
アート× 旅 トルコ《イスタンブール》ーアジアとヨーロッパが交わる地ー
旅の目的は人それぞれ。有名観光地に訪れることはもちろん、ショッピングやグルメなど楽しいことがたくさんありますが、旅の目的の一つとしてオススメしたいのは、その訪れる国、地域にある美術館・博物館を訪ねること。その国の文化を深く知り、学ぶには最も適した場所です。
筆者が旅をしたのは、トルコ《イスタンブール》。数ある美術館・博物館の中から選んだ3つの美術館をご紹介します。
アラ・ギュレル美術館 − Ara Güler Müzesi −
アラ・ギュレル(1928-2018)は「イスタンブールの目」と呼ばれているイスタンブール生まれの写真家。この小さな美術館は有名観光地から少し離れた場所にありますが、写真が好きな方には必ず訪れてもらいたい場所です。
訪れた時は、8月31日まで開催中の「Istanbul Awakens」展を鑑賞しました。ガラタ橋、金角湾などイスタンブールの街並みとそこで生活する人たちを写したモノクロ写真や、彼が使用していたカメラや暗室機材が展示されています。彼の写真は、当時のトルコの人々の暮らしや表情を鮮やかに刻んでいます。ぜひ、イスタンブールを数日観光してから美術館に足を運んでみてください。自分自身が訪れた場所の記憶とアラ・ギュレルの視点の交錯を体験することができます。
公式HP:https://aragulermuzesi.com/
<開館日>
火曜日 – 土曜日 10:00 – 18:00
日曜日 12:00 – 18:00
<入場料>
無料 ※2025年8月20日現在
ペラ美術館 − Pera Müzesi−
規模はそこまで大きくないですが、企画展・常設展ともにとてもバランスよく展示されており、見応えのある美術館です。観光名所のタクシム広場から活気のあるイスティクラル通りを歩いてペラ美術館へ向かうルートがオススメです。
この美術館で特に印象的だったのは、細部までこだわりを感じる展示の空間デザインです。各フロアのエレベーターのドアにはその階の展示作品がプリントがされていたり、展示ごとに見せ方がはっきり変わるため「次の階はどんな展示だろう」と期待ができます。
常設展では、オスマン・ハムディ・ベイの名画『亀の調教師』(1906)を見ることができます。必見です。
公式HP:https://www.peramuseum.org/
<開館日>
火曜日 – 土曜日 10:00 – 19:00
金曜日 10:00 – 22:00 ※18:00-入場料無料
日曜日 12:00 – 18:00
<入場料>
一般:300TL(約1,082円)※2025年8月20日現在
イスタンブール現代美術館 − İstanbul Modern Sanat Müzesi −
海に面した、透明感のある建物。ご紹介する美術館の中では、一番大きな美術館です。ぜひ、3階のテラスにも足を運んでください。たくさんのカモメが羽休めをしている姿や、ガラタ塔がある街並み、ボスポラス海峡を一望できる作りになっています。
今回は、糸を用いたインスタレーション作品で活躍されている現代美術家・塩田千春さんの個展「Between Worlds,」も鑑賞できました。トルコと日本の国交樹立100周年を記念して催されており、来年1月25日まで開催中です。他にも、別の企画展の中で、奈良で製造されている墨の工芸技術を写した映像作品が流されていたり、ここトルコで日本に触れたのは不思議な感覚でした。
公式HP:https://www.istanbulmodern.org/
<開館日>
火曜日 – 土曜日 10:00 – 19:00
金曜日 10:00 – 22:00
日曜日 12:00 – 18:00
<入場料>
一般:700TL(約2,524円)※2025年8月20日現在
いかがでしたでしょうか。
海外の美術館・博物館では、作品解説などが母国語ではないため鑑賞のハードルが高いと思われるかもしれませんが、だからこそ、文字情報を入れずに作品を素直に感じるまま鑑賞してもらえたら、なかなか日本では見られないアーティスト作品の表現・色彩感覚を学ぶことができます。
ぜひ、旅行に行く際にはその国と地域の美術館・博物館に訪れてみてください。きっと、新しい発見がありますよ。
PicoN!編集部 武田
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