました。

そもそもチロルチョコってどうやって出来上がっていくのでしょう?

まず開発部で新しいチロルチョコの商品立案を行います。ここではチロルの味はもちろん、パッケージデザインなども考えていきます。ここで出た案を次は大きな社内会議に通して、正式に新しいチロルチョコの味やパッケージが決まっていきます。正式に決まったパッケージデザインは印刷会社に依頼をして実際にパッケージを作ってもらいます。出来上がったパッケージのデザインと表示(原材料名・栄養成分表示など)に間違いがないか色のチェックなどを行い、校了になれば包材が納品され、製造部で生産が始まるという流れです。

常に新しい商品が出ているイメージがあります!実際月にどのくらいパッケージデザインを制作されていますか?

常に5企画くらいは同時進行で制作しています。実はチロルチョコにはどこの店舗でも購入できる定番商品、季節商品とルート限定商品(コンビニ・100円ショップなどの限定品)があって、お店によって販売している商品が違うんです。特にコンビニだと店舗ごとによって限定商品があるので、常にこのくらいの企画数になりますね。

ちなみに携わったデザインの中で1番反響の大きかった商品はありますか?

『チロルチョコ〈ミルク〉』の発売30周年を記念して販売した『ミルク缶』という商品です。実は今まで缶を使ったNB商品を販売したことが無かったので缶の会社を探したり、どうやって店頭で展開していくのかなど企画から携わった思い入れのある商品です。実際売り出したら凄く反響もいただいて翌年も販売する人気商品となりました。

他にも『チロルのスイカ割りBOX』という商品も好評で、これも企画から携わった商品です。箱がスイカの柄になっていて、真ん中がパカっと割れる仕掛けになっています。割ると中からスイカのチロルが出てくるんです。どうやってお客様に楽しんでもらえるか考えた時に、スイカ割りのように割れたら面白いんじゃないかと企画室内でアイデアがあり、形にした商品です。

チロルチョコのパッケージを制作する中で大切にしていることを教えてください

お客様にとって分かりやすいパッケージデザインを大切にしています。チロルチョコはサイズが小さいので、何味か分からないと中々手に取ってもらえません。なので、味が伝わりやすいようにしずる感(購買意欲を掻き立てる表現方法)を工夫したり、商品名も英語だと分かりにくい場合があるので、日本語やカタカナで表記することを意識しています。

また実際に店頭に並ぶ際は30個が箱に入った状態で販売されるので、30個並んだ際にどう見えるかも大切にしています。例えば「パッケージの背景を変えてみると、もっと目に留まりやすくなるかも!」など1粒の状態ではなく、30粒が1つの面になった状態をイメージしながら考えています。

チロルチョコのパッケージならではのこだわりってあるのでしょうか?

実は1つの商品に対してパッケージの種類が何通りかあるんです。例えば、この『チロルチョコ〈ミルク〉』だと牛の柄がそれぞれ違っていて、面で見た時に大きな牛柄になるように表現しています。このように面で見たときの遊び心みたいなのも楽しんでいただけたら嬉しいです。他にもコンビニ限定商品だとキャラクターや絵本とコラボしたものも販売しているので、パッケージも10種類ぐらい考えています。1個だけではなく、全種類集めたくなるようなデザインを展開しています。

私が入社して今でも大切にしているのは「チロルらしさ」です。キャラクターが可愛い、子供っぽさなどチロルだからこそ出来るデザインがあるので、ここは制作する際に意識するようにはしていますね。

澤田さんは普段どのようにアイデアを集めていますか?

↑筆者が今まで集めてきたチロルのパッケージたち

 

パッケージのアイデアは買い物に行った際に集めています。職業病なのかコンビニやスーパーに行くと必ずお菓子コーナーに行って、他社のお菓子のパッケージなどを見てしまいます。「このデザインいいな」「どうやってこのパッケージは作られているんだろう..」など考えながら研究しています。

また開発部では月に1度、それぞれが気になったお菓子を持ち寄って試食会を実施しています。自分が知らなかった商品や他の人がそのお菓子のどこに魅力を感じたのか共有出来るので、ここで得たことも実際のデザインの制作に活かせています。

最後にパッケージデザインに興味のある読者にメッセージをお願いします!

パッケージデザインをお仕事にするにしても就職先は私のようにメーカーに勤めるインハウスデザイナーやデザイン会社や印刷会社で外注のパッケージデザインに携わるなど様々です。なので、自分がこの分野の中で何をしたいのか決めておいた方がいいかもしれません。ちなみに私は見積や原価計算などデザイン以外の業務も行っているので、デザインの仕事だけに携わっていきたいのであれば、デザイン会社への就職の方が向いているのかもしれません。あとはデザインだけでは無く、形状を含めてパッケージデザインなので、魅力的なものがあれば、購入してみてアイデアの引き出しを増やしていって欲しいです!

 


チロルチョコ株式会社が掲げている「あなたを笑顔にする」というミッション。

この言葉のように常に手に取るお客様のことを考えながら、澤田さん自身が楽しくお仕事をされている姿が伺えました。その様子から自分が手掛けたデザインが形になり、店頭で多くの人に知ってもらえる。パッケージデザインを仕事にする魅力を知ることができました。1個のチロルチョコが出来上がるまでの過程やこだわりを知ると、店頭で見かけた時の視点も変わりそうな気がしますね。

今回の取材を通して、筆者も改めてパッケージを集めてみたくなりました!

PicoN!編集部:河野


↓PicoN!アプリインストールはこちら

関連記事