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千葉市美術館「ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード」展レポート—担当学芸員に聞くイラストレーターの創作と「原画を見る」体験

ページをめくるたびに物語の世界に引き込まれる絵本。世界各国の最前線で活躍する作家の作品が一堂に会する展覧会が、千葉市美術館で開催中です。 「絵本は、子どもたちが初めて触れる美術の入り口」と話すのは、同館で学芸員を務める山下彩華さん。「ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード」展を企画したメンバーの一人です。 展示の詳細をみる スロバキア共和国の首都ブラチスラバで2年に1回行われる「ブラチスラバ世界絵本原画展(Biennial of Illustrations Bratislava、以下BIB)」は、世界最大規模の絵本原画コンクールです。 日本でも2年に一度BIBの巡回展が行われており、今年の展示では、BIB2023で国際審査を経て選ばれた受賞作と日本代表の作品を見ることができます。 巡回展の特徴は、原画に加えて、制作プロセスが分かるスケッチやインタビューを紹介している点です。 展覧会の担当メンバーである同館 学芸員の庄子真汀さんは、「絵本は様々な工程を踏んで生まれるメディアで、その過程が本当に面白いです」と話します。 この記事では、2025年5月18日(日)まで開催中の展覧会レポートと、本展を担当する学芸員の庄子さん、山下さんへのインタビューをお届けします。 展覧会を作るプロセスやイラストレーターの創作の背景にも触れているので、絵本の原画の奥深さをぜひ感じてみてくださいね。 世界各国の最前線で活躍するイラストレーターの作品が大集合! [caption id="attachment_24076" align="alignnone" width="750"] 千葉市美術館「ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード」展の入り口[/caption] 千葉市美術館の「ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード」展は、BIB2023の受賞作11件と、日本代表の作家10組の原画を紹介する展覧会。 BIBは、1967年にスロバキア共和国の首都ブラチスラバで始まった、歴史ある絵本原画コンクールです。2年に1回開催され、国際審査により受賞者が決定します。 1か国につきエントリーできる人数が限られており、それぞれの国の最前線で活躍する作家が選抜されるため、世界中から注目が集まります。 BIB2023には、36か国から総勢275名の作家が出展し、355冊の絵本と合計2,072点の原画が集結しました。 [caption id="attachment_24077" align="alignnone" width="750"] 荒井良二『ゆきのげきじょう』の展示風景[/caption] 日本からは、2024年に千葉市美術館で個展を開催したザ・キャビンカンパニーをはじめ、『あさになったのでまどをあけますよ』(偕成社、2011年)を手がけた荒井良二や、『怪物園』(福音館書店、2020)で話題になったjunaidaら10組がエントリー。 今年の巡回展には大きく2つの特徴があります。ひとつは、原画に加えて、制作の工程が分かるスケッチや写真、インタビューなどが展示されている点です。 作品の背景にどのような思想があるのか、普段の制作が絵本とどのようにつながっているのか、イラストレーターの創作を多角的に知ることができるよう構成されています。 また、3つのキーワード「IMAGINATION」「IDENTITY」「INNER JOURNEY」を設定し、セクションごとに受賞作を展示しているのが印象的です。 ここでは、キーワードに沿って受賞作をレポートするとともに、日本代表の作品をピックアップしてご紹介します。世界各地で活躍するイラストレーターの豊かな創造力に触れてみましょう。 心と五感の洞察「IMAGINATION」 [caption id="attachment_24078" align="alignnone" width="750"] 「IMAGINATION」の展示風景[/caption] 「IMAGINATION」で紹介されたのは、BIB2023でグランプリを受賞したパロマ・バルディビア(チリ)、ルツィエ・ルチャンスカー(チェコ)、ヴェンディ・ヴェルニッチ(クロアチア)の3名。 [caption id="attachment_24079" align="alignnone" width="750"] パロマ・バルディビア『問いかけの本』[/caption] バルディビアは、チリの国民的詩人パブロ・ネルーダ(1904〜1973)の詩集『問いかけの本』に収録された70の質問をもとに、生命の壮大な循環を感じさせるイラストレーションを制作しました。 彼女の制作方法は、手描きとデジタル編集の両方を使っているのが特徴的です。 まず、彼女の創作で最も重要な工程であるコンセプトやアイデアのスケッチをします。その後すぐに1枚の絵を完成させるのではなく、下絵の段階では鉛筆やインクを用いて1つずつパーツを作っていきます。 そして、Photoshopを使って、パズルのようにパーツを組み立てていくそうです。 原画を見るだけでは想像がつかない工程を知り、細かい作業の連なりが深遠な表現につながっているのだと実感しました。 「IMAGINATION」で紹介された作品は、自身の感覚や生活など身近なところに通じるテーマで、私たちの日常が豊かであることを思い出させてくれました。 地域へのまなざし「IDENTITY」 [caption id="attachment_24080" align="alignnone" width="750"] 「IDENTITY」の展示風景[/caption] 「IDENTITY」では、BIB2023で民族的な表現や色彩が評価された作品が紹介されました。 [caption id="attachment_24081" align="alignnone" width="750"] マエヴァ・ルブリ『わたしの街、あなたの街』のドローイング一式[/caption] 金のりんご賞を受賞したスイスのイラストレーター、マエヴァ・ルブリは、『わたしの街、あなたの街』で、友人アニサの壮絶な体験と娘たちへの愛情を描きました。 内戦の続くシリアで子どもを授かり、母国を脱出するという過酷な経験をしながらも、娘の存在が希望となっていくアニサの心境を、何ページにも渡り丁寧に表現しました。 