『空想果実』が教えてくれるクリエイティブの種<前編>ー空想が生み出す無限の可能性ー
ーまだ誰も知らない果実ー
世の中には、まだ知られていない“空想のような果実”が実在するという。
我々はそれらを総評して「空想果実」と呼んでいる。
(カンロ株式会社 空想果実HPより引用)
みなさん、『空想果実』という商品はご存じでしょうか。
『空想果実』はカンロ飴やピュレグミで有名なカンロ株式会社から発売されたグミで、2023年に初めて「キラスピカの実」、翌年には「ウチャチャの実」が発売されました。空想のアイデアをまるで“本当に実在する果実”のように育て、実らせた企画です。今回は、そんな『空想果実』のクリエイティブの種(原点)を探るためにカンロ株式会社の担当者の方々にお話を伺いました。
『空想果実』シリーズ最初の「キラスピカの実」。星のような神秘的な形が特徴的。
シリーズ2番目に登場した「ウチャチャの実」。4つの触覚が特徴的。
空想果実とグミの自由さの親和性
ー『空想果実』はどのように生まれた商品ですか?
『空想果実』はデザイン会社と共創して生まれた商品です。<グミで何か面白いことはできないか>という考えで色々生まれた案の中の一つが『空想果実』でした。グミは味・形ともに自由なお菓子だと思うので『空想果実』と親和性があると考えました。このシリーズで最初に生まれた果実の「キラスピカの実」はゼロからの構築だったので試行錯誤の連続でした。「キラスピカ」っぽい味って何だろうと想像している味を伝えることから始まり、デザイン会社の方や研究員の方、造形作家さんなど、みんなでお互いに上手くイメージを汲み取りながら試作を重ねて実現していきました。
「キラスピカの実」の味を想像するのも楽しさの一つ。(画像提供:カンロ株式会社)
「ウチャチャの実」はこだわりの7種類の形。(画像提供:カンロ株式会社)
新しいことに新しいことを掛け合わせてみる
(画像提供:カンロ株式会社)
(画像提供:カンロ株式会社)
世界観に没入してもらうために引き算をする
ー Kanro POCKet×(カンロファンとカンロスタッフの交流の場)に掲載されている商品開発秘話で<想像できる余白>を大切にしているとおっしゃられていましたが、世界観を作り上げるためにあえてしていること、あるいは、あえてしないことはありますか?
X(旧:Twitter)で情報発信をしていますが、空想果実のファンのみなさまに楽しく想像していただけるよう、余白をつくることを意識しています。実は、一つひとつ細かいストーリーがあるのですが、世界観に没入してもらうために全ての設定は言わないようにしています。情報発信の際には、空想果実ラボの研究員や調査員が、業務の合間に投稿しているような文章を意識しています。ファンの方の反応はすべて拝見していて、その反応が新たな『空想果実』に繋がることもあります。
(画像提供:カンロ株式会社)
(画像提供:カンロ株式会社)
(画像提供:カンロ株式会社)
みんなが『空想果実』のファン
ーチーム内でどのように空想の世界を共有しているのですか?
チーム内は話せば話すほど楽しくなるメンバーが多いので、毎回わくわくしながら話しています。商品作りを始める時は、みんなで空想報告書を書いてアイデアを持ち寄るのですが、『空想果実』のことを話すと「あれもいいね!」「これもいいね!」と大盛り上がり。色々なアイデアを足しながら空想の世界がどんどん広がっていきます。研究担当も、新しい果実の味を生み出すということで面白がってくれていて、メンバー全員で楽しく開発しています。造形作家さんに『空想果実』の造形を作っていただいているのですが、コンセプトやストーリーをお伝えすると粒の大きさだったり、果実の質感まですごく汲んでくださって、私たちがイメージした果実を具現化してくださいます。みんなが『空想果実』のファンでやっています。
調査員の「キラスピカ」手記。一つひとつが『空想果実』の世界観を作っている。(画像提供:カンロ株式会社)
思わず『空想果実』について知りたくなるビジュアル。(画像提供:カンロ株式会社)
今も、ラボの調査員が新たな『空想果実』を探している
調査員が新たな『空想果実』を求めて今日も活動を続けている。(画像提供:カンロ株式会社)