2/22はねこの日!「ねこのひるね展」に密着

「ねこのひるね展」は、毎年2月に開催され2022年で6回目になるグループ展です。

“ねこのひるね”は、会場である谷中・ひるねこBOOKSさんの「こころゆたかな暮らし」の象徴として名付けられ、毎年、それぞれの作家が“ねこのひるね”からイメージする作品たちを描き展示しています。

今年は、2022年2月22日「スーパーねこの日」の到来で、猫好きさんたちの間ではいつも以上にこの日、この展示にも注目が集まっているように感じます!作品は開催初日に売り切れてしまうほど大人気。

今回は、「ねこのひるね展」に訪れた筆者の感想と、展示をしているイラストレーターの山口真理子さんにお話を伺いました!

「ねこのひるね展」の魅力

ねこのひるね展の魅力はなんといっても、5人の作家が描く「それぞれのねこの世界」です。お店のギャラリースペースに入ると、50点を越す作品の数に圧倒されるかもしれません。ただ、そのひとつひとつの作品は、とても優しく繊細なものばかりです。回を重ねるこの展示ですが、毎年多くのお客様がきてくださるのは、作家自身、そして作品もその時その時で変化し、心に寄り添うものになっているからだと思います。

作家から見た「ねこのひるね展」

私自身はこの展示にとても縁があり、今年で5度目の出展になりました。2022年2月というお祭りムードもありますが、今年特に感じるのは、静かで優しい作品が多いということでしょうか。私たち作家は、いつも同じように絵を描いているわけではありません。作品を見てくださる方の生活や心情を想像したり、今の世の中の状況をうけて私たち自身もさまざまなことを感じ、それが作品にも影響を与えています。

ご来場になるお客様も、作品の前でじっくりと過ごされる方が多いように感じています。気軽に外出できない中で、絵に囲まれた穏やかなひとときを、きっと特別な気持ちで過ごされているのではないかなと想像しています。

ここからは山口真理子先生の作品を紹介してもらいます!

ねこくんとねずみくん

先ほど、ねこのひるね展とご縁があると申しましたが、私がシリーズとして描いている「ねこくんとねずみくん」というふたりのキャラクターは2018年のこの展示がきっかけで生まれました。

学生時代からあたためていた「ねずみくん」というキャラクターに「ねこくん」という新たなキャラクターを掛け合わせることで、自分の中にあった物語がすっと広がったように感じています。展示とあわせてSNSで「ねこの日記」と題して、ふたりの日常を描いたことも、存在を知ってもらうきっかけになったと感じています。

今回メインで描いたのは『サプライズパーティー』という作品です。ねこくんをお祝いするために集まったお友達のどうぶつたちと、その家を訪ねてくるねこくんとねずみくんが玄関のドアをノックした瞬間を描いています。後ろ手にお花をもっているねずみくんも、どうやら仕掛け人のひとりのようです。ドアの奥はまだガヤガヤしていて、壁の装飾も終わっていないし、我慢できずにお祝いのケーキを食べてしまう子がいたりして、みんな全然完璧ではありません。ねこくんがおうちで楽しむ本と、みんなで食べるケーキがプレゼント。ケーキの装飾はお庭で摘んだお花で、どうぶつたちができる最高のおもてなしは、みんなおそろいの蝶ネクタイと、歌です。

私がどうぶつたちを通して作品で大切にしているのは、日常の小さな幸せの瞬間です。できるだけ身近で心に寄り添うものをつくりたいと思っています。

メインの作品とあわせて展示している通称「ミニ額」シリーズでは、この絵にまつわるサイドストーリーを展開しました。ねずみくんがお花を渡した瞬間。パーティーに加わった後に、みんなとお揃いのリボンをつけるねこくんとねずみくん。歌のプレゼントに、はりきって参加しようとしている、ねずみくん。このミニ額作品は、ねこのひるね展で恒例となっていて毎年コレクションしてくださる方も多いので、私も描きながら、この絵はどなたのお家にいくのかな。と楽しみにしています。飾りやすいサイズということもあり、職場や玄関、ベッドサイドにおいてくださる方が多いようです。

特に嬉しかったのは、お子様のベッドサイドに置いてくださっているお母様からいただいたメッセージで「毎晩、ねこくんとねずみくんに『おやすみ』をしてから眠るんですよ。」と伝えていただけたことです。絵が自分の手元を離れたあとも、こうして生活の一部となって存在していると知った時は感動しました。そして作家として、だれかの日常をちょっとだけ幸せにしたいな、という自分なりの作品に対する意味を見つけたように思っています。