同じく金のりんご賞を獲得したチン・シンルー(陳巽如、中国)をはじめ、金牌に輝いたアナ・クーニャ(ブラジル)、ヤーン・ロームス(エストニア)ら3名も、それぞれの国や地域に根付く文化を、独自の手法で克明に描写しています。 心象風景をめぐる旅「INNER JOURNEY」 [caption id="attachment_24082" align="alignnone" width="750"] 「INNER JOURNEY」の展示風景[/caption] 目には見えない心の動きを繊細に捉えた作品が集合した「INNER JOURNEY」。 金のりんご賞を受賞したダニ・トゥレン(スペイン)をはじめ、同賞を獲得したアネテ・バヤーレ=バブチュカ(ラトビア)、マヤ・シュレイフェル(イスラエル)、金牌に輝いたサンナ・ペッリチオーニ(フィンランド)ら4名の作品が展示されました。 [caption id="attachment_24083" align="alignnone" width="750"] ダニ・トゥレン『一等車の旅』[/caption] トゥレンが出展したのは『一等車の旅』という作品。20世紀初頭、戦争で家も家族も失った女性が、父親が望んでいたような結婚相手に出会うため、一等車で旅をするお話です。 グラファイト鉛筆やソフトパステルによる表現とデジタル技術を見事に融合させ、まるで映画のワンシーンのような世界を作り上げました。 トゥレンの展示では、画材を用いて描いた絵とPhotoshopで編集した完成品を見比べることができ、デジタルソフトによるレタッチの前後では、作品の印象がまったく異なることに驚くでしょう。 手描きの表現とデジタル技術をかけ合わせるからこそ、彼の独自の世界が生まれるのだと実感しました。 表現の広がりと奥行きをたどる「日本代表作家の展示」 [caption id="attachment_24084" align="alignnone" width="750"] 日本代表作家の展示風景[/caption] 日本代表を務めた10組の作家の展示では、絵本に関連する作品や資料をたっぷりと見ることができます。 ここでは、2組の作品をピックアップし、制作のプロセスを味わえる本展の魅力をご紹介します。 ザ・キャビンカンパニー [caption id="attachment_24085" align="alignnone" width="750"] ザ・キャビンカンパニー『がっこうに まにあわない』展示風景[/caption] 阿部健太朗と吉岡紗希による二人組の絵本作家、美術家「ザ・キャビンカンパニー」。 彼らが出展したのは『がっこうに まにあわない』という絵本で、小学校に遅刻してしまうと焦っている男の子が主人公です。 走って目的地に向かうものの、ワニが潜んでいそうな水たまりや迷路のような歩道橋に行く手を阻まれてしまいます。スピード感のある表現と、日常が冒険に変わるという着眼点がユニークな作品です。 [caption id="attachment_24086" align="alignnone" width="750"] ザ・キャビンカンパニー『がっこうに まにあわない』ラフ画[/caption] 本展には、原画に加えてラフ画や習作も出品され、リアリティに迫る描写がどのように一冊の絵本として形になっていったのか、その過程をじっくりと知ることができました。 堀川理万子 [caption id="attachment_24087" align="alignnone" width="750"] 堀川理万子『海のアトリエ』[/caption] 堀川理万子は、数々の絵本を手がけながらも、タブロー作家としても活躍しています。巡回展ではタブロー作品も出展され、普段の制作が絵本とどのように関わっているのか、詳しく紹介されていました。 [caption id="attachment_24088" align="alignnone" width="750"] 絵本『海のアトリエ』に登場する作品のひとつ《いちごの風景》[/caption] BIB2023に出品された絵本『海のアトリエ』は、主人公の女の子が、ある一枚の絵をきっかけにおばあちゃんの思い出に触れるというストーリーで、心象風景が生き生きと浮かび上がる情緒的な作品です。 絵本には女性の「絵描きさん」が制作した作品が何点も登場し、堀川のタブロー作家としての活動とのつながりが感じられました。 今回は2組をご紹介しましたが、本展では以下8組の作品も見ることができます。 ・あべ弘士 ・荒井良二 ・石川えりこ ・きくちちき ・齋藤槙 ・junaida ・たじまゆきひこ ・桃山鈴子 日本を代表するイラストレーターの表現の奥深さを、ぜひ会場で体感してみてくださいね。 創作の背景と「原画を見る」体験—担当学芸員インタビュー [caption id="attachment_24075" align="alignnone" width="750"] 千葉市美術館 学芸員の庄子真汀さん(左)と山下彩華さん(右)[/caption] 「ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード」展を通して、イラストレーターの創作を多角的に知ることができましたね。 ここからは、本展を担当する、千葉市美術館 学芸員の庄子真汀さん、山下彩華さんへのインタビューをお届けし、展覧会を作るプロセスをひも解きます。 日本国内で巡回展を行う6つの美術館を代表して、BIB2023の開催地であるブラチスラバを訪れたお二人。現地での取材をもとに企画を提案し、巡回展を担当する各館のメンバーと展覧会を作り上げたそうです。 インタビューでは、デジタル技術を取り入れた表現が増えていることにも注目しながら、絵本の原画を見る体験について伺いました。 ※以下、敬称略 現地での取材をもとに作り上げた展覧会 [caption id="attachment_24089" align="alignnone" width="750"] 庄子さんが担当された「ザ・キャビンカンパニー」の展示[/caption] ——巡回展の企画はどのように作られたのでしょうか? 庄子:巡回展は2年に1回開催していますが、構成や特集は毎回異なります。その年のBIBの内容に合った展覧会を作りたいと思っているので、まずは現地に行って、どのような作品がエントリーしているのかをチェックします。 また、誰が受賞したのかという情報も、現地で審査結果を聞いて初めて分かるんです。 山下:受賞作をメインに紹介するのか、それとも特定の国を特集するのか……など、滞在中に庄子さんと話し合いました。私たちの意見で共通していたのは、BIBの賞はイラストレーターに贈られるものなので、作家個人がフォーカスされるような企画にしたいということです。