「和モダン」デザインの魅力って何?

近年、「和モダン」というデザインスタイルが注目を集めています。皆さん、この単語を聞いたことがありますか?

伝統的な日本の美意識と現代的なデザインの融合によって、和モダンは国内外で多くの人々に支持され続けています。コロナ禍後にインバウンド需要も少しづつ回復を見せる今日。今回の記事では、和モダンデザインの魅力、その人気が上昇している背景、そして実際の応用例についてご紹介をしたいと思います。

そもそも和モダンって?

和モダンは、日本の伝統的なデザイン要素(和風)と、現代的なミニマルデザインや国際的な美意識を組み合わせたスタイルのことを呼びます。特徴としては、以下4つのポイントがあげられます。

①素材感の活用

木、和紙、石、竹など自然素材を使用。これらの素材は、それぞれ独自の温かみや質感を持ち、空間やプロダクトに深みを与えることができます。たとえば、木材はその自然な木目の美しさが際立ちますし、和紙は柔らかい光を透過する特性が高く評価されています。

②シンプルな美

無駄を省いたシンプルな形状や色使いが特徴です。直線的で整ったデザインは、視覚的な静けさと心地よさを生み出します。また、シンプルでありながら機能性を損なわない工夫が、和モダンの重要な要素の1つとなっています。

③伝統的要素の再解釈

障子や畳、格子柄など、伝統的な要素を現代風にアレンジして取り入れるのが和モダンの醍醐味となっています。たとえば、障子をガラスやメタルフレームと組み合わせたり、畳をフローリングに埋め込むようなデザインにもその特徴が見られます。これにより、伝統的な雰囲気を損なわず現代のライフスタイルにも適合したデザインに仕上がります。

④調和とバランス

空間やプロダクトの静けさと洗練されたデザインが特徴です。和モダンでは、空間全体のバランスを重視し、自然光や陰影の使い方を工夫することで、落ち着いた雰囲気を作り出します。この調和が、心地よさと美しさを感じさせる要因となっています。

 

和モダンの人気が上昇している背景

和モダンの人気が高まってきた理由には、いくつかの社会的・文化的要因が関係していると考えることができます。

①サステナビリティへの関心の高まり

自然素材や環境に優しいデザインを取り入れる和モダンは、近年のサステナビリティへの注目と相性が良いと言えるのではないでしょうか。特に木材や竹を使ったデザインは、エコロジカルであると同時に視覚的な心地よさも提供します。
※サスティナビリティ/環境や資源を保護しながら、持続可能な未来を築くための取り組みや考え方のこと。

②ミニマリズムの流行

世界的なミニマリズムのトレンドにおいて、和モダンのシンプルで洗練されたデザインが共鳴しています。「少ないものから最大の効果を引き出す」という哲学が、多くの人に受け入れられています。私はミニマリストではないんですが。

③インバウンド需要の影響

最初にも書いたように、訪日外国人の増加に伴い、日本文化への興味が高まりました。特に建築やインテリアにおける和モダンの美しさが海外でも評価されています。例えば、京都の高級ホテルや料亭のインテリアはその代表例ですね。確かに、筆者は福岡に住んでいますが、海外からの旅行者の皆さんは、こぞって洗礼された日本っぽいものや建築物を撮影しているような気がしますね。

④デジタル時代の反動

テクノロジーが進化する一方で、心の安らぎや自然とのつながりを求める傾向が強まってきています。和モダンはそのニーズを満たすスタイルとしても注目をされているようです。

 

和モダンの実例

それでは、和モダンはどのようなデザイン分野でみられるのでしょうか?以下は和モダンデザインが実際に応用されている例です。

建築とインテリア

・住空間:和室をモダンなリビングに取り入れた設計。たとえば、畳スペースをリビングの一部に組み込み、木材や障子を使用した空間設計が人気です。

・商業施設:京都や東京のホテル、レストランが和モダンのデザインを採用。静かで洗練された空間が旅行者に高い評価を得ています。

プロダクトデザイン

・和紙を使用した照明器具や、木材を使った家具など、和モダンプロダクトが注目されています。例えば、彫刻家であるイサム・ノグチの「AKARI」シリーズはその代表例とも言えると思います。

参考:https://akari-ozeki.com/

ファッションとアクセサリー

・伝統的な和柄をモダンなファッションに落とし込む動きも広がっています。特に、着物の帯柄をリデザインしたスカーフやバッグが人気を集めています。皆さんが気になるブランドでも、もしかしたら使われているかもしれないですよ。

 

和モダンをデザインに取り入れるには

和モダンはさまざまなデザインに簡単に取り入れることができます。

家具やインテリア小物

木目調の家具や、和紙を使った照明を選ぶことで、空間全体に和モダンの雰囲気を加えることができます。

色の選択

ベージュ、ブラウン、グレー、黒など、落ち着いたトーンを基調とすることで、調和のとれたデザインを実現します。

伝統工芸品

地域の伝統工芸品をモダンな空間に配置し、アクセントとして活用することで、デザインに深みと個性を与えます。

 

和モダンは、日本の伝統と現代的なデザインを融合させた魅力的なスタイルです。その人気の背景には、サステナビリティやミニマリズム、自然との調和を求める現代人の価値観が反映されているように思われます。日本国内に住む方に向けたデザインとしては言うまでもなく。今後、和モダンは日本国内だけでなく、国際的なデザインの場でも注目され続けると考えても自然ではないでしょうか。

 

和モダンを取り入れた空間やプロダクトは、私たちのデザインに安らぎと美しさを与えてくれるはずです。ぜひこの魅力的なスタイルを、皆さんのデザインのエッセンスとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

PicoN!編集部 九州校佐藤

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