レタッチのプロなら、素人写真も「奇跡の一枚」に変えちゃえる説。vol.2
写真の色彩や写り方を編集する「レタッチ」。撮った写真の色彩や要素などを編集することで作品の魅力を増す大事な工程ですが、まだ写真を学んだことがない人には、その重要性・必要性はあまりピンとこないかもしれません。
今回はフォトレタッチの魅力をお伝えすべく、レタッチャーで日本写真芸術専門学校講師の羽立孝先生に、写真シロウトの私(編集部・佐藤)が撮った写真のレタッチを依頼。「プロのレタッチャーがシロウト写真をガチで編集したら、どのくらい見違えるのか?」検証するとともに、作業の流れも解説していただきました。
第2回となる今回は、レトロな情緒のある工場の写真をレタッチします!
解説:羽立孝(レタッチャー/日本写真芸術専門学校講師)
レトロな工場写真をレタッチ!
今回も、主役である「工場」がより強調されるようにレタッチしていきます。
引き続き全体を調整するようにCameraRawを使いながら全体のトーン調整をしていきます。
より工場のディティールが出るように、全体を暗くしましょう。また、空の色が濁っているのでカラーミキサーで青の彩度を上げていきます。
さらにここから手前の地面が日を受けて明るいので目が行きがちです。さらに暗くして工場に目がいくようにして行きたいと思います。
CameraRawで簡易的にマスクをブラシで作成し選択した部分にのみ効果が適用されるようにしていきます。地面を暗くしていくのでそのマスクした部分を露出で暗くしていきます。
地面が暗くなることで、工場に差す太陽の光が強調され工場がより手前に出てくるようになります。
ここから「Photoshop」での作業へ移行。カメラを上に向けたレンズ感が強いので、自由変形で形を整えます。
最後に全体のシャープネス・明瞭度を上げつつ、青以外の彩度を少し下げて写真全体の重厚感を演出していきます。
今回も、メインツールとして「CameraRaw」を使用しました。Rawデータを現像する際に使うことがメインではありますが、細やかな編集をする前にも、全体の方向性やバランスを整えていく際にも活用できるので「何をメインにするか」を考えながら絵づくりしてみるとより目的の沿った編集ができるようになるかと思います。
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①重厚な質感の被写体(工場など)については、全体を暗くすることで影のディティールを演出する
②周囲を暗くすることで、メインの被写体を目立たせる
③画角が不自然だったり、不格好だったりする場合は、Photoshopの自由変形機能で整える
今回はこんな技術を使い、工場写真をレタッチしました。皆さんもぜひトライして、お気に入りの写真をさらに魅力的にしてみましょう!
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