彼らの世界観を紹介できるような構成にしたいと話しました。 [caption id="attachment_24090" align="alignnone" width="750"] 本展の会場では、BIB2023を現地取材した様子も展示されています。[/caption] ——展覧会を3つのキーワードで構成するというアイデアも、ブラチスラバ滞在中に生まれたのでしょうか? 山下:そうですね。BIBの会期中、公式で審査員評が発表されるので、その内容がひとつの軸になりました。さらに、視察を通して感じたことをもとに、キーワードをたくさん出し合いました。それらをカテゴライズし、最終的に残ったのが3つのキーワードだったんです。 庄子:賞という観点とはまた違う角度で作品を紹介できないかと考え、キーワードで展示する企画を立てました。 山下:もちろん受賞したという事実は重要なのですが、イラストレーターが何を作ったのかという本質的な部分を伝えたいという気持ちは、庄子さんと共通していました。 グランプリ、金のりんご賞、金牌と順番に紹介するのではなく、キーワードで展示することで、フラットに作品を見ていただけるのではないかと感じます。 ——BIB2023には、36か国から総勢275名の作家が出展し、原画の数は2,000点を超えていたと聞きました。膨大な原画の中から、巡回展で紹介する作品をどのようにピックアップされたのでしょうか? 庄子:各国のブースを巡り一点一点見ていくと、「明らかに光るものがある」と感じる作品に出会います。魅力的だと感じた作品は、二人とも共通していましたね。じっくり眺めていると、「この国の作品が面白い」「この作家を日本でも紹介したい」というポイントが徐々に見えてきます。 山下:巡回展の出品作を選ぶ際も、公式の審査員評がひとつの柱になります。 また、庄子さんが言った通り、私たちが受けた印象も大事にしています。巡回展の企画は6つの美術館で行うのですが、現地取材に行けるスタッフは限られているんです。なので、私たちの目で見たことをすべて報告し、どういう企画が立てられるかを全員で練っていきました。 デジタル技術の発展と原画のありかた [caption id="attachment_24091" align="alignnone" width="750"] BIB2023で金のりんご賞を受賞したダニ・トゥレン『一等車の旅』の展示風景。手描きとデジタル技術を融合させて、独自の表現を生み出しています。[/caption] ——BIBにエントリーした作品を見ると、デジタル技術を取り入れているイラストレーターが年々増えている印象を受けます。原画と聞くと肉筆をイメージするのですが、デジタルでの表現についてどのように感じていますか? 山下:私自身、現地を訪れてみてデジタル技術を使った作品が想像していた以上に多いなという印象を持ちました。それが良いか悪いかではなく、表現が多種多様になった事実を示しているのだと思います。時代を経て、表現の幅が広がっていくのは自然なことだと感じます。 ——お二人がインタビューしたスロバキアのイラストレーター、リュボスラウ・パリョさんも、「デジタル技術はタイプの違う”筆”だと思っています」(※)と話していました。 山下:肉筆で描いているから良いとか、デジタルで描いているから劣っているとか、両者に優劣はないと考えています。パリョさんがおっしゃる通り、手描きでもデジタルでも、良い作品にはやはり魅力を感じます。 たとえば、BIB2023で金のりんご賞を受賞したダニ・トゥレンさんは、手描きのイラストレーションをPhotoshopで編集していますが、デジタル技術を取り入れているからこそ、彼の独自の表現が生まれています。 ※引用元:「スペシャル・インタビュー リュボスラウ・パリョ」『ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード』足利市立美術館、うらわ美術館、喜多方市美術館、千葉市美術館、砺波市美術館、横須賀美術館編集および発行、2024年、p.75 ——トゥレンさんが原画として出展されているのは、手描きのイラストレーションではなく、Photoshopでレタッチした後の作品ですね。 庄子:彼が完成形として加工したものを原画として出品しているように、どの段階のものを原画と定義づけるのかは、やはり作家自身が定めていく部分が大きいと感じます。 山下:何を原画とするのかは、作家の制作プロセスにおいてデジタルによる表現がいかに重要であるか、どのように作用しているのかがポイントになると思います。 絵本の原画を見る体験—アートに触れる入り口 [caption id="attachment_24092" align="alignnone" width="750"] 山下さんが担当された堀川理万子さんの展示[/caption] ——お話を伺って、作家の制作プロセスと原画が深く関わっていることを理解でき、巡回展でスケッチやインタビューを紹介している理由がよく分かりました。原画以外に何を出展するのかは、どのように決められたのでしょうか? 山下:毎回原画に加えてプラスアルファで作品をお借りしているのですが、今年は日本代表を務めた10組全員に取材することが決まり、巡回展のメンバーで担当を分けながら、直接お話を伺える方にはお一人ずつ会いに行きました。出品作を軸にお話を聞く中で出てきた作品や、普段の制作が伝わるものを関連資料としてお借りしています。 [caption id="attachment_24093" align="alignnone" width="750"] きくちちき 絵本『ともだちのいろ』に登場する動物の陶作品[/caption] 庄子:きくちちきさんの関連作品のひとつとして、絵本『ともだちのいろ』に登場する動物の陶作品を展示したのですが、絵本を制作する途中で手遊び的に作っているという点が面白いと感じました。 絵本は色々な工程を踏んで生まれるもので、もちろん原画が最大の構成要素ですが、そこに至るまでのプロセスが本当に面白いメディアだと思います。 山下:私が取材した堀川理万子さんはタブロー作家でもあり、タブローがどのように絵本の制作に影響してるのかを展示で見せたいと考えました。 今回お借りした《いちごの風景》という作品は、絵本『海のアトリエ』で絵描きさんが制作した絵として登場するんですよ。自分を表出する媒体が、タブローから絵本へと飛び越えていくのが、堀川さんの魅力だと感じます。 ——イラストレーターの表現に様々な角度から触れることで、原画の見方が変わりそうですね。最後に、絵本の原画を見るという体験について、お二人が感じていることを教えていただけますか? 庄子:BIBに関して言えば、出品作品は近年出版された絵本を対象にしているので、最新のイラストレーションの幅広さを感じられるのが原画を見る楽しみなのではないかと考えています。