「ねこのひるね展」では、5人の作家が全く異なる切り口で作品を発表しています。見た瞬間にビビっとくる作品、ずっと見ている間にしみこんでくる作品。心に到達するまでの染み込み方もさまざまですが、どの作品もとても優しくあたたかいものばかりです。見てくださる方の心境や環境によっても感じるものは変わると思います。少し日常と離れて、じっくり絵と過ごす時間を楽しんでいただければ嬉しいです。

また、ひるねこBOOKSさんがある谷中は「ネコの街」としても有名でネコ好きにはたまらない場所でした!神社やお寺、また路地道の多いことが猫が住み着く要因の1つだそうです。それゆえネコ関連のお店も多く、芸術・美術の学校も周りにあるためおしゃれなカフェや雑貨屋さんと若い人で賑わっている印象。

ひるねこBOOKSさんの中は柔らかく優しい空間でした。古書と新刊を扱う本屋さんで店主さんこだわりの本がたくさん!著名な方のサインから北欧のものを中心とした雑貨まで取り扱っています。

是非みなさんも一度足を運んでみてはいかがでしょうか?第7回の「ねこのひるね展」開催もお楽しみに!詳しい情報は下記からご覧ください。

作家紹介

山口真理子

会社勤務、個人事務所勤務などを経てフリーランスのグラフィックデザイナーになる。広告業界で約10年従事。2016年 セツ・モードセミナー夜間部に通う。2017年 イラストレーターに転身と同時に作家活動をスタート 東京を中心に個展・グループ展を開催。2018年・2019年 ひるねこBOOKSレーベルより「ねこくんとねずみくん」絵本を刊行。2020年 自身の講師経験をまとめた「イラスト映えBOOK」(株式会社 翔泳社)を共著で刊行。現在、イラストレーターとして主に本の制作に携わるほか、映画や音楽のビジュアル制作なども行う。教育書や実用書など、媒体の特性に合わせたさまざまなタッチで制作を行っている。

【WEBサイト】https://www.mariko-yamaguchi.com/
【SNS】◇twitter:mariko_y_illust ◇instagram: mariko_y_ehon

北岸 由美
イラストレーター、東京都内で愛猫とともに暮らす。作家として個展やSNSで作品を発表するほか、
幼児・児童向けの媒体、広告や製品デザインなど、幅広いジャンルでイラストを手がける。
著書に『366日のちいさな物語』(主婦の友社)がある。2021年に発売した『ねこねこほいくえん おさんぽカー』(石崎洋司 文/講談社)が絵本デビュー作。
【WEBサイト】https://paumes.com/kitagishi.html
【SNS】◇twitter:yumikitagish ◇instagram:yumikitagishi

小泉 さよ
東京都生まれ。東京芸術大学日本画専攻卒業。同大学院修士課程修了。おもに猫を描くフリーランスイラストレーター。著書に『猫ぱんち ー二匹の猫との暮らしー』『もっと猫と仲良くなろう!』『さよなら、ちょうじろう。』『うちの猫を描こう!』など。
共著に『猫のいる家に帰りたい』『これから猫を飼う人に伝えたい11のこと』(仁尾智・著/小泉さよ・挿画)など。  本、雑誌などにイラスト掲載多数。カレンダー、ダイアリーなどのイラスト担当。
手ぬぐい、缶バッジのオリジナルグッズも販売中。
【WEBサイト】http://www.sayokoizumi.com/
【SNS】◇twitter:sayokoizumi ◇instagram:sayokoizumi

ぬまのう まき
絵本作家。女子美術大学芸術学部デザイン学科卒業。懐かしさを感じるような、動物や人々の暮らしを描く。2021年2月 私家絵本『わたしのおうちで』を発表後、えほんや BUMBLE BEE BOOKSとコラボした栞のデザインなども行う。
【WEBサイト】https://makinumano2013.wixsite.com/maki-numano
【SNS】◇twitter:numanomaki_pic ◇instagram:numanomaki

柊 有花
イラストレーター、詩人。「見えないものを形にする」をモットーに活動。京都の老舗紙メーカーの紙雑貨、洋菓子のパッケージ、石井ゆかりさんの著書等にイラストを提供。画文集『花と言葉』など、絵とともに言葉の仕事を行う。年に数回国内外での個展も開催する。
【WEBサイト】https://hiiragiyuka.tumblr.com/
【SNS】◇twitter:yukahiiragi ◇instagram:yukahiiragi

ひるねこBOOKS
アクセス:〒110-0001  東京都台東区谷中2-5-22-101
お問い合わせ:070-3107-6169
​​定休日:火曜+第2水曜
営業情報は各SNSをご覧ください。詳細はブログをご覧ください。また感染拡大防止のため、体調のすぐれない方、4名さま以上のグループはご来店をお控えください。
【WEBサイト】https://www.hirunekobooks.com/
【SNS】◇twitter:@hirunekobooks ◇instagram:@hirunekobooks
◇Facebook:@hirunekobooks 

 

 

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