都市部だけがデザインの舞台じゃない!「地域」から見えてきた、クリエイティブの新しい形
■大手広告代理店で数々のキャンペーンを手がけた人が、なぜ今、鹿児島の「小いも」と向き合っているのか、インタビューしました。その答えに、これからのクリエイティブの形が詰まっていました
聞き手/編集 PicoN! 編集部 かみさく
渋谷でデザインや写真を学ぶ私たちにとって、就職先であったり、卒業後の活躍の場として真っ先に思い浮かぶのは「東京を中心とした都市部」かもしれません。
しかし、クリエイティブの力がいま最も求められ、大きな可能性を秘めているのは「地域(ローカル)」だと、本校の授業「情報デザインⅢ」の担当講師であり、Northern Lights(ノーザンライツ)代表の福留先生は言います。
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福留先生は鹿児島県出身で、大手広告代理店の営業職を経て独立し、現在「地域と食」をテーマに、自治体や小規模事業者と共に数々のプロジェクトをプロデュースされています。
そこで今回は、「仕事」に対する福留先生の捉え方や、地域でのプロジェクト事例をご紹介いただき、これからの地域×クリエイティブの可能性を探ってみます。
「仕事」ではなく「しごと」と表す理由
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福留先生は、自身の活動を「しごと」とひらがなで表現します。
これには、会社に仕えてお給料をいただく「仕事」だけでなく、自分の中から湧き出る「もっとこうなったらいいのに」という「私事(わたくしごと)」の両方の意味が込められています。
また、アウトプットされるものは、課題に応じて、映像、商品開発、ワークショップ、ブランディングなど、様々。
福留先生のスタイルは、単なるデザイナーの枠を超えた「社会課題の解決」そのものです。
未来を創るプロジェクト事例
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インタビューでは、クリエイティブ業界での活躍を目指す人に向けて、地域×クリエイティブを強く感じてもらえそうな事例を3つご紹介いただきました。
それではさっそく1つ目の事例を見ていきましょう。
① ノウフク(農・福)スナック:未利用の食材を「バトン」に変える
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大隅半島ノウフクコンソーシアム(ONC)が進める「小いもプロジェクト」は、農業と福祉が連携(農福連携)して地域課題やフードロスを解決する取り組みです。
大隅半島は実は全国有数のじゃがいもの産地で、ある大型農業法人では、じゃがいもの機械収穫時に規格外となる「小いも」が年間25トンも廃棄されていました。
食材として使えるものの、人手不足から収穫できずにいたこの課題に対し、ONCが間に入り、所属法人でありONC副会長である株式会社オキスの岡本社長の提案によって、福祉事業所の利用者(障がい者)が手作業で収穫・仕分けを行う仕組みを構築しました。
そのように収穫・仕分けされた「小いも」に、より高付加価値を与え、トップクリエイターと共に「ノウフクスナック」を開発しました。
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鹿児島空港での販売や、パッケージの賞を受賞するなど、デザインの力で高い付加価値を生み出しています。
また、収穫された小いもは、他にもONCの副会長である株式会社オキス 岡本社長さまのネットワークを通じて地元の飲食店に販売したり、新メニューやフェアに活用されたほか、子ども食堂や生活困窮者支援にも提供されました。
これにより、廃棄ロスが削減されただけでなく、売上金が福祉事業所の利用者へのより高い工賃として還元されました。
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現在では関東の企業からの引き合いや、他の野菜への連携展開も検討されており、農福連携が担い手不足やSDGs、地域コミュニティ構築、また障がいのある方々が社会とつながり続けることなどの社会課題を総合的に解決する大きな可能性を秘めていることを示しています。
次回予告
「バトン」という形に込められた想い、伝わりましたか? 実はこれ、福留先生が関わられた3つの事例のうちの、まだ序章にすぎません。
次回は、地域の“埋もれた資源”をブランドとして輝かせた事例と、住民を巻き込みながらまちの空気そのものをデザインした事例をご紹介予定。
「デザインって、こんなところにも効くんだ」と、きっと驚くはずです。
都会じゃなくても、いや、都会じゃないからこそできることがある——。
その続きは、また次回のお楽しみに!
PicoN!編集部 かみさく
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