純粋に作品として、表現を楽しんだり、驚いたり、感動したりできるのが魅力的です。 私も絵本が好きで、もちろん出品作はすべて読んでいますが、美術鑑賞と同じ感覚で作品を見て素敵だなと思います。 山下:私は、いろんなところで言われていますが、「絵本が子どもたちにとって最初の美術の入り口になる」と考えています。BIBは、絵本としての完成度というよりも原画の芸術性が評価されるのが大きな特徴です。絵本が入り口となり作品に触れられる機会を作るのは、美術館として展示をするひとつの意義だと感じています。 原画にはすごくパワーがあるので、実際に見ていただくことで、イラストレーターの息遣いや思いまで感じ取れると思います。 “原画を見る”体験がひらく世界 [caption id="attachment_24094" align="alignnone" width="750"] パロマ・バルディビア『問いかけの本』の展示風景[/caption] 世界各国を代表するイラストレーターの作品が集まる、千葉市美術館の『ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード』展。 一人一人の作家にフォーカスした展覧会を通して、絵本の原画を入り口に創作のプロセスを深く知ることができました。原画という作品そのものに出会うことで、絵本で見るのとはまた違った体験ができるでしょう。 なお、千葉市美術館開館30周年を記念して企画された特集展示「千葉市美術館とBIBの20年」(同館7階で開催中)では、20年にわたって千葉市美術館で紹介してきたBIB展を、受賞作絵本とともに振り返ることができます。 ぜひ会場に足を運び、各地で活躍するイラストレーターの作品に触れてみてくださいね。 (取材協力:千葉市美術館 学芸員 庄子真汀様、同館 学芸員 山下彩華様、同館 広報 磯野愛様) 《展覧会情報》 「ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード」 会期:2025年3月22日(土)〜5月18日(日) ※休室日:4月7日(月)、14日(月)、21日(月)、28日(月)、5月7日(水)、12日(月) 会場:千葉市美術館(千葉県千葉市中央区中央3-10-8) 主催:千葉市美術館、朝日新聞社 https://www.ccma-net.jp/exhibitions/special/25-3-22-5-18/ 《巡回情報》 2025年5月24日(土)〜7月6日(日)足利市立美術館 2025年7月12日(土)〜8月31日(日)うらわ美術館 2025年9月13日(土)〜11月3日(月・祝)横須賀美術館 2025年11月15日(土)〜2026年1月12日(月・祝)砺波市美術館 《参考文献・資料》 ・『ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード』足利市立美術館、うらわ美術館、喜多方市美術館、千葉市美術館、砺波市美術館、横須賀美術館編集および発行、2024年 ・「千葉市美術館ニュース「C'n」(シーン)115号」千葉市美術館編集・発行、2025年2月4日 文/浜田夏実 アートと文化のライター。武蔵野美術大学 造形学部 芸術文化学科卒業。行政の文化事業を担う組織でバックオフィス業務を担当した後、フリーランスとして独立。「東京舞台芸術祭」の事務局スタッフや文化事業の広報、アーティストのサポートを行う。2024年にライターの活動をスタートし、アーティストへのインタビューや展覧会の取材などを行っている。 note X

アート

【アナログイラスト初心者向け連載】第11回~花の描き方~

頭の上に明るい白色や薄ピンク色の桜が広がり、春の訪れを感じますね。 たくさんの色彩や種類のある春のお花の中で、皆さんの好きなお花はなんでしょうか。 寒い冬も街を見ればクリスマスローズや椿などが咲いていますが、暖かくなると一気に花壇や公園などにカラフルなお花が増えていきます。 前回は動物の毛並みの描き方でした。 動物の毛並みに比べると、花の形は凸凹が少なくてシンプルなのでとても難しく感じました。 形の特徴が分かると描きやすいので、今回は平面的なパンジー、コップのような形のチューリップ、チューリップよりも花びらの枚数の多いバラを描いていきます。 それではメイキングを始めていきます! パンジー パンジーは5枚の花弁から成り立っています。(花弁をこれから花びらと言い換えて説明していきます) 平面的なお花ですが、模様の描き方を2種類の技法で描いてみます! にじみ(第4回水彩基本編)とスクラッチ(第5回水彩応用編)をぜひ比較して見てください。 下書き。5枚の花びらをよく観察する。 模様や影は自分の描きやすいように必要なら線で描く。 花びらを水で塗り、湿らせて色を塗っていく「ぼかし」の技法で一層目を描く。 色の塗りムラが、花びらのひらひらとした薄さを表せるので、ムラを楽しむ。 二層目、色を重ねて濃くしていく。模様も一緒にどんどん描き込む。 中央の模様を細い筆で描く。 左のピンクのパンジーは塗った後、ぬれているうちに筆の後ろの硬いところで「スクラッチ」して模様を出す。ひっかいた溝に顔料が集まって線が濃くなる。 影を柔らかい印象にしたいので「にじみ」と「ぼかし」の技法で紙に水を引いてから影の色を加えたり、ブルーをのせて水で伸ばしていく。爽やかな晴天の下にあるようなブルーの影色を加えていく。 パンジーの周りの背景にも青を入れると平面的な花が浮かび上がってくる。背景にグリーンを加える。 全体のバランスをみて、模様をもう一度上から重ねるように加筆する。花の色を濃くして完成。 [video width="1920" height="1080" mp4="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/04/名称未設定のデザイン-5.mp4"][/video] チューリップ 続いて、チューリップの描き方です。ワイングラスや深めのコップをイメージすると描きやすいです。シンプルな形だからこそ、ゆったりとした筆さばきで、いつもより太めの筆を使いましょう。パンジーとは反対に、花の彩色に入る前に、先に影から描き始めるグリザイユ技法で描いていきます。 よく観察して鉛筆で形をとる。ここは輪郭だけ取れればOK。 紙全体を水で塗り、湿らせて背景から塗っていく。 チューリップの発色を良くしたいのでチューリップは紙の白を残す。 グリザイユ技法という先に影を入れる技法で描いていく。 晴れた日の外のような爽やかさを出すために、影はブルーにする。 よく乾かしたら影の上に色を重ねていく。一層目を塗ったところ。柔らかい雰囲気にするために、花は「にじみ」の技法でピンク色をのせる。 二層目の花のピンクを重ねる。ここで筆を細い筆に変えて、部分的に重ねると濃淡が浮き出てイキイキとしてくる。細い筆で花びらの際をなぞると、ピリッと引き締まり、花びらの薄さが表出する。 二層目の葉を塗る。太めの筆に持ち替えて、力を抜いて筆を動かす。 全ての葉っぱが同じにならないように意識して、一枚ずつ色を変えると立体感が出る。 葉っぱの色が足りないので3層目にフレッシュなグリーンを上に重ねて完成。 [video width="1920" height="1080" mp4="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/04/名称未設定のデザイン-3.mp4"][/video] バラ 最後に、バラを描いてみました。 花びらが多く、複雑な形なので、影の色を何色も使用するとボリュームが出ます。口元が大きめのコーヒーカップのような形をイメージしてみてください。 イエローのバラには、ブルーと、ブルーに紫を混ぜた紫、そして濃いイエローの3色の影の色を使用しています。 よく観察して鉛筆で形をとる。花びらは上を向いている面と側面の2つのどちらが見えているか意識してここは輪郭だけ取れればOK。 バラの中に入っている色を背景に使います。 イエローとグリーンなので、これに近い色を滲ませて背景に入れます。先に紙を湿らせて「にじみ」の技法で、花以外の茎や葉にも重ねて塗ります。 発色のいいレモンイエローと、オレンジに近いイエローの2色で花の一層目を塗ります。茎の周り360°広がって葉がつくので、葉は手前を濃いグリーン、奥を薄いグリーンにします。空気遠近法で遠くが薄く見える仕組みをこの葉っぱにも応用します。 最初に述べたように花の影の色を3色使用していきます。まずは明るいブルーでで。 ③で塗ったところよりも暗い影に、紫を使用していきます。 このとき同じ空間にあるので、葉の影にも加えます。 オレンジに近いイエローで、暗いところを上から重ねて塗ります。 花の中の影を入れ終えて乾いたところ。 チューリップと同様に、細い筆で花びらの際をなぞると、ピリッと引き締まり、花びらの薄さが表出する。葉っぱのキワや葉脈を描いて完成。 [video width="1920" height="1080" mp4="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/04/名称未設定のデザイン-4.mp4"][/video]   いかがでしたでしょうか。 太めの筆を使用して、水もいつもより少し多めにして、肩の力を抜いて乾かしながら描くと、のびのびと生命力に溢れるお花になります。 明るく美しい色彩なので、重ね塗りも最小限にするのがポイントです。 今回、メイキングを作るにあたって、たくさんのパンジーやチューリップ、バラを改めてよく観察する機会となりました。パンジーもチューリップも、バラも、こんなに色の組み合わせや形があるなんて! 品種改良され続けておしゃれに進化を続けるお花たち。 自分がパッと思いつく花びらの形や色ではないお花の姿に出会えるかもしれません。 バラが描ければ、ラナンキュラスや芍薬なども同じように描けると思います。 ぜひ挑戦してみてください。 池田幸穂 絵描き / Gallery MoMo 所属 / 武蔵野美術大学卒業後、個展多数。ワークショップ等。海外のアートフェアに参加。図書館に作品常設。 Instagram @sachiho_ikeda [clink url="https://picon.fun/illustration/20240216/"] [clink url="https://picon.fun/illustration/20240319/"] [clink url="https://picon.fun/illustration/20250224/"] ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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紙の製造工程が家で見られる!?大和板紙株式会社のオンライン工場見学に参加してみた

本、パッケージ、パンフレット、封筒、ノート、タグ……。身の周りを見渡すと、さまざまな紙製品が日常を彩ってくれています。 ペーパーレス化が叫ばれて久しいですが、紙はまだまだクリエイターにとって欠かせない素材の1つ。特にデザインやイラストに携わるクリエイターの皆さんは、作品に応じて最適な紙を選んだり、紙を使った表現の引き出しを増やしたりするためにも、紙という素材への理解を深めておいて損はありません。 今回は、数ある紙の種類の1つ「板紙」を製造している大阪の企業、大和板紙株式会社がオンラインで工場見学会を実施していると知り、参加してみました! 普段見ることのできない製紙工場の内部を見られるだけでなく、紙の成り立ちについて学べる大充実の見学でした。 内容をレポートしますので、興味が湧いた方はぜひ参加してみてくださいね。 文/ヤグチサトコ(ライター/ペーパーアドバイザー) 大和板紙株式会社とは? [caption id="attachment_22817" align="alignnone" width="750"] ※出典:大和板紙株式会社HP[/caption] 大阪府柏原市にある、創業70年以上の歴史を持つ製紙会社です。 「板紙(いたがみ)」と呼ばれる厚い紙を製造されています。 大和板紙の特徴は大きく2つ。 1つ目は、カラフルな板紙や樹皮を混ぜ込んだ板紙など、さまざまな特徴を持つユニークな紙を開発・製造されていること。 2つ目は、ほとんどの製品が古紙配合率70%以上の再生紙であること。他の製紙メーカーでは扱うことが難しい牛乳パックや酒パックといった難処理古紙を積極的に使用しているそうです。 大和板紙の板紙はデザイナーからの人気が高く、並製本の表紙やお菓子のパッケージなど、さまざまな紙モノで採用されています。 もしかしたら、知らないうちに手に取ったことがあるかも!? オンライン工場見学の参加方法 大和板紙のオンライン工場見学は、月に1回開催されています。Zoomが使えれば誰でも参加OK!参加費もかかりません。 下記のページから必要事項を記入してフォームを送信すれば、前日までに申し込んだメールアドレス宛にZoomのURLが届きます。 https://daiwaitagami.com/company/factory-tour/ 当日はカメラオフで参加できますので、顔を出す必要はありません。あくまでも気軽に、参加のハードルを低くしていただいているところがありがたいですね。 オンライン工場見学レポート それでは、工場見学の様子をレポートしていきます! 事前説明 当日はメールアドレスに届いたURLをクリックして、入室します。定刻になるとお話がはじまり、まずは事前説明として企業理念や大和板紙の特徴についてお話くださいました。 司会の方のわかりやすい説明を「ふむふむ」と聞いていると、なんと参加型のクイズがスタート! 次のうち、大和板紙で再生が難しい紙はどれでしょう? A:缶ビールの6本セットの包み紙 B:紙コップ C:養生シート 参加者はチャット機能を使って回答します。 筆者はなんと、正解できました!まぐれですが……。 読者の皆様はA・B・Cのどれが正解だと思いますか? 答えが知りたい方は、ぜひオンライン工場見学に参加して、確かめてみてくださいね。 続いては設備の概要と古紙から板紙ができるまでの工程の解説です。 実は、紙の作り方には2種類あり、「単層抄き」と呼ばれる1枚の層で作る方法と、いくつもの層を重ねて作る「多層抄き」があります。板紙はほとんどが多層抄きで作られ、大和板紙の製品も多層抄きです。大和板紙には抄紙機(紙を作る機械)が2台あり、1号機は8層、2号機は9層の紙を作っているそうです。 (※事情により本記事には掲載できませんでしたが、見学中はスライドを見ながら、視覚的にもわかりやすく解説していただきました。) そして原料を仕入れてから板紙ができるまでの工程を、イラストを交えながら解説していただきました。「パルパー」「チェスト」「ピーター」「プレス」……などなど様々な機材を経由しながら原料がだんだんと加工されていき、板紙として完成されていきます。 知らない機械の名前がたくさん並んでいて、「ついていけないのでは……?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、見学では1つ1つの機械について、どういう作業を行うものなのかを丁寧に説明してくださいます。知識がなくても置いてきぼりにされることはありません。わからないことがあれば、その場でチャットを使って質問することも可能です。 もちろん機械の名前まで覚える必要はなく、「こんな風に紙が作られているのか」というのを体感するだけでも十分、紙に対する解像度が上がると思います。 手すき実験 工程の解説の後は、工場の方による手すき実演が始まりました。 なんとリアルタイムで新聞紙から再生紙を作ってくださいます! 実際の機械のどの部分に該当する工程なのかを丁寧に説明しながら作ってくださったので、先ほどの事前説明で聞いた内容の復習ができました。 いよいよ工場内へ! カメラが工場内へと切り替わり、工場見学のスタートです! 今回、作られていたのは「DKホワイトF」という板紙。飲料容器古紙を使用し、ナチュラルな雰囲気が魅力の白い紙です。 まずは、パルパーという紙を溶かす機械に原料であるお酒パックが投入されていきます。今回は約500㎏の古紙を投入したとおっしゃっていました。このあと約1時間にわたり、機械の中で古紙の繊維がほぐされます。 ほぐされた繊維は、パルパーの底にある直径7㎜の穴の中から次のチェストと呼ばれるタンクの中に送られ、異物除去装置などの機械を通って、約3時間後に紙になって出てきます。そしてこの大きな機械が紙を作るメインの機械、抄紙機です。 左が1号機、右が2号機です。 基本的には同じ構造ですが、バットと呼ばれる紙の層を作るための原料が入っている入れ物が1号機は8個、2号機は9個ついています。1つ多く層を作れる分、2号機の方が厚い紙を作ることができます。 バットの中にはワイヤーシリンダーと呼ばれる円柱状の網が入っていて、回転しながら原料をすくいあげ、シート状にします。その後、シートは表面張力を利用してベルト状の毛布に張り付けられ、次の工程に進みます。ワイヤーシリンダーが回転している様子は、事前に撮影された動画で見せてくださいました。   次は、プレス工程と呼ばれる水を絞る工程です。 バット層で作られた直後の紙は水分率が約90%もありますが、プレス工程で圧をかけて水分を絞り、最終的には約55%まで下げられます。 続いては乾燥(ドライヤー)工程です。 上下交互並んだ蒸気の入ったドライヤーシリンダーに沿わせながら紙のシートを乾燥させます。 ドライヤー工程が終わると、普段私たちが触っている紙の水分率である約7%にまで下がっています。 ドライヤーから出た紙は、表面がボコボコで、ざらざらしています。そこで、紙の厚みを均一にし、印刷適性を上げるためにカレンダーと呼ばれる工程に進みます。カレンダー工程は、紙にアイロンをかけるようなもの。たくさん並んだロールの間を通って下から出ていく間に、紙がフラットになります。 その後は検知器で異物がないかをチェック。 検知器で異物ありと判断された紙は次の紙をカットする工程で弾かれますが、弾かれた紙は最初のパルパーに運ばれ、別の紙の原料として再利用されます。 このように大和板紙では、資源を無駄にしないシステムが構築されており、他にも工場内の水をリサイクルしながら効率良く循環させたり、紙にできなかった部分も燃料としてリサイクルされているそうですよ。 カットされた紙はその後、製品として包装されて完成です。 質問コーナー 最後に質問コーナーがありました。 チャット機能を使って質問すると、工場の方が1つ1つ丁寧に答えてくださいます。 筆者もいくつか質問させていただきました。他の参加者の方の質問も勉強になるものばかりで、とても有意義な時間でした。 最後に 以上、大和板紙株式会社のオンライン工場見学レポートでした。 オンライン工場見学に参加してみて、私たちの手元にある紙はたくさんの工程を経て作られているものなのだと改めて実感しました。 ただなんとなく紙を使うのではなく、素材としての紙について深く知った上で使うと、クリエイティブの質も一段と上がるのではないでしょうか。 オンライン工場見学はその一助になると思います。 誰でも無料で参加できますので、ぜひ参加してみてください! ちなみに、大和板紙では現地での工場見学も随時受け付けされているそうです。興味がある方はそちらもチェックしてみてくださいね。 大和板紙株式会社HP:https://daiwaitagami.com/ 工場見学申し込みページ:https://daiwaitagami.com/company/factory-tour/ X:@daiwaitagami Instagram:@daiwaitagami_book @_daiwaitagami_factory ヤグチサトコ ライター/ペーパーアドバイザー(紙のご相談にのります)。 紙の専門商社に約8年勤務後、インハウスのWebディレクターに転職、その後ライターに。 好きな紙はアラベール。趣味はカメラと美術館めぐり。 note X

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【NDS卒業生の活躍】あさみみちゃんポップアップイベントを渋谷サクラステージにて開催中!

あさみみちゃん×歌舞伎座コラボレーショングッズ販売&ポップアップイベント 「かわよきPOPUPでございます!」が渋谷サクラステージにて開催中! 専門学校日本デザイナー学院 イラストレーション科を卒業した吉野さんが、渋谷のサクラステージで開催中の「あさみみちゃん × 歌舞伎座」コラボ期間限定POP UPショップのグッズデザインを担当しました! LINEスタンプなどでもおなじみの『あさみみちゃん』は、「あなたの気持ちを浅くする寄り添いうさぎ」の女の子。25歳のOLで、日本一のマスコットキャラクターを目指しています。 浅いことしか言わないウサギちゃんなので、「あさみみちゃん」という名前なのだそう。 ポップアップ会場は、あさみみちゃんと仲間たちのグッズやパネルがたくさん!ピンクで統一された店内にテンションが上がります。 ポップアップオリジナルデザインのクリアファイル2種。コレクションしたくなる可愛さ…!使うのがもったいないです。 ランダムキーホルダーも購入。ダニーくんをゲットしました。 また、会場にはミラー風のパネルや、あさみみちゃんたちの等身大パネルが設置されており、フォトスポットも充実!さまざまな楽しみ方ができるポップアップストアです。 ポップアップイベントは4月13日まで開催中 イラストを学んだ学生がこのように活躍していることは、専門学校日本デザイナー学院のスタッフとしても大変嬉しく思います。 専門学校日本デザイナー学院から徒歩わずか5分のサクラステージ。ぜひこの機会に足を運んでみてくださいね! ▶グッズ詳細はこちら https://asamimichan.com/news69/ 展覧会名|あさみみちゃん×歌舞伎座コラボレーショングッズ販売&ポップアップイベント「かわよきPOPUPでございます!」 会 期|2025年3月14日(金)-2025年4月13日(日) 会 場|渋谷サクラステージ SHIBUYA SIDE 3F ときめきSTAGE 時 間|10:00-21:00 入 場 料|無料(フリー入場)   ↓PicoN!アプリインストールはこちら  

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アイドルオーケストラ「アイオケ」 × NDS コラボインタビュー

総合デザイン科ビジュアルデザイン専攻の3年生「新映像演習III」の授業において、アイオケの新曲を使用した Fake OOH を制作する産学官連携プロジェクトを実施しました!指導は本校講師の土井昌徳先生です。 今回は、アイオケのメンバー(リーダー:三田萌日香さん、サブリーダー:ゆゆ・THE・エクスカリバーさん)と制作に携わった学生(下嶋くん、宿利さん)の対談インタビューになります。制作の秘話や今回の映像について沢山語っていただきました。 https://youtube.com/shorts/0PuoqAhyGJ0?si=I5apZx6FbMhF8X9w https://youtube.com/shorts/drWndE-RUxs?si=Zzgvh47ViaYbjCxx   今回、アイオケとNDSがコラボしてみた感想を聞かせてください!楽しかったことや大変だったことはありましたか? 三田萌日香:「やっぱり今、縦型の動画がすごく流行ってるじゃないですか。私たち自身も、縦型のドラマとか撮影することが増えてきていて、"こういう時代になってるんだな~"って改めて感じました!それに、こんな楽しいCGを作ってもらえて…自分たちが映ってるのがちょっと不思議な気持ちです(笑)。でも、こういう動画はこれからもっと流行るんじゃないかなって思いました。」 ゆゆ・THE・エクスカリバー :「個人的には、実際に存在しないものをあるように見せながら撮影するのがすごく難しかったですね。でも、今日こうやって完成した映像を見たら、本当にあるように見えて…もう感動しました!」 下嶋 :「やっぱりCGがあるのとないのとでは、全然違いますか?」 三田萌日香:「めちゃくちゃ違います!CGの細かい部分までこだわっていて、ファンの皆さんが喜ぶような仕掛けがたくさん詰まってて、すごく良かったです。」 ゆゆ・THE・エクスカリバー :「そうそう!例えば、ヴァイオリン担当のメンバーが青色のヴァイオリンを使ってるんですけど、それもちゃんと再現されてたんですよ。しかも、メンバーカラーのハートの風船とかも登場してて…そういう細かい部分まで作り込まれてるのがめちゃくちゃ嬉しかったです!」 学生の2人は今回のコラボを通してどんなことを感じましたか? 下嶋 :「CGを担当しました。アイドルとコラボするのは初めてで、"どういう表現にすれば楽しくなるかな?ファンの人が喜ぶかな?"って考えるのが一番楽しかったです。ただ、メンバーカラーや楽器の色の調整には結構こだわったので、納得いくまでが大変でした…!」 宿利 :「企画を担当しました。今までにない企画を考えるのは本当に大変だったんですけど、アイオケさんらしい映像にできたかなと思います。特に、3Dモデリングを活かした映像や、楽しい雰囲気の曲にぴったりな動画に仕上げられたのが良かったです!」 アイオケのお二人にお聞きします!未来のディレクターやクリエイターである学生たちと一緒にお仕事をしてみて、何かアドバイスはありますか? ゆゆ・THE・エクスカリバー :「実は、学生さんとコラボするのは今回で2回目なんですよ。でも、毎回思うんですけど、学生さんと一緒に作品を作るのって本当に楽しいし、やりやすい。もちろんいい意味でね(笑)。」 三田萌日香:「すごく一生懸命に私たちに向き合ってくれるし、素直に意見を聞いてくれたり、『もっと良くしたい!』って気持ちがめちゃくちゃ伝わってくるんですよ。だから、プロになってもその気持ちをずっと大事にしてほしいなって思います!また一緒にお仕事できたら嬉しいですね。」 宿利 :「ありがとうございます。私たちもまたご一緒できるように頑張ります!」 もし次もアイオケさんとコラボできるとしたら、どんなディレクションをしてみたいですか? 宿利 :「ショートドラマをやってみたいです。今回、アイオケの皆さんが演技もすごくお上手で、私のディレクションがなくても自然に演じてくださったのが感激で…!なので、渋谷だけじゃなくて、全然違う風景の中でも撮影したら面白そうだなって思いました。」 ゆゆ・THE・エクスカリバー :「それめっちゃ良いですね!インスタとかYouTubeのショート動画にも使えそう!!」 下嶋 :「僕は、実体験型のホラー短編ムービーとかMVを作ってみたいです。なかなかアイドルとホラーを組み合わせた映像って少ないと思うので、ファンの皆さんも楽しめるような"体験型"のものにしたら面白いかなって」 三田萌日香:「それ絶対楽しい!もう全部実現させましょう!!」 今回の映像の"ここを見てほしい!"というこだわりポイントを教えてください! 宿利 :「CG部分には特に力を入れたので、細かい装飾とかを注目してもらえると嬉しいです。ファンの人なら気づいてくれそうな仕掛けもあるので、何度も見て楽しんでもらえたらいいなって思います。」 三田萌日香:「めっちゃコアなファンの方なら気づくレベルで細かい部分までこだわってもらったので、ぜひ学生さん2人の努力を見てほしいですね!しかも、新曲のタイトルや歌詞の一部も映像に取り入れてくれてるんですよ!ファンの皆さん絶対喜ぶと思います。」 下嶋 :「今回はFake OOHなので、"いかに本物みたいに見えるか"を意識しました。なので、『これ本物の広告なの!?』って思ってもらえたら大成功です。」 ゆゆ・THE・エクスカリバー :「ほんとそれ!私たちが実際に見ても違和感なくて、トラックが360度作り込まれてるのがすごいなって思いました。あと、後ろにいる"白い犬"みたいなのが可愛かった。」 下嶋 :「あれ実は犬じゃなくて、熊なんですよ(笑)。テディベアが歌詞に出てくるので、それをモチーフにして作りました。」 ゆゆ・THE・エクスカリバー :「えっ、そうだったの!?ごめんなさい!!(笑)」 三田萌日香:「でも、こうやって細かいところに注目して何度も見てもらいたいですね。」 宿利 :「はい!何より、見てくれる人が楽しんでくれるのが一番嬉しいです!」 アイオケ × 日本デザイナー学院のコラボ映像、ぜひチェックしてみてくださいね! アイオケ公式サイト

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毒甘可愛いを描く、イラストレーター・こんぺ伊藤さん PicoN!インタビュー

専門学校日本デザイナー学院を卒業後にゲーム会社勤務・デザイナーを経て、2024年5月からフリーランスのイラストレーターとして活躍中、こんぺ伊藤さん。毒っぽくて可愛いキャラクターと中毒性のある世界観がファンを魅了しています。今回はこんぺ伊藤さんの作品紹介と、現在イラストレーターとしてお仕事をするまでの経緯や「イラストレーター」というキャリアについてお話をうかがいます。   現在フリーランスのイラストレーターとして活躍中のこんぺ伊藤さん!作品のご紹介をおねがいします 毒々しくて甘くて可愛い女の子のイラストをメインに描いています。「中毒性のあるイラスト」をコンセプトに、現在はSNSを中心に作品を公開しています。 ほかにも自主制作でブックレットやポストカードなどのグッズを作っています。   お仕事ではどんなイラストを描いているのでしょうか? 石黒千尋様のVtuber活動1周年記念キービジュアルを担当させて頂きました˚✧₊ pic.twitter.com/rbAALexSa8 — こんぺ伊藤 (@konpe0217) April 28, 2023 最近のお仕事はVtuberのキャラクター制作がとても多いです。Vtuberの方々は記念イベントによってキャラクターのファッションや仕様がバージョンアップすることも多く、そういった季節ごとのご依頼も増えています。一般の方から、グッズのイラストを依頼されることもあります。 私自身、トレンドや流行に乗ってお仕事できるのがとても楽しく、自分のイラストが誰かの為に役立っているのが嬉しいです。   専門学校日本デザイナー学院ではコミックイラストを中心に学んでいましたが、将来はイラストレーターになることを目標にしていたのでしょうか? はい。昔から絵を描くのが好きで、高校生の頃は美術部に所属し、スマホで絵を描いたりしていました。「将来はイラストレーターになる!」ということを視野に、専門学校を選びました。 専門学校日本デザイナー学院が主催している「高校生マンガイラストグランプリ」のイラスト部門で優秀賞を受賞したことをきっかけに、入学しました。   当時はどんな専門学校生活を送っていましたか? クラスメイトが全員、絵を描くのが好きというのがとても刺激的な毎日でした。切磋琢磨し合える仲間がいるのはとても大事だと思います。講師もみなさん現役のクリエイターとして活躍している先生方なので、作品制作においてもクリエイターならではの視点で具体的なアドバイスをもらえるのが嬉しかったです。 あとは、「グラフィックデザイン」の授業があったのは、ポートフォリオを作るときや就職活動の際にもとても役立ったと思います。就職活動の時には自分でいろいろな会社求人をネットで探しましたね。学校のキャリアセンターの先生と履歴書を作ったり、面接練習をしたり、サポートもしてもらいました。   卒業後、ゲーム会社に就職後、どんな業務を担当していたのでしょうか? デザイナーとしてゲームのアバター制作を担当していました。着せ替えのファッションアイテムや小物、など幅広いデザインに携わることができ、また当時の業務がスキルアップ、いまの自分のイラスト制作・お仕事にもつながっていると感じています。 毒地雷ナースちゃん pic.twitter.com/wnbPR3tAah — こんぺ伊藤 (@konpe0217) October 18, 2024 当時はとても忙しく、SNSでの発信はお休みしていたのですが…ふと自分のオリジナル作品を発信しはじめると、たくさんの「好き」という声が届き、フリーランスのイラストレーターとして独立することを決めました。   これからチャレンジしたいことや目標がありましたらぜひ教えてください! ずっと向上心を持ってイラストを描き続けていきたいです。自分の視野・可能性を広げるためにオフラインのクリエイターイベントにも積極的に足を運んでいます。夢は、自分の画集を出すこと!150作品掲載を目標に、これからも頑張っていきたいです。 こんぺ伊藤さん、ありがとうございました!ゲーム会社への就職やVtuberのイラスト制作など、お仕事やキャリアについてもお話いただきました。これからイラストレーターを目指したい方はぜひ参考にしてみてくださいね。今後のイラスト作品もとても楽しみです…!   \\ こんぺ伊藤さん Xにて最新作品掲載中! // @konpe0217   \\ NDSのイラスト体験授業はこちら! // オープンキャンパス・体験授業 ↓PicoN!アプリインストールはこちら    

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